Scientific / Metrology Instruments核磁気共鳴装置

JNM-ECZS series

NMR spectrometer Z

1

NMR spectrometer Z（JNM-ECZS シリーズ）は、

ハイエンド機とほぼ同等の基本機能と性能を有しながら、

分光計はさらなる小型化を実現。

先進的なソフトウェアと自動化技術により、

日常測定業務のすべてを自動化しました。

SuperCOOL プローブ（オプション）などの

極低温プローブ技術を応用した

超高感度オートチューンプローブを付属することにより

世界最高クラス感度を実現、

様々な応用分野で高い能力を発揮します。

高性能を、小さく、簡単に！

2

世界最小の分光計 *NMR spectrometer Z（JNM-ECZS シリーズ）は、ハイエンド機と同等の基本性能を

有しながら、主筐体は従来機種（JNM-ECS シリーズ）と比べ設置面積は約 57% となり、

400MHz の NMR 分光計としては世界最小です。漏洩磁場の小さい超伝導磁石（SCM）と

の組み合わせで、より柔軟な設置レイアウトが可能です。*400MHz の NMR 分光計において（2015 年 3 月現在）

STS による先進アーキテクチャNMR spectrometer Z 分光計は、集積デジタル回路技術と最新高周波技術の融合により、

新たに開発された送受信システム STS（Smart Transceiver System）を搭載。従来機か

ら培われたマルチシーケンサ方式を最大限活用し、8 チャンネルの周波数ソースを標準搭載

しています。全てのチャンネルは同期／非同期関わらず自由に制御可能であり、日々の分析

業務に使用されうる全てのパルスプログラムをストレスなく実行できるだけでなく、より複

雑で長大なパルスプログラムを編集、実行できます。

高安定度・高精度デジタル分光計NMR spectrometer Z 分光計は、高品位なスペクトルを得るために必要な高い安定度を保

つように、ラジオ波発生回路や、NMR ロック回路など、デジタル化が有効な全ての回路を

デジタル化。優れた安定性を持つ分光計は、溶媒信号消去や差スペクトル測定にも威力を発

揮し、多種多様な NMR スペクトルを美しくかつ容易に得ることができます。

ROYAL プローブNMR spectrometer Z に標準搭載される、JEOL のプローブ技術の粋を集めて設計された

ROYAL プローブは、従来のオートチューンプローブと比べて約 2 倍の 1H 感度を達成しま

す。これにより、従来通りの使い勝手でありながら、より短時間で測定結果を得ることがで

きます。スピードが求められる現代の NMR 測定現場において、感度の向上による測定の迅

速化を実感していただけます。また、極低温プローブや３重共鳴プローブなど、多彩なプロー

ブをオプションとしてラインナップしており、目的に合わせてお選びいただけます。

先進的なソフトウェアと自動化技術NMR spectrometer Z は、インターフェイスがさらに改良された分光計制御／データ処理

ソフトウェア「Delta」を採用。Delta の優れた自動測定インターフェイスと、標準化され

たグラジエントシムの組み合わせにより、極めてシンプルな操作で、常に最良の分解能で自

動測定がおこなえます。また、オートサンプルチェンジャーとオートチューニングを活用す

ることで、日常測定業務のすべてを自動化することができます。

ネットワーク分光計NMR spectrometer Z は、真の意味でネットワークに対応した分光計です。オペーレーショ

ン端末と独立して動作する分光計は、ネットワーク上のどのコンピュータからもコントロー

ルすることができます。

主な特長

3

新型オートチューニング・ユニット

1985 年に JEOL が世界に先駆けて開発したオートチューニング・ユニットは、正確な自動チューニング/ マッチングと安定した動作を長年に渡って提供してきました。新型オートチューニング・ユニット“オートチューニング・ユニット Z”は、長年培ったオートチューニング機構の技術を基に、従来型の特長をそのままに、さらに使いやすく進化しました。オートチューニング機構は、多核種にまたがる測定を含んだ連続自動測定において、なくてはならない機能です。標準搭載のオートチューンプローブは、主要 NMR 測定核を全て含む 1H/19F および 109Ag 〜 31P の周波数帯をカバーしていますので、SCM の下に潜り込んでチューニングを行なう必要はありません。JEOL の新型オートチューニング・ユニットは、サポートする全てのプローブに共通して使用することが出来ます。動作音が静粛化された新型オートチューンプローブは、プローブ内部にダイヤル情報を記憶しているため、プローブ交換時の設定作業が不要となりました。また、プローブとユニットの接続もワンタッチのクイックカプラを採用しており、煩わしいプローブの着脱作業が容易になりました。

多彩なオートサンプルチェンジャー

Delta の自動測定機能との組み合わせにより、非常に多くのサンプルが日常的に測定される研究現場において、連続測定に威力を発揮します。JEOL のオートサンプルチェンジャーは NMR 試料管を直接触れることの無い設計となっているため、様々な管径、形状の試料管を安全に搬送することが可能です。オートサンプルチェンジャーには、マニピュレーターで搬送するJackBean シリーズ（30 本、64 本、100 本の各タイプ）と SCM の上に設置する ASC24（24 本タイプ）をラインナップ。JackBean シリーズは、試料交換時の階段の昇降が不要となり、従来機種よりもコンパクトな形状になっています。

オートチューニング・ユニット Z とヘッドアンプシャーシ

クイックカプラの採用により、着脱が容易に

日常測定業務のすべてを自動化

ASC24（24 本タイプ）超電導磁石上部に設置するカルーセル型のサンプルチェンジャーになるため設置面積が不要になります。試料をセットするカルーゼルは取り外し可能になっており、多数本の試料セットは手元で行うことができます。

ASC100 (100 本モデル )

ASC64 (64 本モデル )

ASC30 (30 本モデル )

JackBean シリーズ

4

常に最高の分解能

グラジエントシムは、勾配磁場を利用して試料空間の磁場分布を測定し、適切なシム値を即座に算出します。熟練した技術者が数時間を要する高次シム項の補正をごく短時間で最適化出来ます。液量が少ない試料や、溶媒系が異なる試料であっても、グラジエントシムが自動的に実施されますので、常に最高の分解能でNMR スペクトルが得られます。メタノール -d4 やトルエン -d8 などの複数信号を持つ溶媒を使用している場合も、自動的に選択励起パルスを使用した適切なグラジエントシムが実施されます。また、2H 信号のみならず、1H や 19F などの信号をグラジエントシムに利用出来るため、重水素化溶媒を使用していない試料でも分解能を最適化出来ます。

有能な助手

NMR spectrometer Z シリーズが採用する分光計制御／データ処理ソフトウェア「Delta」は、複雑な操作を一切必要としない、優れた自動測定機能を持っています。サンプルをセットした後は、サンプル名を入力してボタンをクリックするだけで、サンプルの搬送、チューニング、分解能調整、測定、データ処理、結果の印刷まで、すべてを Delta がやってくれます。標準で用意された自動測定機能には、1H、13C の１次元測定だけでなく、２次元 NMR 測定をはじめとする様々な NMR 測定が用意されています。温度可変測定や、多核 NMR 測定、時間指定など、あらゆる NMR 測定が自由自在にカスタマイズ出来ますので、日中の測定のみならず、夜間や週末の有効活用にも威力を発揮します。日常の NMR 測定業務は NMR spectrometer Zにお任せください。

Smart モード

Gradient shimming (19F)

19F の信号を選択し、その信号を使用して 2H 信号と同様にgradient shimming で分解能調整が可能です。

Gradient shimming (2H)

49 sec

グラジエントシムによる分解能調整前後のスペクトル。49 秒で分解能が向上しています。

MetanolGradient shimming (1H)

AutomationNo-D NMR

複数信号溶媒（上段）に対する選択的グラジエントシムによる分解能調整を用いた、No-D NMR 測定。（下段）溶媒信号はWET 法で自動消去されています。

日常測定業務のすべてを自動化

5

驚異的な高感度 “ SuperCOOL プローブ ”

SuperCOOL プ ロ ー ブ は、 検 出 コ イ ル を 極 低 温 に冷却することで、感度を圧倒的に向上させた超高感度プローブです。JEOL の超高感度プローブは、UltraCOOL プローブと SuperCOOL プローブの２種類をラインアップ。UltraCOOL プローブが検出コイル温度を極限まで冷却することにより、最大限の高感度化を図るのに対し、SuperCOOL プローブは検出コイル温度を液体窒素温度に冷却することで、ランニングコストを大幅に削減しました。UltraCOOL プローブと比較して驚くほど低価格ながら、室温コイルのプローブと比べ 13C で約３倍の高感度化を達成、測定時間を1/9 程度まで短縮することが可能となりました。SuperCOOL プローブは、液体窒素タンクを使用した開放式と、空冷式冷凍機を使用した循環式の２通りの冷却方式を選択できます。開放式は冷凍機を必要としないため、ランニングコストに優れています。冷却能力がより高く、感度で勝る循環式は、冷媒の補充を必要としないため、連続運転能力に優れています。いずれのプローブも、試料温度を非常に広い範囲

（−40℃ 〜 150℃）で制御することが出来ます。オプションのプローブリフタを使用することにより、プローブの交換作業が容易に実現。特殊なプローブとの併用も可能です。

世界最高クラス感度を実現する

JEOLの高感度プローブ

SuperCOOL プローブ

プローブリフタ

0.091 0.081 0.071 0.061 0.051 0.041 0.031 0.021 0.011 0.001 0.09 0.08 0.07 0.06 0.05 0.04 0.03 0.02 0.01 0

0.091 0.081 0.071 0.061 0.051 0.041 0.031 0.021 0.011 0.001 0.09 0.08 0.07 0.06 0.05 0.04 0.03 0.02 0.01 0

13C{1H}{19F − 80ppm}{19F − 212ppm}

6

2ch の装置で３重共鳴を実現した “ TFH プローブ ”

TFH プローブは、コイルを 1H と 19F を含む３種類の核種にチューニングすることの出来る３重共鳴プローブです。新素材や医薬品など、益々重要性が高まる含フッ素化合物の分析においては、13C の測定時に 1H と 19F の両者を同時にデカップリングする必要が生じます。従来の NMR 装置では、周波数の異なる３種類の核種に対してそれぞれパルスを照射するために、それぞれの周波数源（チャンネル）を必要としましたが、NMR spectrometer Z は、JEOL ならではのマルチシーケンサ方式を活用することにより、2 チャンネル構成の装置でありながら３重共鳴実験をおこなうことが可能です。NMR spectrometer Z では、標準構成の分光計に TFH プローブを取り付けるだけで、他の追加アタッチメントを必要とせず、1H と 19F が同時にデカップルされた 13C スペクトルを得ることが出来ます。

TFH プローブ

ECZS400(RF モジュール 1 個構成 ) と TFH probe で測定したCF3CH(F)CF2OCH2CH3 の 13C スペクトル

世界最高クラス感度を実現する JEOL の高感度プローブ

TFH構成の例

13C

1H/19F

Sequencer

1H

RF module I

19F-212ppm

19F-80ppm

DDS

Sequencer DDS

Sequencer DDS

Sequencer DDS

Sequencer DDS

Probe

高周波発信源から 1H と 19F を同時に出力できます。

13C{1H}

多彩なプローブラインアップ

NMR spectrometer Z は、ROYAL プ ロ ー ブ、SuperCOOL プローブや TFH プローブのみならず、高分解能 10mmφ オートチューンプローブや、3mmφマイクロプローブ、低周波数核専用プローブ、29Si バックグラウンドフリープローブなど、様々なプローブに対応しております。目的に応じてお選びください。

10-3

10-2

10-1

1

101

102

103

104

I = 1/2I = 1/2 I > 1/2 ( 3/2, 5/2, 7/2, 9/2, 1 )( 3/2, 5/2, 7/2, 9/2, 1 )

オートチューンプローブで自動測定可能

6Li6Li

14N14N

2H2H

113In113In

93Nb93Nb115In115In

209Bi209Bi

87Sr87Sr83Kr83Kr

73Ge73Ge

49Ti49Ti

51V51V45Sc45Sc59Co59Co

139La139La133Cs133Cs

181Ta181Ta

43Ca43Ca

235U235U

85Rb85Rb

97Mo97Mo

141Pr141Pr27Al27Al55Mn55Mn

121Sb121Sb187Re187Re127I127I

17O17O

91Zr91Zr

95Mo95Mo

67Zn67Zn

25Mg25Mg

47Ti47Ti

105Pd105Pd

7Li7Li

87Rb87Rb

11B11B

71Ga71Ga81Br81Br

63Cu63Cu23Na23Na

159Tb159Tb75As75As

9Be9Be

137Ba137Ba

35Cl35Cl

61Ni61Ni

21Ne21Ne

33S33S

53Cr53Cr

39K39K

99Ru99Ru

197Au197Au

31P31P

119Sn119Sn

125Te125Te

129Xe129Xe

13C13C

195Pt195Pt

113Cd113Cd207Pb207Pb

29Si29Si77Se77Se

199Hg199Hg171Yb171Yb

15N15N

169Tm169Tm

89Y89Y

109Ag109Ag

183W183W

57Fe57Fe

103Rh103Rh

187Os187Os

様々な原子核の共鳴周波数と総合相対感度

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オールマイティな高感度標準プローブ“ ROYAL プローブ ”

NMR spectrometer Z に標準で付属する高感度溶液プローブ「ROYAL プローブ」は、JEOL が培ってきた最先端のプローブ技術により、13C の感度を損なうことなく、1H の感度を従来の約 2 倍に向上させました。従来はチューナブルタイププローブと、1H 高感度型のインバースタイププローブの 2 種類を使い分けていましたが、ROYAL プローブの高い 1H 感度は、インバースタイププローブと同等の性能を発揮。NMR spectrometer Z は、ROYAL プローブの採用により、従来と変わらない使い勝手のよさを維持したまま、煩わしいプローブ交換を必要とせずに 2 種類のプローブの性能を備え、検出限界の向上と測定時間の短縮を実現しています。

ROYAL プローブ

世界最高クラス感度を実現する JEOL の高感度プローブ

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薬局方や公定法にも指定される定量分析技術

最先端のアプリケーションに対応

NMRによる純度分析が注目されるわけ

定量分析の信頼性を高めますクロマトグラフ法などの定量分析で使用する標準品の純度が明確でない場合、qNMRによる純度分析を行うことによって

標準物質の値付けをすることができます。

標準物質の純度を明確にすることで、クロマトグラフ法などで得られる定量分析結果の信頼性を高めることができます。

AQARI*1 の活用例アセトアミノフェンの純度分析

不純物？

ベンゼン環部分の拡大スペクトルを精査すると、不純物由来の信号が確認できます。

多検体一括定量分析用ソフトウェア「Alice2 for qNMR ピュアリティ」

Delta ソフトウェアの定量 qNMR 機能

アセトアミノフェン純度　98.4%（qNMR法）（測定3回のRSD = 0.1%）

アセトアミノフェン試薬の純度分析を AQARI により分析を行った結果を示します。qNMR 標準物質（内標準物質）には 1,4- ビストリメチルシリルベンゼン d4 標準物質 *2 を使用しました。アセトアミノフェンに由来する 1H 信号として、CH3 基の信号を使用することとし、式 (1)*3 に従った解析を行い 98.4% となりました。このように AQARI は純度分析・不純物の確認を同時に行うことができます。さらに、経時変化などの情報を得ることが可能であり、品質管理に広く活用できます。

＊ 1 JEOL では内部標準法による qNMR を「AQARI < あかり > (Accurate Quantitative NMR with Internal reference substance)」と呼び、 試料調製から解析まで分析操作を包括的にサポートいたします。＊ 2 1,4-BTMSB-d4 標準品　　規格 Trace Sure : Code No. 024-17031　　和光純薬工業株式会社　＊ 3 参考文献：杉本直樹、田村麻衣子、末松孝子、三浦　亨食品衛生学会誌　2012, 53(2),J228-J233 「NMR による有機化合物の絶対定量の可能性」

溶媒

CH3

NH OH

1,4-BTMSB d4

（内標準物質）

アセトアミノフェンの qNMR スペクトル（HPLC 用 : 純度 100% LC assay）

アセトアミノフェン

qNMR（定量 NMR）

I = 信号強度（積分値） H = プロトン数（官能基の水素の数）m = 質量（秤量値） M = 分子量 P = 純度（％）

式（1）

P sample P std×= × × ×I sample

I std

H sample

H std

m sample

m std

M sample

M std

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No-D NMRローコスト、ハイスループット

No-D NMR は、溶液 NMR において溶媒を高価な重水素化溶媒で置換せずに、安価な軽溶媒のまま測定する手法です。No-D NMR は、サンプルをクロマト分取して NMR 測定する上で、重水素化溶媒を使用しないため、コストを低減できる上に、溶媒置換の工程を省略できるので、NMR 測定までの所要時間を大幅に削減できます。また、溶媒置換を行わないことで、合成時のままの溶媒で測定を行うことができるので不安定な試料の測定にも最適です。軽溶媒信号を利用した 1H 選択グラジエントシムの技術や、軽溶媒信号の自動検出・自動消去、自動リファレンス機能など、No Lock での NMR 測定を自動ツール化し、そのことにより、NMR spectrometer Z はNo-D NMR の完全自動化を実現しました。

DOSY（Diffusion Ordered Spectroscopy）自己拡散係数の差を利用した混合試料解析

DOSY 法は、主に混合試料の解析に用いる手法です。混合試料中における各成分由来の信号を自己拡散係数の違いによりスペクトル上で分離します。試料中の添加剤や不純物、単離不可能な反応中間体、ポリマーの重合度などを、化学的または物理的な作用を試料に与えることなく解析することができます。最新のNMR spectrometer Z 分光計の持つ高い性能と Delta ソフトウェアの持つ豊富なアルゴリズムにより、従来難しいとされてきた分離を実現しました。

溶媒信号と NoD 結果の比較図

溶媒消去位置周辺のスペクトルの様子

最先端のアプリケーションに対応

Scout scan（溶媒信号検出）

WET 法による溶媒信号消去後

溶媒信号 (acetone) 消去

ibuprofen

acetone

ppm6.0 5.0 4.0 3.0 2.0

01 / D

9-m

2s/

1.12.1

3.14.1

5.1

ppm7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0

nerol(cis-3,7-dimethyl-2,6-octadien-1-ol)

(M.W.= 154.25)

CH3

CH3 CH3

OH

ppm7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0

CH3

OH

CH3 CH3

geraniol(trans-3,7-dimethyl-2,6-octadien-1-ol)

(M.W.= 154.25)

拡散係数の違いによりネロールとゲラニオール（シスートランス異性体）を分離した例

上段 DOSY スペクトルのスライスデータ（左 : ネロール、右 : ゲラニオール）

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NUS（Non Uniform Sampling）測定時間を大幅に短縮

Non Uniform Sampling は、多次元 NMR の間接観測軸のデータポイントを非線形に間引きし測定します。得られたデータを特別な処理アルゴリズムを用いて再構築し、間引きしない場合と同等のスペクトルを得る手法です。少ないデータポイントでもデジタル分解能が劣化しないデータを得ることが出来ます。測定時間は間接観測軸のデータポイント数に比例しますので、測定時間の大幅な短縮が可能です。

MICCS化学反応のリアルタイムモニタリング

MICCS（Micro Channeled Cell for Synthesis monitoring）＜オブション＞は、標準 NMR プローブで使用可能にデザインされた、NMR 用インターフェースマイクロチップです。MICCS-NMR では、マグネット上部からシリンジポンプを用い、反応試薬溶液を別々の口より導入することにより、MICCS 内で反応を起こさせることができます。これにより、MICCS は NMR による化学反応のリアルタイムモニタリングを可能にしました。（特許第 2008-051799 号）

出口

MICCS－ NMR 模式図

XY軸固定ガイド

外部Lock用溶媒

外径5mmφ試料管

シリンジポンプ

MICCS

MICCS-NMR

「Alice2 for Metabolome」ソフトウェア

多変量解析

統計処理による多成分混合試料解析

NMR spectrometer Z は、NMR によるメタボロミクスに適しています。NMR によるメタボローム解析は、代謝物のプロトンスペクトルを用い、多変量解析によってサンプル間のパターン認識と分類を行うことで、病態に対する知見を得る方法です。NMR spectrometer Zでは、溶媒信号消去をはじめ、T2 フィルタや diffusion フィルタ、J 分解スペクトルなどメタボロミクスに必要な各種測定を自動測定にすることができます。多変量解析は、代謝物に限らず様々な混合物サンプル系に適用できますので、多様な応用が可能です。

「Alice2 for Metabolome」（オプション）は、NMR データの多検体処理から統計解析までを完全に自動化したソフトウェアです。本ソフトウエアは日本医科大学医用磁気共鳴分析施設

（施設長：大野曜吉氏）との共同研究によるものです。

最先端のアプリケーションに対応

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DeltaNMR spectrometer Z が採用する、NMR 測定・データ処理の統合ソフトウェアです。一般的な NMR のデータ処理・解析に必要なすべての機能が標準搭載されており、これまでにない豊富な機能と高い操作性を兼ね備えた最高の NMR ソフトウェアとして進化し続けています。インターフェイスやポップアップヘルプも多言語に対応し、日本語のインターフェイスを完備しています。

論文作成をお手伝い

J カップリング解析ツールは、各ピークのピークピッキングと積分したデータを読み込ませるだけで、J カップリングの分裂パターンとカップリング定数を即座に解析してくれます。解析結果はツール上で修正可能であり、論文書式のスペクトル情報として、テキストファイルをコピーすることができます。

天然有機化合物 NMR データベース“CH-NMR-NP”との容易な連携

Delta は、早水紀久子先生による天然有機化合物 NMRデータベース“CH-NMR-NP”* と連携しやすい機能を有しています。Delta ならば、CH-NMR-NP の検索結果とスペクトルを直接比較することができます。また、Delta フォーマットのデータを使えば、化学シフト検索の手入力が不要です。

*CH-NMR-NP は JEOL RESONANCE のウェブサイトで無償公開されている天然有機化合物の NMR データベースです。

J カップリング解析ツール

波形分離

オーバーレイヤー表示ポップアップヘルプ

最強のNMRデータ処理ソフトウェア

1D プロセッサ

３次元表示

化学シフト検索

スペクトルの比較

一致した化学シフト

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無料ダウンロード

NMR spectrometer Z の標準データ処理ソフトウェアDelta は、JEOL RESONANCE ウェブサイト（http://www.j-resonance.com/）からダウンロードでき、どなたでも無料でお使いいただけます *1。Windows とMac OS X の両方に対応しており、装置付属のソフトウェアとまったく同じものですから、多彩なデータ処理機能をご自分の PC*2 上で実現出来ます。マニュアルも完備しており、ウェブサイトではチュートリアルムービーをご覧いただくことも出来ますので、手に入れたその日からすぐにお使いいただけます。様々なデータフォーマットに対応していますので、デスクに居ながらにして NMR のデータ解析を味わっていただけます *3。

電子記録・電子署名

Delta は、厚生労働省の ER/ES 指針や、欧州連合 (EU)の ANNEX 11、米国 FDA の 21 CFR Part11 に対応した電子記録、電子署名に必要な機能を備えています。

様々な NMR 定量法に対応

Delta には、qNMR モードが用意されています。各信号のプロトン数を設定すれば、一般的な積分値を表示する代わりに、各成分の濃度比を自動的に計算します。

JEOL RESONANCE ウェブサイト

qNMR モードのスペクトル

監査証跡

定量解析ツール

Delta が備える定量解析ツールは、AQARI（内部標準法）のみならず、PULCON のような外部標準法による濃度や純度の計算も、シンプルな操作で簡単におこなうことができます。

*1 WEB 上でのユーザー登録（無料）が必要です。また、無料で配布されたソフトウェアに関しては、無保証、非サポートとなります。

*2 Windows XP SP3 以降もしくは Mac OS X v10.4.11 以降の OS がインストールされた環境下で動作します。PC の構成、性能によっては正常に動作しない場合があります。

*3 Delta ソフトウェア純正フォーマット以外のデータについては、原則として FID データ処理となります。また、JEOL 製旧機種以外のデータフォーマットでは、データ処理に特殊な操作を必要とする場合があります。

最強の NMR データ処理ソフトウェア

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大地震でも転倒しなかった実績のある防振台

JEOL が SCM に取り付けるベースプレート付き防振台は、NMR スペクトルに影響を及ぼす床から伝わる微小振動を極限まで取り除くことができます。またこの防振台は、NMR メーカー中で唯一、大地震での SCM 転倒を防いだ信頼性の高い防振台です。JEOL の防振台を装着した SCM は過去に一度も転倒したことがありません。ベースプレートによる低重心化と非接触アンカーボルトを組み合わせることにより、万が一の災害における被害を最小限に食い止めることが可能です。

地震に強い SCM

コールドシップを行うため、SCM 内部の He タンクとN2 タンクを支えているグラスファイバーロッドの強度を高めています。輸送時の振動に耐えられる強度を持っているため、地震の大きな振動にも耐えることができます。

納入時の液体ヘリウム必要量を大幅に削減

JEOL の超伝導磁石（SCM）はコールドシップ方式 * を用いているため、納入時の液体ヘリウムの必要量が従来品と比べて 1/4 以下になります。世界的なヘリウム供給不足のなか、納入時に大量の液体ヘリウムを必要としないコールドシップ方式は高く評価されています。

ドリフトレート 4 Hz/hr 以下を保証

一般に、高分解能 NMR 装置に必要な磁場の安定度は 5 Hz/hr 以下程度です。良質なスペクトルを得るために必要不可欠な磁場の安定度に関して、JEOL はドリフトレート 4 Hz/hr 以下を保証します。高分解能スペクトルを得るために必要な性能を満たした JEOL のSCM はどなたにも安心してお使いいただけます。

セルフシールド SCM

NMR spectrometer Z が採用する SCM は、漏洩磁場の小さなセルフシールド SCM です。５ガウスラインの容積は、旧式 SCM と比べて極めて小さくなっています。NMR spectrometer Z の小型化された分光計筐体との組み合わせにより、NMR 装置の必要設置面積が大変小さくなりました。狭い範囲に全てのユニットを配置することができますので、設置室のレイアウトがより自由になります。SCM の磁気シールドは磁場の漏洩を低減するだけでなく、外部からの影響を同時に低減する設計となっていますので、複数の NMR 装置を近傍に設置することも可能です。

NMR装置をより安心、安全、快適に

SCM

normal SCM0.5mTライン

SS SCM0.5mTライン

normal SCM0.5mTライン

SS SCM0.5mTライン

* コールドシップ方式コールドシップとは、SCM を輸送の際、クライオスタット内のコイルを液体ヘリウム、液体窒素で冷却したまま輸送できる構造のことを言います。冷却したまま輸送できない場合、磁石の冷却に数日を要し、また室温のコイルを冷却するのに大量の液体ヘリウムが必要になりますが、コールドシップ方式の磁石は搬人後すぐに励磁することが可能です。また工場で調整した状態のままで使用可能となり、現場での複雑な組み立て作業なしで高精度の測定が行えます。

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面倒な液体窒素の補充が不要に！

超伝導磁石（SCM）は定期的な冷媒の補充が必要です。なかでも液体窒素の充填作業は、毎週行う必要があり、たいへん煩わしいものです。液体窒素蒸発抑制装置 (NR-50) は、このような作業負担を軽減します。液体窒素の充填作業が原則として不要になります。また、NR-50 は単相 AC100 V で稼働する空冷式の極低温小型冷凍機を採用しており、冷却水循環装置を必要とせず、省スペース・低ランニングコストを実現します。

全国のサービス拠点から迅速サポート

NMR を安定してお使いいただくため、JEOL は全国10 ヶ所のサービス拠点に配置された熟練サービススタッフが、迅速にサービス対応をおこないます。もちろん、日々のお問い合わせのために NMR 専門のコールセンターが完備されています。また、豊富なアプリケーションスタッフによる講習会やセミナーをはじめ、個々の応用測定に関するサポートをおこなっています。

400 MHz の設置例

設置要領

所要電源容量 ( ブレーカー）および接地

分光計 単相AC100Vto240V,50/60Hz1.5 kVA

データシステム 単相AC100Vto240V,50/60Hz1kVA

エアコンプレッサー 単相AC100,50/60Hz3 k VA

(400MHz)

予備 単相AC100Vto240V,50/60Hz3 kVA

接地 100Ω以下1個

注）長時間低温空気供給装置（オプション）は別途電源が必要です

4.0 m

換気扇

配電盤

エアタンクエアコンプレッサー 超伝導マグネット

(400J/SS)

ヘッドアンプシャーシ

トランスファーチューブ挿入口5mT2mT1mT

0.5mT

3.5 m

サービスアクセス

搬入口（幅）0.88m（高）1.8m以上

分光計

オペレーションテーブル

札幌支店

仙台支店

筑波支店

本社 ・ 昭島製作所

立川支店

横浜事務所

名古屋支店

大阪支店

広島支店

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