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ワークフローを成功に導く ロードマップ 文責:Dave EasterSBM Serena Software ( Micro Focus ® ) 製品管理担当ディレクター ホワイトペーパー

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ワークフローを成功に導く ロードマップ文責:Dave Easter、SBM Serena Software (現Micro Focus®)製品管理担当ディレクター

ホワイトペーパー

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目次 ページ

プロセス自動化のメリット . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .1

プロセスのターゲット設定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .2

過去から学ぶ落とし穴 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .4

成功のための戦略 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .5

システム要件 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .5

まとめ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .8

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ワークフローシステムは、IT 部門内および企業全体のプロセス改善を支援する理想的なシステム

です。メリットとしては、効率性、透明性、コンプライアンス、利便性などが挙げられます。

これらのメリットを達成するためには、自動化するプロセスを適切にターゲット設定すること、

成功のための戦略を持つこと、そして明確な要件を満たすシステムを利用することが欠かせません。

こうしたプロジェクトが過去に遭遇した落とし穴を理解することも重要です。

このホワイトペーパーでは、達成されるメリットやターゲットとなるプロセスの特徴、

また回避すべき落とし穴や、実証済みの成功戦略の要素について探りながら、ワークフロー

の自動化を成功に導くアプローチを考察します。さらに、そのような成功戦略を支えるワー

クフロープラットフォームの要件についても触れます。

これらの要素が一体となって、めまぐるしく変化する今日のモバイルエンタープライズに

おいてプロセス向上を成功に導くためのロードマップを提供します。

プロセス自動化のメリット

プロセスは企業内の結び付きを強め、一貫性のある最適な運営を可能にします。一般的に

見て、一貫性のないプロセスは、好ましくない結果や労働集約をもたらし、やる気を低下

させます。つまり、プロセス自動化には多大なメリットがあると言えます。人手を介した

プロセスに適用すると、ワークフローまたはビジネスプロセス管理システム (BPMS) は、

そのプロセスの関係者にいくつものメリットをもたらします。

ワークフローのメリットのうちで最も大きいものは、効率性です。まず、標準的な一貫性

のあるプロセスを手動の運用よりも高速で実行することができます。自動ワークフローに

より、プロセスに関わる時間を短縮し、理論上は、付加価値のないアクティビティがゼロ

になります。参加者は、ログや共有スプレッドシートの更新、意思決定について承認や介

入する必要がある際の通知、必要な情報の提供という作業が不要になり、コンプライアン

スなどの目的に必要なすべての記録管理が自動で処理され、動的な入力に基づいてワーク

フローがインテリジェントにルーティングされます。

プロセスの透明性は、効率的な運用や継続的な向上、コンプライアンスにとって必要な

メリットです。第一に、プロセス内で物事がどこにあるかを表示できることが、モーメント

管理には不可欠です。たとえば、アジャイル型のソフトウェア開発処理は、重要な関係者

がスプリントやバックログなどのプロセス要素のステータスを明確に把握できなければ成

功しません。プロセスの進行が速ければ速いほど、関係者がセルフサービスで透明性を得

られることが不可欠になります。継続的な向上は、ワークフローシステムが適切にサポート

している場合に、プロセスの透明性から波及するメリットです。しかし、システムが迅速

に進化できない場合や、手動に比べて柔軟性がない場合は、プロセスの自動化が継続的な

向上を妨げる場合があります。

継続的に向上するには、ボトルネックのレポートなど、ワークフローシステムからの適切

な情報も必要です。適切な情報が提供されて適応が容易なワークフローシステムは、継続

的な向上を強力に推進します。

ワークフローのメリットのうちで最も大きいものは、効率性です。まず、標準的な一貫性のあるプロセスを手動の運用よりも高速で実行することができます。

システムが迅速に進化できない場合や、手動に比べて柔軟性がない場合は、プロセスの継続的な向上が自動化によって妨げられる場合があります。

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プロセスが適切に自動化されると、コンプライアンスによりプロセスの効率が低下するこ

とがありません。これは、高度に設計されたワークフローシステムでは、関連する意思決定、

アクション、アクティビティの監査証跡が自動で作成されるためです。内蔵のコンプライ

アンスレポーティングが、プロセス参加者のオーバーヘッドを削除しながら、アクション

の処理と同時に、確実に監査証跡をキャプチャします。これにより、Sarbanes-Oxley、

HIPAA、PCI、Model Audit Rule、Reg SCI、FDA に関連するプロセス基準への準拠が容易

になります。

セキュリティはコンプライアンスに関連するメリットであり、ワークフローシステムが

プロセスに関連するすべてのコンテンツを管理することで、強化できます。これに代わる

一般的な方法は、( クラウド内の ) 共有フォルダや、共有のログまたはスプレッドシートなど、

緩く管理されたリポジトリを使用することです。システムが、統一された認証アクセスな

どのエンタープライズクラスのセキュリティ機能を持つように適切に設計されていれば、

ワークフローシステムで機密コンテンツへのアクセスやプロセスステータスを管理するこ

とは、安全性を大きく向上させます。

プロセス自動化メリットとして最後に挙げるのは利便性で、これも大切なポイントです。

自動化されたワークフロープロセスは、手動の場合よりも参加者のアクセスがはるかに便

利になります。そうでなければ、参加者は手動のプロセスに戻るか、シャドウシステムを

使用するようになります。優れた設計の最新ワークフローシステムでは、参加者のデバイ

スにプロセスがアラートで通知されるため、ワークフローへの参加がデバイス上で可能に

なり、情報を検索する必要もなく、ステータス検索や主要指標へのアクセスが簡単です。

プロセスのターゲット設定

成功は成功につながります。ですからプロセス自動化のためのターゲット設定を行う際は、

適切に選択することが重要です。ワークフローの自動化を考慮すべきプロセスには、いく

つかの明確な特徴と、それほど明確ではない特徴があります。

関係者に大きなフラストレーションをもたらすプロセスは、明確な自動化候補となります。

フラストレーションを裏返せばプロセス向上のモチベーションになるため、そのような

プロセスについては自動化を検討すべきです。手動アクティビティや緊急対応を少なくし、

可視性を高めてサイクル時間を短縮できれば、新しいシステムの利点は歓迎されるで

しょう。

関係者の満足度向上やサイクル時間の改善以外に、ワークフローを自動化すべきプロセス

には 6 つの特徴があります。

1. ワークフローのスループットレベルが、週に数個から 1日に数十個で、プロセスの処理数が中規模または大規模。この範囲を下回るボリュームであれば、利害関係者はそれに取り組むことに不満を抱くことがあっても、そのプロセスは最優先事項ではありません。 ボリュームがこの範囲を超えているプロセスは、関係者にとって明らかに重要です。ただし、まずは中規模のプロセスを自動化して成功を示してから、大規模のプロセスを自動化する ことをお勧めします。

手動アクティビティや緊急対応を少なくし、可視性を高めてサイクル時間を短縮できれば、新しいシステムの利点は歓迎されるで しょう。

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2. 対象のプロセスに 3人以上が参加している (プロセスの可視性を必要とする関係者は含みません )。プロセスの参加者が3人以上になると、効率的な運用が難しくなり、コミュニケーションが混線しやすくなります。したがって、ワークフローの自動化によるメリットがあるのは明らかです。

3. プロセスの自動化ターゲットに意思決定ポイントが複数含まれる。意思決定ポイントとは、プロセス参加者がワークフロー項目の承認、却下、ルート変更を行うポイントです。このようなインテリジェントなルート変更は、自動化プロセスでは容易に処理できます。一方、プロセスをメールでトラッキングして手動でログを更新すると、処理の間違いが多くなります。

4. サービスレベル契約や製品化リードタイムの問題など、プロセスに時間的制約がある。 プロセスに時間的制約がある場合、自動化によって、イベント発生の時間、ワークフローをアイテムが通過した時間、問題が解決した時間をトラッキングできます。この時間ベースのデータをすべて収集することで、ボトルネックを検出でき、求められる時間目標に合わせてしきい値を設定できます。

5. 他のシステムやログに対するアクセスや更新が必要である。ワークフローシステムに、他のシステムをオーケストレーションする機能がある場合は、これもプロセス自動化の必要性を示す兆候です。ここで言う他のシステムには、単純なものでは共有スプレッドシートから、高度なものでは、エンタープライズアプリケーションや、リポジトリ、モバイル デバイスの場所ベースのデータのフェッチや更新などがあります。このようなシステムの統合は、非常に手間がかかるうえ、自動化しなければ人的ミスを起こしやすいものです。高度に設計されたワークフローソリューションでは、これを容易に処理できるため、関係者に使いやすさ、効率性、高品質がもたらされます。

6. 最後に、透明性を必要とするプロセスである。コンプライアンスが関わる場合は、さらに自動化が必要です。自動化されていないプロセスや、ワークフロー機構に場当たり的にメールが使用されるプロセスでは、事後に監査証跡を再作成することは非常に困難です。高度に設計されたワークフローシステムでは、FDA、SOX、PCIなどの一連の規制に対応して、コンプライアンスレポートをサポートする監査証跡が自動で生成されます。

この基準を覚えやすくするために、頭文字をつづって DAVITS と呼びます。つまり、

Decision points ( 意思決定ポイント )、Audit trails ( 監査証跡 )、Volume of items ( 項目の

ボリューム )、Integrations ( 統合 )、Time sensitivity ( 時間的制約 )、Stakeholders ( 利害関

係者 ) です。

この基準を満たすものには、IT とその周辺や、ビジネス運営に関連する多くのプロセスが

含まれます。

たとえば、ソフトウェア開発のライフサイクルに関連する IT プロセスのほとんどは、自動

化によく適しています。このプロセスには、問題や障害の管理、リリース管理、変更管理、

テストケース管理などが含まれます。このようなプロセスはすべて、以下のような目標基

準を満たしています。

手動アクティビティを削減するニーズ

透明性の向上

プロセスの向上と緊急対応の減少

他のシステムを更新するニーズ

この最後のニーズは、多くの場合、ソフトウェア資産のリポジトリへの出し入れから、

最終的に本番環境に移行する際に発生します。

サービスレベル目標やサービスレベル契約に関するコンプライアンスの維持は、IT の日常

業務において極めて重要です。自動化システムにより、SLO および SLA のレベルが知らな

いうちに不履行になることを回避できます。自動化により、このしきい値がモニターされて、

サービスレベル目標やサービスレベル契約に関するコンプライアンスの維持は、ITの日常業務において極めて重要です。

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上流、下流、および近接のシステムとシームレスに統合されないワークフローシステムもまた、ユーザーの「スニーカーネット」統合が必要になるため、問題の発生源になります。

修正措置が必要な場合は関係者にアラートが送信されるため、不注意による違反が避けら

れます。

HR プロセスと重複する IT プロセスも、自動化の設定対象として最適です。このような

プロセスには、契約社員管理や、従業員のオンボーディングとオフボーディングが含まれ

ます。透明性、コンプライアンス、システム統合 ( アクセスおよびアイデンティティシス

テムなど ) に対するニーズがある場合、ワークフローの自動化に最適です。

基幹業務や一般的な業務プロセスには通常、上記のプロセスのあとに対応します。セールスの

見積承認から、休暇や経費償還の事務承認、設備投資要求まで、自動化に適した候補プロセス

は多くあります。特に、初期のプロジェクトで成功したあとは、有力な候補になります。

過去から学ぶ落とし穴

ワークフローシステムとプロジェクトの過去を振り返ると、避けるべき落とし穴がたくさん

見つかります。このような落とし穴を避けるには、それらを理解して予測する必要があり

ます。

最初に発生することが多いのは、不適合性です。特に、ある分野のために設計されたシス

テムを別の分野で使用する際に発生します。機能要件に不一致があると、関係者の処理が

多くなり、不適合システムに代わるソリューションが必要になります。

不適合システムの場合は、機能の柔軟性も損なわれます。そのため、システムの管理者や

開発者は、プロセスとその関係者のニーズの変化に応じてシステムを迅速に適合させて修

正することができません。

上流、下流、および近接のシステムとシームレスに統合されないワークフローシステムも

また、ユーザーの「スニーカーネット」統合が必要になるため、問題の発生源になります。

このような手動による検索、更新、チェックインおよびチェックアウトは、手間がかかる

だけでなく、見落とされやすく、必要なときに適切に実行されないことが多いものです。

この偏狭性の影響は深刻で、非同期システム、コンプライアンス問題、全面的なシステム

障害などを起こす可能性があります。

適合性や柔軟性の欠如に偏狭性が加わると、問題はたちまち雪だるま式に大きくなり、ユー

ザーがワークフローシステムを拒否することも起こり得ます。結局のところ、ユーザーに

はニーズに合わない新しいシステムを受け入れる義務も、手間のかかるエラーが起きやす

い作業を強いられる義務もないのです。

ワークフローシステムについて評価を下すのはユーザーだけではありません。監査官やコン

プライアンスオフィサーも、監査証跡やコンプライアンス記録を調べるために、これらの

システムに注目します。コンプライアンスプロセスを自動化するシステムが、監査機能を

備えていなかったり、適切な監査証跡を生成できなかったりすれば、管理の弱点であると

みなされる危険性があります。

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成功のための戦略

ワークフローの導入に成功するには、全体的な機能よりも、特定のアプリケーションに焦

点を当てます。重要な点は、問題 / 障害管理システムや IT サービス管理システムの背後に

ある基盤システムを他のワークフローに適用できることを、エンドユーザーは知る必要も

気にする必要もないということです。ユーザーは、自分が使用する IDM や ITSM が適切に

機能しているかどうかを、他のエンタープライズアプリケーションの場合と同様の方法で

判断すればいいのです。

導入に成功した場合、適合しないシステムや汎用性が高すぎて理解しにくいシステムをユーザーに

受け入れてもらうのではなく、ユーザーのニーズに適合するシステムを提供できます。

したがって、上記のプロセスターゲット設定ガイダンスに基づいて、最初のワークフロー

アプリケーションに焦点を絞ることが重要です。最初のアプリケーションに成功すれば、

ユーザーの支持、サイクル時間の削減、その他のプロセス向上メリット、経験を積んだ管

理者など、さまざまなプラス効果が生まれます。

この最初の成功のあとで他のプロセスに自然に拡大していくと、容易に支持されます。

多くの組織では、ワークフローアプリケーションの開発と管理に、「センターオブエクセレンス」と

いう方法を使用して成功しています。エンドユーザーは通常、異なるプロセスに単一の基盤プラッ

トフォームが使用されていることを認識していませんが、開発者や管理者は、拡張可能なプラット

フォームの知識を複数のプロセスに適用することで、拡張のメリットを得られます。

センターオブエクセレンスのプラットフォームの専門家は、プロジェクトのたびに手法を

繰り返し、プロセスアプリケーションを再利用することにもすぐに熟練します。また、既

製のプロセスアプリを使用することで、新しいプロジェクトのたびに機能を再開発するこ

となく、再利用できるようになります。

プロセスアプリケーションは、継続的な向上、新しいコンプライアンスルール、またはそ

の他の自然な理由に基づいて、強化していく必要があります。実際、このような進化は、

拡張可能なプラットフォームが提供するメリットの 1 つです。これは、プラットフォームが

新しい拡張アプリケーションの迅速な開発とデプロイメントをサポートすることを前提と

しています。つまり、中長期の成功には、超高速の進化を可能にするシステムの使用が必

要であるということです。

システム要件

ワークフローシステムの要件は 2 つの種類に分けることができます。1 つはプロセスアプリ

ケーションのプロビジョニングに関する要件、もう 1 つは、プロセスアプリケーションの使

用量に関する要件です。言い換えれば、プラットフォームはどのようにしてワークフロー

アプリケーションのモデリング、開発、デプロイメント、管理をサポートすべきか ? また、

ワークフロー成功の 6つの鍵

継承して拡大する 繰り返し、再利用する センターオブエクセ レンス 再開発をしない ユーザーのニーズに 適合させる 超高速の進化

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自動化するプロセスにおいて、どのように参加者および利害関係者の二―ズを満たすべき

か ? 求められているメリットと前述の成功戦略をふまえると、次に考慮すべき要素は、ワー

クフロープラットフォームのための一連の要件です。これらの要件を満たすことにより、

システムおよび利害関係者は、すでに実例のある落とし穴を回避することができます。

プロビジョニングエンドユーザーおよびプロセス要件は常に変化し続けています。ワークフローアプリケー

ションを提供するという任務を負ったプラットフォームは、絶えず進化する要件に足並みを

そろえる必要があります。したがって、ワークフロープラットフォームは、導入期を含む

すべての開発ライフサイクルのあらゆる段階において超高速対応で設計されることが重要

です。このメタ要件は、7 つの補助的要件から成っています。

視覚的開発とプロセスマッピングは、非常に高速な開発者の生産性全般およびプロセス所有者の特定のエンゲージメントを支援するために必要不可欠です。これは、望ましいフローをシステム内に適切にキャプチャするためのプロセスマップをプロセス担当者と共有することから生じます。

スタンドアローンで機能するエンタープライズワークフローはほとんどないため、マルチシステムオーケストレーションが必要となります。ほとんどの場合、近接のシステムで更新をトリガするか、検索を実行するか、またはモバイルデバイスあるいはその他の (人間以外の )データソースからフィードを取得する必要があります。そのため、RESTおよびSOAPなどのWebサービス統合メソッドの現行の範囲をサポートするシステムが必要になります。

開発者が一から再開発しなくて済むように、アプリケーションの再利用が必要です。既製のプロセスアプリケーションが利用できれば、それにこしたことはありません。既製のプロセスアプリケーションは、そのままの状態で利用できるか、簡単に修正できる必要があります。最も優れた成功というのは、往々にして、ソフトウェア開発のライフサイクル周辺、あるいは関連 ITプロセスなど、特定の分野で幅広く使用されるシステムから生まれます。特定の分野で成功している場合は、最初のターゲットプロセスのデプロイメントの成功機会が劇的に向上します。

特定の分野 (IT SDLCなど )で決定的な強みを持っているからといって、その他の分野にシステムを適用することを制限すべきではありません。上術の継承と拡大の原則に従い、優れたワークフロープロジェクトは企業内の他の分野でも需要が生まれます。したがって、システムは、基幹業務プロセス、ITプロセス、またはより技術的なプロセスのいずれの場合であっても、同等に使いやすいものである必要があります。

上記の要件は、プロセスアプリケーションの作成と修正に必要な開発リソースを最小限に抑えるためのものです。一方、次に示す要件は、デプロイメントと管理に必要なリソースを最小限に抑えます。どのような方法で達成するにせよ、最小限の開発と管理が、人手を抑える傾向にある今日の環境には不可欠です。

即時デプロイメントは、プロセスアプリケーションのプロビジョニングを行う管理者側の基本要件です。これにより、プロビジョニングサイクル全体を高速に実行し、ワークフローDevOpsが不要になります。

そして最後の点として挙げられるのは、即時デプロイメントと最低限の人材配置により、システムの監査可能な変更管理機能を損なってはならないという点です。つまり、エンタープライズクラスの変更管理機能をサポートすることで(例:ロールバック)、日々のデプロイメント活動を自動的に記録し、監査やコンプライアンス目的で使用できるようにしておく必要があります。

参加自動化したプロセスの中でプロセスアプリを参加者が使用するときがいよいよ重要な局面

です。プロセスをモニターまたは監査する参加者も、重要な利害関係者となります。こう

したアクティブな利害関係者は、ワークフローシステムの成功を審査します。その際の評

プラットフォームはどのようにしてワークフローアプリケーションのモデリング、開発、デプロイメント、管理をサポートすべきか? また、自動化するプロセスにおいて、どのように参加者および利害関係者の 二―ズを満たすべきか?

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価基準となるのは、彼らの時間節約に役立っているかどうか、従来よりも効果的であるか

どうか、そしてよりよい意思決定を促す材料となっているかどうか、という点です。

彼らが求める主な要件は、ワークフローシステムが彼らの業務執行をサポートし、適切な

役割を果たしていることです。彼らは、通常、現場のプロセスの手順と特徴に適合しない

ソリューションに対しては反発します。さらにこれらの利害関係者は、前述のプロビジョ

ニングの項でも述べたとおり、進化し続ける要件にシステムが常に対応していることを期

待します。

プロセスは適合する必要があるだけでなく、他のいくつかの要件も満たす必要があります。

今日のプロフェッショナルはモバイルを多用する人々であり、自らのさまざまなデバイス

上でもワークフローシステムが作動することを期待します。最小サイズのデバイス ( 携帯電

話 ) 上で、すべての機能にアクセスできる必要はありませんが、緊急性の高い変更の承認な

ど、時間的制約のあるアラートやアクションにはアクセスできなければなりません。

アラートと言えば、時間的制約、プロセスゲート、およびプロセスのしきい値は、ワーク

フローシステムのコア機能の一部です。つまり、システムは広範なアラートや通知をサポー

トする必要があり、ユーザーまたはプロセス所有者がアラートや通知を定義できなければ

なりません。定義の幅が豊富であればあるほど、卓越したプロセス管理が可能となります。

卓越したプロセス管理は、ボトルネックの特定に端を発することもよくあります。これも

またプロセスレポートの重要な要件の 1 つです。何がプロセスの実行を妨げているのか ? 特

定のアイテムが障害となっている理由は何か ? こうした質問には即座に回答できなければ

なりません。このようなレポートは、ワークフローシステムが提供すべき豊富なプロセス /

参加者レポーティングの一例に過ぎませんが、いかに分析やプロセスを改善できるかを示

唆しています。

監査証跡やその他のコンプライアンスレポートも必要です。このレポートにより、コンプ

ライアンスのコストを大幅に削減できるだけでなく、プロセスの実行手順を常にキャプチャ

できるため、信頼性が向上します。

同様に、真に役立つワークフローシステムは、ポリシーに違反する行為を厳しく禁止する

ことにより、ビジネス、法律、財務のポリシーを強化します。正しい行為を容易に行える

ようにすることは、適切なアクションをとるうえで強力なインセンティブとなります。そ

して、不適切な行為を遮断することで、違反行為を防止できます。

このように、真に役立つワークフローシステムは、ペーパーワークにとって代わる以上の

価値をもたらします。データの取り込み、近接システムの更新、モバイルデバイスからのデー

タキャプチャ、レポジトリ内外へのデジタルアセットの移行などの作業をトラッキングで

きるだけでなく、実際に実行できるのです。そのためには、システム間での管理をオーケ

ストレーションし、人対人のワークフローだけでなく、人対システムのワークフローも管

理する必要があります。

アクティブな利害関係者は、ワークフローシステムの成功を審査します。その際の評価基準となるのは、彼らの時間節約に役立っているかどうか、従来よりも効果的であるかどうか、そしてよりよい意思決定を促す材料となっているかどうか、という点です。

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まとめ

ワークフローの成功には、明確な根拠があります。過去の成功プロジェクトを振り返ると、

上述したような成功のロードマップを作成することがいかに重要であるかがわかります。

このロードマップを作成するためには、まずイニシアチブの目標 ( ワークフローのメリッ

ト ) を理解する必要があります。そして、自動化するプロセスの適切なターゲット設定へと

進みます。また、成功のための戦略を策定し、同様のイニシアチブが過去に遭遇した落と

し穴を理解することも重要です。

背景と戦略があれば、上述のとおり、採用するシステムの要件が明らかになります。

成功の戦略に従い、このような要件を満たす最新のワークフローシステムを使用すれば、

プロセスは円滑に稼働し、絶えず向上できるうえ、コンプライアンスコストを削減できます。

ワークフローの自動化にはこのように達成可能なメリットがあるため、現在、IT 成功のた

めの絶好の機会の 1 つになっています。

真に役立つワークフローシステムは、ペーパーワークにとって代わる以上の価値をもたらします。作業をトラッキングできるだけでなく、実際に実行できるのです。

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