6BQ53緯-PP竹森幹郎 -パワ-.アンプへの改造 · は第1図のとおりです(同号....

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ラックスキットA-1020プリ~メインを生かす

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6BQ53緯-PP竹森幹郎 -パワ-.アンプへの改造

先日,武末先生の部品調達係?

だったT氏がラックスキットA-

1020をわが家に持ち込んできまし

た.

氏のいうことには, 「右chの

OPTが断線し出力管も不良だが,

使われていたOPT-OY 14-5並び

に出力管6RA8は入手困難なの

で,取りあえず,両chとも, OPT

は手持ちのカナダHAMMOND

社製B-1 CTNR 00870 (ユニバーサ

ル・タイプ)に交換し,出力管には6

Ⅱ 14 0(6 BQ 5)の三鰭を採用して見

たが,うまく動作しない.最近多忙

なだめ,自分で追求する時間が無く,

何とか,ならないだろうか?」との

ことでした(このキットの製作記はラ

技1973年5月号157頁に高橋和正氏が

書いておられます).改造前の回路図

は第1図のとおりです(同号. 218頁.

見開き).

そこでケースから取り出し, OPT

が変わっているのでまずNF回路

FEB 2004

を取り外しついでに出力管の入力側

のカップリング・コンデンサを取り

外します.この作業はOPTを交換

する場合,極性が違っている事があ

り,逆相による発振のおそれがある

ので違う型の物に替える時には一

番最初にしておかねばなりません.

つぎにまず出力管の動作状態を見

るためOPTのB端子とB電源の

問に電流計を入れ,電源を入れてみ

ましたが,プレート電流は一向に流

れてくれません.内部抵抗の高いデ

ジタル・テスターで出力管のバイア

ス電圧を測ってみると, -26Vに

なっていました.このバイアス電圧

値は6RA8PPのものなので, 6

BQ5 (T) PPのバイアス電圧値

-13Vと比べると,約2倍となり出

力管は完全にカットオフしているわ

けです.

そこで, B電圧が少々高いので(そ

のわけは後述)臨時に固定バイアスを

自己バイアスに替えて見ることにし

ました.まず,ドライブ基盤から出

力管のグリッドにつないである回路

を切り離し,グリッド抵抗(500kQ)

を仮接続しカソードに3000の巻

き線抵抗をつなぎ電源を投入したと

ころ,プレート電流は正常に流れ出

しました.

そこで回路を元に戻し, C電源回

路のR188 (lkn)を18k(1日こ取り

替えバイアス電圧値を下げたとこ

ら,出力管のプレート電流は約43

mA(2本分)流れるようになりまし

た.頬格表には6BQ5 (T) PPの

場合, 49mAとなっていますが,

+B電圧が340Vで少々高いので

電流値を抑えた方がよいと思いま

す.

なぜ電圧力涌くなるかという理由

は,原設計の出力管6RA8PPは

プレート電流値が多いので 6

BQ5 (T) PPに変更すると,どう

してもB電圧値が高くなるわけで

す.

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入 力(∨)

〈第2図)入力対地力特性

結論に達しました.        見ましが, DF-50のせいか,きれ

いちおうラインに投入して聞いて  いな音は出てはいるものの,何とな

くなじめませんでした.

メーカーにより設計されたものを

OPTを他機種に変更したり,出力

管の管種を他のものに換えたりする

ような大幅な改造の場合,根本的に

設計を見直す覚唐をしなければなり

ません.

A-1020の改造

原則として1流メーカーによって

作られた製品に手を入れることは,

厳に慎まねばならないことですが,

部品の入手がはなはだ困難な場合は

やむ得ぬことと思いますがのや つ

ぎの方針で改造をおこなうことにし

ました.

1.プリアンプ部分には手をつけ

ない

2.メイン・アンプの初段,位相反

転段については,やむ得ない部

分以外は変更しない(NFB回

路定数等)

3.出力管およびOPTを交換す

4.電源回路の「部を変更する

以上のことを,頭に入れ手探りで

改造に取りかかります.

まず出力回路から始めることにし

ました. OPTがユニバーサル・トラ

ンスなの?,接続を10k【:‖こした

後,出力管のバイアス回路について

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周    波    数 (Hz)

〈第3図)周波数特性

ラ ジオ技術

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がいささか怪しくなっていたので接

点復活剤を使ったところ,一応回復

しました.しかし,出力管の動作点

を決定する大事な部品なので交換す

べきですが,なにぶん古いものなの

で補修用の純正部品の入手が困難で

す.だからといって,パーツ店で売

られているものは信頼性の点であま

り使いたくありません.

T氏にこのアンプを一体どのよ

うな使い方をするのか尋ねたとこ

ら,一日中休みなく使う可能陸があ

るとのことでした.しかもこのアン

プはケースに入れた状態で使用する

ため,出力管が赤熱する等のトラブ

ルが起きた際,迅速な対応が期待で

きません.

そこで,ツェナ一・ダイオードを

使うことによりバイアス電圧を-14-15Vに固定し,動作点の安

定はカソードに33mの抵抗を入れ

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〈第6図〉改造靭分の回路図

ることによって,多少の自己安定性

を持たすことにしました.また左右

の動作点を揃える必要が生じた場

令, R 109, R 110のいずれかの抵抗

値を変えて調整することにしまし

た.

負帰還量を減じたことにより,雑

音が増えることは避けられません.

雑音が多いと,最小ひずみ率の調整

に影響が出ますので, B電源回路に

リップル・フィルタを入れることに

しました.

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●ラックスキットA-1020内部(下の4本が6BQ5)

ラ ジオ技術

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● 6 BQ 5を3続で使うため若干の手人が必要

-22dBの時よりひずみは減って

おり(位相反転段の負荷逝抗に並列に

高抵抗を接続することで, ACバランス

をとったことが効果を現したものと思

われる),カープの形もすぼらしいも

のですが,高域についてはOPTの

常陸の関係で,このように悪くなる

のは,しかたのないものと思います

が,低域のひずみ率が2 W付近で怪

しげなカープを描いていることが気

にかかります.おそらくOPTのコ

ア・ボリュームの関係で出力管のひ

ずみとOPTのひずみの位相が互い

に反対になっているため,打ち消し

あったのが原因ではないかと思われ

ます.

しかし,全体的にひずみは下がっ

ておりACバランスの調整の重要

さがうかがえる結果になったようで

す.

低レベルでのひずみがNFB-22

dBの時より多くなっています.せ

めて20 dB程度の負帰還をかけて

見たいのですが,このOPTを使用

する限り安定度の関係上あきらめざ

るを得ませんでした. OPTにOY-

14-10を使うことが出来るならば

たとえ出力管が6H14Ⅱ (6BQ5三

FEB. 2004

鰭)であっても出力の点を除けば本

来の'輔旨を上回るものが出来るので

はないかと残念に思っています.せ

めて, ISOのFE-10-10のような最

新設計のものにかえれば あらゆる

面で満足がいけるものが出来るので

はないでしょうか.さて,このアン

プをラインに挿入して聞いてみまし

た.

OPTをかえているにもかかわら

ず,懐かしのラックス・トーンが蘇

ったようです.今まで 6BQ5(T)

について持っていたことがたんなる

偏見であったことを思い知らされま

した.低域の切れが今ひとつなのは

おそらくOPTのコア・ポリュウム

不足のせいではないかと思います

がS,高域のきめの細かさは特性曲線

からは,うかがうことが出来ないす

ぼらしいものです.よく特性は音の

評価にはつながらないといわれます

那,それを裏付けるものといえまし

ょう.

しかし,だからといって特性追求

は必要ないとはいえない,カタロ

グ・データだけで議論するのは大間

違いですが,アンプの謳整段階では

キチンと作業を進めるべきものだと

思います.そして,最終的にこのア

ンプがどのように動作しているかを

確かめるためにも,出来るだけ厳密

な測定をし,そのデータを残してお

きたいものと思います.

最後に,貴重なアンプの改造を気

の向くまでやらして頂く機会を与え

て下さった, T氏に感謝の意を表し

てこの言語を終わらせて頂きます.

(2003年11月10日)

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諒田詳言/霊議緩 ��

●改造されたA-1020をリア・パネル側から見る

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