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19 Di(2-ethylhexyl) orthophosphoric acid (HDEHP), LN Resin 4,4’(5’)-di-t-butylcyclohexano-18- crown-6 様々な濃度の硝酸、塩酸におけるTK100レジン上の SrおよびYのDw値 TK100レジン & TK101レジン クラウン・エーテルベースのSrレジンやPbレジン(米国 Eichrom Technologies社製)などの抽出クロマトグラ フィーレジンは、水サンプル中のSr-90やPb-210の分離 や定量によく使用されています。これは液体シンチレー ションカウンター(LSC)やガス比例計数管(GPC)を使 用した方法です。 これらのレジンは、適した濃度から高濃度の酸の条件下 でのSrとPbの保持に優れていますが、ろ過された原料から TK100レジン TK100レジンは、Sr、Pb、HDEHPに対する選択性の 優れたクラウン・エーテルと液体陽イオン交換体で構成さ れています。 の直接充填や酸性の水サンプルには推奨されません。なぜ なら、イオン交換や共沈殿のような前濃縮のステップの追 加が必要となるからです。 Sr-90やPb-210の分離プロセスを単純化するために、 回収可能なpH数が広範囲にわたる2種類の抽出クロマトグ ラフィーレジンが開発され、水サンプル(pH2~8)の直 接充填が可能になり、続く精製も同カラム上で行えるよう になりました。 ランカスター大学のJake Surman氏は、0.01Mより高 い硝酸や塩酸濃度条件と同様に、pH2以上の異なるpH値に おけるSrのDw値の点でも、このレジンを特徴づけまし た。8(Dw>>100)までのpH値でSrに対する高いDw値 を示しています。 特に硝酸の場合、pH2でSrの吸収率は高くなっていま す。水サンプルは、分析前の保管で安定させるため、サン プリングの直後に硝酸を使用してpH2に酸化させることは 重要となります。 硝酸濃度が上がると、8~10M硝酸で約100までSrの Dw値が上昇することがわかります。これらの条件で TK100レジンはSrレジン(米国Eichrom Technologies 社製)と非常に似た働きをします。 水や希釈した硝酸を使用してのSrの溶出は不可能である ことから、その他多数の溶離剤を分析しました。ここでは 2M塩酸、3M硝酸と0.1Mエチレンジアミン四酢酸の使用 が、すべての試験において適切であることがわかりました。 その他複数の元素もTK100レジンに対してpH7で親和 性を示しています。きれいなSrのフラクションを得るに は、化学を使用した分離が必要となります。 TK100レジンの回収に影響を与える代表的なマトリク ス要素をpH7の条件で調査したところ、高い塩濃度はSr回 収に作用するにもかかわらず、塩化ナトリウム濃度 500mM、カリウム濃度400mg/L、マグネシウム濃度 1300mg/L、カルシウム濃度500mg/Lでさえも、Srの Dw値は100以上を保持しました。

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Di(2-ethylhexyl) orthophosphoric acid (HDEHP), LN Resin

4,4’(5’)-di-t-butylcyclohexano-18-crown-6

溶出試験:2mL TK400カラムによって選択された陽イオンからのNb分離

 選択性の点では、TK400レジンはNb/ZrやPa/U/Thといった多くの興味深い分離について可能性を示しています。上の図は、Zrを含む多数の元素からNbの分離をした溶出試験の結果を示し、下の図はその時使用した分析技法について示しています。Jerome氏らがTK400レジンを用いて、Paをその原種から分離したときの手順は以下の通りです。充填中や洗浄中にU、Th、Ac、Ra、Pbはこのレジンから分離され、高い化学収率(~83%)できれいなPaフラクションが得られることがわかっています。

TK400レジンを用いたNb分離

原種からのPa分離

主なアプリケーション 

・プロトアクチニウムの分離に…・Nbの分離に…

様々な濃度の硝酸、塩酸におけるTK100レジン上のSrおよびYのDw値

TK100レジン & TK101レジン クラウン・エーテルベースのSrレジンやPbレジン(米国Eichrom Technologies社製)などの抽出クロマトグラフィーレジンは、水サンプル中のSr-90やPb-210の分離や定量によく使用されています。これは液体シンチレーションカウンター(LSC)やガス比例計数管(GPC)を使用した方法です。

 これらのレジンは、適した濃度から高濃度の酸の条件下でのSrとPbの保持に優れていますが、ろ過された原料から

TK100レジン TK100レジンは、Sr、Pb、HDEHPに対する選択性の優れたクラウン・エーテルと液体陽イオン交換体で構成されています。

の直接充填や酸性の水サンプルには推奨されません。なぜなら、イオン交換や共沈殿のような前濃縮のステップの追加が必要となるからです。

 Sr-90やPb-210の分離プロセスを単純化するために、回収可能なpH数が広範囲にわたる2種類の抽出クロマトグラフィーレジンが開発され、水サンプル(pH2~8)の直接充填が可能になり、続く精製も同カラム上で行えるようになりました。

 ランカスター大学のJake Surman氏は、0.01Mより高い硝酸や塩酸濃度条件と同様に、pH2以上の異なるpH値におけるSrのDw値の点でも、このレジンを特徴づけました。8(Dw>>100)までのpH値でSrに対する高いDw値を示しています。

 特に硝酸の場合、pH2でSrの吸収率は高くなっています。水サンプルは、分析前の保管で安定させるため、サンプリングの直後に硝酸を使用してpH2に酸化させることは重要となります。

 硝酸濃度が上がると、8~10M硝酸で約100までSrのDw値が上昇することがわかります。これらの条件でTK100レジンはSrレジン(米国Eichrom Technologies社製)と非常に似た働きをします。

 水や希釈した硝酸を使用してのSrの溶出は不可能であることから、その他多数の溶離剤を分析しました。ここでは2M塩酸、3M硝酸と0.1Mエチレンジアミン四酢酸の使用が、すべての試験において適切であることがわかりました。

 その他複数の元素もTK100レジンに対してpH7で親和性を示しています。きれいなSrのフラクションを得るには、化学を使用した分離が必要となります。

 TK100レジンの回収に影響を与える代表的なマトリクス要素をpH7の条件で調査したところ、高い塩濃度はSr回収 に 作 用 す る に も か か わ ら ず 、 塩 化 ナ ト リ ウ ム 濃 度500mM、カリウム濃度400mg/L、マグネシウム濃度1300mg/L、カルシウム濃度500mg/Lでさえも、SrのDw値は100以上を保持しました。

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1 L loading - 100 mL fractions - TK100 Resin - 5 mL/min

 TK100レジンは、ミネラル含有量の限られた表面水や飲料水といった水サンプルにとても適しています。

 Surman氏らは、このレジンでCa、K、Mg、Ba、Co、Am、Cs、Pbのような様々な元素から、Srを分離できることを溶出研究で証明しています。この条件では、Pbは溶出されません。

 追加研究はDirks氏らによって行われました。pH7の1Lのサンプルを2mLのTK100カラムに流速5mL/分で100mLずつに分注して充填したところ、KとCaは充填中に詰まることなく流れることを確認しました。

 Srは充填量約600mLで流れ出てしまうため、2mLカラムでSr分析をする場合の充填可能なサンプル量は最大500mLとなります。

 5~10mL/分でサンプル充填をした場合でも、250mL(95.2%+/-2.5%,N=3)-500mL(88.2%+/-

4.3%, N=3)の水サンプルから、高い収率でSrを分離できることがDirks氏らによって証明されました。反対に、Y、Pb、Uは1Lのサンプル充填量でもしっかりと保持されます。Yは8M硝酸を使用して定量的に除くことができます。PbとUはSr溶出過程の後に保持され、6M塩酸を使用して溶出できます。例:液体シンチレーション測定法のα/β弁別によるPb-210の定量により可能です。

 TK100レジンを使用したPbとUの分離の研究は継続中ですが、TK101という別のレジンを利用することで、他元素からPbを容易に分離することができます。

 Dietz氏らは、イオン液内のクラウン・エーテルによるSr抽出のメカニズムについて、イオン液の鎖長に強く依存することを示しています。長鎖イオン液の場合、液-液抽出メカニズムが有利に働き、高い硝酸濃度でSrをよく吸着します。一方、短鎖イオン液の場合、陽イオン交換メカニズムが有利に働き、低いpH値でSrをよく保持します。その後、Sr保持率は酸濃度が高くなるにつれて減少し、1M硝酸あたりで最も低くなります。液-液抽出法が優勢になると、Dw値は高濃度の硝酸で期待通りに上昇します。

 この作用は、クラウン・エーテル/HDEHPシステムの作用に相当します。しかし、TK100レジンに比べてイオン液によって高まる選択性は極わずかであるため、きれいなPbフラクションを得るにはより簡単な方法となります。TK101レジンはPbの分離にアプリケーションを限定して

いるため、Srの保持力はTK100レジンより劣ることをご了承ください。

 Dirks氏らによる溶出試験では、TK100レジンと同様の条件で、TK101レジンでもPbをきれいに分離できることを証明しています。5~10mL/分で、1Lやそれ以上のサンプルを充填した場合でも、高いPbの収率を得ることができます。

主なアプリケーション 

・水サンプルからのSrの直接分離に…・Ra-226のICP-MSので定量に…

主なアプリケーション 

・水サンプル中からPbの直接分離に…

溶出試験:TK100レジンに1Lサンプルを100mLずつ充填した場合

TK101レジン

溶出試験:TK101レジンに1Lサンプルを100mLずつ通した場合