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2.7.4 臨床的安全性の概要 Page 90 of 120 Nihon Schering K.K. 2.7.4.4.3 心電図 2.7.4.4.3.1 方法 臨床検査の一部として 12 誘導心電図記録を実施した被験者は,第Ⅰ相臨床試験では高用量投与を 受けた被験者を含む 107 例の志願者で(プラセボ投与を含む),SH L569B の最高血清濃度を示す時 点付近での種々の記録も含まれている.その他の 12 誘導心電図記録は,第Ⅲ相臨床試験 3 試験の総 計 516 例の患者から得た. 1990 年代半ばに実施された第Ⅰ相臨床試験では,時間間隔の測定などの評価は当時の標準に従っ て自動的に実施されたのに対して,第Ⅲ相臨床試験 2 試験(鑑別能検討試験;報告書 A05742, A01908)ではマニュアルで行った.すべての心拍間隔の測定,優位なリズム(dominant rhythm), 期外収縮,U 波,心拍数の評価は,中央検査室の第三者の心臓病専門医 1 名により, 集中的に検討 された(516 例中 462 例).この集中評価に加えて,心電図実施直後に,心電図上の異常又は正常 な結果の評価及びその臨床上の有意性の考察が治験責任医師により行われた.他の第Ⅲ相臨床試験 1 試験(特別な集団での試験;報告書 A04410)ではこの総合評価のみが行われ,間隔の測定は行わ れなかった(516 例中 54 例). QT 値と補正された QT 値(QTc 値)は,心拍数と 3 回連続して得られた第 II 誘導心電図のそれぞ れの間隔値の平均値に基づいて求められた.本薬の開発中,Bazett に従った補正 QT 値(QTcB)に ついては様々な正常範囲が用いられた. 第Ⅰ相臨床試験では,評価の基礎として当初正常 QT 範囲を 350~430msec に設定した. 第Ⅲ相臨床試験及び「2.7.4 臨床的安全性の概要」においては,正常範囲のカットオフ 値は 460msec 以下に設定した.これは‘Points to consider:The assessment of the potential for QT interval prolongation by non-cardiovascular medical products(CPMP/986/96)にある男女のカットオフ値の平均値を表している. このガイドラインに従って,投与直前値に比べ 30~60msec の延長,60msec を超える延 長,及び絶対値で 500msec を超える延長について解析を行った.また,「ベースライン (投与前 24 時間以内)と投与直前の平均値」と比較した同様の延長を評価した.QT の分 散に関しては評価しなかった. 306

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  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

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    2.7.4.4.3 心電図

    2.7.4.4.3.1 方法

    臨床検査の一部として 12 誘導心電図記録を実施した被験者は,第Ⅰ相臨床試験では高用量投与を

    受けた被験者を含む 107 例の志願者で(プラセボ投与を含む),SH L569B の最高血清濃度を示す時

    点付近での種々の記録も含まれている.その他の 12 誘導心電図記録は,第Ⅲ相臨床試験 3 試験の総

    計 516 例の患者から得た.

    1990 年代半ばに実施された第Ⅰ相臨床試験では,時間間隔の測定などの評価は当時の標準に従っ

    て自動的に実施されたのに対して,第Ⅲ相臨床試験 2 試験(鑑別能検討試験;報告書 A05742,

    A01908)ではマニュアルで行った.すべての心拍間隔の測定,優位なリズム(dominant rhythm),

    期外収縮,U 波,心拍数の評価は,中央検査室の第三者の心臓病専門医 1 名により, 集中的に検討

    された(516 例中 462 例).この集中評価に加えて,心電図実施直後に,心電図上の異常又は正常

    な結果の評価及びその臨床上の有意性の考察が治験責任医師により行われた.他の第Ⅲ相臨床試験

    1 試験(特別な集団での試験;報告書 A04410)ではこの総合評価のみが行われ,間隔の測定は行わ

    れなかった(516 例中 54 例).

    QT 値と補正された QT 値(QTc 値)は,心拍数と 3 回連続して得られた第 II 誘導心電図のそれぞ

    れの間隔値の平均値に基づいて求められた.本薬の開発中,Bazett に従った補正 QT 値(QTcB)に

    ついては様々な正常範囲が用いられた.

    • 第Ⅰ相臨床試験では,評価の基礎として当初正常 QT 範囲を 350~430msec に設定した.

    • 第Ⅲ相臨床試験及び「2.7.4 臨床的安全性の概要」においては,正常範囲のカットオフ

    値は 460msec 以下に設定した.これは‘Points to consider:The assessment of the

    potential for QT interval prolongation by non-cardiovascular medical products’(CPMP/986/96)にある男女のカットオフ値の平均値を表している.

    • このガイドラインに従って,投与直前値に比べ 30~60msec の延長,60msec を超える延

    長,及び絶対値で 500msec を超える延長について解析を行った.また,「ベースライン

    (投与前 24 時間以内)と投与直前の平均値」と比較した同様の延長を評価した.QT の分

    散に関しては評価しなかった.

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  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

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    *新薬承認情報提供時に置き換えた。

    2.7.4.4.3.2 健康被験者(第Ⅰ相臨床試験)

    第Ⅰ相臨床試験 4 試験(報告書 A336,A337,A954,A08607[日本])の 107 例に対して 12 誘導心

    電図検査が実施された.表 2.7.4.4-6 に SH L569B 500μmol/kg までの投与量で,心電図検査が実施

    された被験者数を試験別に示す.心電図検査の時点は,SH L569B 投与中から投与後にかけての記録

    を含んでいる.すべての心電図は自動的に評価された.

    表 2.7.4.4-6 第Ⅰ相試験において 500μmol/kg までの投与量群において 12 誘導心電図が実施された被験者数

    Number of patients in the different dose group Report

    number Placeb

    o

    10

    μmol/kgBW 25

    μmol/kgBW50

    μmol/kgBW100

    μmol/kgBW200

    μmol/kgBW 350

    μmol/kgBW500

    μmol/kgBWA336 12 8 8 8 8 --- --- ---

    A337 --- 4 4 4 4 --- --- ---

    A954 5 --- --- --- --- 6 6 6

    A08607 6 --- 6 6 6 --- --- ---

    Total 23 12 18 18 18 6 6 6

    Reference Documentation: Studies no.E*104(Report no. A336),E*105(Report no. A337),G*005(Report no.

    A954) and A19BPB (Report no. A08607)

    個々の試験の結果

    報告書 A336

    方法:標準的な心電図計(Hewlett-Packard 54S)による心電図が,SH L569B 投与前,投与 2 分

    後,5 分後,15 分後,30 分後,1 時間後,2 時間後,4 時間後,6 時間後,12 時間後,24 時間後,

    48 時間後,72 時間後に実施された.

    結果:心電図パラメータには個体間の変動が見られたが,治験責任医師が「臨床上有意である」,

    又は SH L569B と「関連性あり」と判断した変化は認められなかった.10μmol/kg 投与群では,投

    与 5 分後に QTcB 平均値が 13msec とわずかに増加したが,投与 5 分後の QTcB 平均値(394.3msec)

    及び個々の被験者の値はいずれも正常範囲内であった.100μmol/kg までのその他の投与群では,

    類似の所見は認められなかった.

    報告書 A337

    方法:全被験者に対し,標準的な心電図計(Cardiovit,Schiller)による心電図がベースライ

    ンと 1日目(投与 24 時間後)に実施された.

    結果:個体間の変動が認められたが,治験責任医師が臨床上有意である,又は治験薬と関連があ

    ると考えた変化は認められなかった.ベースラインから 1 日後の心電図に用量依存性の変化は認め

    られなかった.1 例の男性被験者(番号 ,投与量 10μmol/kg)にのみ,一つの ECG パラメータ

    (QTc 間隔)がベースラインの正常範囲内から 1 日後に正常範囲外へ変化した.それぞれの値は,

    ベースラインでは 377msec,1 日後は 448msec であった(QTc 間隔の正常範囲:350~430msec).

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    報告書 A954(高用量)

    方法:心拍数に対して補正した PQ 間隔,QRS 期間,及び QT 間隔(QTc 間隔)の自動測定による

    (Cardiovit,Schiller)心電図測定が実施された(肢誘導と胸部誘導).

    少なくとも 15分間の安静期間(ベッドでの仰臥位)の後に心電図が測定された.自動判定された

    結果のうち正常範囲外の心電図データを医師がチェックした.投与当日には,被験者は投与前に心

    電図モニター(Hewlett Packard)を装着され,投与 3 時間後まで連続的にモニターされた.心電図

    変化が認められた場合には,心電図の正常化が観察されるまでモニタリングが継続された.

    結果:所見には個体間の変動が認められたが,治験責任医師はこれらの変化を「臨床上有意では

    ない」,又は SH L569B と「関連性なし」と考えた.投与 15 分後の平均 QTcB 値は,最高用量の 500

    μmol/kg まで,わずかであるが用量依存的に増加した.

    報告書 A08607(日本の試験)

    方法:12 誘導心電図検査を,投与前,投与 2 分後*,5 分後*,15 分後*,30 分後*,1 時間後,4 時

    間後,24時間後,48 時間後,72 時間後,96時間後に実施された.

    *:1 誘導モニター

    結果:心電図に臨床上有意な変化は認められなかった.

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  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

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    *新薬承認情報提供時に置き換えた。

    第Ⅰ相臨床試験における個々の心電図パラメータの評価

    QT 間隔

    QT 間隔は報告書 A337 のみ別に示した.表 2.7.4.4-7 は,SH L569B 投与前と投与 1 日後の QT 間

    隔の時間経過を示す.投与前からの平均 QT 間隔の変化は,10μmol/kg 投与後で 27.00msec,25μ

    mol/kg 投与後で 5.75msec,50μmol/kg 投与後で 0msec,100μmol/kg 投与後は-8.50msec であった.

    表 2.7.4.4-7 第Ⅰ相試験における QT 間隔の記述統計量

    QT interval Time point

    of

    measurement

    0/00:0

    (d/h:min)

    N Mean

    (msec)

    SD Median

    (msec)

    Range

    10 μmol/kg BW 0/00:00 4 391.25 19.45 384.00 377 - 420

    1/00:00 4 418.25 24.32 417.50 393 - 448

    25 μmol/kg BW 0/00:00 4 409.00 12.41 408.50 395 - 424

    1/00:00 4 414.75 2.22 415.00 412 - 417

    50 μmol/kg BW 0/00:00 4 393.00 21.46 387.50 374 - 423

    1/00:00 4 393.00 24.23 390.50 367 - 424

    100 μmol/kg BW 0/00:00 4 409.25 25.24 398.00 394 - 447

    1/00:00 4 400.75 4.57 400.50 396 - 406

    Reference Documentation: Study no. E*105 (Report no. A337)

    QTcB(Bazett 補正)

    報告書 A336 及び A954 の全時点における Bazett 補正後の QTc(QTcB)値の平均値並びに中央値を

    2.7.4.7 付録 表 47 に示す.

    概して,報告書 A336 のプラセボ投与群の平均値と中央値は,報告書 A954 と比較してわずかに高

    かった.報告書 A336 のプラセボ投与群では正常範囲を下まわる,又は正常範囲を超える場合が

    あったが,報告書 A954 ではそのような逸脱は生じなかった.

    10μmol/kg 投与群では,SH L569B 投与 5分後に,ベースラインと比較して 13msec の平均 QTcB 値

    の増加が認められた.この上昇は投与 6 時間後にベースライン値にもどった.2 例の被験者の QTcB

    値は,1 又は 2 測定時点で正常範囲下限である 350msec を下回った.25μmol/kg 及び 50μmol/kg の

    SH L569B 投与後には,QTcB の平均値と中央値に顕著な増加は認められなかった.少数の被験者の

    QTcB 値は,様々な時点で正常範囲である 350~430msec を下回る,又は超える逸脱を示した.

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  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

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    *新薬承認情報提供時に置き換えた。

    100μmol/kg の投与後 1 時間以内には,平均 QTcB 値のわずかな上昇(2.0~8.9msec)とともに減

    少(1.2~5.6msec)の両方が観察された.1 例は本剤投与前に 503msec の QTcB 延長を示したが,本

    剤投与後のどの時点でも,このような延長は見られなかった.

    本剤 200μmol/kg 投与では,QTcB の平均値及び中央値は,投与 1 時間 10 分後に 390msec から

    400msec まで増加したが,2時間 10 分後の時点には 390msec となった.

    350μmol/kg 投与では,QTcB の平均値及び中央値は,投与 15 分後に 390msec から 400msec まで増

    加したが,これは 4 時間後以降に 390msec となった.基準値の範囲外への変化は,いずれの被験者で

    も認められなかった.

    500μmol/kg 投与でも,QTcB の平均値は,投与 15 分後に 390msec から 410msec まで増加した.投

    与 15 分後及び 1 時間 10 分後に,基準値(350~430msec)の範囲を超える 470msec までの変化が観

    察された.

    本剤投与前の QTcB 値が 460msec 未満で,投与後いずれかの時点で 460msec を超えた変化

    表 2.7.4.4-8 に,報告書 A336 及び A954 の両試験において,本剤投与前に QTcB 値が正常で,投

    与後いずれかの時点で,定義された範囲(>460msec)を超える QTcB 値になった被験者の一覧を示

    す.QTcB 値の延長が生じたのは,100μmol/kg 投与群の 1 例では投与 2 分後,100,200,500μ

    mol/kg のいずれかの投与群の計 4 例中 3 例では投与 1 時間後,25μmol/kg 投与群の 1 例では投与 3

    日後であった.これら 5 例全例で心拍数が投与前と比べ 10bpm 以上増加し,うち 4 例では 20bpm 以

    上の増加であった.

    表 2.7.4.4-8 投与前 QTcB が 460msec 未満で,投与後のいずれかの時点で

    460msec を超えた被験者の一覧

    QTcB values (msec) Volunteer

    Number Dose

    (μmol/kg BW) Screening

    (20-28 days

    before injection)

    Pre-contrast 2 min

    p.i.

    1 hour

    p.i.

    3 days

    p.i.

    Study no. E*104 (Report A336)

    AQ* 25

    NA 392

    (HR 60)

    -- -- 476

    (HR 81)

    AR* 100 NA 391

    (HR 58)

    466

    (HR 79)

    -- --

    AS* 100 NA 385

    (HR 63)

    -- 474

    (HR 95)

    --

    Study no. G*005 (Report A954)

    N* 200 378

    (HR 64)

    408

    (HR 52)

    -- 463

    (HR 72)

    --

    J* 500 378

    (HR 64)

    418

    (HR 55)

    -- 471

    (HR 65)

    --

    NA= not applicable, HR= heart rate

    Reference Documentation: Studies no. E*104 (Report no. A336) and G*005 (Report no. A954)

    310

  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

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    *新薬承認情報提供時に置き換えた。

    その他の第Ⅰ相臨床試験の報告書 A337 及び A08607 では,SH L569B 投与後に QTcB 値が 460msec

    を超えた被験者は認められなかった.

    本剤投与前から投与後のいずれかの時点で QTcB 値が 60msec を超えて増加した変化

    表 2.7.4.4-9 は,本剤投与前から投与後のいずれかの時点で 60msec を超える QTcB 増加があった

    被験者数を示す.報告書 A336 においては,いずれかの時点で>60msec の増加が 6例で認められ,

    これは投与 2分後から 3日後の間に生じた.報告書 A337 については,1例に本剤投与 1日後に

    >60msec の増加を示した.報告書 A337 の 1 例を除く 6例の被験者において,心拍数の 16bpm 以上

    の増加が認められた.

    表 2.7.4.4-9 投与後のいずれかの時点で QTcB が 60msec を超えて増加した被験者の一覧

    Patient

    number

    Dose

    (μmol/kg BW) Pre-contrast

    value in msec

    and (heart rate

    in bpm)

    Time point of QTcB

    increase with QTcB value

    in msec and (heart rate

    in bpm)

    QTcB value at

    given time point

    minus pre-

    contrast value =

    difference (msec)

    Study no. E*104 (Report no. A336)

    10 357 (53) 1 hour p.i. = 425 (70) 425 - 357 = 68

    AQ* 25 392 (60) 3 days p.i. = 476 (81) 476 - 392 = 84

    25 357 (58) 1 day p.i. = 419 (74) 419 - 357 = 62

    50 374 (63) 2 hrs p.i. = 444 (91) 444 - 374 = 70

    AR* 100 391 (58) 2 min p.i. = 466 (79) 466 - 391 = 75

    AS* 100 385 (63) 30 min p.i. = 450 (88)

    1 hour p.i. = 474 (95)

    450 - 385 = 65

    474 - 385 = 89

    Study no. E*105 (Report no. A337)

    10 377 (60) 1 day p.i. = 448 (65) 448 - 377 = 71

    Reference Documentation: Studies nos. E*104 (Report no. A336) and E*105 (Report no. A337)

    報告書 A954 及び A08607 では,本剤投与前から投与後のいずれかの時点で QTcB 値に>60msec の

    増加があった被験者は認められなかった.

    2.7.4.4.3.3 患者(第Ⅱ相及び第Ⅲ相臨床試験)

    第Ⅱ相臨床試験では心電図は記録されなかった.三つの第Ⅲ相臨床試験(報告書 A05742, A01908,

    A04410)の 516 例では心電図検査が実施された.これらの試験では,25μmol/kg のみが投与された.

    第Ⅲ相臨床試験における心電図記録:

    心電図検査は,ベースライン,SH L569B 投与直前,30 分後,60 分後,2-4 時間後,20-28 時間後,

    68-76 時間後,140-148 時間後に実施された.本剤投与 60 分後と 140-148 時間後の測定は,報告書

    A04410 の 54 例でのみ実施された.

    311

  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

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    統計的評価のための基準値は最も近接している値が望ましいため,本剤投与直前の測定時点のも

    のとした.

    2.7.4.4.3.3.1 概括的結果

    2 試験(報告書 A05742, A01908)の計 462 例中 99.4%(459 例)の患者で,完全に評価可能な心

    電図データが得られた.個々の測定時点では,心電図データが部分的に評価可能であった患者が見

    られた(最高 1.1%).2.7.4.7 付録 表 48 を参照のこと(注:報告書 A04410 では心電図の総合

    評価のみ行われ,この評価に含まれない).

    完全又は部分的な心電図が得られた男女の数を 2.7.4.7 付録 表 49,50 に示す.男性患者数は

    女性患者数よりもわずかに多く,部分的に実施された心電図は女性で多かった.

    表 2.7.4.4-10 において,2 試験(報告書 A05742, A01908)では,ほとんどの患者(80~83%)は

    測定された全時点(投与後 30 分,2-4 時間,20-28 時間,68-76 時間)で心電図は正常であった.

    本表に含まれる報告書 A04410 に関しては,本剤投与前には 54 例中 22 例(41%),投与 60 分後に

    は 54 例中 25 例(46%)で異常所見が記録され,この異常所見の件数は投与 140-148 時間後には 54

    例中 19 例(35%)に減少した.

    表 2.7.4.4-10 用量別,測定時期別,正常又は異常心電図所見が見られた患者数 ECG result

    Normal Abnormal Missing Overall Treatment

    (SH L569B) Time point

    N % N % N % N %

    baseline 416 80.6 98 19.0 2 0.4 516 100.0

    Before injection (pre-

    contrast MR)

    414 80.2 93 18.0 9 1.7 516 100.0

    30 min post-contrast 381 82.1 76 16.4 7 1.5 464 100.0

    60 min post-contrast 29 53.7 25 46.3 0 54 100.0

    follow up 2-4 hrs 386 83.2 76 16.4 2 0.4 464 100.0

    follow up 20-28 hrs 419 81.5 92 17.9 3 0.6 514 100.0

    follow up 68-76 hrs 375 82.8 73 16.1 5 1.1 453 100.0

    25µmol/kg BW

    follow up 140-148 hrs 35 64.8 19 35.2 0 54 100.0

    ECG data only available for Report A05742, A04410 (only overall assessment) and A01908. 60 min post-

    contrast and follow-up 140-148hrs were measured in Report A04410.

    Reference Documentation: ISS Table EC.4.1

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  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

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    Nihon Schering K.K.

    *新薬承認情報提供時に置き換えた。

    治験責任医師が評価した臨床上有意な心電図異常

    2 試験の 4 例(報告書 A05742 の 3 例,報告書 A01908 の 1 例)において,ベースラインの 12 誘

    導心電図からの臨床上有意な変化が治験責任医師により報告された(表 2.7.4.4-11).これらの 4

    例では,投与前を含む 5 測定時点において有意な変化が見られた.心電図で検出された変化に臨床

    症状を伴うものはなく,1 件の心電図異常が治験責任医師により治験薬と「関連の可能性あり」と

    考えられた.臨床上有意な心電図変化の一覧を 2.7.4.7 付録 表 51 に示す.

    表 2.7.4.4-11 ベースラインと比べ臨床的に有意な心電図変化が見られた患者数

    :用量別(異常な心電図所見が見られた患者のみ)

    Clinically significant change from baseline

    No Yes Missing Overall Treatment

    (SH L569B) Time point

    N % N % N % N %

    Before injection (pre-

    contrast MR)

    92 98.9 1 1.1 0 93 100.0

    30 min post-contrast 75 98.7 1 1.3 0 76 100.0

    60 min post-contrast 25 100.0 0 0 25 100.0

    follow up 2-4 hrs 75 98.7 1 1.3 0 76 100.0

    follow up 20-28 hrs 91 98.9 1 1.1 0 92 100.0

    follow up 68-76 hrs 72 98.6 1 1.4 0 73 100.0

    25μmol/kg BW

    follow up 140-148 hrs 19 100.0 0 0 19 100.0

    ECG data only available for Studies nos. 012387, 014468 (only overall assessment) and 014763.

    Reference Documentation: ISS Table EC.4.2

    これらの臨床上有意な変化の詳細について,それぞれの臨床試験報告書の記載を以下にまとめ

    る:

    報告書 A05742

    患者番号AH*は,酒石酸メトプロロールの治療を受けており,ベースラインの心電図に異常が認

    められたが,臨床上有意なものではなかった.しかし本剤投与 24 時間後には臨床上有意なものと

    なった.この患者は投与 5 時間 18 分後に徐脈をきたした.本件は有害事象として報告され,治験責

    任医師により,「軽度」で本剤との「関連なし」と判断された.患者の治療薬(酒石酸メトプロロー

    ル)は減量され,翌日,患者は有害事象から完全に回復した.

    患者番号 は,ベースラインの心電図は正常であったが,本剤投与 2-4 時間後に臨床上有意な

    異常となった.この患者は第一度 AV ブロックをきたし,有害事象として報告された.房室ブロック

    は「軽度」で,投与 2 時間 8 分後に生じ,試験終了時も続いていたが,投与 2-4 時間後以降ではいず

    れの時点でも臨床上有意とは考えられなかった.これも,治験責任医師により治験薬と「関連なし」

    と判断された.

    患者番号 は,ベースラインの心電図は正常であったが,造影剤投与前と MRI 検査終了後(投

    与 30 分後)に臨床上有意な異常となった.患者はこの二つの時点で心室性期外収縮を示した.本剤

    313

  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

    Page 98 of 120

    Nihon Schering K.K.

    投与 2-4 時間後には心電図はまだ異常であったが臨床上有意ではなく,投与 24 及び 72 時間後には

    心電図は正常に戻った.心室性期外収縮は有害事象として報告された.程度は「軽度」で,本剤投与

    前に生じ 9時間持続したが,治験責任医師により治験薬と「関連なし」と判断された.

    報告書 A01908

    患者番号 は,肝硬変,二次性糖尿病,アルコール症の既往歴があった.併用薬にはインスリ

    ン,胸やけに対するオメプラゾール,睡眠のための塩酸アミトリプチリンが含まれた.患者はベー

    スライン及び本剤投与後 72 時間にいたるまでの全測定時点で心電図は正常であった.72 時間後の

    時点で,心電図は異常となり(左脚ブロック),治験責任医師により「臨床上有意な異常」と考え

    られた.その時点の心電図所見には,QRS,QT 間隔の増加,QTc 値の増加が伴った(それぞれ,本剤

    投与前の値 97,378,444msec から,投与 72 時間後には 128,403,482msec となった).脚ブロッ

    クは有害事象として報告された.程度は「軽度」で,治験責任医師により治験薬と「関連の可能性あ

    り」と考えられた.この異常所見は試験終了時も持続していた.

    報告書 A04410

    ベースライン,治験薬投与 1 時間後,24 時間後,退院時(144 時間後)に実施された標準的な心

    電図は,いずれの患者群でも,いずれの時点でも臨床上有意な異常を示さなかった.

    2.7.4.4.3.3.2 第Ⅲ相臨床試験における個々の心電図パラメータの評価

    2 試験(報告書 A05742, A01908)では,心拍数,PQ 間隔,QRS 間隔,QT 間隔,及び Bazett,

    Fridericia 及び線形補正(linear correction)による QTc 値について平均値が算出された.さら

    に,以下のそれぞれのグループについて評価が行われた:

    • 本剤投与前に QTc≦460msec で,投与後のいずれかの時点で>460msec になった症例

    • 本剤投与前に比べ投与後のいずれかの時点で,QTc の≧30msec かつ≦60msec の増加が

    あった症例

    • 本剤投与前に比べ投与後のいずれかの時点で,QTc が>60msec 増加した症例

    • いずれかの時点での QT 及び QTc 値が>500msec の症例

    314

  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

    Page 99 of 120

    Nihon Schering K.K.

    検査時点別の平均心拍数と平均心電図間隔の概要

    心拍数,PQ 間隔,QRS 間隔,及び Bazett,Fridericia,線形補正による QTc 値の平均値を表

    2.7.4.4-12 に示す.Bazett 補正後の QTc(QTcB)の平均値は,投与直前値と比べ,最大の増加は 2-

    4 時間後の 4.9msec であり,一方 Fridericia 補正後の QTc(QTcF)平均値の場合には,最大の増加

    は 30分後の 3.8msec で,いずれも 5msec 未満の増加であった.

    表 2.7.4.4-12 全測定時期での心拍数及び心電図間隔の平均値 Baseline Pre-

    contrast

    MRI

    After

    completion

    of MRI a

    2-4 hrs

    p.i.

    20-28

    hrs p.i.

    68-76

    hrs p.i.

    N=455 b N=450 b N=453 b N=462 b N=458 b N=448 b

    Heart rate 70.8 69.9 68.4 72.9 71.5 70.8

    PQ interval 159.6 159.3 159.5 159.2 160.1 158.9

    QRS interval 88.0 88.4 88.3 88.7 88.3 88.0

    QTc values:

    Bazett 406.2 406.6 408.6 411.5 407.6 406.0

    Fridericia 397.0 c 400.8 399.3 396.8 395.8

    linear corr. 377.4 379.8 386.2 376.5 376.5 376.7

    MRI = magnetic resonance imaging; p.i. = post injection; linear corr. = linear correction

    a After completion of MRI procedure.

    b For PQ interval, N=455 patients at baseline, N=440 at pre-contrast, N=449 after MRI, N=458

    at 2-4 hrs p.i., N=453 at 24 hrs p.i., and N=446 at 72 hrs p.i.

    c Average of baseline and pre-contrast MRI, N= 462

    Reference Documentation: ISS Tables EC.1.2, EC.5.1, EC.5.2, EC.1.7.1, EC.1.7.2, EC.1.7.3

    心拍数

    表 2.7.4.4-12 に示すように,平均心拍数は,本剤投与前(69.9bpm)と比較して本剤による造影

    MRI 検査終了後(投与 30 分後,68.4bpm)にはわずかに減少したが,フォローアップ期間中の他の 3

    時点では本剤投与前の値を超え,2-4 時間後に最も高い平均値を示した.記述統計量の詳細につい

    ては,2.7.4.7 付録 表 52 を参照のこと.

    心拍数に特定の変化(心拍数不変,増加,減少)が認められた患者数を 2.7.4.7 付録 表 53 に

    示す.SH L569B 投与後に心拍数はわずかに増加したが,増加した症例の頻度は投与 2-4 時間後に最

    も高く,448 例中 49 例(10.9%)であった.

    315

  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

    Page 100 of 120

    Nihon Schering K.K.

    リズム解析

    全時点で患者の 85.6~89.2%において,優性律動(dominant rhythm)は正常洞調律であった.

    本剤投与後のいずれかの時点で本剤投与前から優性律動に変化が生じた患者は,投与後の各測定時

    点で少数例であった.これらの患者は,主に投与 30 分後には徐脈を発現し,2-4 時間後には房室ブ

    ロックを発現した(2.7.4.7 付録 表 54 参照).

    心室性期外収縮と心房性期外収縮の所見が認められたのは,各時点で少数の患者であった.SH

    L569B 投与後に期外収縮の有意な増加,又は減少は見られなかった(2.7.4.7 付録 表 55,56 参

    照).

    PQ 間隔

    表 2.7.4.4-12 に示すように,平均 PQ 間隔は全測定時点で安定していた.記述統計量の詳細は

    2.7.4.7 付録 表 57 に示す.

    QRS 間隔

    表 2.7.4.4-12 に示すように,平均 QRS 間隔は全測定時点で安定していた.記述統計量の詳細は

    2.7.4.7 付録 表 58 に示す.

    QTc 値

    QT 補正値の算出は,心拍数(HR)から以下のように実施された:

    Bazett:QTb=QT /(60/HR)1/2

    Fridericia:QTf=QT /(60/HR)1/3

    線形補正:QTlc=QT + 1.54(1 - HR/60)

    様々な公式で計算された QTc の平均値は表 2.7.4.4-12 に示した.最も低い QTc 値は,線形補正式

    を用いて算出したものであった.計算方法を変えても,投与後のいずれの時点でも QTc 絶対値には

    わずかな増加があっただけであった.QTcB は投与 2-4 時間後に平均値が最も増加したが,対応する

    QTcF 及び QTc の線形補正値は減少した.Bazett,Fridericia,線形補正による QTc の記述統計量は,

    2.7.4.7 付録 表 59~61 に示す.

    検査時点別,性別の QTc 値

    検査時点別,性別の Fridericia による QTc 値の記述統計量を表 2.7.4.4-13 に,Bazett と線形補

    正による QTc 値の記述統計量を 2.7.4.7 付録 表 62,63 に示す.

    Bazett による補正結果は,その他の方法と比較して高い QTc 値を示した.Bazett の補正では,男

    女とも 2-4 時間後のフォローアップ時までわずかに QTc 値が増加したが,Fridericia と線形補正で

    は,本剤投与 30 分後にわずかに高い QTc 値が見られた. 三つの計算方法すべてにおいて,男女に

    おける QTc 値の増加は標準偏差の範囲であった.

    316

  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

    Page 101 of 120

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    表 2.7.4.4-13 性別,測定時期別の QTcF 値

    QTcF

    Males Females Time point

    N Mean SD N Mean SD

    baseline 239 394.8 23.10 216 397.9 21.52

    before injection

    (pre-contrast MR) 234 396.0 23.54 216 398.6 23.80

    30 min post-contrast 235 399.5 23.70 218 402.2 22.16

    follow up 2-4 hrs 241 398.8 24.04 221 399.9 21.03

    follow up 20-28 hrs 239 396.5 24.44 219 397.2 20.58

    follow up 68-76 hrs 231 396.4 24.04 217 395.2 21.08

    QTcF values with precontrast as reference are presented.

    ECG data only available for Studies nos. 012387, 014468 (only overall assessment) and 014763.

    Reference Documentation: ISS Table EC.2.7.2.

    QT 補正法の中で,Bazett による補正はもっとも一般的ではあるが,心拍数が 60bpm を超える場合

    に過剰補正となり,60bpm を下まわる場合には過小補正となることが指摘され,心拍数が変動した

    患者での評価には Fridericia の補正の方が妥当と考えられている(FDA’s preliminary concept paper for discussion purpose only: The clinical evaluation of QT/QTc interval

    prolongation and proarrhythmic potential for non-antiarrhythmic drugs, 2002 年 11 月 15

    日).Points to consider:The assessment of the potential for QT interval prolongation by

    non-cardiovascular medical products(CPMP/986/96),及び ICH draft concept paper を参照し

    て,QTcF と QTcB の結果について主に検討した.

    また,QTc 変化の評価に際しては,投与前の参照値をなるべく多くの時点のデータから求める方

    が QTc の個体内変動による影響及び心拍数の変動の影響が軽減するといわれ,上記の Concept

    paper でもベースラインの QTc は 3 回以上の測定の平均又は中央値を使用すべきとされている.こ

    れらのことから,当初実施した「本剤投与直前」の QTc を参照値とした評価に加えて,「ベースライ

    ン」(投与前 24 時間以内に実施)と「本剤投与直前」から求めた QTc の平均値を基準とした評価を,

    スウェーデン当局の合意を得て行った(2.5.1.7 規制当局のガイダンス及び助言 参照).さらに,

    下記の特定の変動が見られた症例については,Fridericia の補正の結果(投与前平均値を参照値と

    して評価したもの)を検討する一方,当初行った Bazett の補正の結果(投与直前の QTc 値に基き評

    価)も参考に示した.

    • 本剤投与前に QTc≦460msec で,投与後のいずれかの時点で>460msec になった症例

    • 本剤投与前から投与後のいずれかの時点で,QTc の≧30msec かつ≦60msec の増加があっ

    た症例

    • 本剤投与前から投与後のいずれかの時点で,QTc が>60msec 増加した症例

    • いずれかの時点での QT及び QTc 値が>500msec の症例

    これらの特定の変化が見られた症例の頻度については,ベースライン又は投与直前のいずれかの

    測定値があり,かつ投与後のいずれかの時点の測定値のある 462 例を母数として算出した.

    317

  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

    Page 102 of 120

    Nihon Schering K.K.

    QTcF

    460msec を超える QTcF

    25μmol/kg の SH L569B 投与後,ECG を評価した 466 例中,男女に関係なく 7 例(1.5%)が投与

    後のいずれかの時点で 460msec を超える QTcF 値を示した(表 2.7.4.4-14).7 例のうち 5 例は 1 測

    定時点のみであり(表 2.7.4.4-15),残り 2例は 2 又は 3 測定時点であった(表 2.7.4.4-16).測

    定時期別では,30 分後に 3 例,2-4 時間後に 3例,20-28 時間後に 3 例,68-76 時間後に 1 例であり,

    投与後の早い時期に多い傾向は認められなかった.

    QTcF でこれらの変化が見られた症例の一覧を,2.7.4.7 付録 表 64 に示す.

    30msec 以上 60msec 以下の QTcF 増加

    SH L569B 投与前から投与後に,30msec 以上,60msec 以下の QTcF 延長を示した患者は 47 例

    (10.2%)認められた(表 2.7.4.4-14).このうち,1 時点のみで増加した症例が 37 例までを占め

    (表 2.7.4.4-15),2 時点以上で増加した症例は 10 例であった(表 2.7.4.4-16).1 時点のみでの

    増加は,投与後の早い時期(投与後 30分,2-4 時間)と 68-76 時間後で同程度見られた.

    臨床的な所見を伴う QTcF 延長例は認められなかった.これらの QTcF の増加が見られた症例の一

    覧を 2.7.4.7 付録 表 65 に示す.

    60msec を超える QTcF 増加

    60msec を超える増加は 2例(0.4%)でのみ認められ,1例は 1 時点(20-28 時間後)のみの増加

    であり(表 2.7.4.4-15),もう 1 例では 30分後と 2-4 時間後の 2 時点で認められた(表 2.7.4.4-

    16).

    臨床的な所見を伴う QTcF 値延長例は認められなかった.これらの増加が見られた症例の一覧を

    2.7.4.7 付録 表 66 に示す.

    投与前平均値を参照値とした QTcF に関し,上述の「特定の変化」がいずれかの時点で認められた症

    例数を表 2.7.4.4-14 にまとめた.また,これらの「特定の変化」が投与後 1 時点のみ認められた症例

    数を時期別に表 2.7.4.4-15 に示し,2 測定時点以上で認められた症例は一覧にして表 2.7.4.4-16

    に示した.

    QTcF に関して三つの「特定の変化」が見られた患者をまとめると,少なくとも投与後の 1 時点で

    これらのいずれかの変化が認められた延べ 56 例中,43 例までは 1 時点のみの変化であった(表

    2.7.4.4-14).2 測定時点以上での変化は,述べ 13 例で認められたが,異なる「特定の変化」が認

    められた症例があり,症例としては 10 例であった(表 2.7.4.4-15).3 測定時点以上でいずれかの

    変化が認められた症例は 2 例のみであった.いずれの症例でも臨床的な所見は伴わなかった.

    318

  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

    Page 103 of 120

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    表 2.7.4.4-14 投与後のいずれかの時点で QTcF の増加が見られた患者数(Fridericia の補正) Change from ≤ 460 msec

    at drug–free time point to > 460 msec at any

    post injection time

    point

    Change of ≥ 30 and ≤ 60 msec from drug-free

    time point to any post

    injection time point

    Change > 60 msec from

    drug-free time point to

    any post injection time

    point

    QTcF with mean from

    baseline and precontrast

    as reference

    7 (1.5%) 47 (10.2%) 2 (0.4%)

    Total number of patients with an ECG at the drug-free time point and at least one post-injection time

    point = 462.

    Reference: Tables EC.3.9.4, 3.9.8 and 3.9.12

    表 2.7.4.4-15 投与後の 1 測定時点でのみ QTcF が増加した患者数 30 min

    post-

    injection

    2-4 hrs

    post-

    injection

    20-28 hrs

    post-

    injection

    68-76 hrs

    post-

    injection

    Total no. of

    patients at a

    single time

    point

    Change from ≤ 460 msec at drug–free time point to > 460 msec at any post

    injection time point; n=7

    1 2 (1) 2 5 (1)

    Change of ≥ 30 and ≤ 60 msec from drug-free time point to any post

    injection time point; n=47

    10 (1) 12 (7) 4 (2) 11 (4) 37 (14)

    Change > 60 msec from drug-free time

    point to any post injection time

    point; n=2

    1 1

    Total n=56 25 (9) 18 (6) 43 (15)

    ( ) = number of patient with a concomitant increase in heart rate ≥ 10 bpm from mean heart rate (drug – free) .

    Reference: Tables EC. 3.9.4, 3.9.8 and 3.9.12

    319

  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

    Page 104 of 120

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    *新薬承認情報提供時に置き換えた。

    表 2.7.4.4-16 投与後 2測定時点以上で QTcF の変化が見られた症例の一覧 Patient

    No.

    Time point when

    increase in QTcF

    occurred

    QTcF value at given

    time point minus mean

    baseline/pre-contrast

    value = difference

    (msec)

    ECG heart

    rate

    [beats/min]

    Heart rate

    mean

    baseline/

    pre-contr.

    [beats/min]

    Heart

    rate

    ≥5

    Heart

    rate

    ≥10

    Patients with a QTcF < 460 ms as mean of baseline and pre-contrast and > 460 ms at any timepoint

    post injection

    Report A05742

    AO* 30 min p.i.

    2–4 hrs p.i. 475 – 400 = 75 470 – 400 = 70

    64

    64

    72.5

    yes AP* 30 min p.i.

    20–28 hrs p.i. 68–76 hrs p.i.

    478 – 425 = 53 483 – 425 = 58 463 – 425 = 38

    83

    76

    66

    73

    Patients with QTcF increase of 30 to 60msec from mean of baseline and pre-contrast at any time point

    post injection

    Report A05742

    30 min p.i.

    2–4 hrs p.i. 421 – 385 = 36 422 – 385 = 37

    64

    66

    68.5

    AO* 20–28 hrs p.i. 68–76 hrs p.i.

    435 – 400 = 35 452 – 400 = 52

    65

    62

    72.5

    30 min p.i.

    68–76 hrs p.i. 394 – 352 = 42 389 – 352 = 37

    84

    78

    74.5 yes

    yes AP* 30 min p.i.

    2–4 hrs p.i. 20–28 hrs p.i. 68–76 hrs p.i.

    478 – 425 = 53 456 – 425 = 31 483 – 425 = 58 463 - 425 = 38

    83

    75

    76

    66

    73

    30 min p.i.

    2–4 hrs p.i. 68–76 hrs p.i.

    394 – 360 = 34 400 – 360 = 40 406 – 360 = 46

    54

    55

    55

    62

    Report A01908

    2–4 hrs p.i. 68–76 hrs p.i.

    428 – 395 = 33 430 – 395 = 35

    74

    74

    76

    30 min p.i.

    2–4 hrs p.i. 412 – 366 = 46 398 – 366 = 32

    91

    88

    75 yes

    yes

    30 min p.i.

    20–28 hrs p.i. 450 – 401 = 49 433 – 401 = 32

    74

    94

    91.5

    2–4 hrs p.i. 20–28 hrs p.i.

    406 – 376 = 30 407 – 376 = 31

    90

    95

    71 yes

    yes

    2–4 hrs. p.i. 68–76 hrs p.i.

    399 – 365 = 34 410 – 365 = 45

    73

    74

    81

    Patients with QTcF increase of > 60msec from mean of baseline and pre-contrast at any time point

    post injection

    Report A05742

    AO* 30 min p.i.

    2–4 hrs p.i. 475 – 400 = 75 470 – 400 = 70

    64

    64

    72.5

    Reference: ECG listings 3.9.4, 3.9.8 and 3.9.12

    320

  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

    Page 105 of 120

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    QTcB

    460msec を超える QTcB

    QTcB において,投与直前値を参照値とした場合に,460msec を超える QTcB 延長は 29例(6.3%)

    で認められた(表 2.7.4.4-17).これらのうち 22 例までは 1 測定時点のみでの延長で,増加が見

    られた各測定時点の症例数は 5~7例で,時期間に差は見られなかった(表 2.7.4.4-18).

    QTcB でこれらの変化が見られた症例の一覧を 2.7.4.7 付録 表 67 に示す.460msec をわずかに

    上回る増加が大半であった.

    30msec 以上 60msec 以下の QTcB 増加

    QTcB では 88 例(19.0%)が増加を示した(表 2.7.4.4-17).このうち 52例は 1時点のみでの増

    加であり,投与後 30 分では 7 例で増加が見られたのに対し,2-4,20-28,68-76 時間後に 12~17

    例の増加が見られた(表 2.7.4.4-18).また,これらの半数例では 10bpm 以上の心拍数の増加が認

    められた.

    臨床的な所見を伴う QTcB 延長例は認められなかった.これらの QTcB 増加が見られた症例の一覧

    を 2.7.4.7 付録 表 68 に示す.

    60msec を超える QTcB 増加

    QTcB では 60msec を超える増加は 8 例(1.7%)で認められ(表 2.7.4.4-17),6 例では 1 時点の

    みの増加であった(表 2.7.4.4-18).投与後の早い時期(30 分後,2-4 時間後),遅い時期(20-

    28 時間後,68-76 時間後)のいずれでも増加が認められ,ほとんどの場合に心拍数の 10bpm 以上の

    増加があった.

    臨床的な所見を伴う QTcB 値延長例は認められなかった.これらの QTcB 増加が見られた症例の一

    覧を 2.7.4.7 付録 表 69 に示す.

    表 2.7.4.4-17 投与後のいずれかの時点で QTcB の増加が見られた患者数(Bazett の補正) Change from ≤ 460 msec

    at drug–free time point to > 460 msec at any

    post injection time

    point

    Change of ≥ 30 and ≤ 60 msec from drug-free

    time point to any post

    injection time point

    Change > 60 msec from

    drug-free time point to

    any post injection time

    point

    QTcB with pre-contrast as

    reference

    29 (6.3%) 88 (19.0%) 8 (1.7%)

    Total number of patients with an ECG at the drug-free time point and at least one post-injection time

    point = 462.

    Reference: Tables EC.3.9.1, 3.9.5 and 3.9.9

    321

  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

    Page 106 of 120

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    表 2.7.4.4-18 投与後の 1 測定時点でのみ QTcB が増加した患者数 30 min

    post-

    injection

    2-4 hrs

    post-

    injection

    20-28 hrs

    post-

    injection

    68-76 hrs

    post-

    injection

    Total no. of

    patients at a

    single time

    point

    Change from ≤ 460 msec at drug–free time point to > 460 msec at

    any post injection time point;

    n=29

    5 5 (5) 7 (3) 5(1) 22 (9)

    Change of ≥ 30 and ≤ 60 msec from drug-free time point to any

    post injection time point; n=88

    7 (1) 17 (12) 16 (7) 12 (5) 52 (25)

    Change > 60 msec from drug-free

    time point to any post injection

    time point; n=8

    4 (4) 1 (1) 1 (1) 6 (6)

    Total n=125 38 (22) 42 (18) 80 (40)

    ( ) = number of patient with a concomitant increase in heart rate ≥ 10 bpm from heart rate at pre-contrast. Reference: Tables EC. 3.9.1, 3.9.5 and 3.9.9.

    いずれかの時点で QT 値又は QTc 値が>500msec の症例

    25μmol/kg の SH L569B 投与前から投与後までのいずれかの時点で QT 又は QTc 値が 500msec を超

    えた患者数を表 2.7.4.4-20 に示す.QTcF では 500msec を超える延長は認められなかった.

    種々の検査時点で,計 4 例が 500msec を超える QT 又は QTcB 値を示したが,臨床的な所見を伴う

    増加は認められなかった.また,延長が見られた時期は投与前,30 分後,20-28 時間後であり,投

    与との時間的関連性は認められなかった.

    表 2.7.4.4-20 いずれかの時点で QT又は QTc が 500msec を超えた延長を示した患者数

    Pre-contrast

    MRI

    30 min

    p.i.

    2-4 hrs

    p.i.

    20-28 hrs

    p.i.

    68-76 hrs

    p.i.

    QT -- 1 -- -- --

    QTcF -- -- -- -- --

    QTcB 1 1 -- 1 --

    Reference : ISS Tables EC.3.8.1, EC.3.8.2

    QT 及び QTcB 値が 500msec を超えた患者の一覧を,それぞれ表 2.7.4.4-21,表 2.7.4.4-22 に示す.

    これらの表には,QT 又は QTcB 値が 500msec を超えた時点でのそれぞれの実測値から本剤投与前値

    の差とその時点での患者の心拍数も示す.

    322

  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

    Page 107 of 120

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    表 2.7.4.4-21 QT が 500msec を超えた患者

    Study

    no.

    Patient

    Number

    Time point of

    increase in QTa

    QT value at given time

    point minus pre-

    contrast value =

    difference (msec)

    ECG heart

    rate

    [beats/min]

    Heart rate

    pre-

    contrast

    [beats/min]

    012387 30 min. p.i. 503 - 485 = 18 44 43

    MRI = magnetic resonance imaging; p.i. = post injection. a Defined as increase >500 msec from pre-contrast MRI.

    Reference : ISS Table EC.3.8.2

    うつ症候群の既往歴があった女性患者(表 2.7.4.4-21)1 例において 500msec を超える QT 延長が

    認められた.患者は fluoxetine 20mg/日の投与を受けていたが,これは QT 延長を引き起こすこと

    が知られている.

    表 2.7.4.4-22 QTcB が 500msec を超えて延長した患者の一覧

    Study

    no.

    Patient

    Number

    Time point when

    increase in QTcB a

    occurred

    QTcB value at given

    time point minus pre-

    contrast value =

    difference (msec)

    ECG heart

    rate

    [beats/min]

    Heart rate

    pre-

    contrast

    [beats/min]

    012387 30 min. p.i. 501 - 422 = 79 83 73

    014763 pre-contrast MRI 502 74 74

    20 - 28 hours

    p.i.

    514 - 482 = 32 78 68

    MRI = magnetic resonance imaging; p.i. = post injection.

    a Defined as increase >500 msec from pre-contrast MRI.

    Reference : ISS Table EC.3.8.1

    QTcB 値が 500msec を超えた症例は 3例(男性 2 例,女性 1 例)認められた(表 2.7.4.4-22).1

    例では,本剤投与前にすでに 500msec を超える値であった.他の 1 例では,投与 30分後に QTcB 値

    が 501msec で,投与前との差は 60msec を超えていた.さらに前のベースライン時(454msec)と比

    較するとその差は 60msec 未満であった.この患者については,臨床検査所見の結果から低カルシウ

    ム血症の合併が明らかで,またカリウム値も低かった.この両検査値の低下とも,結果的に QT 延長

    をもたらす可能性があることが知られている.もう 1 例については,投与 24 時間後に測定された

    QTcB 値は 514msec で,その時点での心拍数は投与前よりも 10bpm 高かった.この患者の QTcB 値は,

    投与前の時点ですでに延長していた(482msec).これらの延長は,心房細動治療のために酒石酸メ

    トプロロール,塩酸アミオダロン(QT延長をもたらすことが知られている)が併用されていたこと

    による可能性が最も高い.この患者はこれらの薬剤以外にも,利尿薬投与,及びカルシウムとカリ

    ウムの補充療法を受けていた.

    323

  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

    Page 108 of 120

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    QTc の増加が見られた症例のリスク要因分析

    スウェーデン審査当局の照会に基き,QTcF 又は QTcB が投与後のいずれかの時点で 460msec と

    なった患者,投与後に 30msec 以上 60msec 以下の増加が見られた患者,又は 60msec を超えて増加し

    た患者において,リスク要因があるか検討するために患者の下記項目について分類し,分析した:

    • 肥満度(BMI):<19, 25~30, >30

    • 腎機能障害:クレアチニンが正常範囲を超え,3.0mg/dL 未満,3.0mg/dL 以上

    • 肝機能障害:AST/GOT,ALT/GPT,又はγ-GTP が正常範囲上限の 2 倍以上,若しくはビリル

    ビンが 1.5mg/dL を超える

    • 電解質の異常:Na,K,Ca が正常範囲を下回るか,上回るか

    • 肝硬変:有,無

    • Child-Pugh 分類:ステージ A,B,C

    • 既往歴:糖尿病,高血圧,冠疾患,動脈血管性疾患,その他の心疾患(不整脈,脳卒中,甲

    状腺機能低下症又は亢進症)

    • 併用薬:QT 延長を引き起こすことが既知の薬剤,X 線造影剤,β-ブロッカーとしての酒

    石酸メトプロロール,塩酸ベラパミル

    • U 波の形態

    上記の要因のうち合併疾患では,合併する患者の全評価対象に占める割合は,腎機能障害 17.4%,

    肝機能障害 62.7%,循環器疾患 41.0%,内分泌疾患(主に糖尿病)22.7%と高かったが,QTc の増

    加が見られた患者でこれらを合併していた患者は,腎機能障害 0~1.9%,肝機能障害 0.2~10.1%

    と低く,また,循環器疾患,内分泌疾患でも同様であった.電解質の異常はわずかな患者でしか認

    められず,U 波の異常はまったく認められなかった.これらの要因中で唯一関連性が見られたのは

    肥満度であり,特定のリスク要因は見出されなかった.

    QTcF の三つの「特定の変化」が見られた患者における上記各因子の頻度の要約を,2.7.4.7 付

    録 表 70 に示す.

    まとめ

    心拍数が 60bpm から増加した際の過剰補正の影響が比較的小さい Fridericia による補正(「ベー

    スライン」と「投与直前」の平均 QTc 値を参照値として評価した)を行った QTc の結果では,500msec

    を超える変動はまったく認められなかった.投与前に比べ投与後のいずれかの時期に 60msec を超え

    る増加は 0.4%(2/462 例),投与後のみに絶対値が 460msec を超える増加は 1.5%(7/462 例),

    30msec 以上 60msec 以下の QTcF の増加は 10.1%(47/462 例)で認められた.これらの患者のうち

    76.8%(43/56 例)は 1時点のみでの増加であった.また,QTcF の増加が見られた時点は,投与後

    の早い時期(30 分後,2-4 時間後)と遅い時期(1,3 日後)で同様であり,本剤投与と関連する傾

    向は認められなかった.臨床症状を伴った QT 又は QTc 値の変動は見られておらず,本剤の QT に対

    する影響はないと考えられた.

    324

  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

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    2.7.4.4.3.3.3 心リズム

    患者(第Ⅲ相臨床試験)

    第Ⅲ相臨床試験 3 試験(報告書 A05742,A01908,A04410)の約 500 例の患者で,心リズムを記録

    した.SH L569B の投与量は 25μmol/kg であった.

    患者の心リズム(前胸壁の二つの誘導)を,MRI 検査中,オシロスコープモニター(報告書

    A05742, A01908)又は MedRad モニター(報告書 A04410)を用いて継続的にモニターした.心リズ

    ムは,MRI 検査開始前(磁場装置内部,治験薬投与前),治験薬投与 5 分後,15 分後,30 分後,60

    分後(報告書 A04410 での撮像時期終了時)に記録され,その間患者は引き続き磁場装置内にいた.

    総括的結果:

    本剤投与前の MRI 検査時で,518 例中 464 例(89.6%)の心リズムは規則的で,35 例(6.8%)は

    不規則であった.MRI 検査後,心リズムが不規則であった患者数は,投与 60 分後までの観察期間中

    ほとんど変わらなかった(表 2.7.4.4-23).

    個々の試験結果:

    報告書 A05742 及び報告書 A01908 では,心リズム変化に関して,本剤投与前の MRI 検査時に規則

    的な心リズムを持った患者で,投与後に心リズムが臨床上有意な不規則状態になった患者は認めら

    れなかった.MRI 検査後に,投与前 MRI 時に比べて心リズムに臨床上有意な変化をきたした患者も

    見られなかった.

    報告書 A05742 では,231 例中 2 例(1%)の患者で本剤投与前に心リズムが正常で,本剤投与後

    に異常となったが,臨床上有意ではなかった.この 2 件の異常は投与 5 分後に生じたが,MRI 検査

    終了後に再び正常となった.

    報告書 A01908 では,235 例中 4 例(2%)の患者では本剤投与前の心リズムは正常で,投与 5 分

    後には異常となったが,臨床上有意ではなかった.

    報告書 A04410 では,治験薬投与直前(磁場装置内部)から治験薬投与後のいずれの観察時点に

    おいても,また,いずれの疾患群の患者又は健康対照群の被験者でも,MRI 装置内で心リズムに臨

    床上有意な変化は見られなかった.不規則な心リズムが認められた患者の詳細については,2.7.4.7

    付録 表 71 を参照のこと.

    325

  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

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    表 2.7.4.4-23 心リズムが規則的又は不規則であった患者数(測定時期別)

    ECG cardiac rhythm findings

    Regular

    Irregular

    Missing

    Not

    assessable

    ND/UNK/

    NA

    Overall Time point

    N % N % N % N % N % N %

    pre-contrast 464 89.6 35 6.8 0 0 6 1.2 13 2.5 518 100.0

    post-contrast (5 min. p.i.) 472 90.9 35 6.7 0 0 4 0.8 8 1.5 519 100.0

    post-contrast (15 min. p.i.) 44 83.0 6 11.3 0 0 3 5.7 0 0 53 100.0

    post-contrast (30 min. p.i.) 467 90.2 31 6.0 0 0 4 0.8 16 3.1 518 100.0

    post-contrast (60 min. p.i.) 47 83.9 4 7.1 0 0 3 5.4 2 3.6 56 100.0

    Dose of study medication: 25 µmol/kg BW

    ND/UNK/NA = Not Done / Unknown / Not Applicable

    Reference Documentation: ISS Tables CR.1, CR.2, CR.3, CR.4, CR.5

    326

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    2.7.4.5 特別な患者集団及び状況下における安全性

    2.7.4.5.1 内因性要因

    患者のサブグループ

    有害事象が報告された患者数を,性別,年齢別,人種群別,体重別,国別,病変のタイプ別に表

    2.7.4.5-1に示した.

    米国及び日本で報告された有害事象の発現頻度(14%)は,ヨーロッパ(7%)の 2倍であった.

    人種別には,アジア人での有害事象の発現率が 25%(52/208 例)と高かった.日本で実施した第Ⅲ

    相試験での日本人 178 例以外で最もアジア人が多く含まれたのは,米国で実施された報告書 A01908

    の 20 例であった.人種のデータを記録していなかった日本での第Ⅱ相試験の 186 例をアジア人に含

    めた場合には,有害事象の発現率は 15%となり,白人(9.2%)よりやや高い発現率となった.

    日本及びアジア人での有害事象が高かったのは,主に日本での第Ⅲ相試験(報告書 A05868)にお

    ける有害事象の発現率が 25.3%(45/178 例)と高かったことによるものと考えられる.欧米の試験

    では,有害事象はベースライン検査又は同意取得以後から収集し,1 日間(第Ⅱ相の 2 試験,及び

    第Ⅲ相検出能検討の 2 試験)又は 3 日間(第Ⅲ相鑑別能検討の 2 試験)の観察を行い,臨床検査値

    の異常は有害事象に含まなかったが,日本での第Ⅲ相試験では全例ベースラインの検査実施後から

    有害事象を収集し,投与後 3 日までを観察期間とし,臨床検査値の異常も含めて報告された

    (2.7.4.2 有害事象「方法及び定義」 参照).その結果,計 70 件認められた有害事象のうち,8

    件(4 例)の有害事象は投与前に発現し,投与開始時以降 24 時間以内には 38 件(27 例,発現率

    15%),24 時間以降に 24 件認められた.また,13 件の臨床検査異常が含まれた.さらに,対象患

    者は観察期間終了後に肝切除が予定される患者が約半数含まれており,観察期間中にその前処置や

    大腸の内視鏡検査の前処置,食道静脈瘤結紮術などが実施され,これらに伴う有害事象が報告され

    た.ラクツロース*,クエン酸マグネシウム*服用による悪心,嘔吐,下痢はその例である.

    一方,本剤との「関連性あり」(「関連なし」,「関連性が考えにくい」を除く)と判断された有

    害事象の国別発現率は,日本 5.5%(20/364 例),ヨーロッパ 3.6%(34/933 例),米国 4.8%

    (22/436 例)と特に差はなかった.人種別に「関連性あり」の有害事象の発現率を見ると,アジア

    人 5.5%(22/397 例,日本の第Ⅱ相試験対象 178 例を含む),白人 3.9%(57/1388 例)と特に差が

    なかった.なお,白人に比べてアジア人で多く認められる傾向があった有害事象としては,悪心(7

    件),嘔吐(4 件),下痢(3 件),便秘(2 件)の消化器症状の他に,血圧上昇(5 件)が多かっ

    た.肝硬変を伴う HCC 症例が多いことが,消化器症状の多いことに影響している可能性が考えられ

    た.

    病変のタイプ別では,有害事象は良性病変を有する患者の 13%,悪性病変を有する患者の 10%,

    良性並びに悪性病変の両方を有する患者の 16%で認められた.

    *新薬承認情報提供時に置き換えた。

    327

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    表 2.7.4.5-1 SH L569B 投与後に有害事象が報告された患者数(%):人口統計学的要因別

    Patients with adverse events after SH L569B

    injection

    No Yes

    Overall (100%) Variable

    n (%) n (%) N

    Sex

    Male 921 (89.7) 106 (10.3) 1027

    Female 653 (89.7) 75 (10.3) 728

    Age Group (years)

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    対照のプラセボ及び Gd-BOPTA 投与後及びに有害事象が報告された患者数を,性別,年齢別,人種

    群別,体重別,国別にそれぞれ表 2.7.4.5-2 及び表 2.7.4.5-3 に示す.

    表 2.7.4.5-2 プラセボ投与後に有害事象が報告された患者数(%):人口統計学的要因別

    Patients with adverse events after placebo

    injection

    No Yes

    Overall (100%)Variable

    n (%) n (%) N

    Sex

    Male 15 (100.0) 0 (0.0) 15

    Female 19 (95.0) 1 (5.0) 20

    Age Group (years)

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    表 2.7.4.5-3 Gd-BOPTA 投与後に有害事象が報告された患者数(%):人口統計学的要因別

    Patients with adverse events after placebo

    injection

    No Yes

    Overall (100%) Variable

    n (%) n (%) N

    Sex

    Male 82 (93.2) 6 (6.8) 88

    Female 58 (95.1) 3 (4.9) 61

    Age Group (years)

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    0.5%以上の発現頻度を示した有害事象の性別検討

    SH L569B のいずれかの用量を投与後に有害事象が認められた男性 106 例(10.3%)において,発

    現率が 0.5%以上で発現した有害事象は,悪心(0.9%),頭痛,血管拡張,腹部痛,下痢(各

    0.7%),背部痛(0.6%)であった.

    有害事象が認められた女性 75 例(10.3%)において,発現率が 0.5%以上で発現した有害事象は

    頭痛(1.8%),悪心,血管拡張(各 1.5%),背部痛,浮動性めまい,味覚倒錯(各 0.8%),腹

    部痛,嘔吐,錯感覚(各 0.7%),不安(0.5%)であった.

    詳細な情報については,2.7.4.7 付録 表 72 参照.

    0.5%以上の発現頻度を示した有害事象の年齢別検討

    有害事象が認められた 18 歳以上 45 歳未満の患者 27 例(9.9%)において,発現率 0.5%以上で

    発現した有害事象は頭痛(2.2%),血管拡張(1.5%),腹部痛,悪心,嘔吐(各 1.1%),背部

    痛,臭覚倒錯,味覚倒錯(各 0.7%)であった.

    有害事象が認められた 45 歳以上 65 歳未満の患者 86 例(10.3%)において,発現率 0.5%以上で

    発現した有害事象は悪心(1.4%),血管拡張,頭痛(各 1.3%),背部痛,錯感覚(各 1.0%),

    腹部痛(0.8%),浮動性めまい(0.7%), 発疹(0.6%)であった.

    有害事象が認められた 65 歳以上 80 歳未満の患者 67 例(10.7%)において,発現率 0.5%以上で

    発現した有害事象は,血圧上昇(1.0%),悪心(0.8%),浮動性めまい,下痢(各 0.6%)で

    あった.

    80 歳以上の患者 19 例では,有害事象は 1 例(5.0%)において 2 件生じ,血圧上昇と鼻出血で

    あった.

    詳細な情報については,2.7.4.7 付録 表 73 参照.

    0.5%以上の発現頻度を示した有害事象の体重別検討

    有害事象が認められた体重 60kg 未満の患者 40 例(9.4%)において,0.5%以上の発現率で発現

    した有害事象は,悪心,嘔吐,浮動性めまい(各 0.9%),発熱,血圧上昇,味覚倒錯(各 0.7%)

    であった.

    有害事象が認められた体重 60kg 以上 90kg 未満の患者 109 例(9.9%)において,発現率 0.5%以

    上で発現した有害事象は,頭痛(1.4%),悪心(1.3%),血管拡張(0.9%),腹部痛(0.6%),

    背部痛,味覚倒錯(各 0.5%)であった.

    331

  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

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    有害事象が認められた体重 90kg 以上の患者 32 例(14.1%)において,発現率 0.5%以上で発現

    した有害事象は,血管拡張(2.6%),背部痛(2.2%),腹部痛,浮動性めまい,頭痛,錯感覚

    (各 1.3%),疼痛,下痢,悪心(各 0.9%)であった.

    詳細な情報については,2.7.4.7 付録 表 74 参照.

    0.5%以上の発現頻度を示した有害事象の国別検討

    有害事象が認められた米国の患者 64 例(14.0%)において,発現率 0.5%以上で発現した主要な

    有害事象は,背部痛(2.0%),頭痛(1.7%),浮動性めまい,発疹(各 1.3%)であった.

    有害事象が認められたヨーロッパの患者 65 例(7.0%)において,発現率 0.5%以上で発現した

    主要な有害事象は,血管拡張(1.3%),悪心(1.1%),頭痛(1.0%)であった.

    有害事象が認められた日本人患者 52 例(14.3%)において,発現率 0.5%以上で発現した主要な

    有害事象は,血圧上昇,悪心(各 1.4%),嘔吐(1.1%)であった

    詳細な情報については,2.7.4.7 付録 表 75 に示す.また,「関連性あり」とされた有害事象の

    国別の発現の詳細を同 表 76に示す.

    0.5%以上の発現頻度を示した有害事象の病変タイプ別検討

    有害事象が認められた良性病変を有する患者 44 例(12.5%)において,発現率 0.5%以上で発現

    した主要な有害事象は,頭痛(2.6%),腹部痛,背部痛,血管拡張,浮動性めまい,味覚倒錯(各

    1.1%)であった.

    有害事象が認められた悪性病変を有する患者 95 例(9.7%)において,発現率 0.5%以上で発現

    した主要な有害事象は,悪心(1.1%),頭痛(0.9%),血管拡張(0.8%)であった.

    有害事象が認められた良性及び悪性病変を有する患者 10 例(16.4%)において,11 種類の有害

    事象が発現率 0.5%以上で発現した.悪心,浮動性めまい(各 3.3%),背部痛,動悸,血管拡張,

    注射部位浮腫,頭痛,錯感覚,味覚倒錯,発疹,感覚減退(各 2.1%)であった.

    病変が認められなかった 16 例では,有害事象は生じなかった.

    肝病変の診断が行われなかった 54 例(特別な集団での試験,報告書 A00410)では,有害事象が

    4 例(7.4%)に認められ,発現率 0.5%以上で発現した最も多い有害事象は不安(3.7%)であった.

    その他の 4件の有害事象は各 1例で発現した.

    有害事象が認められたが,SOR(Standard of Reference)による診断がないなどで「ND(評価せ

    ず)/UNK(不明)/NA(該当せず)」とされた病変を有する患者で有害事象を認めた 28 例

    (9.6%)において,発現率 0.5%以上で発現した主要な有害事象は血管拡張(1.7%),背部痛,

    悪心(各 1.4%),錯感覚,呼吸困難(各 1.0%)であった.

    詳細な情報については,2.7.4.7 付録 表 77 に示す.

    332

  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

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    ベースラインの特性別の有害事象の検討

    SH L569B の薬理作用,類薬の薬理作用,及び本薬での初期臨床経験に基づき,7 群の患者部分集

    団を選択した.選択された部分集団は以下の通りであった.

    • 造影剤に対するアレルギーを含むアレルギーの既往歴のある患者

    • 造影剤に対するアレルギーの既往歴を有する患者

    • 血清クレアチニン値により評価した腎機能障害を有する患者

    • 肝硬変を有する患者

    • 臨床検査値に基づく肝機能障害を有する患者(ベースラインの AST/GOT,ALT/GPT,又は

    γ-GTP が正常範囲上限の 2 倍以上であった,若しくは,ビリルビンのベースライン値

    >1.5mg/dL(=25.7mmol/L)であった患者の部分集団)

    • 抗痙攣薬を併用している患者

    • 抗不整脈薬を併用している患者

    これらの部分集団において有害事象が認められた患者数を表 2.7.4.5-4 にまとめる.有害事象の

    発現率が高い傾向を示す部分集団は,認められなかった.

    333

  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

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    表 2.7.4.5-4 有害事象が報告された患者数(%):ベースライン特性別

    Patients reporting adverse events

    No Yes Overall Baseline Characteristic

    n (%) n (%) N

    Allergies (including allergies to contrast

    media)

    No 1305 (90.2) 142 (9.8) 1447

    (100%)

    Yes 269 (87.3) 39 (12.7) 308

    Allergy to contrast media

    No 1558 (89.6) 181 (10.4) 1739

    Yes 16 (100) 0 (0.0) 16

    Impaired renal function, serum creatinine

    ≤ Upper Normal Range 1439 (89.9) 161 (10.1) 1600 > Upper Normal Range and

  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

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    2.7.4.5.2 外因性要因

    該当せず

    2.7.4.5.3 薬物相互作用

    該当せず

    2.7.4.5.4 妊娠及び授乳時の使用

    該当せず

    2.7.4.5.5 過量投与

    該当せず

    2.7.4.5.6 薬物乱用

    該当せず

    2.7.4.5.7 離脱症状及び反跳現象

    SH L569B は診断目的に対してのみ投与された.

    全例がボーラス静脈内投与として SH L569B の単回投与を受けた後,直ちにじゅうぶんな生理食塩

    液のボーラス投与によりラインを流した.

    離脱作用は観察されなかった.

    2.7.4.5.8 自動車運転及び機械操作に対する影響又は精神機能の障害

    該当せず.

    2.7.4.6 市販後データ

    2.7.4.6.1 定期的安全性最新報告(PSUR)

    5.3.6

    本剤の最初の承認はスウェーデンで 2004 年 3月 26 日に得られ,販売は同国で 2004 年 9 月 21 日

    に開始されている.2004 年 3月 26 日~2007 年 3月 25 日までの報告期間の PSUR の累計で,欧州で

    の市販後に本剤は 12,994 例に投与されたと推定され,この間 11例の副作用が自発報告により報告

    335

  • 2.7.4 臨床的安全性の概要

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    Nihon Schering K.K.

    されている.このうち,3 例は重篤副作用で,8例は非重篤副作用であった.他に,ドイツで実施さ

    れた市販後調査から 6 例の非重篤副作用(/469 例,発現率 1.3%)が報告されている.PSUR の報告

    期間(2004 年 3 月 26 日~2007 年 3 月 25 日)中に死亡例の報告はなく,また,腎性全身性線維症

    (NSF)を示唆する可能性のある症状も報告されていない.

    臨床試験で報告されていない副作用

    重篤副作用例の 3 例で,頻脈,発熱,落ち着きのなさ,頻脈性不整脈,及び急性冠動脈症候群/狭

    心症各 1 件が報告されている.非重篤副作用例でも頻脈及び落ち着きのなさが各 1 件報告され,他

    に錯乱が 1件報告されている.急性冠動脈症候群/狭心症は 2回の心筋梗塞の既往がある狭心症の患

    者で本剤投与後 25~30 分に発現しており,患者の基礎疾患及び MRI 検査に関連した緊張により引き

    起こされた可能性が高いと考えられた.頻脈性不整脈及び錯乱については,いずれも評価のための

    情報が不足している.

    欧州で本剤市販後に得られている安全性情報では,国内外の臨床試験で得られている安全性評価

    が変わるようなものは認められていない.したがって,本剤のリスク・ベネフィット評価に変更は

    ない(2.5.6 ベネフィットとリスクに関する結論,参照).

    336

    2.7.4.1 医薬品への曝露 2.7.4.1.1 総括的安全性評価計画及び安全性試験の記述 2.7.4.1.1.1 全試験の一覧表 2.7.4.1.1.2 個々の試験の結果の要約

    2.7.4.1.2 全般的な曝露状況 2.7.4.1.3 治験対象集団の人口統計学的特性及びその他の特性 2.7.4.2 有害事象 2.7.4.2.1 有害事象の解析 2.7.4.2.1.1 比較的よく見られる有害事象 2.7.4.2.1.2 死亡 2.7.4.2.1.3 その他の重篤な有害事象 2.7.4.2.1.4 その他の重要な有害事象 2.7.4.2.1.4.1 試験の中止,実質的な処置等を必要とした事象

    2.7.4.2.1.5 器官別又は症候群別有害事象の解析

    2.7.4.2.2 個別有害事象の文章による説明

    2.7.4.3 臨床検査値の評価 2.7.4.3.1 方法 2.7.4.3.2 健康被験者(第Ⅰ相臨床試験) 2.7.4.3.3 患者(第Ⅱ相及び第Ⅲ相臨床試験) 2.7.4.3.4 治験責任医師が評価した臨床上有意な臨床検査値異常 2.7.4.3.5 臨床検査項目の部分集団解析

    2.7.4.4 バイタルサイン,理学所見及び安全性に関連する他の観察項目 2.7.4.4.1 バイタルサイン 2.7.4.4.2 理学所見 2.7.4.4.3 心電図 2.7.4.4.3.1 方法 2.7.4.4.3.2 健康被験者(第Ⅰ相臨床試験) 2.7.4.4.3.3 患者(第Ⅱ相及び第Ⅲ相臨床試験) 2.7.4.4.3.3.1 概括的結果 2.7.4.4.3.3.2 第Ⅲ相臨床試験における個々の心電図パラメータの評価 2.7.4.4.3.3.3 心リズム

    2.7.4.1 2.7.4.5 特別な患者集団及び状況下における安全性 2.7.4.5.1 内因性要因 2.7.4.5.2 外因性要因 2.7.4.5.3 薬物相互作用 2.7.4.5.4 妊娠及び授乳時の使用 2.7.4.5.5 過量投与 2.7.4.5.6 薬物乱用 2.7.4.5.7 離脱症状及び反跳現象 2.7.4.5.8 自動車運転及び機械操作に対する影響又は精神機能の障害

    2.7.4.6 市販後データ 2.7.4.6.1 定期的安全性最新報告(PSUR)