ー 100 nm 2 › endo_lab › jpn › research › ...100 nm...

1
プラズマ援用研磨による単結晶SiCウエハ高能率・超平滑・ダメージフリー加工プロセスの開発 大阪大学 大学院工学研究科 附属超精密科学研究センター 鄧 輝、遠藤勝義、山村和也 E-mail; [email protected] Osaka University セリア砥粒を用いたプラズマ援用研磨法を 4H-SiCに適用した結果、均一なステップ /テラス 構造を有する原子レベルで平滑な表面を得ることに成功した。 Si GaAs SiC (4H-SiC) GaN バンドギャップ (eV) 1.12 1.43 3.02 3.39 電子移動度(cm2/Vs) 1500 8500 1000 900 絶縁破壊電界(MV/cm) 0.3 0.65 3.5 2.6 飽和ドリフト速度(cm/s) 1×10 7 2×10 7 2.7×10 7 2.7×10 7 熱伝導度(W/cmK) 1.5 0.5 4.9 1.3 各種半導体材料の物性値 (300 K) 単結晶SiCは次世代のパワーデバイス用の半導体材料として 期待されている。 大容量 高周波 高温 硬質な砥粒 (ダイヤモンド等) 加工物 利点 問題点 高い加工能率 スクラッチと加工変質層の導入 利点 問題点 優れた平坦化能力 低い加工能率 (MRR ≤ 0.5 μm/h ) 1. 背景 軟質な砥粒 (セリア等) 加工物 プラズマ 改質層 ラジカル プラズマ援用研磨法の概念図 プラズマ援用研磨装置の概念図 砥石の間の隙間において、大気圧水蒸気プラズマを発生させる。 OHラジカル等の反応により試料の表面を酸化する。 軟質な砥粒を用いて、酸化膜を除去する。 100 nm プラズマ照射後のSiC表面の断面TEM像 導入電力: 18 W 加工時間: 1 h 10 μm +2 -2 nm 100 nm p-v: 1.56 nm rms: 0.24 nm 5 nm 10 μm 2 -2 nm 1 μm p-v: 1.16 nm rms: 0.14 nm 100 nm p-v: 0.60 nm rms: 0.09 nm 5 nm 10 μm +2 -2 nm 機械砥粒研磨 荷重 1650 g 砥粒 Diamond (φ = 5-15 μm) 回転速度 150 rpm (pad) 200 rpm (subst.) 加工時間 24 h 化学機械研磨 加工面 Si-face (0001) 方位 On axis 仕上げプロセス CMP プラズマ援用研磨 荷重 80 g 砥粒 CeO 2 (φ = 0.5 μm) 回転速度 10500 rpm (pad) 120 rpm (subst.) 反応ガス He+H 2 O (1.38%), 1.5 SLM 導入電力 18 W 加工時間 1 h 厚さが約80 nmの酸化層が形成された。 酸化層の表面は非常に粗いのに対し、酸化層と 母材の界面は非常に平滑である。 p-v: 1.14 nm rms: 0.17 nm p-v: 6.65 nm rms: 1.02 nm p-v: 1.57 nm rms: 0.22 nm 2. プラズマ援用研磨法の概念 3. 研磨結果 4. 結論 <研磨班(SiC)> 機械砥粒研磨 化学機械研磨 スラリー コンディショナー パッド ウエハ ~ マッチャー 高周波電源 (ƒ = 13.56 MHz) 反応ガス 反応ガス 回転テーブル 加工物 研磨ヘッド 軟質砥石 プラズマ 研磨ヘッド

Transcript of ー 100 nm 2 › endo_lab › jpn › research › ...100 nm...

Page 1: ー 100 nm 2 › endo_lab › jpn › research › ...100 nm プラズマ照射後のSiC表面の断面TEM像 導入電力: 18 W 加工時間: 1 h 10 m +2-2 nm p- nm m s: m 5 nm 10

プラズマ援用研磨による単結晶SiCウエハの

高能率・超平滑・ダメージフリー加工プロセスの開発

大阪大学 大学院工学研究科 附属超精密科学研究センター 鄧 輝、遠藤勝義、山村和也 E-mail; [email protected]

Osaka University

セリア砥粒を用いたプラズマ援用研磨法を4H-SiCに適用した結果、均一なステップ/テラス構造を有する原子レベルで平滑な表面を得ることに成功した。

Si GaAs SiC (4H-SiC) GaN

バンドギャップ (eV) 1.12 1.43 3.02 3.39

電子移動度(cm2/Vs) 1500 8500 1000 900

絶縁破壊電界(MV/cm) 0.3 0.65 3.5 2.6

飽和ドリフト速度(cm/s) 1×107 2×107 2.7×107 2.7×107

熱伝導度(W/cmK) 1.5 0.5 4.9 1.3

各種半導体材料の物性値 (300 K)

単結晶SiCは次世代のパワーデバイス用の半導体材料として期待されている。

大容量 高周波 高温

硬質な砥粒(ダイヤモンド等)

加工物

利点

問題点

高い加工能率

スクラッチと加工変質層の導入

利点

問題点

優れた平坦化能力

低い加工能率 (MRR ≤ 0.5 μm/h )

1. 背景

軟質な砥粒(セリア等)

加工物

プラズマ

改質層

ラジカル

プラズマ援用研磨法の概念図 プラズマ援用研磨装置の概念図

砥石の間の隙間において、大気圧水蒸気プラズマを発生させる。 OHラジカル等の反応により試料の表面を酸化する。

軟質な砥粒を用いて、酸化膜を除去する。

100 nm

プラズマ照射後のSiC表面の断面TEM像 導入電力: 18 W 加工時間: 1 h

10 μm

+2

-2

nm

100 nmp-v: 1.56 nm

rms: 0.24 nm

5 nm

10 μm

2

-2

nm

1 μmp-v: 1.16 nm

rms: 0.14 nm

100 nmp-v: 0.60 nm

rms: 0.09 nm5 nm

10 μm

2

-2

nm

+2

-2

nm

機械砥粒研磨

荷重 1650 g

砥粒 Diamond (φ = 5-15 μm)

回転速度 150 rpm (pad) 200 rpm (subst.)

加工時間 24 h

化学機械研磨

加工面 Si-face (0001)

方位 On axis

仕上げプロセス CMP

プラズマ援用研磨

荷重 80 g

砥粒 CeO2 (φ = 0.5 μm)

回転速度 10500 rpm (pad) 120 rpm (subst.)

反応ガス He+H2O (1.38%), 1.5 SLM

導入電力 18 W

加工時間 1 h

厚さが約80 nmの酸化層が形成された。

酸化層の表面は非常に粗いのに対し、酸化層と 母材の界面は非常に平滑である。

p-v: 1.14 nm rms: 0.17 nm

p-v: 6.65 nm rms: 1.02 nm

p-v: 1.57 nm rms: 0.22 nm

2. プラズマ援用研磨法の概念

3. 研磨結果

4. 結論

<研磨班(SiC)>

機械砥粒研磨 化学機械研磨 スラリー

コンディショナー

パッド

ウエハ

~

マッチャー

高周波電源(ƒ = 13.56 MHz)

反応ガス 反応ガス

回転テーブル

加工物

研磨ヘッド

軟質砥石

プラズマ

研磨ヘッド