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キウイ種子エキス KIWI SEED EXTRACT 抗ニキビ・抗シワ・抗くま・美白・抗炎症 ORYZA OIL & FAT CHEMICAL CO., LTD. Ver. 3.4 JT キウイ種子エキス-P (粉末、食品用途) キウイ種子エキス-PC (粉末、化粧品用途) キウイ種子エキス-LC (水溶性粉末、化粧品用途) 食品,化粧品素材 キウイフルーツ油 (油、食品・化粧品用途) キウイ種子エキス-WSP (水溶性粉末、食品用途) キウイ種子エキス-WSPC (液体、化粧品用途)

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  • キウイ種子エキス KIWI SEED EXTRACT

    抗ニキビ・抗シワ・抗くま・美白・抗炎症

    ORYZA OIL & FAT CHEMICAL CO., LTD.

    Ver. 3.4 JT

    ■ キウイ種子エキス-P (粉末、食品用途)

    ■ キウイ種子エキス-PC (粉末、化粧品用途)

    キウイ種子エキス-LC

    (水溶性粉末、化粧品用途)

    食品,化粧品素材

    ■ キウイフルーツ油 (油、食品・化粧品用途)

    ■ キウイ種子エキス-WSP(水溶性粉末、食品用途)

    キウイ種子エキス-WSPC

    (液体、化粧品用途)

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    1.はじめに

    キウイフルーツ(Actinidia chinensis Planch.)は,中国の中・南部が原産であり,

    20 世紀に入ってからニュージーランドに渡り,優れた品種が多く育成されてきました。果実の外観がニュージーランドの国鳥「KIWI」の幼鳥に似ていることからキウイフルーツと名付けられました。1966 年に日本に紹介された後,1970年代後半から栽培が始まり,現在は年間 4万 t前後の生産量があります。 キウイは雌雄異株のつる性植物であり,果実は卵状もしくはほぼ球形の液果

    です(図 1)。開花期は 4~6月で,8~10月に結実します。自生品は,山の斜面,林の周辺,あるいは低木の茂みの中に生えます。中国では彌猴桃(ビコウトウ)

    と呼ばれ,漢方薬として用いられています。“本草綱目”には,「酸,甘,寒,

    無毒。主治として,主骨節風(風熱による関節の痛み),たん緩不随(中風によ

    る肢体の麻痺),長年白髪(白髪を黒髪にする),痔病を治す」と記述されてい

    ます。さらに,“開宝本草”には,「暴渇(のどが急激に渇いて水ものを欲する

    病症)を止める,熕熱を解く,石淋を下す。熱壅反胃(胃熱がふさがれて胃気

    が逆上する)は生姜の汁と合わせて服用すると良い」と記述されています。し

    かし,これらは果実に関する作用であり,種子についての記述はなく,種子は

    これまでもっぱら化粧品用のオイルを採る目的で使用されてきました。 オリザ油化では,キウイ種子抽出エキスの美容機能を調べた結果,ニキビの

    発生原因とされるジヒドロテストステロンの生成抑制作用(5α-レダクターゼ阻害作用)や Propionibacterium acnes(アクネ菌)由来リパーゼに対する阻害作用を見出しました。さらに,シワに対する改善効果やくまの色差改善作用も確認

    されました。また,キウイ種子から抽出された油は,α-リノレン酸が豊富なシソ油と極めて類似した脂肪酸組成であるとともに,かつトコトリエノールが含

    有されていることも明らかになりました。キウイ種子エキスとキウイフルーツ

    油は,新たな美容素材として,美容食品や化粧品の配合原料として,幅広くご

    利用頂けるものと考えています。

    美容食品素材

    キウイ種子エキス KIWI SEED EXTRACT

    図 1. キウイ果実と種子

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    100

    32.9

    2.35

    0

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    80

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    120

    ポリフェノール含量

    %(種子を100とした)

    種子

    果皮

    果肉

    2. キウイ種子の機能性および含有成分 当社において,キウイ種子から油を抽出し,脂肪酸組成を調べたところ,キ

    ウイフルーツ油には,シソ油と同様にアレルギー体質の改善効果があるα-リノレン酸が豊富に含まれていることが確認されました。また,コレステロール低

    下,動脈硬化改善および生体内抗酸化作用を有するトコトリエノールとトコフ

    ェロールが含有されていることも明らかになりました。 一方,その他の成分の研究はほとんど行われていませんが,キウイ種子と種

    子以外(果皮,果肉)の部分から得られたエキスのポリフェノール含量を測定

    した結果,種子に一番多くのポリフェノールが

    含まれていることが,明らかになりました(図

    2)。そこで,キウイ種子エキスに含有されるポリフェノールの単離・精製を行った結果,これ

    までにフラボノール配糖体の quercitrin とkaempferol 3-O-rhamnosideを単離同定しました(図 3)。これら成分の薬理作用として,肝障害改善作用 1) が報告されています。また,

    quercitrinには,advanced glycation end product(AGE)形成阻害活性(毛細血管障害抑制)2),チロシナーゼ阻害活性 3)が認められています。

    さらに,quercitrin の抗炎症作用は有名で,生体内で quercetin を放出するプロドラッグとして働き 4),NF-kappaBや iNOS発現抑制 5)に基づく抗炎症作用を示します。また,ラット腸炎モデルにおける有効性も著名な

    科学雑誌に掲載されています。6,7)その他,糖尿病合併症に関与するアルドース

    レダクターゼ阻害活性 8,9)や止瀉作用 10)が報告されています。これらの作用は,

    類似骨格をもつ kaempferol 3-O-rhamnosideにも期待できます。 これらの結果から,キウイの種子から得たエキスには,他の部位と比較して,

    高い機能性があることが示唆されました。

    O

    OH

    OHHO

    OH OO

    HOHOH

    OH

    CH3

    quercitrin(quercetin 3-O-rhamnoside)

    O

    OH

    HO

    OH OO

    HOHOH

    OH

    CH3

    kaempferol 3-O-rhamnoside

    図 3. キウイ種子エキスの含有成分

    図2. キウイ含有ポリフェノール量の部位別比較

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    参考文献 1) Matsuda H., Ninomiya K., Shimoda H., Yoshikawa M. Hepatoprotective principles from the

    flowers of Tilia argentea (Linden) :Structure requirements of tiliroside and mechanisms of action. Bioorg. Med. Chem. 10, 707-712, (2002).

    2) Hanamura T., Hagiwara T., Kawagishi H. Structural and functional characterization of polyphenols isolated from acerola (Malpighia emarginata DC.) fruit. Biosci. Biotechnol. Biochem. 69, 280-286, (2005).

    3) Jeong CH, Shim KH. Tyrosinase inhibitor isolated from the leaves of Zanthoxylum piperitum. Biosci Biotechnol Biochem. 68, 1984-7,(2004).

    4) Comalada M, Camuesco D, Sierra S, Ballester I, Xaus J, Galvez J, Zarzuelo A. In vivo quercitrin anti-inflammatory effect involves release of quercetin, whichinhibits inflammation through down-regulation of the NF-kappaB pathway. Eur J Immunol. 35, 584-92, (2005).

    5) Camuesco D, Comalada M, Rodriguez-Cabezas ME, Nieto A, Lorente MD, Concha A, Zarzuelo A, Galvez J. The intestinal anti-inflammatory effect of quercitrin is associated with aninhibition in iNOS expression. Br J Pharmacol. 143, 908-18, (2004).

    6) Sanchez de Medina F, Vera B, Galvez J, Zarzuelo A. Effect of quercitrin on the early stages of hapten induced colonic inflammation in the rat. Life Sci. 70, 3097-108, (2002).

    7) Sanchez de Medina F, Galvez J, Romero JA, Zarzuelo A. Effect of quercitrin on acute and chronic experimental colitis in the rat. J Pharmacol Exp Ther. 278, 771-9, (1996).

    8) Lee HS. Rat lens aldose reductase inhibitory activities of Coptis japonica root-derivedisoquinoline alkaloids. J Agric Food Chem. 50, 7013-6, (2002).

    9) Matsuda H, Morikawa T, Toguchida I, Yoshikawa M. Structural requirements of flavonoids and related compounds for aldose reductaseinhibitory activity. Chem Pharm Bull (Tokyo). 50, 788-95, (2002).

    10) Galvez J, Crespo ME, Jimenez J, Suarez A, Zarzuelo A. Antidiarrhoeic activity of quercitrin in mice and rats. J Pharm Pharmacol. 45, 157-9, (1993).

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    3. キウイ種子エキスの機能性 (1)抗ニキビ作用 ニキビの発症メカニズム ① 皮脂腺の機能亢進 男性ホルモン(テストステロン)は,皮脂腺に存在する 5α-レダクターゼ

    により,脂腺細胞内で生理活性の強いジヒドロテストステロン(DHT)に転換されます。DHT は脂腺細胞にある DHT 受容体と結合し,脂腺細胞を刺激して増殖を促したり,皮脂の分泌を増大させたりします。発生した皮脂は,

    嫌気性菌である P. acnesの栄養源となり,P. acnes は増殖します。従って,DHTは P. acnesを増殖させることから,ニキビの発症に密接に関与していると考えられます。 ② P. acnes によるニキビの悪化 P. acnesは,ヒト皮膚毛包内の常在菌で,皮脂が過剰に貯留した場所で盛んに増殖を始めます。増殖した P. acnesが産生するリパーゼは,皮脂中のトリグリセライドを分解して脂肪酸を遊離させます。遊離した脂肪酸は,白血球の

    真皮への遊走,浸潤,炎症因子の放出という一連の炎症反応を引き起こしま

    す。炎症因子は皮膚を刺激し,炎症のみならず,表皮の角化も進行させます。

    これらが,ニキビの発症・悪化のメカニズムです(図 4)。

    図 4. ニキビの発症メカニズム

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    1 10 30 100

    濃度(μg/mL)

     DHT生成率(%)

    1) 5α-レダクターゼ阻害作用(in vitro) テストステロンに粗酵素液(S-9,オリエンタル酵母),各種濃度に調製したサンプル溶液を添加して反応後,ガスクロマトグラフィーでジヒドロテストステ

    ロン(DHT)を定量しました。その結果,キウイ種子エキスに 5α-レダクターゼ阻害作用が認められ,DHTの生成が抑制されたことが確認されました。また,キウイ種子エキスの含有成分である quercitrinにも同様に阻害作用が認められました(図 5)。

    図 5. 5α-レダクターゼ阻害作用(左:キウイ種子エキス,右:quercitrin) 【実験方法】 テストステロン (3.0μmol) をプロピレングリコールに溶解し,5 mM Tris-HCl緩衝

    液 (pH 7.2)を加えて 5 mLとした。この混合液に緩衝液(1 mL)に溶解した NADPH (5 mg) ならびにサンプル溶液を加え,予備加温 (37℃) 後,酵素液(S-9,オリエンタル酵母)を加えて 1時間インキュベートを行った。その後,ジクロロメタン(5 mL)を加えて反応を停止させた後,ジクロロメタン層を分取して,減圧乾燥を行った。乾燥物に

    MeOHを加えて溶解し,ガスクロマトグラフィー(カラム:DB-17, J&W 移動相:He , 2 mL/min カラム温度:250℃)で反応生成物(ジヒドロテストステロン)を定量した。

    2) P. acnes 由来リパーゼ阻害作用(in vitro) P. acnes を GAM 液体培地で培養して得た粗リパーゼ画分を用いて,P. acnes由来のリパーゼに対するキウイ種子エキスの作用を調べました。その結果,濃

    度依存的なリパーゼ阻害活性が認められました。

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    濃度(μg/mL)

    DHT生成率(%)

    キウイ種子エキス quercitrin

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    図 6. キウイ種子エキスの P. acnes由来リパーゼ阻害活性 【実験方法】 P. acnesを GAM液体培地で培養後,遠心分離(3000 rpm,10 min)をして菌体を回収した。回収した菌体に PBSを加えて,超音波破砕し,再び遠心分離後に,上清を回収した。上清を PBSで 3日間透析(4℃)後,凍結乾燥をして,P. acnes由来の粗リパーゼを得た。リパーゼ阻害活性は,リパーゼキット S(大日本製薬)を用いて測定した。すなわち,試験管に発色液(390μL),各種濃度のキウイ種子エキス溶液(25μL),P. acnes由来粗リパーゼ(50 mg/mL)25μL,エステラーゼ阻害剤(10μL)を加え,30℃の恒温槽で 5分間予備加温した。その後,基質液(50μL)を加え,遮光しながら 30℃で 30分反応させた。反応停止液(500μL)を加えた後,415 nmの吸光度を測定した。 3) 健常人を対象とした皮脂量に対する作用評価(外用・経口摂取)

    ① 外用

    キウイ種子エキス-LCの,ヒトの皮膚皮脂量に及ぼす影響を検討しました。キウイ種子エキス-LC塗布前と2週間塗布後の指定部位(額)の皮膚皮脂量を比較すると,9 名中 7 名の皮膚皮脂量が顕著に減少するとともに(図 7),ニキビに対する改善例も認められました(図 8)。

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    濃度(μg/mL)

    P. acnes由来リパーゼ活性

    抑制率(%)

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    図 7. キウイ種子エキス-LCの皮膚皮脂量改善効果(外用)

    キウイ種子エキス-LC 2週間塗布後の額は塗布前と比較して,炎症(赤み)が減少しています。また,大きなニキビが減少しているのが認められました。

    図 8. キウイ種子エキス-LCのニキビに対する改善作用

    ② 経口摂取

    続いて,キウイ種子エキス摂取時の皮膚皮脂量に及ぼす影響を検討しました。

    キウイ種子エキス摂取前と2週間摂取後の,目尻周辺指定部位の皮膚皮脂量を

    比較すると,4名中 3名の皮膚皮脂量が減少し,皮脂量に対する改善効果が,経口摂取時にも認められました(図 9)。

    0

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    塗布前 2週間塗布後

    皮膚皮脂量(μg/cm2)

    A

    B

    C

    D

    E

    F

    G

    H

    I

    平均

    塗布前 2週間塗布後

    ―額部写真―

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    図 9. キウイ種子エキスの皮膚皮脂量改善効果(経口摂取)

    【実験方法】 ①外用 健常人(男性 6名,女性 3名,14~37才)を対象とした。キウイ種子エキス-LC(キ

    ウイ種子エキス 1%含有)1 mLをカット綿に染み込ませ,皮膚に直接 1日 1回 2週間塗布してもらい,塗布前後における額付近の指定部位の皮脂量を SEBUMETER SM810で測定した。また,額の画像を撮影前後で比較した。 ②経口摂取 弊社健常人女性(4名,24~52才)を対象として,キウイ種子エキス-P(50 mg/day)

    を 2週間自由摂取させた。摂取前後における目尻周辺指定部位の皮脂量を SEBUMETER SM810で測定した。 (2) 抗シワ作用

    1) 線維芽細胞増殖作用(in vitro) キウイ種子エキスの線維芽細胞に及ぼす作用を,ヒト新生児線維芽細胞である

    NB1RGB を用いて検討しました。その結果,キウイ種子エキスは線維芽細胞の増殖を促進し,皮膚細胞の増殖を促進する可能性が示唆されました。

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    濃度(μg/ml)

    線維芽細胞増殖率(%)

    図 10. キウイ種子エキスの NB1RGB線維芽細胞増殖に及ぼす作用(n=5)

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    5

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    摂取前 2週間摂取後

    皮膚皮脂量(μg/cm2)

    A

    B

    C

    D

    平均

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    【実験方法】 新生児真皮線維芽細胞 (NB1RGB) をα-MEM培地(10%FCS,100 units/mL ペニシリン,100μg/mL ストレプトマイシン含有)にサスペンド(2×105個/mL)し,96 穴プレートに100μLずつ播種した。各種濃度に調製したキウイ種子エキス(10μL)を添加して 2日間培養後,細胞の増殖度をMTTアッセイ法を用いて評価した。 2) 健常人女性を対象とした継続摂取試験(抗シワ作用) キウイ種子エキスのヒトにおける美肌効果を評価しました。弊社健常人女性

    (10名,20~43才)に,キウイ種子エキス-P(50 mg/day)を 4週間自由摂取してもらい,摂取前後に肌のレプリカを作製するとともに,上腕内側部の水分量

    および皮膚 pHを測定しました。 ① シワに対する改善作用 キウイ種子エキス摂取前と4週間摂取後のシワの面積を比較すると,10 名中7名のシワ面積が減少し(図 11),目尻のシワ改善作用があることが,ヒトにおいて認められました(図 12)。

    図 11. キウイ種子エキスのシワ面積に対する影響

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    摂取前 4週間摂取後

    NIH Image 解析面積値

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    G

    H

    I

    J

    平均

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    図 12. キウイ種子エキスのシワ改善効果

    ② 保湿性および皮膚 pHに対する影響 キウイ種子エキス摂取前と 4 週間摂取後の保湿性の変化は,皮膚水分量

    (Corneometer 計測値)の上昇が認められる被験者と,下降が認められる被験者がみられ,摂取前後における保湿性の差は認められませんでした(図 13)。 図 13. キウイ種子エキスの保湿効果

    20

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    摂取前 4週間摂取後

    Corneometer 計測値

    A

    B

    C

    D

    E

    F

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    H

    I

    J

    平均

    摂取前(二値化画像) 4週間摂取後(二値化画像)

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    一方,皮膚 pHは摂取前に比べて,健康な肌 pHである pH 4.5~6.0に収束しました。キウイ種子エキスは,肌を健康な pH に収束させ,正常な状態に改善する効果があることが明らかになりました(図 14)。

    図 14. キウイ種子エキスの肌 pH改善効果 【実験方法】 ① シワ評価 弊社健常人女性(10名,20~43才)を対象とした。キウイ種子エキス-P(50 mg/day)

    を 4 週間自由摂取してもらい,キウイ種子エキス摂取前後に肌用レプリカ剤(SKIN CAST)を用いて目尻付近のレプリカを採取した。採取したレプリカを USB Microscope M2 を用いて同一条件下で撮影した後,画像解析ソフト(NIH Image)を用いて同一の明度間で二値化(白黒)処理を行った。抽出されたシワ領域の面積を算出して,摂取前

    後の測定値を比較した。 ② 保湿性および皮膚 pH 肌の保湿性は CORNEOMETER SM825,肌の pHは SKIN-pH-METER PH900を用いて,それぞれ上腕内側部の指定部位を測定した。

    4.0

    4.5

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    5.5

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    6.5

    摂取前 4週間摂取後

    肌のpH

    A

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    C

    D

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    J

    平均

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    (3) 抗くま(美白)作用 1) チロシナーゼ阻害作用(in vitro) 肌のくすみや色黒,シミは,メラニンが原因です。生体内では,チロシナー

    ゼの働きでチロシンからドーパキノンが生成し,その後,酸化反応などが進行

    してメラニンが生成されます。キウイ種子エキスに,このチロシナーゼを阻害

    する作用が認められました。また,含有成分である quercitrin および kaempferol 3-O-rhamnosideにも同様に阻害作用が認められました(図 15)。

    図 15. チロシナーゼ阻害作用(上:キウイ種子エキス,左:quercitrin,右:kaempferol 3-O-rhamnoside)

    【実験方法】 各種濃度のサンプル溶液(70μL/well)に,0.3% L-DOPA(70μL/well)を添加し,予備加温(37℃,5分間)後,チロシナーゼ(mushroom由来,1.6 units/mL)溶液(70μL/well)を添加し,37℃で 5分間反応させた。反応終了後,マイクロプレートリーダを用いて吸光度(492nm)を測定した。

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    濃度(μg/mL)

    チロシナーゼ活性阻害率(%)

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    濃度(μg/mL)

    チロシナーゼ活性阻害率(%)

    0

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    濃度(μg/mL)

    チロシナーゼ活性阻害率(%)

    キウイ種子エキス

    quercitrin kaempferol 3-O-rhamnoside

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    濃度(μg/mL)

    2) B16 メラノーマ細胞におけるメラニン生成抑制作用(in vitro) キウイ種子エキスの美白効果を,B16メラノーマ細胞を用いて,検討しました。その結果,キウイ種子エキスはメラニン生成を濃度依存的に抑制しました。ま

    た,含有成分である quercitrinおよび kaempferol 3-O-rhamnosideにも同様に抑制作用が認められました(図 16)。

    図 16. B16メラノーマ細胞に及ぼす作用(上:キウイ種子エキス,左:quercitrin,右:kaempferol 3-O-rhamnoside) 【実験方法】 B16メラノーマ細胞をテオフィリン含有α-MEM培地にサスペンド(5×104個/mL)し,48穴プレートに 200μLずつ播種した。サンプル溶液を添加して 3日間培養後,培地を除去し,細胞を超音波破砕後,吸光度(測定波長:415 nm)を測定した。 3) 色素沈着改善作用(in vivo) キウイ種子エキスの紫外線照射による皮膚の黒色化(色素沈着)への影響を

    検討しました。その結果,キウイ種子エキス群の L*値(明度,値が低い程黒色に近くなる)は,10日目において,control群と同様に下降したが,12日目以降は濃度依存的にキウイ種子エキス群の L*値は有意に上昇し,皮膚の色調が明るくなる方向に近づきました(図 17)。

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    0 1 3 10 30 100

    濃度(μg/mL)

    メラニン生成率

    (% of Control)

    キウイ種子エキス

    quercitrin kaempferol 3-O-rhamnoside

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    120

    0 1 3 30 100

    濃度(μg/mL)

    メラニン生成率

    (% of Control)

  • キウイ種子エキスカタログ ver.3.4 JT

    14

    400 mg/kg 800 mg/kg

    図 17. キウイ種子エキスの色素沈着に対する改善作用(n=4)

    この結果から,キウイ種子エキスには,沈着した色素をより早く消失させる

    作用(治癒促進効果)があることが明らかになりました。

    -20

    -15

    -10

    -5

    0

    5

    8 10 12 14 16

    UV照射開始日からの経過日数(日)

    ⊿L*値

    control

    200mg/kg

    400mg/kg

    800mg/kg

    図 18. 紫外線照射開始 16日目の照射部位(青丸印は測定部位を表すマーキング)

    Control 200 mg/kg

    **

    **

    **

    **

    **

    *:P

  • キウイ種子エキスカタログ ver.3.4 JT

    15

    【実験方法】 紫外線照射 7日前(-7日目)から,1日 1回各種濃度に調製したキウイ種子エキスをモルモット(Weiser-Maples 褐色モルモット,雄,4 週齢)に経口投与した。その後,紫外線照射機(ソーラーシュミレーター,ウシオ電機株式会社製)を用いて,紫外線

    (UV-B,2000 mJ/cm2)を 7日間(0~6日目)照射した。キウイ種子エキスは,照射期間中および照射終了後 10 日間(0~16 日目)まで投与を継続した。照射前と照射開始後 4,6,8,10,12,14および 16日目に分光色差計(日本電色工業株式会社製)を用いて,明度(L*値)を測定した。 4) 健常人女性を対象とした継続摂取試験(抗くま作用) キウイ種子エキスの,ヒトの目元に発生するくまに対する予防効果を検討しま

    した。キウイ種子エキス摂取前と 4 週間摂取後の目元の明度(L*値)を比較すると,6 名中 4 名の L*値が上昇し,肌の色調が明るくなる方向に近づきました(図 19)。キウイ種子エキスにくま予防効果があることが,示唆されました。

    図 19. キウイ種子エキスのくまに対する改善効果

    【実験方法】 弊社健常人女性(6名,25~41才)にキウイ種子エキス-P(50 mg/day)を 4週間自由摂取してもらい,摂取前後に Spectro Color Meter SE 2000を用いて目元付近の色差を測定した。

    50

    55

    60

    65

    摂取前 4週間摂取後

    L*値(明度)

    A

    B

    C

    D

    E

    F

  • キウイ種子エキスカタログ ver.3.4 JT

    16

    (4) キウイ種子エキスの抗酸化活性 ヒトの生体内では,ストレスなどの刺激により活性酸素が発生します。この

    活性酸素は酸化傷害を引き起こし,細胞等を損傷し,種々の生活習慣病や老化

    促進と密接に関係しています。 そこで,キウイ種子エキスの抗酸化作用を,スーパーオキサイドジスムター

    ゼ(SOD)様活性および 1,1-ジフェニル 2-ピクリルヒドラジル (DPPH) ラジカル消去能を指標に評価しました。その結果,キウイ種子エキスは図 20に示す濃度において,濃度依存的に SOD様活性および DPPHラジカル消去能を示しました。

    ①SOD様活性

    ②DPPHラジカル消去能

    図 20. キウイ種子エキスの抗酸化活性

    0

    20

    40

    60

    80

    50 100 200 500

    濃度(μg/mL)

    SOD様活性 (%)

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    120

    25 50 100 200 250

    濃度(μg/mL)

    DPPH捕捉活性(%)

  • キウイ種子エキスカタログ ver.3.4 JT

    17

    (5) キウイ種子エキスの保湿作用(外用) キウイ種子エキス(1%)溶液または蒸留水をヒトの皮膚に直接塗布し,水分保持能力を測定しました。蒸留水のみを塗布した場合,ほぼ 40分で塗布前の水分量に戻っていますが,キウイ種子エキス溶液では,120分以上水分を保持しました(図 21)。

    図 21. キウイ種子エキスの保湿作用 【実験方法】 表皮水分量を測定した。キウイ種子エキスを蒸留水に溶解し,1%水溶液を作製した。この溶液を,ヒトの左上腕内側に 1滴塗布し,2 cm四方の範囲に延ばし,1分間皮膚に吸い込ませた。1 分後に皮膚の表面部分に浮いている水溶液をペーパーで吸い取った。その 1分後から水分計 CORNEOMETER SM 825を用いて水分量を測定した。(温度 27℃,湿度 47%)

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    0 1 2 3 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 60 70 80 90100110120

    時間(分)

    保湿計計測値

    蒸留水

    キウイ種子エキス(1%)

  • キウイ種子エキスカタログ ver.3.4 JT

    18

    (6) 抗炎症作用

    1) マクロファージからのプロスタグランジン(PG) E2 産生抑制作

    用(in vitro) LPS(リポポリサッカライド)で刺激したマウス由来マクロファージ様細胞

    (RAW264.7)を用いて,キウイ種子エキスの PG E2産生に及ぼす作用を検討しました。その結果,キウイ種子エキス(1~100 µg/mL)は,PG E2の産生を濃度依存的に抑制しました。また,含有成分である quercitrin(100 µg/mL)および kaempferol 3-O-rhamnoside(100 µg/mL)にも有意な抑制作用が認められました(図 22)。

    図 22. マクロファージからの PG E2産生抑制作用(上:キウイ種子エキス,左:quercitrin,右:kaempferol 3-O-rhamnoside,*: p

  • キウイ種子エキスカタログ ver.3.4 JT

    19

    0

    10

    20

    30

    100 200 400( mg/kg )

    Writhing (回)

    Cont.

    キウイ種子エキス

    甘草抽出物

    【実験方法】 RAW264.7細胞を,0.1 mM 非必須アミノ酸,10%牛胎児血清(FCS),ペニシリン(100 units/mL)およびストレプトマイシン(100 µg/mL)を含有するMEM培地で培養した。前培養後,1×106 cells/mL の濃度でサスペンドし,48 穴プレートに播種した。24 時間培養した後,培地を吸引により取り除いた。無血清培地で 3回洗浄後,新たに無血清培地を各ウェルに加えた。その後,LPS溶液,サンプル溶液を加えた。Non (LPS- )のウェルには無血清培地および媒体を加えた。20時間培養した後,培養上清を回収して,培養上清中のPG E2濃度をProstaglandin E2 EIA Kitを用いて測定した。 2) マウスにおける急性炎症抑制作用(in vivo) 次に,マウスを用いてキウイ種子エキスの抗炎症作用を甘草抽出物と比較して,検

    討しました。マウスにサンプルを経口投与し,55分後に 2% pontamine sky blueを尾静脈注射により投与しました。その 5 分後に 1%酢酸を腹腔内投与しました。1%酢酸を投与してから,15分間のwrithing(苦悶動作,右画像)数を測定しました。

    その後,マウスの腹腔内を洗浄し,腹腔内

    漏出色素量を算出しました。その結果,キ

    ウイ種子エキスのwrithingに対する抑制作用(鎮痛作用,図 23)は,甘草抽出物よりも強くなる傾向が認められました。また,

    キウイ種子エキスは酢酸による血管透過

    性の亢進に対して,有意な色素漏出抑制作

    用(抗炎症作用,図 24)が認められました。以上の結果から,キウイ種子エキスは,経口投与で抗炎症作用を示すこと

    が明らかになりました。また,抗炎症素材として有名な甘草抽出物と比較した

    結果,ほぼ同等な作用を有することが認められました。

    図 23. キウイ種子エキスの鎮痛作用

  • キウイ種子エキスカタログ ver.3.4 JT

    20

    図 24. キウイ種子エキスの抗炎症作用(*: p

  • キウイ種子エキスカタログ ver.3.4 JT

    21

    4. キウイフルーツ油の機能性

    キウイ種子から抽出された油には,既存の油とは異なり,優れた特徴がある

    ことが明らかになりました。キウイフルーツ油の脂肪酸組成を測定したところ,

    シソ油と同様に n-3系不飽和脂肪酸であるα-リノレン酸が,豊富に含まれていることが明らかになりました。また,トコトリエノールやトコフェロールも含

    有されていることが明らかになりました。キウイフルーツ油は,多機能が期待

    できる油として食品や化粧品にお使い頂けるものと考えています。

    (1) 脂肪酸組成 キウイフルーツ油 シソ油

    パルミチン酸 6.2% 6.7% ステアリン酸 2.3% 1.8% オレイン酸 15.6% 19.6% リノール酸 15.8% 12.0% α-リノレン酸 59.8% 59.9%

    (2) α-リノレン酸の機能性 α-リノレン酸は,n-3 系不飽和脂肪酸(脂肪酸構造の末端炭素から数えて 3番目に二重結合のあるもの)であり,動物体内では合成することができない,

    脳・神経系のための「必須脂肪酸」です。

    α-リノレン酸の機能性についてはアレルギー体質の改善効果 1),乳癌や大腸

    癌に対する抑制効果 2,3)が報告されています。また,マウスを使った実験で,飼

    料中のα-リノレン酸が多いと寿命が長くなる 4)と報告されています。

    (3) トコトリエノールの機能性 トコトリエノールは,代表的抗酸化物質であるビタミン E の同族体としてよく知られている,脂溶性ビタミン Eの誘導体です。 トコトリエノールの機能についてはコレステロール低下作用(善玉コレステ

    ロールに影響することなく,悪玉コレステロールを有意に低下させることが特

    徴),動脈硬化改善作用 5)および生体内抗酸化作用 6)が報告されています。

    詳細は,弊社商品「オリザトコトリエノール」のカタログを参照にして下さ

    い。

    参考文献

    1) 奥山 治美, 治療学, 25, 47 (1991). 2) 米倉 郁美, 佐藤 章夫, 医学のあゆみ, 150, 233 (1989). 3) 成沢 富雄, 西澤 幸雄, 小番 美恵子, 磯田 好弘, 平野 二郎, 医学のあゆみ, 145, 911

    (1988). 4) 鈴木 平光, 荒井 静子, 寺尾 純二, 長尾 照彦, 山崎 恵, 斉藤 秀樹, 和田 俊, 第

    44回日本栄養食糧学会, 要旨集 2E-20P, (1989). 5) Tomeo A. C. et al., lipids, 30, 1179-83 (1995). 6) Kamat J. P. et al., Neurosci. Lett., 195, 179-82 (1995).

  • キウイ種子エキスカタログ ver.3.4 JT

    22

    5. キウイ種子エキスの安定性 (1) 熱安定性 キウイ種子エキス(賦形剤無添加品)の熱安定性を検討した結果,ポリフェ

    ノール含量は,1 時間の加熱(100 及び 120℃)によっても変化がみられず,通常の食品加工温度に対して安定であることが分かりました。

    (2) pH 安定性 キウイ種子エキス(賦形剤無添加品)を 40%エタノールに溶解させ,pH調整

    し,非遮光下,室温で 1 日および 1 週間保存後,ポリフェノール含量を測定しました。キウイ種子エキス中のポリフェノールは酸性では安定であり,アルカ

    リ性で 1.5割程度の含量の減少が,1週間保存後ではアルカリ性で 3割程度の含量低下が確認されました。

    図25. キウイ種子エキスの熱安定

    図 26. キウイ種子エキスの pH安定性(pH無調整初期値を 100%とした)

    熱安定性

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    120

    初期値 1時間後含量%(初期値を100%とした)

    100℃

    120℃

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    120

    1日目

    含量(%) pH3

    pH7

    pH10

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    120

    7日目

    含量(%) pH3

    pH7

    pH10

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    23

    (3) 液剤安定性 キウイ種子エキス-WSP(粉末・水溶性グレード)について,0.4%水溶液(pH3.5)

    を調製し,室温(非遮光下),25℃(遮光),40℃(遮光),5℃(遮光)で 2 週間保存し,沈殿,濁り,着色の有無を目視で確認しました。キウイ種子エキス-WSPの液剤安定性は酸性域において極めて高いことがわかりました。

    液剤安定性(0.4%水溶液,pH3.5条件下)

    室温 (光照射)

    25℃ (遮光)

    40℃ (遮光)

    5℃ (遮光)

    沈殿 濁り なし なし なし なし

    着色 なし なし なし なし 6.キウイ種子エキス-P の栄養成分

    分析項目 結果 注 分析方法 水分 1.0g/50g 減圧加熱乾燥法 タンパク質 0.8g/50g 1 ケルダール法 脂質 0.4g/50g 酸分解法 灰分 0.8g/50g 直接灰化法 炭水化物 47.0g/50g 2 エネルギー 195kcal/50g 3 修正アトウォーター法 食物繊維 0.03g/50g プロスキー法 ナトリウム 6.5mg/50g 原子吸光光度法 食塩相当量 0.02g/50g ナトリウム換算値 注 1) 窒素・タンパク質換算係数:6.25 注 2) 栄養表示基準(平成 15年厚生省告示第 176号)による

    計算式:50 – (水分+タンパク質+脂質+灰分) 注 3) 栄養表示基準(平成 15年厚生省告示第 176号)による

    エネルギー換算係数:タンパク質 4; 脂質 9; 糖質 4; 食物繊維 2 試験依頼先:株式会社エスアールエル 試験成績書発行年月日:平成 17年 8月 18日 依頼番号:第 200508050029号

  • キウイ種子エキスカタログ ver.3.4 JT

    24

    7. キウイ種子エキス(賦形剤無添加品)の安全性

    (1) 残留農薬 キウイ種子エキス(賦形剤未添加品)について、食品衛生法および農薬取締

    法に準じて、447項目の農薬の有無を調べました。その結果、全項目について基準値(検出限界値)以下であることが判明しました。

    試験依頼先:株式会社マシス 食品安全評価分析センター

    試験成績書発行年月日:平成 19年 3月 16日 依頼番号:10735

    (2) 急性毒性(LD50) 絶食した ICR系雌雄マウス(体重 30 g前後,5週齢)に,キウイ種子エキス

    (2000 mg/kg,賦形剤無添加品)を経口投与し,14 日間観察しました。その結果,死亡例や体重推移の異常(対照群との比較)は認められず,試験終了後に

    行った剖検においても,臓器の肉眼的異常は認められませんでした。したがっ

    て,キウイ種子エキスのマウスにおける LD50値は,2000 mg/kg以上です。 また,キウイフルーツ油の LD50値は,5000 mg/kg以上です。 (3) 変異原性試験 (Ames試験) ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)TA100,TA98 を用いて S9mix 存在下及び非存在下でキウイ種子エキス(賦形剤未添加品)の Ames試験を行いました。結果、19.5~5000 µg/plateの濃度において、変異原性は認められませんでした。

    8. キウイ種子エキスの推奨摂取量 各実験結果より,一日あたりキウイ種子エキス-P,-WSPとして,50~100 mg

    の使用をおすすめします。 9. キウイ種子エキスの応用例

    利用分野 訴求 剤系

    食品 美容食品 美白食品

    飲料(清涼飲料水,ドリンク等),ハードおよびソフトカプセル,タブレット,キャンディー,チューインガム,グミ,クッキー,チョコレート,ウエハース,ゼリー等

    化粧品 美容化粧品

    1) 抗ニキビ 2) 抗シワ 3) 抗くま 4) 美白 5) 抗炎症 化粧水,ローション,パック,ボ

    ディジェル等

  • キウイ種子エキスカタログ ver.3.4 JT

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    10. 荷姿 キウイ種子エキス-P(粉末,食品用途) キウイ種子エキス-WSP(水溶性粉末,食品用途) キウイ種子エキス-PC(粉末,化粧品用途) キウイ種子エキス-WSPC(水溶性粉末,化粧品用途) 5kg 内装:アルミ袋 外装:ダンボール包装 キウイ種子エキス-LC(液体,化粧品用途) 5kg 内装:キュービーテナー

    外装:ダンボール包装 キウイフルーツ油(油,食品・化粧品用途) 16kg 内装:ブリキ缶

    外装:ダンボール包装 11. 保管方法 高温多湿を避け,室温,暗所にて密封状態で保管して下さい。 12. 表示例 <食品> キウイ種子エキス-P,キウイ種子エキス-WSP 表示例:澱粉分解物又は,デキストリン及び,キウイ種子抽出物又は,

    キウイ種子エキス キウイフルーツ油 表示例:キウイフルーツ油,キウイ油,キウイ種子油,食用キウイ油又は,

    食用植物油 *食品表示については所轄の保健所及び,地方農政局に御確認下さい。 <化粧品> キウイ種子エキス-PC,キウイ種子エキス-WSPC 表示名称:デキストリン,キウイ種子エキス

    INCI名:Dextrin, Actinidia Chinensis (Kiwi) Seed Extract キウイ種子エキス-LC 表示名称:BG,水,キウイ種子エキス

    INCI名:Butylene Glycol, Water, Actinidia Chinensis (Kiwi) Seed Extract キウイフルーツ油

    表示名称:キウイ種子油

    INCI名:Actinidia Chinensis (Kiwi) Seed Oil

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    製品規格書 製品名

    食品

    本品は,キウイすなわちマタタビ科キウイフルーツ(Actinidia chinensis Planch.)の種子から含水エタノールで抽出して得られた粉末である。本品は定量するとき,ポリ

    フェノールを2.0 %以上,クエルシトリンを5 mg/100g以上含む。 性 状 黄色の粉末で,わずかに特有なにおいがある。 クエルシトリン含量 5 mg/100g 以上 (HPLC ) ポリフェノール含量 2.0 % 以上 (食品機能研究法記載 Folin-Denis 法) 乾燥減量 10.0 % 以下 (衛生試験法,1 g,105℃,2 時間) 純度試験 (1)重金属 10 ppm 以下 (食品添加物公定書,一般試験法, 重金属試験法) (2)ヒ素 1 ppm 以下 (食品衛生検査指針,ヒ素試験法) 一般生菌数 1×103 個/g 以下 (衛生試験法,標準寒天培地) 真菌数 1×102 個/g 以下 (衛生試験法,ポテトデキストロース寒天培

    地クロラムフェニコール添加) 大腸菌群 陰 性 (衛生試験法,BGLB培地) 組 成 成 分 含有量

    澱粉分解物 75 % キウイ種子抽出物 25 %

    合 計 100 %

    キウイ種子エキス-P

  • キウイ種子エキスカタログ ver.3.4 JT

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    製品規格書 製品名

    食品

    本品は,キウイすなわちマタタビ科キウイフルーツ(Actinidia chinensis Planch.)の種子から含水エタノールで抽出して得られた粉末である。本品は定量するとき,ポリ

    フェノールを2.0 %以上,クエルシトリンを5 mg/100g以上含む。本品は水溶性である。 性 状 黄色の粉末で,わずかに特有なにおいがある。 クエルシトリン含量 5 mg/100g 以上 (HPLC ) ポリフェノール含量 2.0 % 以上 (食品機能研究法記載 Folin-Denis 法) 乾燥減量 10.0 % 以下 (衛生試験法,1 g,105℃,2 時間) 純度試験 (1)重金属 10 ppm 以下 (食品添加物公定書,一般試験法, 重金属試験法) (2)ヒ素 1 ppm 以下 (食品衛生検査指針,ヒ素試験法) 一般生菌数 1×103 個/g 以下 (衛生試験法,標準寒天培地) 真菌数 1×102 個/g 以下 (衛生試験法,ポテトデキストロース寒天培

    地クロラムフェニコール添加) 大腸菌群 陰 性 (衛生試験法,BGLB培地) 組 成 成 分 含有量

    澱粉分解物 75 % キウイ種子抽出物 25 %

    合 計 100 %

    キウイ種子エキス-WSP

  • キウイ種子エキスカタログ ver.3.4 JT

    28

    製品規格書 製品名

    化粧品

    本品は,キウイすなわちマタタビ科キウイフルーツ(Actinidia chinensis Planch.)の種子から含水エタノールで抽出して得られた粉末である。本品は定量するとき,ポリ

    フェノールを2.0 %以上,クエルシトリンを5 mg/100g以上含む。 性 状 黄色の粉末で,わずかに特有なにおいがある。 クエルシトリン含量 5 mg/100g 以上 (HPLC ) ポリフェノール含量 2.0 % 以上 (食品機能研究法記載 Folin-Denis 法) 乾燥減量 10.0 % 以下 (1 g,105℃,2 時間) 純度試験 (1)重金属 10 ppm 以下 (第2法) (2)ヒ素 1 ppm 以下 (第3法) 一般生菌数 1×102 個/g 以下 (衛生試験法,標準寒天培地) 真菌数 1×102 個/g 以下 (衛生試験法,ポテトデキストロース寒天培

    地クロラムフェニコール添加) 大腸菌群 陰 性 (衛生試験法,BGLB培地) 組 成 成 分 含有量

    デキストリン 75 % キウイ種子エキス 25 %

    合 計 100 %

    この規格及び試験方法において,別に規定するものの他は,外原規通則及び一般試験法

    を準用するものとする。

    キウイ種子エキス-PC

  • キウイ種子エキスカタログ ver.3.4 JT

    29

    製品規格書 製品名

    化粧品

    本品は,キウイすなわちマタタビ科キウイフルーツ(Actinidia chinensis Planch.)の種子から含水エタノールで抽出して得られた粉末である。本品は定量するとき,ポリ

    フェノールを2.0 %以上,クエルシトリンを5 mg/100g以上含む。本品は水溶性である。 性 状 黄色の粉末で,わずかに特有なにおいがある。 クエルシトリン含量 5 mg/100g 以上 (HPLC ) ポリフェノール含量 2.0 % 以上 (食品機能研究法記載 Folin-Denis 法) 乾燥減量 10.0 % 以下 (1 g,105℃,2 時間) 純度試験 (1)重金属 10 ppm 以下 (第2法) (2)ヒ素 1 ppm 以下 (第3法) 一般生菌数 1×102 個/g 以下 (衛生試験法,標準寒天培地) 真菌数 1×102 個/g 以下 (衛生試験法,ポテトデキストロース寒天培

    地クロラムフェニコール添加) 大腸菌群 陰 性 (衛生試験法,BGLB培地) 組 成 成 分 含有量

    デキストリン 75 % キウイ種子エキス 25 %

    合 計 100 %

    この規格及び試験方法において,別に規定するものの他は,外原規通則及び一般試験法

    を準用するものとする。

    キウイ種子エキス-WSPC

  • キウイ種子エキスカタログ ver.3.4 JT

    30

    製品規格書 製品名

    化粧品 本品は,キウイすなわちマタタビ科キウイフルーツ(Actinidia chinensis Planch.)の

    種子から含水1,3-ブチレングリコール(BG)で抽出して得られた溶液である。 性 状 褐色の液で,無臭または,わずかに特有なにおいがある。 確認試験 ポリフェノール類 本品30μlを,3.5 ml の水に加え,フォーリンデニス試薬 0.2 mlと

    飽和炭酸ナトリウム溶液 0.4 ml を加えるとき,液は青色を呈する。 pH 4.00~5.50 (本品の10%水溶液) 純度試験 (1)重金属 10 ppm 以下 (第2法) (2)ヒ素 1 ppm 以下 (第3法) 一般生菌数 1×102 個/g 以下 (衛生試験法,標準寒天培地) 真菌数 1×102 個/g 以下 (衛生試験法,ポテトデキストロース寒天培 地クロラムフェニコール添加) 大腸菌群 陰 性 (衛生試験法,BGLB 培地) 組 成 成 分 含有量

    BG 69 % 水 30 % キウイ種子エキス 1 % 合 計 100 %

    この規格及び試験方法において,別に規定するものの他は,外原規通則及び一般試験法

    を準用するものとする。

    キウイ種子エキス-LC

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    製品規格書 製品名

    食品

    本品は,キウイすなわちマタタビ科キウイフルーツ(Actinidia chinensis Planch.)の種子から得られた油脂である。

    性 状 淡黄色,透明の油液で,わずかに特有なにおいがある。 酸 価 0.5以下 色 調 (Y+10R) 50以下 (ロビボンド法,133.4mmセル) α―リノレン酸 55.0% 以上 (GC) トコトリエノール ピークを認める (HPLC) 純度試験 (1)重金属 10 ppm 以下 (食品添加物公定書,一般試験法, 重金属試験法) (2)ヒ素 1 ppm 以下 (食品衛生検査指針,ヒ素試験法) 一般生菌数 1×102 個/g 以下 (衛生試験法,標準寒天培地) 真菌数 陰 性 (衛生試験法,ポテトデキストロース寒天培

    地クロラムフェニコール添加) 大腸菌群 陰 性 (衛生試験法,BGLB培地) 組 成 成 分 含有量

    キウイフルーツ油 100 %

    この規格及び試験方法において,別に規定するものの他は,基準油脂分析試験法を準用

    するものとする。

    キウイフルーツ油

  • キウイ種子エキスカタログ ver.3.4 JT

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    製品規格書 製品名

    化粧品

    本品は,キウイすなわちマタタビ科キウイフルーツ(Actinidia chinensis Planch.)の種子から得られた油脂である。

    性 状 淡黄色,透明の油液で,わずかに特有なにおいがある。 酸 価 0.5以下 (第1法,10g) 色 調 (Y+10R) 50以下 (ロビボンド法,133.4mmセル) α―リノレン酸 55.0% 以上 (GC) トコトリエノール ピークを認める (HPLC) 純度試験 (1)重金属 10 ppm 以下 (第2法) (2)ヒ素 1 ppm 以下 (第3法) 一般生菌数 1×102 個/g 以下 (衛生試験法,標準寒天培地) 真菌数 陰 性 (衛生試験法,ポテトデキストロース寒天培

    地クロラムフェニコール添加) 大腸菌群 陰 性 (衛生試験法,BGLB培地) 組 成 成 分 含有量

    キウイ種子油 100 %

    この規格及び試験方法において,別に規定するものの他は,外原規通則及び一般試験法

    を準用するものとする。

    キウイフルーツ油

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    *本書の無断複写及び,流用は,著作権法上の例外を除き,禁じられています。

    *本カタログに記載された内容は,都合により変更させていただくことがあります。

    *今回の改訂箇所 ・キウイ種子エキス-P,WSP,PC,WSPCの性状の変更(淡褐色→黄色)。 (P26-29)

    制定日 2005年 9月 1日 改定日 2009年 6月 24日

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    ORYZA OIL & FAT CHEMICAL CO., LTD.ORYZA OIL & FAT CHEMICAL CO., LTD.