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横浜市立大学附属病院 臨床研修実施要項 Yokohama City University Hospital Training Program 2016 平成 28 年度

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平成

年度

28

横浜市立大学附属病院臨床研修実施要項

横浜市立大学附属病院

臨床研修実施要項Yokohama City University HospitalTraining Program 2016

平成28年度

横浜市立大学附属病院

臨床研修実施要項Yokohama City University HospitalTraining Program 2016

平成28年度

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臨床研修実施要項 1

目 次

Ⅰ 附属病院での研修について1  研修の基本理念と目標 ………………………………………… ₂2  指導体制と評価方法 …………………………………………… ₃3  臨床研修の到達目標 …………………………………………… ₄4  提出が必要な32のレポート …………………………………… 125  研修プログラムと研修コース ………………………………… 136  研修医の待遇に関する事項 …………………………………… 16

Ⅱ 各診療科での研修について

1年目 ₂年目

必     修

内   科

₁ リウマチ・血液・感染症内科、呼吸器内科(内科A) … 18

₂ 循環器内科、腎臓・高血圧内科(内科B) …………… 20

₃ 内分泌・糖尿病内科(内科C) …………………………… 22

₄ 神経内科、脳卒中科(内科D) …………………………… 24

₅ 消化器内科・肝胆膵消化器病学(内科E) …………… 26

₂つ選択合計

₆カ月

₂年目に選択可能

救急 ₆ 附属病院救急部 …………………………………………… 28 ₃カ月

選  択  必  修

外   科

₇ 一般外科、心臓血管外科(外科A) …………………… 30

₈ 消化器・肝移植外科、臨床腫瘍科・乳腺外科(外科B) … 32

₉ 耳鼻咽喉科 …………………………………………………… 34

10 整形外科 ……………………………………………………… 36

11 脳神経外科 …………………………………………………… 38

12 泌尿器科 ……………………………………………………… 40

₁つ選択

合計₃カ月

そ の 他

13 麻酔科 ………………………………………………………… 42

14 小児科 ………………………………………………………… 44

15 産婦人科 ……………………………………………………… 46

16 精神科 ………………………………………………………… 48

₁つ選択

自  由  選  択

17 眼科 …………………………………………………………… 50

18 形成外科 ……………………………………………………… 52

19 集中治療部(ICU) …………………………………………… 54

20 皮膚科 ………………………………………………………… 56

21 病理診断科、 病理部 ……………………………………… 58

22 放射線科 ……………………………………………………… 60

23 リハビリテーション科 …………………………………… 62

24 臨床検査部 …………………………………………………… 64

25 内視鏡センター …………………………………………… 66

児童精神科 ……………………………精神科(p.48)参照

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附属病院の臨床研修の理念 チーム医療の一員として診療に従事することで基本的診療能力を習得するとともに、医師の社会的役割を認識し、患者本位で、安全で質の高い医療を提供できる医師となる。

附属病院の臨床研修の目標 医師としての人格を涵養し、将来の専門分野に関わらず、医学・医療の社会的ニーズを認識しつつ、日常診療で頻繁に遭遇する病行や病態に適切に対応できるよう、プライマリ・ケアの基本的な診療能力(態度・技能・知識)と生涯にわたり自己を研鑽できるような能力を身に付ける。

附属病院の臨床研修の特徴 ・当院と協力病院による「たすきがけ研修」 ・研修医の立場に立ったきめ細かな指導とサポート体制 ・豊富で多彩な指導医と30年以上の歴史あるローテート研修 ・医療安全を重視した患者中心の医療に基づいた研修 ・common diseaseから高度先進医療まで幅広い研修内容 ・全国から集まる研修仲間 ・研修終了後の充実した専門研修

臨床研修の基本理念と目標

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臨床研修実施要項 3

指導体制

評価方法(₁)EPOC各診療科・部門で研修を行った後、自身がどんな症例を経験したか、どこまで到達したかを記録する評価ツール(EPOC)を使用しています。EPOC を通じて、到達目標の達成度を管理します。 http://epoc.umin.ac.jp/ 

(₂)レポート作成研修を修了するためには、全部で32のレポートを提出する必要があります。附属病院研修中に経験した症例は、附属病院所定の書式で作成します。協力病院で作成する場合は、各病院の決まりに準じます。

(₃)適性以下の項目に該当する場合は、修了と認められません。 ・安心、安全な医療の提供ができない場合 ・法令、規則が遵守できない場合

以上₃つの項目を達成した場合、臨床研修を修了したものと認めます。

指導体制と評価方法

研修管理委員会

臨床研修センター

各診療科・部門 上級医

研   修   医

臨床研修委員会

指導医

病院長=研修管理委員長

臨床研修の統括管理  (研修プログラムの作成、研修医の管理評価等)

研修管理委員長基幹型病院管理者・事務部門の責任者協力型病院・協力施設の研修実施責任者外部委員

プログラムの企画・立案及び実施の管理研修医の評価の管理労務管理健康管理(こころの健康も含む)

報告

指導・監督

診療上の指導・監督

研修方針の指示

プログラム責任者=センター長(副)プログラム責任者 4 名

研修目標達成状況・評価の報告(担当分野の研修期間終了時)

研修上の問題悩み相談

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臨床研修の到達目標

修了の基準下記の到達目標で「必須項目」、「A」、「B」とされている項目は、「c評価=要努力」評価、または経験していない場合は研修修了することができません。また、必須項目以外の項目についても、一定の経験率を超えないと修了の対象となりません。

Ⅰ 行動目標医療人として必要な基本姿勢・態度

(₁)患者−医師関係患者を全人的に理解し、患者・家族と良好な人間関係を確立するために、1)患者、家族のニーズを身体・心理・社会的側面から把握できる。2)医師、患者・家族がともに納得できる医療を行うためのインフォームド・コンセントが実施できる。3)守秘義務を果たし、プライバシーへの配慮ができる。

(₂)チーム医療医療チームの構成員としての役割を理解し、保健・医療・福祉の幅広い職種からなる他のメンバーと強調するために、₁)指導医や専門医に適切なタイミングでコンサルテーションができる。₂)上級及び同僚医師や他の医療従事者と適切なコミュニケーションがとれる。₃)同僚及び後輩へ教育的配慮ができる。₄)患者の転入・転出に当たり、情報を交換できる。

(₃)問題対応能力患者の問題を把握し、問題対応型の思考を行い、生涯にわたる自己学習の習慣を身に付けるために、₁)臨床上の疑問点を解決するための情報を収集して評価し、当該患者への適応を判断できる(EBM=Evidence

Based Medicineの実践ができる。)。₂)自己評価及び第三者による評価を踏まえた問題対応能力の改善ができる。₃)臨床研究や治験の意義を理解し、研究や学会活動に関心を持つ。₄)自己管理能力を身に付け、生涯にわたり基本的診療能力の向上に努める。

(₄)安全管理患者及び医療従事者にとって安全な医療を遂行し、安全管理の方策を身に付け、危機管理に参画するために、1)医療を行う際の安全確認の考え方を理解し、実施できる。2)医療事故防止及び事故後の対処について、マニュアルなどに沿って行動できる。3)院内感染対策(Standard Precautionsを含む。)を理解し、実施できる。

(₅)症例呈示チーム医療の実践と事故の臨床能力向上に不可欠な、症例呈示と意見交換を行うために、₁)症例呈示と討論ができる。₂)臨床症例に関するカンファレンスや学術集会に参加する。

(₆)医療の社会性医療の持つ社会的側面の重要性を理解し、社会に貢献するために、₁)保健医療法規・制度を理解し、適切に行動できる。₂)医療保険、公費負担医療を理解し、適切に診療できる。₃)医の倫理、生命倫理について理解し、適切に行動できる。

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臨床研修実施要項 5

4)医薬品や医療用具による健康被害の発生防止について理解し、適切に行動できる。

Ⅱ 経験目標A 経験すべき診察法・検査・手技

(₁)医療面接患者・家族との信頼関係を構築し、診断・治療に必要な情報が得られるような医療面接を実施するために、₁)医療面接におけるコミュニケーションの持つ意義を理解し、コミュニケーションスキルを身に付け、患者解釈モ

デル、受診動機、受療行動を把握できる。₂)患者の病歴(主訴、現病歴、既往歴、家族歴、生活・職業歴、系統的レビュー)の聴取と記録ができる。₃)患者・家族への適切な指示、指導ができる。

(₂)基本的な身体診察法病態の正確な把握ができるよう、全身にわたる身体診察を系統的に実施し、記載するために、₁)全身の観察(バイタルサインと精神状態の把握、皮膚や表在リンパ節の診察を含む。)ができ、記載できる。₂)頭頸部の診察(眼瞼・結膜、眼底、外耳道、鼻腔口腔、咽頭の観察、甲状腺の触診を含む。)ができ、記載でき

る。₃)胸部の診察(乳房の診察を含む。)ができ、記載できる。₄)腹部の診察(直腸診を含む。)ができ、記載できる。₅)泌尿・生殖器の診察(産婦人科的診察を含む。)ができ、記載できる。₆)骨・関節・筋肉系を診察ができ、記載できる。₇)神経学的診察ができ、記載できる。₈)小児の診察(生理的所見と病的所見の鑑別を含む。)ができ、記載できる。₉)精神面の診察ができ、記載できる。

(₃)基本的な臨床検査病態と臨床経過を把握し、医療面接と身体診察から得られた情報をもとに必要な検査を、A:自ら実施し、結果を解決できる。その他:検査の適応が判断でき、結果の解釈ができる。

₁)一般尿検査(尿沈渣顕微鏡検査を含む。) ₂)便検査(潜血、虫卵)

₃)血算・白血球分画 ₄)血液型判定・交差適合試験 A

₅)心電図(12誘導)、負荷心電図 A ₆)動脈血液ガス分析 A

₇)血液生化学的検査 ・簡易検査(血糖、電解質、尿素窒素など)

₈)血液免疫血清学的検査 (免疫細胞検査、アレルギー検査を含む。)

₉)細菌学的検査・薬剤感受性検査 ・検体の採取(痰、尿、血液など) ・簡単な細菌学的検査(グラム染色など)

10)呼吸機能検査 ・スパイロメトリー

11)髄液検査 12)細胞診・病理組織検査

13)内視鏡検査 14)超音波検査 A

15)単純X線検査 16)造影X線検査

17) X線CT検査 18) MRI検査

19)核医学検査 20)神経生理学的検査(脳波・筋電図など)

必修項目 下線の検査について経験があること*「経験」とは受け持ち患者の検査として診療に活用すること ただしA の検査で自ら実施する部分については、受け持ち症例でなくてもよい

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(₄)基本的手技基本的手技の適応を決定し、実施するために、₁)気道確保を実施できる。₂)人工呼吸を実施できる(バッグ・バルブ・マスクによる徒手換気を含む。)。₃)胸骨圧迫を実施できる。₄)圧迫止血法を実施できる。₅)包帯法を実施できる。₆)注射法(皮内、皮下、筋肉、点滴、静脈確保、中心静脈確保)を実施できる。₇)採血法(静脈血、動脈血)を実施できる。₈)穿刺法(腰椎)をできる。₉)穿刺法(胸腔、腹腔)を実施できる。10)導尿法を実施できる。11)ドレーン・チューブ類の管理ができる。12)胃管の挿入と管理ができる。13)局所麻酔法を実施できる。14)創部消毒とガーゼ交換を実施できる。15)簡単な切開・排膿を実施できる。16)皮膚縫合法を実施できる。17)軽度の外傷・熱傷の処置を実施できる。18)気道挿管を実施できる。19)除細動を実施できる。

必修項目 下線の手技を自ら行った経験があること

(₅)基本的治療法基本的治療法の適応を決定し、適切に実施するために、₁)療養指導(安静度、体位、食事、入浴、排泄、環境整備を含む。)ができる。₂)薬物の作用、副作用、相互作用について理解し、薬物治療(抗菌薬、副腎皮質ステロイド薬、解熱薬、麻薬、血

液製剤を含む。)ができる。3)基本的な輸液ができる。4)輸血(成分輸血を含む。)による効果と副作用について理解し、輸血が実施できる。

(₆)医療記録チーム医療や法規との関連で重要な医療記録を適切に作成し、管理するために、₁)診療録(退院時サマリーを含む)をPOS (ProblemOrientedSystem)に従って記載し管理できる。₂)処方箋、指示箋を作成し、管理できる。₃)診断書、死亡診断書、死体検案書その他の証明書を作成し、管理できる。₄) CPC (臨床病理検討会)レポートを作成し、症例呈示ができる。₅)紹介状と、紹介状への返信を作成でき、それを管理できる。

(₇)診療計画保健・医療・福祉の各側面に配慮しつつ、診療計画を作成し、評価するために、₁)診療計画(診断、治療、患者・家族への説明を含む。)を作成できる。₂)診療ガイドラインやクリティカルパスを理解し活用できる。₃)入退院の適応を判断できる(デイサージャリー症例を含む。)。₄) QOL(QualityofLife)を考慮に入れた総合的な管理計画(リハビリテーション、社会復帰、在宅医療、介護を含

む。)へ参画する。

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臨床研修実施要項 7

必修項目 ₁) 診療録の作成 ₂) 処方箋・指示書の作成 ₃)診断書の作成₄) 死亡診断書の作成 ₅) CPCレポート(※)の作成、症例呈示₆) 紹介状、返信の作成上記₁)〜₆)を自ら行った経験があること

(※CPC レポートとは、剖検報告のこと)

B 経験すべき症状・病態・疾患研修の最大の目的は、患者の呈する症状と身体所見、簡単な検査所見に基づいた鑑別診断、初期治療を的確に行う能力を獲得することにある。

₁ 頻度の高い症状

必修項目 下線の症状を経験し、レポートを提出する*「経験」とは、自ら診療し、鑑別診断を行うこと

₁)全身倦怠感 ₂)不眠 ₃)食欲不振

₄)体重減少、 体重増加 ₅)浮腫 ₆)リンパ節腫脹

₇)発疹 ₈)黄疸 ₉)発熱

10)頭痛 11)めまい 12)失神

13)けいれん発作 14)視力障害、 視野狭窄 15)結膜の充血

16)聴覚障害 17)鼻出血 18)嗄声

19)胸痛 20)動悸 21)呼吸困難

22)咳・痰 23)嘔気・嘔吐 24)胸やけ

25)嚥下困難 26)腹痛 27)便通異常(下痢、便秘)

28)腰痛 29)関節痛 30)歩行障害

31)四肢のしびれ 32)血尿 33)排尿障害

34)尿量異常 35)不安・抑うつ

₂ 緊急を要する症状・病態

必修項目 下線の病態を経験すること*「経験」とは、初期治療に参加すること

₁)心肺停止 ₂)ショック ₃)意識障害

₄)脳血管障害 ₅)急性呼吸不全 ₆)急性心不全

₇)急性冠症候群 ₈)急性腹症 ₉)急性消化管出血

10)急性腎不全 11)流・早産及び満期産 12)急性感染症

13)外傷 14)急性中毒 15)誤飲、誤嚥

16)熱傷 17)精神科領域の救急

₃ 経験が求められる疾患・病態

必修項目 ₁.A疾患については入院患者を受け持ち、診断、検査、治療方針について症例レポートを提出すること₂.B疾患については、外来診療又は受け持ち入院患者(合併症含む。)で自ら経験すること₃.外科症例(手術を含む。)を1例以上受け持ち、診断、検査、術後管理等について症例レポートを提

出すること※全疾患(88項目)のうち70%以上を経験することが望ましい

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(₁)血液・造血器・リンパ網内系疾患①貧血(鉄欠乏性貧血、二次性貧血) B②白血病③悪性リンパ腫④出血傾向・紫斑病(播種性血管内凝固症候群:DIC)

(₂)神経系疾患①脳・脊髄血管障害(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血)A②認知症疾患③脳・脊髄外傷(頭部外傷、急性硬膜外・硬膜下出血)④変性疾患(パーキンソン病)⑤脳炎・髄膜炎

(3)皮膚系疾患①湿疹・皮膚炎群(接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎)B②蕁麻疹 B③薬疹④皮膚感染症 B

(₄)運動器(筋骨格)系疾患①骨折 B②関節・靭帯の損傷及び障害 B③骨粗鬆症 B④脊柱障害(腰椎椎間板ヘルニア)B

(₅)循環器系疾患①心不全 A②狭心症、心筋梗塞 B③心筋症④不整脈(主要な頻脈性、除脈性不整脈)B⑤弁膜症(僧帽弁膜症、大動脈弁膜症)⑥動脈疾患(動脈硬化症、大動脈瘤)B⑦静脈・リンパ管疾患(深部静脈血栓症、下肢静脈瘤、リンパ浮腫)⑧高血圧症(本態性、二次性高血圧症)A

(₆)呼吸器系疾患①呼吸不全 B②呼吸器感染症(急性上気道炎、気管支炎、肺炎)A③閉塞性・拘束性肺疾患(気管支喘息、気管支拡張症)B④肺循環障害(肺塞栓・肺梗塞)⑤異常呼吸(過換気症候群)⑥胸膜、縦隔、横隔膜疾患(自然気胸、胸膜炎)⑦肺癌

(₇)消化器系疾患①食道・胃・十二指腸疾患(食道静脈瘤、胃癌、消化性潰瘍、胃・十二指腸炎)A②小腸・大腸疾患(イレウス、急性虫垂炎、痔核・痔瘻)B③胆嚢・胆管疾患(胆石症、胆嚢炎、胆管炎)④肝疾患(ウイルス性肝炎、急性・慢性肝炎、肝硬変、肝癌、アルコール性肝障害、薬物性肝障害)B⑤膵臓疾患(急性・慢性膵炎)⑥横隔膜・腹壁・腹膜(腹膜炎、急性腹症、ヘルニア)B

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臨床研修実施要項 9

(₈)腎・尿路系(体液・電解質バランスを含む。)疾患①腎不全(急性・慢性腎不全、透析)A②原発性糸球体疾患(急性・慢性糸球体腎炎症候群、ネフローゼ症候群)③全身性疾患による腎障害(糖尿病性腎症)④泌尿器科的腎・尿路疾患(尿路結石症、尿路感染症)B

(₉)妊娠分娩と生殖器疾患①妊娠分娩(正常妊娠、流産、早産、正常分娩、産科出血、乳腺炎、産褥)B②女性生殖器及びその関連疾患(月経異常[無月経を含む。]、不正性器出血、更年期障害、外陰・膣・骨盤内感染症、骨盤内腫瘍、乳腺腫瘍)

③男性生殖器疾患(前立腺疾患、勃起障害、精巣腫瘍)B

(10)内分泌・栄養・代謝系疾患①視床下部・下垂体疾患(下垂体機能障害)②甲状腺疾患(甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症)③副腎不全④糖代謝異常(糖尿病、糖尿病の合併症、低血糖)A⑤高脂血症 B⑥蛋白及び核酸代謝異常(高尿酸血症)

(11)眼・視覚系疾患①屈折異常(近視、遠視、乱視)B②角結膜炎 B③白内障 B④緑内障 B⑤糖尿病、高血圧・動脈硬化による眼底変化

(12)耳鼻・咽喉・口腔系疾患①中耳炎 B②急性・慢性副鼻腔炎③アレルギー性鼻炎 B④扁桃の急性・慢性炎症性疾患⑤外耳道・鼻腔・咽頭・食道の代表的な異物

(13)精神・神経系疾患①症状精神病②認知症(血管性認知症を含む。)A③アルコール依存症④気分障害(うつ病、躁うつ病を含む。)A⑤統合失調症 A⑥不安障害(パニック障害)⑦身体表現性障害、ストレス関連障害 B

(14)感染症①ウイルス感染症(インフルエンザ、麻疹、風疹、水痘、ヘルペス、流行性耳下腺炎)B②細菌感染症(ブドウ球菌、 MRSA、 A群レンサ球菌、クラミジア)B③結核 B④真菌感染症(カンジダ症)⑤性感染症⑥寄生虫疾患

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YOKOHAMA CITY UNIVERSITY10

(15)免疫・アレルギー疾患①全身性エリテマトーデスとその合併症②関節リウマチ B③アレルギー疾患 B

(16)物理・科学的因子による疾患①中毒(アルコール、薬物)②アナフィラキシー③環境要因による疾患(熱中症、寒冷による障害)④熱傷 B

(17)小児疾患①小児けいれん性疾患 B②小児ウイルス感染症(麻疹、流行性耳下腺炎、水痘、突発性発疹、インフルエンザ)B③小児細菌感染症④小児喘息 B⑤先天性心疾患

(18)加齢と老化①高齢者の栄養摂取障害 B②老年症候群(誤嚥、転倒、失禁、褥瘡)B

C 特定の医療現場の経験必修項目にある現場の経験とは、各現場における到達目標の項目のうち一つ以上経験すること。

(₁)救急医療生命や機能的予後に係わる、緊急を要する病態や疾病、外傷に対して適切な対応をするために、₁)バイタルサインの把握ができる。₂)重症度及び緊急度の把握ができる。₃)ショックの診断と治療ができる。₄)二次救命処置(ACLS=Advanced Cardiovascular Life Support、呼吸・循環管理を含む。)ができ、一次救命処

置(BLS=Basic Life Support)を指導できる。※ ACLSは、バッグ・バルブ・マスク等を使う心肺蘇生法や除細動、気管挿管、薬剤投与等の一定のガイドラインに基づく救命処置を含み、 BLSには、気道確保、胸骨圧迫、人工呼吸等機器を使用しない処置が含まれる。

₅)頻度の高い救急疾患の初期治療ができる。₆)専門医への適切なコンサルテーションができる。₇)大災害時の救急医療体制を理解し、事故の役割を把握できる。

必修項目 救急医療の現場を経験すること

(₂)予防医療予防医療の理念を理解し、地域や臨床の場での実践に参画するために、₁)食事・運動・休養・飲酒・禁煙指導とストレスマネージメントができる。₂)性感染症予防、家族計画を指導できる。₃)地域・産業・学校保健事業に参画できる。₄)予防接種を実施できる。

必修項目 予防医療の現場を経験すること

(₃)地域医療地域医療を必要とする患者とその家族に対して、全人的に対応するために、₁)患者が営む日常生活や居住する地域の特性に即した医療(在宅医療を含む。)について理解し、実践する。

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臨床研修実施要項 11

₂)診療所の役割(病診連携への理解を含む。)について理解し、実践する。₃)へき地・離島医療について理解し、実践する。

必修項目 へき地・離島診療所、中小病院・診療所等の地域医療の現場を経験すること

(₄)周産・小児・成育医療周産・小児・成育医療を必要とする患者とその家族に対して、全人的に対応するために、₁)周産期や小児の各発達段階に応じて適切な医療が提供できる。₂)周産期や小児の各発達段階に応じて心理社会的側面への配慮ができる。₃)虐待について説明できる。₄)学校、家庭、職場環境に配慮し、地域との連携に参画できる。₅)母子健康手帳を理解し、活用できる。

必修項目 周産・小児・成育医療の現場を経験すること

(₅)精神保健・医療精神保健・医療を必要とする患者とその家族に対して、全人的に対応するために、₁)精神症状の捉え方の基本を身につける。₂)精神疾患に対する初期的対応と治療の実際を学ぶ。₃)デイケアなどの社会復帰や地域支援体制を理解する。

必修項目 精神保健福祉センター、精神科病院等の精神保健・医療の現場を経験すること

(₆)緩和ケア、終末期医療緩和ケアや終末期医療を必要とする患者とその家族に対して、全人的に対応するために、₁)心理社会的側面への配慮ができる。₂)治療の初期段階から基本的な緩和ケア(WHO方式がん疼痛治療法を含む。)ができる。₃)告知をめぐる諸問題への配慮ができる。₄)死生観・宗教観などへの配慮ができる。

必修項目 臨終の立ち会いを経験すること

(₇)地域保健地域保健を必要とする患者とその家族に対して、全人的に対応するために、保健所、介護老人保健施設、社会福祉施設、赤十字社血液センター、各種検診・健診の実施施設等の地域保健の現場において、₁)保健所の役割(地域保健・健康増進への理解を含む。)について理解し、実践する。₂)社会福祉施設等の役割について理解し、実践する。

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YOKOHAMA CITY UNIVERSITY12

No. 項目 チェック 備考

頻度の高い症状

₁ 不眠

₂ 浮腫

₃ リンパ節腫脹

₄ 発疹

₅ 発熱

₆ 頭痛

₇ めまい

₈ 視力障害、視野狭窄

₉ 結膜充血

10 胸痛

11 動悸

12 呼吸困難

13 咳・痰

14 嘔気、嘔吐

15 腹痛

16 便通異常

17 腰痛

18 四肢のしびれ

19 血尿

20 排尿困難

経験が求められる疾患・病態

21 脳脊髄血管障害

22 心不全

23 高血圧症

24 呼吸器感染症

25 食道・胃・十二指腸疾患

26 腎不全

27 糖代謝異常

28 認知症

29 気分障害

30 統合失調症

31 CPC(病理報告)レポート

32 外科症例レポート

提出が必要な32のレポート

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臨床研修実施要項 13

研修プログラム 研修コース内容

定員₁年次 ₂年次

基本臨床研修プログラム

F Ⅰ 附属病院 センター病院

51F Ⅱ 附属病院 協力病院

F Ⅲ 協力病院 附属病院

産科・小児科プログラム 附属病院 附属病院 ₄

1 基本臨床研修プログラムの概要(₁) 特色すべての診療科に必要な基本的診療能力を身につけるとともに、自分の適性を確かめ、₃年目以降の専門研修に円滑に移行するためのプログラムです。研修₂年間のうち₁年間を附属病院で研修します。研修病院の組み合わせにより、₃つのコースに分かれます。コースは附属病院にマッチ後、各自の希望に沿って決定します。なるべく希望に沿うよう調整しますが、定員の関係で第₂希望以降になることもあります。

₁年目 ₂年目

F Ⅰ 附属病院で内科(₆カ月)、救急(₃カ月)、選択必修科(₃カ月)を研修します。₄月第₁週はセンター病院研修医と一緒にオリエンテーションに参加。中心静脈カテーテル講習会、人工呼吸器講習会、研修医セミナー等、病棟業務に必須の項目についてのoff the job trainingが充実しています。

センター病院で地域医療研修、自由選択科を研修します。

FⅡ14の協力病院で地域医療研修、自由選択科を研修します。協力病院のプログラムに従ってください。

F Ⅲ17の協力病院で内科、救急、選択必修科を研修します。協力病院のプログラムに従ってください。

附属病院で地域医療研修、自由選択科を研修します。

(2) 附属病院の₁年目研修①内科研修₅つの内科グループから₂つを選択し、₃カ月ずつ計₆カ月研修します。どのグループにおいても、入院患者は全身疾患を抱えていることが多く、専門疾患領域だけでなく、内科学全般を研修することができます。

研修プログラムと研修コース

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YOKOHAMA CITY UNIVERSITY14

グループ 診療科 研修方法

内科Aリウマチ・血液・感染症内科、呼吸器内科

膠原病、血液、呼吸器グループのうち、₂グループを₆週ずつ研修する(感染症グループは₂年目のみ研修可能)。

内科B 腎臓・高血圧内科、循環器内科腎臓・高血圧内科、循環器内科の₂グループにて診療を行っている。研修医は両グループの指導医のもと、両グループの患者さんの担当医となる。

内科C 内分泌・糖尿病内科病棟の診療体制は₂グループからなる。研修医は₁グループに所属し、担当医として診療にあたる。

内科D 神経内科・脳卒中科

内科E 消化器内科・肝胆膵消化器病学上部消化管、下部消化管、肝臓、胆膵グループの中で希望するグループに所属し、₃カ月間研修する。

②救急医療研修救急医療の社会的使命を認識し、将来の専門性に関わらず、日常診療で遭遇する疾病や病態に適切に対応できる基本的診療能力を身につけることを目的とします。以下の₂コースから₁つを選択し、₃カ月間研修します。◦附属病院コース :附属病院救急部及びセンター病院高度救命救急センターで₂次救急・₃次救急を研修する。◦協力病院コース :藤沢湘南台病院の救急部で研修する。

③選択必修科外科系診療科から₁つ、 【産婦人科、小児科、精神科、麻酔科】から₁つを選択し、合計₃カ月研修します。研修期間の最少単位は₁カ月です。 ◆₁つ目の選択:外科系診療科(₆つから₁つを選んで₁または₂カ月研修)

外科A(一般外科、心臓血管外科) 耳鼻咽喉科

外科B(消化器・肝移植外科、臨床腫瘍科・乳腺外科) 泌尿器科

脳神経外科 整形外科

 ◆₂つ目の選択

診療科 研修期間

麻酔科 ₂カ月ただし₂年目にセンター病院で研修する場合(FⅠコース)は、₁年目に₁カ月、₂年目に₁カ月研修することができる。

産婦人科 ₁または₂カ月

小児科 ₁または₂カ月

精神科 ₁または₂カ月

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臨床研修実施要項 15

(₃)附属病院の₂年目研修 ①地域医療研修  協力施設で₁〜₃カ月研修します。協力施設の選択は、₁年目の秋頃に行います。

 ②自由選択科  以下の診療科・部から選んで、10カ月または11カ月間になるよう組み合わせてください。

内科A (リウマチ・血液・感染症内科、呼吸器内科)、内科B (腎臓・高血圧内科、循環器内科)、内科C (内分泌・糖尿病内科)、内科D (神経内科・脳卒中科)、内科E (消化器内科・肝胆膵消化器病学)、外科A (一般外科、心臓血管外科)、外科B (消化器・肝移植外科、臨床腫瘍科・乳腺外科)、小児科、精神科、児童精神科、産婦人科、整形外科、リハビリテーション科、形成外科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、脳神経外科、放射線科、麻酔科、集中治療部、臨床検査部、病理診断科・病理部、救急部、内視鏡センター

(4)協力病院

研修コース 協力病院名

F Ⅱ(₂年次)14施設

横浜市南部病院、横浜医療センター、横浜栄共済病院、横須賀共済病院、平塚共済病院、藤沢市民病院、藤沢湘南台病院、小田原市立病院、神奈川県立足柄上病院、大森赤十字病院、横浜市立市民病院、茅ヶ崎市立病院、横浜市立みなと赤十字病院、横浜保土ケ谷中央病院(旧横浜船員保険病院)

F Ⅲ(₁年次)17施設

横浜市南部病院、横浜医療センター、横浜栄共済病院、横浜南共済病院、横須賀共済病院、平塚共済病院、藤沢市民病院、藤沢湘南台病院、小田原市立病院、神奈川県立足柄上病院、横浜労災病院、大森赤十字病院、横浜市立市民病院、茅ヶ崎市立病院、大和市立病院、横浜市立みなと赤十字病院、横浜市東部病院

2 産科・小児科プログラムの概要(₁) 特色将来、産婦人科や小児科を担う人材を育成するためのプログラムです。研修の最初の₃カ月(₄〜₆月)に選択必修として産婦人科と小児科を研修します。₂年間附属病院での研修となりますが、₂年目は希望に応じて、センター病院や協力病院の産婦人科または小児科での短期研修も可能です。この他、₁年目の内科研修・救急医療研修及び₂年目の地域医療研修・自由選択科については、基本臨床研修プログラムに準じます。

(₂) 協力病院

自由選択科で研修可能な協力病院選択可能な診療科

産婦人科 小児科恩賜財団済生会横浜市南部病院 ○ ○独立行政法人国立病院機構 横浜医療センター ○ ○国家公務員共済組合連合会 横浜南共済病院 ○ ○国家公務員共済組合連合会 横須賀共済病院 ○藤沢市民病院 ○ ○小田原市立病院 ○ ○独立行政法人労働者健康福祉機構 横浜労災病院 ○ ○横浜市立市民病院 ○大和市立病院 ○横浜市立みなと赤十字病院 ○

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※横浜市立大学附属病院及び附属市民総合医療センターにおける待遇。※協力病院での待遇は、各病院の規定によります。

₁ 身分公立大学法人横浜市立大学非常勤職員(臨床研修医)

₂ 給与(平成26年度)

賃金月額:200,400円、期末手当:年₂回、通勤手当(上限55,000円/₁月)、宿日直手当:15,400円/₁回(月平均₄回程度)◆年収例(年次及びプログラム、コースによって異なります) FⅠコース ₁年次 約370万円 ₂年次 約400万円 (₁・₂年次ともに月₄回の宿日直手当を含む)

₃ 福利厚生 全国健康保険協会、厚生年金、雇用保険、横浜市厚生会(任意)に加入 敷地内にレストラン、学生食堂、コンビニ、コーヒーショップ、ATM(横浜銀行)あり

₄ 休暇 年次休暇(採用初年度16日)、夏季休暇(₅日)、服忌休暇、病気休暇等

₅ アルバイト アルバイトは禁止されています!

<参考>

医師法(抜粋)

●第16条の₂ 診療に従事しようとする医師は、₂年以上(一部略)臨床研修を受けなければならない。●第16条の₃ 臨床研修を受けている医師は、臨床研修に専念し、その資質の向上を図るように努めなければならない。

横浜市立大学附属病院臨床研修医設置規程(抜粋)

●第₈条の₃ 臨床研修医は、勤務時間においては病院において職務に専念しなければならない。●第₈条の₄ 臨床研修医は、研修期間中の兼職を禁止する。

研修医の待遇に関する事項

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臨床研修実施要項 17

₆ 宿舎家賃助成制度あり(家賃の半額、上限月額30,000円)

₇ 研修棟◦研修医室には₁人₁つずつの机を用意しています。◦パソコン、プリンター、電子カルテを設置しています。パソコンからはUpToDateにアクセスできます。◦研修医専用休憩室にはソファー、テーブル、テレビ、冷蔵庫、電子レンジ等を設置しています。◦当直室、シャワー室及びロッカー室を用意しています。

₈ 健康管理健康診断(年₁回)、ワクチン接種、夜間従事者検診、放射線業務者検診等

₉ 医師賠償責任保険個人において加入

10 臨床研修センターについて研修医の募集、修了認定作業、研修プログラムの作成、セミナーの企画運営を行うとともに、研修環境を整備して効果的で快適な研修ができるように研修医をサポートします。

<連絡先>臨床研修センター    TEL:045−787−2976 (直通)、内線3175職員課人事担当     TEL:045−787−2729 (直通)、内線2729メールでの問い合わせ [email protected]*臨床研修センターウェブページhttp://www-user.yokohama-cu.ac.jp/˜clinical/

*臨床研修センターfacebookページhttps://www.facebook.com/yokohamarinshokensyu

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研修到達目標内科Aは、リウマチ膠原病・感染症(HIV 診療含む)・血液疾患・呼吸器疾患(結核含む)の計₄グループがそれぞれ専門領域の診療にあたっています。初期研修においては、各研修医はいずれかのグループに属して、上級医とともに入院患者の診断を、検査計画・治療計画立案にいたる一連のトレーニングを行います。当科は各専門領域の専門性を持ちながら、全身疾患としての総合内科的な視点を学ぶことを目標とします。₄つの専門領域の異なるグループが₁つの科を構成しているため、基礎疾患のみならず全身合併症を幅広く経験することができ、内科臨床の総合力や各診療科専門医とのコミュニケーション能力を身につけることができます。特に胸部画像読影・抗菌薬の使用理論・検査値の判読理論は将来どの診療科に進んでも必ず役に立ちます。

研修内容初期研修₁年目は₃カ月の研修期間の間、膠原病・血液・呼吸器のグループを₂つ以上フレキシブルに組み合わせて研修することが可能です(1カ月以上)。 但し、₄月〜₆月の研修は₃つ組み合わせることができません。各グループでは₄〜₆名で構成されるクリニカルクラークシップのチームに配属され、チーム医療に加わりながら研修を行っていきます。研修医は、上級医とともに₃〜₆名程度の入院患者を担当します。担当患者についてはその診療全般に関与し、必要に応じて診療手技(静脈注射・動脈血液ガス採血・胸腔穿刺・骨髄穿刺・腰椎穿刺・中心静脈カテーテル挿入・グラム染色等)を指導医のもとで行います。また、指導医の行うインフォームド・コンセントにも同席し、基本的な手技と内科としての考え方を研修します。初期研修₂年目はより上級者向け研修として、膠原病・血液・呼吸器・感染症のグループを₁つ以上、フレキシブルに組み合わせて研修することが可能です(₁カ月以上)。膠原病・血液・呼吸器の研修内容は₁年目と同様ですが、₁年間の経験を生かして、より主体的に主治医グループの一員として治療に臨むことを期待します。感染症グループについては、当科患者のみならず院内全診療科の感染症のコンサルテーション業務を行っています。各科の要請に応じて患者を診察し、適正な検査・抗菌薬選択について助言、感染管理業務をしていきます。内科・外科を問わず全身の感染症を多数経験することができます。火曜日の入院症例カンファレンスおよび教授回診では膠原病・血液・呼吸器・感染症のすべてのグループが参加し、他のグループの患者についても学ぶことができます。毎週₂例は英語での新患プレゼンテーションを行っています。

1

2

内科

Internal Medicine

1 リウマチ・血液・感染症内科、呼吸器内科(内科A)

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臨床研修実施要項 19

研修スケジュール月 火 水 木 金

午前 病棟診療入院症例カンファレンス

(全グループ)教授回診

(血)抄読会病棟診療

(呼)気管支鏡(血)骨髄採取(呼)禁煙外来(膠)血管新生

病棟診療 病棟診療

午後病棟診療

(呼)カンファレンス(膠)関節エコー

研修医レクチャー病棟診療

(膠)教授診察室(膠)カンファレンス(呼)カンファレンス

病棟診察(膠)関節エコー

(膠)リウマチ総合外来(膠)腎生検(膠)抄読会

(血)カンファレンス(呼)抄読会

病棟診療(膠)ベーチェット病外来(血)血液専門外来(膠)関節エコー

病棟診療感染症カンファレンス(膠)関節エコー

(膠)リウマチ膠原病グループ、(血)血液グループ、(呼)呼吸器グループ、(感)感染症グループ毎日、朝回診(₇:30〜₉:00)、夕回診(16:30〜18:00)を各チームで行う。※毎週火曜日の昼には、各専門グループ担当医による研修医向けレクチャーを行っています。※感染症カンファレンス(毎週金17:00〜)は他科研修中の医師も含め、全研修医が自由参加可能です。感染症・抗菌薬について基礎的な

レクチャーを行っています。※毎週土曜日(12:30〜14:00)native speaker による英語指導があります。

指導体制当科はチーム医療を行っており、リーダー(准教授)・上級医(助教/指導臨床医/シニアレジデント)・初期研修医・学生で構成されるクリニカルクラークシップチームとして₄〜₆ 名の入院患者を受け持ちます。▪内科認定医:27名(うち専門医:₉名) ▪リウマチ専門医:₈名(うち指導医:₃名)▪血液専門医:₃名(うち指導医:₃名) ▪呼吸器専門医:₆名(うち指導医:₁名)▪感染症専門医:₂名(うち指導医:₁名) ▪アレルギー専門医:₅名(うち指導医:₂名)

研修期間₁年目 ₃カ月の研修期間に膠原病・血液・呼吸器から₂グループ以上を選択₂年目 任意の診療グル―プを原則₁カ月以上

タンデムに複数グループの組み合わせも可能(例えば、感染症₁カ月+呼吸器₂カ月 など)

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

膠原病、血液、呼吸器:各₃名、感染症:₂名

問い合わせ先担当:上田 敦久E-mail:[email protected]ホームページ:http : //www-user.yokohama-cu.ac.jp/~naika1/index.html

3

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研修到達目標内科領域における日常診療で頻繁に遭遇する病気や病態を理解し適切に対応できるよう、内科の基本的な診療能力(態度、技能、知識)を身につける。特に、生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)、循環器疾患、腎臓疾患については、それらの患者を見い出し、適切な診断ができ、治療方針をたて専門医へのコンサルトが的確にできるようになる。

研修内容研修期間を分けて循環器内科、腎臓・高血圧内科においてそれぞれ研修を行う。研修目標の達成に向けて予定入院患者、救急患者の受け持ち医(担当患者さんは₃名程度から最大10名程度、研修状況に応じて随時調整する)となり、指導医とともに診察、検査、治療にあたる。入院患者については循環器内科、腎臓・高血圧内科ともに毎週木曜日朝の新患カンファレンスにて症例提示し、総回診に参加する。診断や治療方針についての詳細は、各疾患の専門医とともに行われる定期カンファレンス(循環器内科、週₁回月曜日夕方;腎臓・高血圧内科、週₁回火曜日夕方)にて症例を提示し検討の上、決定される。病棟研修の合間をぬって、各専門医によるレクチャーが行われ、知識の再確認と指導が行われる。受け持ち患者の退院後は入院サマリーを₂週間以内に作成する。

研修スケジュール月 火 水 木 金

午前

病棟診察(内科 B)

心臓核医学検査(循環器)

血液浄化センター(腎高血圧)

カテーテル検査・治療(循環器)

(₈時〜)抄録会・レクチャー

病棟診察(内科 B)

カテーテル検査・治療(循環器)

血液浄化センター・PD 外来

(腎高血圧)

病棟診察(内科 B)

カテーテル検査・治療(循環器)

血液浄化センター(腎高血圧)

(₈時〜)新患カンファレンス

総回診PD 外来

(腎高血圧)(12 時〜)

昼食・教室会議・学会予演他(内科 B)

病棟診察(内科 B)

カテーテル検査・治療(循環器)

血液浄化センター(腎高血圧)

午後

病棟診察(内科 B)

透析アクセス手術(腎・高血圧),

(18 時〜)入院カンファレンス

(循環器)カテーテル検査・治療

(循環器)

病棟診察(内科 B)

カテーテル検査・治療(循環器)PD 外来

(腎高血圧)(16 時 30 分〜)入院カンファレンス

(腎高血圧)

病棟診察(内科 B)

カテーテル検査・治療(循環器)

手術(腎高血圧)

症例検討会(内科 B)

カテーテル検査・治療(循環器)

腎生検(腎高血圧)(16 時〜)

透析カンファレンス(腎高血圧)

病棟診察(内科 B)

カテーテル検査・治療(循環器)

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2

3

内科

Internal Medicine

2 循環器内科、腎臓・高血圧内科(内科B)

新患カンファレンス

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臨床研修実施要項 21

指導体制研修期間を分けて循環器内科、腎臓・高血圧内科にそれぞれ所属し、研修医は予定入院患者、救急患者の受け持ち医(担当医)となり、患者ごとに各診療グループの入院主治医、外来主治医(入院主治医と同じこともある)からなる指導医とともに診察、検査、治療にあたる。診断や治療方針についての詳細は、各疾患の専門医とともに行われる定期カンファレンスにて決定される。指導医数 29名(総合内科専門医 ₆名、循環器専門医 13名、心血管インターベンション治療専門医 ₂名、不整脈専門医 ₃名、高血圧専門医 ₆名、腎臓専門医 ₆名、透析専門医 ₇名、アフェレシス専門医 ₂名、内分泌代謝専門医 ₂名、老年病専門医 ₂名、脈管専門医 ₁名、産業医 ₄名 など)

研修期間₁年目:₃カ月 ₂年目:₁〜₃カ月

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

₁年目:₆名まで ₂年目:上限なし

問い合わせ先担当:臨床研修委員会委員 田村 功一E-mail:[email protected]ホームページ:http://www.yokohama-medicine.org/

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心臓カテーテル検査・治療

血液透析療法

カテーテル検査・治療

血液浄化センター

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研修到達目標内科の基本的な診療能力(態度、技能、知識)を身に付ける。具体的には以下のとおりです。◦糖尿病、脂質異常症、高血圧、及びそれらの合併症の評価と管理、日常診療で見逃されがちな種々の内分泌疾患の診療を中心に内科医としての基本的な技術を身につける。

◦Problem Oriented System に従って病歴、身体所見、検査データから問題点を挙げ、系統立てて鑑別診断を進めるという、内科診療の基本を確立する。

◦コメディカルとの連携、糖尿病合併症に関して他科との連携など、チーム医療の姿勢を学ぶ。◦さらに₂年目選択の場合は、糖尿病や内分泌疾患について診断、治療の立案ができるよう、基本的な

考え方を身につける。

研修内容●病棟病棟では入院患者の受け持ち医として診療にあたります。指導医、シニアレジデントと共にチーム体制をとり、診察、検査、治療を行います。診断や治療方針については、週₂回のカンファレンスでディスカッションを行って決定します。研修医にはカンファレンスでの症例提示をしていただきます。

●外来指導医とともに、救急患者の診療を行います。また、初診外来を指導医とともに担当し、問診、所見の取り方、今後の方針の決め方を研修します。

●学会・論文発表できるだけ学会発表できるレベルまで、症例について理解を深める訓練を行い、機会があれば論文発表できるよう指導します。

当科の研修では、糖尿病についての基本的な診療はもちろん、糖尿病には脂質異常症、高血圧といった動脈硬化性疾患の原因となる病態を合併することが多いので、様々な疾患を総合的に診ることができます。糖尿病診療の基礎を学ぶことは、内科一般の基礎的な事項を学ぶことにつながります。同時に、コメディカルと協力してカンファレンスや教育入院に参加することで、チーム医療についても十分な研修が可能です。内分泌疾患についても、頻度の高い甲状腺疾患の他、高血圧患者の₅〜₇%を占める二次性高血圧の症例などについて初診から経過を追って診ることができ、診療の基礎を学ぶことができます。

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内科

Internal Medicine―Endocrinology, Diabetes and Metabolism

3 内分泌・糖尿病内科(内科C)

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臨床研修実施要項 23

研修スケジュール◦毎週月曜午後₄:30〜 入院カンファ、連絡事項の確認◦毎週木曜午前₈:00〜 入院カンファ、病棟教授回診基本的に病棟業務が中心となります。また、外来急患の診療、当直(月数回)にも従事していただきます。

指導体制研修医は₂〜₃名の医師で構成される診療チームに配属され、そのチーフが指導責任者となる。指導責任者(助教)の下にシニアレジデント、その下に研修医がつき、主に病棟診療に当たる。研修医はチームの上級医の他、カンファレンスなどで他の医師の助言を得ることも可能。指導医数:糖尿病専門医数:₄名、内分泌専門医:₄名

研修期間₂カ月以上(₂年目の場合は₁カ月も相談に応じます)

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

₄名まで

問い合わせ先担当:伊藤 譲E-mail: [email protected]ホームページ:http : //www-user.yokohama-cu.ac.jp/~nai3naib/

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YOKOHAMA CITY UNIVERSITY24

研修到達目標◦神経内科的な病状に応じた医療面接と神経内科学的診察ができ、病状の概要を把握できる。◦腰椎穿刺の目的・適応と禁忌を理解し、実施できる。◦神経放射線検査・神経電気生理学的検査の目的・適応が理解できる。◦介護適応患者のケースワーク(介護制度・在宅療養など)の概要を理解できる。

研修内容◦病棟の患者約₃〜₆名の担当医となりグループの診療医と共に病棟業務に従事する。◦医療面接を行い、身体所見、検査所見とともに診療録の作成を行う。◦担当医として主治医を始めとする担当グループの患者の診療やケースワークにつき、カンファレンスに参加する。

◦担当した新入院患者について入院時カンファレンスでプレゼンテーションを行う。◦神経内科救急患者の診療や当直業務に指導医のもとで従事する。

研修スケジュール(基本的には午前₈時スタート)

月 火 水 木 金

午前

脳卒中カンファ(毎週)脳外・神内合同カンファ

(月₁回)

入院時カンファ入院症例検討教授回診

₈:00〜₈:30病棟診察 抄読会・勉強会 入院時カンファ

上記終了後グループカンファ&ラウンド(30分程度火曜日は除く)

病棟診療(救急患者あれば指導医と外来で診療)

午後病棟診療(救急患者あれば指導医と外来で診療)

グループカンファ&ラウンド

指導体制研修医は₆〜₇名の指導医で構成される診療グループに配属され、そのグループ長が指導責任者となる。指導医数:15名(2012年₉月 主任教授₁名、病院教授₁名、准教授₁名、講師₂名、助教₄名、指導診療医₂名、後期レジデント₅名 神経内科専門医11名)

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内科

Internal Medicine―

Neuyology and Stroke

4 神経内科、脳卒中科(内科D)

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臨床研修実施要項 25

研修期間₂カ月以上が望ましい。

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

₅名まで

問い合わせ先担当: 上木 英人   E-mail:[email protected]   多田美紀子    [email protected]ホームページ:http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~neuro/

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研修到達目標研修者が内科の基本的な診療能力(態度、技能、知識)を身につけます。患者―医師の関係を適切に構築し、消化器疾患の十分な知識と病態を理解しエビデンスに基づいた安全かつ優良な医療を提供する基礎を身につけます。さらに適切な診断ができ、治療方針をたて専門医へのコンサルトが的確にできるようにします。特に内視鏡検査・治療などにも力を注いでおり消化器疾患全般を幅広く経験します。

研修内容A)消化器内科を研修することにより15項目以上を経験することを目標とします。₁)全身倦怠感、₂)食欲不振、₃)体重減少、₄)

体重増加、₅)浮腫、₆)リンパ節腫脹、₇)発疹、₈)黄疸、₉)発熱、10)頭痛、11)めまい、12)胸痛、13)動悸、14)吐気・嘔吐、15)胸焼け、16)嚥下困難、17)腹痛、18)便通異常

B)消化器内科を研修することにより急性腹症、消化管出血、肝胆膵の炎症、腫瘍などを経験することを目標とします。C)病棟では予定入院患者、救急患者の受け持ち医となり、指導医とともに診察、検査、治療にあたります。入院患者については新患カ

ンファレンスにて症例提示します。診断や治療方針についての詳細は、各疾患の専門医とともに行われる定期カンファレンスにて症例を提示しディスカッションにて決定します。必要に応じて上部消化管検査、下部消化管検査、腹部超音波検査、 ERCP、肝血管造影、ラジオ波焼灼、各種穿刺検査などに一緒に入り経験することができます。

研修スケジュール消化器内科

月 火 水 木 金

午前病棟回診各種検査病棟診療

内科・外科カンファ各種検査病棟診療

病棟回診各種検査病棟診療

病棟回診各種検査病棟診療

病棟回診各種検査病棟診療

午後各種検査病棟診療

内視鏡カンファレンス

各種検査病棟診療

各種検査病棟診療

教授病棟回診消化器・画像カンファレンス

各種検査病棟診療

各種カンファレンス

各種検査病棟診療

肝胆膵消化器病学月 火 水 木 金

午前病棟回診各種検査病棟診療

内科・外科カンファ各種検査病棟診療

病棟回診各種検査病棟診療

病棟回診各種検査病棟診療

病棟回診各種検査病棟診療

午後各種検査病棟診療

内視鏡・消化器カンファレンス

各種検査病棟診療

各種検査病棟診療

各種検査病棟診療

各種カンファレンス

各種検査病棟診療

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内科

Internal Medicine―

Gastroenterology

5 消化器内科・肝胆膵消化器病学(内科E)

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臨床研修実施要項 27

指導体制研修医は₃〜₄名の医師で構成される診療チームに配属され、そのチーフが指導責任者となります。消化器内科、肝胆膵消化器病学(管グループ、肝グループ、胆膵グループ)いずれかのグループに所属して診療に当たります。ローテートは応相談。指導医数:16名(消化器病学会指導医:₂名、専門医:12名、消化器内視鏡指導医:₄名、専門医:10名、肝臓学会指導医:₂名 専門医:₈名)

研修期間₁年目:₃カ月、₂年目:₁カ月以上から可。

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

₁年目:₄〜₆名まで、₂年目:制限なし

問い合わせ先⃝消化器内科 担当:佐々木 智彦

E-mail:[email protected]ホームページ:http://square.umin.ac.jp/ycugi/

⃝肝胆膵消化器病学 担当:細野 邦広E-mail:[email protected]ホームページ:http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~nai3syou/

消化器内科・肝胆膵消化器病学紹介消化器内科は初期臨床研修医にとって、将来何科に進むにしても必ずと言ってよい程役に立つ知識や主義を学ぶことのできる診療科です。腹痛は患者の主訴の中で最も多く、患者層が小児から高齢者にまで及ぶこと、また腹痛の中には消化器疾患だけではなく他科の疾患が隠れていることも多いなど、臨床の場に出たばかりの初期研修医にとっては学び甲斐のある非常に魅力的な科であると思います。当院消化器内科は消化器内科、肝胆膵消化器病学(消化管グループ、胆・膵グループ、肝グループ)の₄つに分かれており各々₅人以上の医師で構成されています。各グループは専門に秀でた医師をトップに医師歴の長い者から後期研修医までバランスよく配属されているため、熟練した手技や知識を体験できるとともに最も身近な後期研修医の様子を垣間見ることができます。グループに分かれてはいますが垣根はなく、カンファレンスを通して知識を交換することができるため非常に多くの情報を得ることができます。初期研修医に至ってはグループに関係なく検査や手技に立ちあうことが可能です。また、当院消化器内科では研修医を即戦力として信頼しERCPや肝生検、血管造影、内視鏡検査などさまざまな処置に入り参加できます。もちろんCVルート確保や腹水穿刺など特別な処置の際には必ず上級医の指導の下なされるため安心して手技に集中することができます。そして何よりも教室全体の雰囲気が非常によいこと、スタッフが研修医に対し好意的であるため熱い指導を受けることができるのが最大の魅力です。受け持ち患者の治療方だけでなく今後の進路など様々な面で相談にのってくれます。是非、当科で充実した研修を送ってみてください。

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YOKOHAMA CITY UNIVERSITY28

研修到達目標₁.救急診療の基本的技能と知識を身につける。(₁)バイタルサインの把握ができる。(₂)身体所見を迅速かつ的確にとれる。(₃)重症度と緊急度が判断できる。(₄)頻度の高い症状を有する症例の初期診療を経験し、必要な検査(検体、画像、心電図)が指示で

き、緊急性の高い異常検査所見を指摘できる。(₅)緊急を要する症状や病態に対する初期診療において、必要な検査が指示できる。(₆)病歴、身体診察から得られた情報を整理し状況に応じたプレゼンテーションの技術を身につける。₂.限られた時間で患者と良好な人間関係を構築しインフォームド・コンセントを実施できる能力を身

につける。₃.他部門の医療スタッフとチーム医療を実践できるコミュニケーション能力を身につける。

救急初期臨床研修は、₁年次にセンター病院救命救急センター₂カ月+附属病院救急部₁カ月が基本パターンであり、協力病院での研修はそれぞれの病院のプログラムによる。以下は附属病院救急部における研修を記載する。

研修内容●外来研修(オンジョブトレーニング)救急部スタッフ₁名とともに救急外来担当研修医₁名(日替わり)は、直接来院症例(初期救急)および救急車搬送症例(₂次救急)に対する初期診療を行う。

経験できる症候、疾患発熱、頭痛、めまい、失神、胸痛、動悸、呼吸困難、嘔気・嘔吐、腹痛、腰痛、麻痺、発疹、血尿、筋力低下、咳・痰、不安、意識障害、消化管出血、急性腹症、糖代謝異常、電解質異常、アナフィラキシー、熱中症、尿路結石、自然気胸、気管支喘息、急性冠症候群、不整脈、脳梗塞、急性呼吸不全、急性感染症、外傷、熱傷、急性中毒など

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救急

First aid

6 附属病院救急部

Weekly conference

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臨床研修実施要項 29

●オフジョブトレーニング・レジデントレクチャー (座学・シミュレーション)◦JRC-G2010に基づくALS (座学・シミュレーション)◦外傷初期診療(JATEC に基づく) (座学・シミュレーション)◦疾病初期診療のコツ(座学)◦心臓・腹部超音波検査(座学・シミュレーション)◦感染症内科レクチャーへの参加(座学)◦院内災害対応・トリアージ手法(座学・シミュレーション)◦ Weekly Jounal Club:救急医学関連英文雑誌の抄読会ならびにReview。

●当直業務・月₅〜₇回。平日日勤は₈時30分〜17時、当直は17時〜₈時30分勤務。

研修スケジュール月 火 水 木 金

8₈:30〜10:00

申し送り・症例ふり返り

₈:30〜₉:00 申し送り ₈:30〜10:00申し送り・症例ふり返り9 ₉:00〜10:30

ジャーナルクラブ10:30〜12:30

入院症例・レビュー救急病棟回診

10午前:ER + レクチャー(月曜はICLS) 午前:ER + レクチャー

11121314 14:00〜16:00

ER + レクチャー15

16 16:30〜17:00 症例ふり返り

17 17:00〜17:30 申し送り

指導体制救急科医師₄名ならびに内科₃名・脳神経外科₁名・整形外科₁名からの出向医師あわせて₉名(救急科専門医₄名)がオンジョブならびにオフジョブトレーニングによる指導にあたっている。

研修期間基本は₁カ月。₂年次は希望に応じて可変。

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

₅〜₆名程度(応相談)。

問い合わせ先担当:松本 順E-mail:[email protected]ホームページ:http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~er-urahp/

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研修到達目標外科治療についての理解を深めるとともに、全身管理を学ぶ。◦手術適応、術式、合併症、術後の加療、遠隔期成績について学ぶ。◦手術手技(特に切開縫合)を習得する。◦清潔操作、創処置、栄養管理、抗菌剤使用法、ドレーン管理、などを習得する。◦各種臓器の特性について学ぶ。◦癌の外科治療。◦循環器、呼吸器、消化器、腎機能、周術期の糖尿病の管理を習得する。

研修内容心臓血管外科(先天性、後天性、幼児・小児から成人)、消化器外科、呼吸器、乳腺・甲状腺外科の₃つのグループから₁つを選んで研修(希望に沿うようにします)。₂カ月選択の場合は、₁カ月交代も可(要相談)。

各グループごと、₅〜10名の患者の主治医となり、病棟業務に従事する。医療面接を行い、身体所見、検査所見とともに診療録の作成を行う。●手術 ◦開腹◦開胸の術者、閉創の術者  ◦鼠径ヘルニア◦虫垂炎の術者 ◦腹腔◦胸腔鏡でのカメラ助手   ◦解剖の理解◦勉強●周術期管理 ◦輸液管理、栄養管理  ◦術前評価、合併症管理  ◦高リスク症例のICU 管理●手技 ◦縫合・結紮  ◦胸腔◦腹腔穿刺  ◦中心静脈ルート確保●カンファレンス ◦術前画像評価  ◦ガイドラインなどの治療方針の理解 ◦術前プレゼンテーション、ディスカッションの指導 ◦他科とのカンファレンス参加、プレゼンテーション●研究会・学会発表 ◦積極的な発表●Tissue Labo ◦心臓血管外科:豚の心臓・血管を用いた、弁形成、弁置換、血管吻合の実習 ◦一般外科:豚の皮・消化管・肺を用いた、縫合、切除、器械吻合の実習

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選択外科

Surgery

7 一般外科、心臓血管外科(外科A)

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臨床研修実施要項 31

研修スケジュール月 火 水 木 金

午前 カンファレンス手術、病棟診察

カンファレンス外来、病棟診察

カンファレンス手術、病棟診察

術前カンファレンス教授回診

カンファレンス手術、病棟診察

午後 手術、病棟診察 病棟診察ウエットラボ(不定期)

手術、病棟診察(カンファレンス) 病棟診察 手術、病棟診察

指導体制指導医:21名呼吸器外科専門医:₁名、内分泌外科専門医:₁名、乳腺専門医:₁名内視鏡外科技術認定医:₄名心臓血管外科(教授:₁名、准教授:₂名、他スタッフ:₄名)一般外科(准教授:₃名、他スタッフ:消化器₆名、呼吸器・乳腺甲状腺₅名)

研修期間₂カ月以上が望ましいが、₁カ月でも可。

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

特になし

問い合わせ先担当:山本 直人E-mail:[email protected]ホームページ:http : //www.first-surgery.jp/index.html

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手術件数2013年(心臓血管外科)

先天性心疾患:46例 虚血性心疾患:15例 弁膜症:30例 大血管:39例 末梢血管:3例 その他:7例

手術件数2013年(呼吸器外科、乳腺・甲状腺外科)

肺(悪性):46例 肺(良性):25例 乳腺:42例 甲状腺:43例 その他:20例

手術件数2012年(消化器外科)

食道:16例 胃:46例 小腸・大腸:42例 肝胆膵(悪性):8例 胆嚢・総胆管:24例 イレウス:18例 虫垂炎:15例 ヘルニア:43例 その他:199例(局麻含む)

研修医K君の2ヶ月研修の実際

消化器G、呼吸器・甲状腺G:各1ヶ月研修

鼠径ヘルニア執刀:5例 開腹執刀:3例 閉創(腹部・胸部):10例 腹腔鏡・胸腔鏡カメラ助手:10例 局所麻酔手術、乳腺・甲状腺手術助手:15例

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研修到達目標◦患者や家族とのコミュニケーションがとれる。◦臨床医として最低限必要な外科基本手技を身につける。◦画像診断に必要な基本的知識・技能を身につける。◦周術期管理のほかに、 ICU 管理、急変時の対応や処置を経験し理解する。

研修内容研修は基本的に病棟で行うが、希望者は外来診療の研修も行う。病棟では₄つの臓器別グループ(肝胆膵、上部消化管、下部消化管、乳腺など)に分かれて診療を行っているが、研修医は各グループに配属されスタッフ₃名と病棟実習の医学生₁名とともに研修を行う。₁チームあたり10名前後の患者を受け持ち、術前画像診断・手術・周術期管理などについてスタッフの指導のもとに研修し、時には学生の指導補佐なども行う。またシミュレーションセンターで外科手術基本手技の実習も行う。

研修スケジュール月 火 水 木 金

午前カンファレンス

教授回診検査・外来

カンファレンス手術 病棟診察 カンファレンス

手術

カンファレンス教授回診

検査・外来

午後 病棟診察/手術グループ回診

手術グループ回診

自由課題グループ回診

手術グループ回診

病棟診察自習課題

グループ回診

指導体制病棟では₄つの臓器別グループ(肝胆膵、上部消化管、下部消化管、乳腺など)に分かれて診療を行っているが、研修医は各グループに配属されスタッフ₃名と病棟実習の医学生₁名とともに研修を行う。₁チームあたり10名前後の患者を受け持つ。₂カ月以上の研修ではローテート可能。指導医数:16名

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選択外科

Surgery

8 消化器・肝移植外科、臨床腫瘍科・乳腺外科(外科B)

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研修期間₂カ月以上が望ましいが、₁カ月研修も可。

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

₈名まで受け入れ可。

問い合わせ先担当:秋山 浩利E-mail : [email protected]

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研修到達目標耳鼻咽喉科領域の診察技術や耳鼻咽喉科疾患の病態生理に関する知識を習得し、耳鼻咽喉科全般の診療を身につける。また頭頸部外科基本手技と周術期管理、および癌治療について実際に体験し、頭頸部外科疾患の診断や治療に必要な基本的知識・技能・態度を身につける。

研修内容耳鼻咽喉科一般症候として、以下の症候を経験する。耳痛、耳漏、聴覚障害、めまい、鼻出血、鼻汁過多、鼻閉、嗅覚障害、咽頭痛、咽頭の腫脹・腫瘤、味覚障害、舌の腫脹・腫瘤、嗄声、呼吸困難、頸部の腫脹・腫瘤

頭頸部外科疾患として、以下の疾患を経験する。上咽頭癌、中咽頭癌、下咽頭癌、喉頭癌、舌癌、上顎癌

耳鼻咽喉科救急疾患として、以下の疾患を経験する。鼻出血、異物(外耳道、鼻腔、咽頭、喉頭、食道、気道)、外傷、気管切開の適応

研修スケジュール月 火 水 木 金

午前 病棟に₈時集合

症例カンファレンス:病棟に₈時集合

抄読会:医局に₈時集合

手術日:病棟に₈時集合

教授回診:病棟に₈時集合

手術日

午後頭頸部難聴FNA

小児難聴

アレルギー・鼻副鼻腔めまいエコー

音声・嚥下下咽頭・嚥下造影

難聴遺伝カウンセリング

*月・水・金の午後は各特殊外来の中から選択して研修する。

指導体制研修医は₄〜₅名の医師で構成される診療チームに配属され、そのチーフが指導責任者となる。いずれかのグループに所属して診療に当たるが一定期間でローテート可能。指導医数:₉名(日本耳鼻咽喉科学会専門医:₉名、日本気管食道科学会専門医:₃名)

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選択外科

Otolaryngology

9 耳鼻咽喉科

病棟カンファレンス 手術

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研修期間₁カ月以上で可。できれば₃カ月が望ましい。

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

特になし

問い合わせ先担当:塩野 理E-mail:[email protected]ホームページ:http : //www-user.yokohama-cu.ac.jp/~jibika/

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研修到達目標整形外科学は乳幼児より高齢者までの骨、関節、筋、腱等の運動器と脊髄、末梢神経等の神経系統の外傷、および慢性疾患、腫瘍性疾患、遺伝性疾患などを対象とする広範な診療分野を対象としている。これらの疾患について、その診察法、検査法、画像診断、治療法の選択、手術および後療法についての理解を深め、いかに運動機能を再建し早期に社会復帰を促すかについて研修する。また常にEvidence Based Medicine(EBM)に基づく最新の治療を研修する。将来整形外科を専門としない場合でも、整形外科的な外傷学の基本とその処置を研修することができる。

研修内容各コース印(☆、◎、○)について研修する。☆:研修期間₁カ月の到達目標 ◎:研修期間₃カ月の到達目標 ○:研修期間₆カ月の到達目標Ⅰ.救急医療 ●行動目標 運動器救急疾患・外傷に対応できる基本的診療能力を修得する。 ●経験目標 (₁) ◎○ 多発外傷における重要臓器損傷とその症状を述べることができる。 (₂)☆◎○ 骨折・脱臼に伴う全身的・局所的症状を述べることができる。 (₃)☆◎○ 神経・血管・筋腱損傷の症状を述べることができる。 (₄)☆◎○ 脊髄損傷の症状を述べることができる。 (₅) ◎○ 多発外傷の重症度を判断できる。 (₆) ◎○ 多発外傷において優先検査順位を判断できる。 (₇)☆◎○ 開放骨折を診断でき、その重症度を判断できる。 (₈) ◎○ 神経・血管・筋腱の損傷を診断できる。 (₉) ◎○ 神経学的観察によって麻痺の高位を判断できる。 (10)☆◎○ 骨・関節感染症の急性期の症状を述べることができる。Ⅱ.慢性疾患 ●行動目標 適正な診断を行うために必要な運動器慢性疾患の重要性と特殊性について理解・修得する。 ●経験目標 (₁)☆◎○ 変性疾患を列挙してその自然経過、病態を理解する。 (₂)☆◎○ 変形性関節症、関節リウマチ、脊椎変性疾患、骨粗鬆症、腫瘍のX線、MRI、造影像の解釈ができる。 (₃)☆◎○ 上記疾患の検査、鑑別診断、初期治療方針を立てることができる。 (₄) ◎○ 腰痛、関節痛、歩行障害、四肢のしびれの症状、病態を理解できる。 (₅)  ○ 神経ブロック、硬膜外ブロックを指導医のもとで行うことができる。 (₆)  ○ 関節造影、脊髄造影を指導医のもとで行うことができる。 (₇)☆◎○ 理学療法の処方が理解できる。 (₈)  ○ 後療法の重要性を理解し適切に処方できる。 (₉)  ○ 一本杖、コルセット処方が適切にできる。 (10)☆◎○ 病歴聴取に際して患者の社会的背景やQuality of Life(QOL)について配慮できる。 (11)  ○ リハビリテーション・在宅医療・社会復帰などの諸問題を他の専門家、コメディカル、社会福祉士と検討できる。Ⅲ.基本手技 ●行動目標 運動器外傷および疾患の正確な診断と安全な治療を行うためにその基本的手技を修得する。

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選択外科

Orthopedics

10 整形外科

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臨床研修実施要項 37

 ●経験目標 (₁)☆◎○ 主な身体計測(関節可動域、徒手筋力測定、四肢長、四肢周囲径)ができる。 (₂)☆◎○ 疾患に適切なX線写真の撮影部位と方向を指示できる(身体部位の正式な名称がいえる)。 (₃)☆◎○ 骨・関節の身体所見がとれ、評価できる。 (₄)☆◎○ 神経学的所見がとれ、評価できる。 (₅)  ○ 一般的な外傷の診断、応急処置ができる。

・成人の四肢の骨折、脱臼 ・靱帯損傷(膝、足関節) ・神経・血管・筋腱損傷・脊椎・脊髄外傷の治療上の基本的手技の修得 ・開放骨折の治療原則の理解

 (₆)  ○ 免荷療法、理学療法の指示ができる。 (₇)☆◎○ 清潔操作を理解し、創処置ができる。 (₈)  ○ 清潔操作を理解し、関節穿刺・注入、小手術、直達牽引ができる。 (₉)  ○ 手術の必要性、概要、侵襲性について患者に説明し、うまくコミュニケーションをとることができる。 (10)☆◎○ 手術時の清潔操作を理解し、実践できる。Ⅳ.医療記録 ●行動目標 運動器疾患に対して理解を深め、必要事項を医療記録に正確に記載できる能力を修得する。 ●経験目標 (₁)☆◎○ 運動器疾患について正確に病歴が記載できる。

主訴、現病歴、家族歴、職業歴、スポーツ歴、外傷歴、アレルギー、内服歴、治療歴 (₂) ◎○ 運動器疾患の身体所見が記載できる。

脚長、筋萎縮、変形(脊椎、関節、先天異常)、関節可動域、徒手筋力測定、反射、感覚、歩容、日常生活動作 (₃) ◎○ 検査結果の記載ができる。

画像(X線像、MRI、CT、シンチグラム、ミエログラム)、血液生化学、尿、関節液、病理組織 (₄)☆◎○ 症状、経過の記載ができる。 (₅)☆◎○ 検査、治療行為に対するインフォームド・コンセントの内容を記載できる。 (₆)  ○ 紹介状、依頼状を適切に書くことができる。 (₇)  ○ リハビリテーション、義肢、装具の処方、記録ができる。 (₈)  ○ 診断書の種類と内容が理解できる。

研修スケジュール月 火 水 木 金

午前 ₈:30〜外来カンファレンス

₇:45〜研究カンファレンス

₇:45〜術後カンファレンス

午後 18:30〜術前カンファレンス

14:30〜教授回診

指導体制初期₁週間の講義の後、膝グループ、股グループ、リウマチグループ、脊椎グループ、上肢・腫瘍グループに配属され、各グループで₂〜₄週間にわたり外来、病棟、手術を研修する。研修終了時には整形外科疾患をほぼ全域にわたり網羅することとなる。上記の到達目標を基本事項として、外来実習においては新患外来を含め外傷の救急処置および専門外来の診察手技、検査意義と検査の基本手技について研修する。病棟実習においては手術患者の手術に参加し、術前・術後管理を研修する。基本的な手術適応、周術期管理、リハビリテーション、基本手術手技の習得目標とする。術前カンファレンス、術後カンファレンス、研究カンファレンス、抄読会などに参加し、プレゼンテーションの技術、内容の理解度を高めるとともに、各疾患に対し、Evidence Based Medicine(EBM)に基づく最新最良の治療を心がける習慣をつける。機会があれば学会発表も行うこととする。いずれのグループでも臨床研究に力を入れて取り組んでおり、大学ならではのリサーチマインドを大切にしている。このようなリサーチマインドは領域を問わず、初期研修のうちから触れることが重要であると考えている。希望者には各種学会にも積極的に参加してもらっている(学会参加費については医局から全面補助を行う)。

研修期間₂カ月以上が望ましい。

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)₈名まで可能

問い合わせ先担当:小林 秀郎 E-mail:[email protected]   松尾 光祐     [email protected]

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研修到達目標◦脳神経外科で扱う疾患(脳腫瘍、脳血管障害、脊椎・脊髄疾患、頭部外傷など)の患者の診察をでき、患者および家族とのコミュニケーションがとれる。

◦脳神経外科で扱う疾患に関連した脳・脊髄の基本的な神経解剖・神経学を理解し、脳・脊髄疾患の基本的な画像診断ができる。

◦意識障害や麻痺を呈する患者の診察および救急措置を理解し、実践できる。◦高血圧・電解質・血糖・呼吸不全・感染症など全身管理に携わり習得する。◦気管内挿管・中心静脈カテーテル留置・腰椎穿刺・脳血管撮影などの手技および外科基本手技の習得および、気管切開術・穿頭術を経験する。

研修内容◦病棟患者(計₅〜10名程度)の担当医となり、病棟業務および担当患者の手術に参加する。◦医療面接を行い、身体所見・検査所見・画像所見と共に診療録の作成を行う。◦問題志向型システム(POS)に従い、診療計画を立て、毎日診療に当たる。◦抄読会、勉強会、各種カンファレンスに参加する。

研修スケジュール月 火 水 木 金

午前₇:30 病棟カンファ・教授回診₉:00 脳血管撮影、病棟業務

₈:00 チーム回診₈:30 手術/病棟業務

₇:30 病棟カンファ・教授回診₉:00 病棟業務

₈:00 チーム回診₈:30 手術/病棟業務

₇:30 手術ビデオカンファ₉:00 脳血管撮影・病棟

業務/手術

午後 17:00 チーム回診18:00 抄読会19:00 リサーチカンファ

17:00 チーム回診 17:00 チーム回診 17:00 チーム回診 17:00 チーム回診

指導体制研修医は₂〜₃名の医師で構成される診療チームに配属され、そのチーフが指導責任者となる。いずれかのグループに所属して診療に当たるが一定期間でグループをローテート可能。指導医数:₇名

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選択外科

Neurosurgery

11 脳神経外科

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臨床研修実施要項 39

研修期間選択科としての研修では₃〜₆カ月が望ましいが、₁、₂カ月の短期も可能。

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

₃名まで

問い合わせ先担当:高瀬 創E-mail:[email protected]

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研修到達目標医療人として必要な基本姿勢・態度を行動目標とし、一般的な外科的手技、ベッドサイド手技を習得すると共に、日常診療に最低限必要である泌尿器科領域の知識を身につけ、泌尿器科領域の特徴でもある高齢者の診療を経験することで、臨床医としてのスキルアップを目指してもらいたいと思います。また、2014年度に導入されたダ・ヴィンチSiによるロボット支援型手術をはじめとして腹腔鏡下手術、密封小線源療法、FDG PET/CT評価に基づく進行性腎癌治療といった一般の施設では体験できない臨床経験や、新薬開発に向けた臨床研究、手術シミュレーターの開発といった将来の医療を見据えた試みも身近で体験してもらうことによって医師としての柔軟な思考トレーニングを積んでもらうことを望みます。

研修内容◦診療グループの一員となって病棟の患者さん約10名の主治医となり病棟業務に従事する◦診療を通じて一般的な外科的手技、ベッドサイド手技を習得する◦担当の患者さんの診療計画をスタッフと共にディスカッションし医師としての思考トレーニングを積む

泌尿器科研修 Q & AQ : 泌尿器科の扱う疾患は?A : 対象臓器は尿路(腎・尿管・膀胱)、前立腺、精巣、副腎と限られていますが、疾患は悪性腫瘍、

内分泌疾患、神経疾患と幅広く、治療も外科的治療から内科的治療まで様々な角度で診療を行っているのが特徴です。

Q : 泌尿器科研修で経験できる手術は?A : 当院泌尿器科では患者さんの負担の少ない低侵襲治療を積極的に取り入れており、一般病院ではあ

まり行われてない腹腔鏡下手術も経験できます。2012年手術件数は前立腺癌の手術が190件(腹腔鏡下前立腺全摘術34件、密封小線源療法156件)、腎癌の手術が64件(うち腹腔鏡下手術は49件)、膀胱癌の手術件(腹腔鏡下膀胱全摘術5件、開腹による膀胱全摘術₄件、経尿道的膀胱腫瘍切除術93件)です。現在、毎週10〜15件の手術が行われています。2014年にロボット支援型前立腺全摘術が導入されて以降、前立腺癌症例がさらに増え、現在同手術は週₂件のペースで行われています。

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選択外科

Urology

12 泌尿器科

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臨床研修実施要項 41

研修スケジュール月 火 水 木 金

午前 手術病棟処置

検査病棟処置

手術病棟処置

手術病棟処置

手術病棟処置

午後 手術カンファレンス

検査病棟処置

手術病棟処置

手術カンファレンス

検査病棟処置

指導体制研修医は 34 名の医師で構成される診療グループに配属され、そのチーフが指導責任者となります。指導医数:14 名(日本泌尿器科学会指導医₈名、同専門医 11 名)

研修期間₂カ月以上が望ましいですが、₁カ月でも可

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

₄名まで

問い合わせ先担当:中井川 昇E-mail: [email protected]

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ダ・ヴィンチSi によるロボット支援型手術

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研修到達目標◦周術期管理および全身管理に際して生理学・薬理学的なアプローチができること。◦術前患者の全身状態を診察・評価し、必要な検査を挙げることができる。◦それぞれの症例について周術期のリスクについて説明することができ、その管理方針を説明できる。◦指導医のもとで、手術患者の全身管理ができる。◦気道·呼吸の評価を行い、マスク換気・気管挿管を含む気道確保・人工呼吸器の設定を行える。◦循環動態が変化したときの評価・対応を行うことができる。◦周術期に用いる各種モニターの意味を述べることができる。◦適切な術後疼痛管理ができる。

研修内容◦指導医と₁対₁のペアを組み、手術患者の麻酔管理を行う。◦術前診察を行い、身体所見、検査所見とともに診療録を作成し、麻酔計画を立てる。◦マスク換気、気管挿管、ラリンジアルマスク挿入、動脈カテーテル・中心静脈カテーテル挿入、脊髄くも膜下麻酔(腰椎穿刺)などを行う。

◦術後回診を行い、疼痛をはじめとする患者の容態を評価する。

研修スケジュール(毎日同様)

午前₇時30分頃 手術室で麻酔準備開始午前₈時00分  カンファレンス開始午前₈時30分  手術患者入室、この後、麻酔管理午後₄時頃から 翌日の手術患者の術前回診(病棟訪問)午後₆時頃   指導医とともに翌日の症例の麻酔計画立案、指示出し

指導体制初期研修医は指導医と₁対₁でペアを組み、研修する。ペアは毎日変わる。指導医数(麻酔科専門医以上):16名

1

2

3

4

選択外科

Anesthesiology

13 麻酔科

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臨床研修実施要項 43

研修期間原則₂カ月以上 とします。ただし、麻酔科の研修を【研修医₁年目で₁カ月】、【研修医₂年目で₁カ月】と分けて研修する事も可とします。麻酔科合計₂カ月以上に加え、集中治療部のローテーションを選択する事をお勧めします。

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

₇名まで

問い合わせ先担当:寺端 昭博(水野 祐介)E-mail:[email protected]ホームページ:http : //www-user.yokohama-cu.ac.jp/~masuika/index.html

5

67

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YOKOHAMA CITY UNIVERSITY44

研修到達目標◦小児の特性を理解した上で、保護者とのコミュニケーションをとりながら診察ができる。◦採血や血管確保などの手技を経験する。輸液や抗生剤などの治療を適切に行うことができる。◦健診、予防接種、マススクリーニングといった予防医学的側面の研修を行う。

研修内容◦小児科は新生児から乳幼児、学童期、思春期の児を扱う総合診療科である。◦病棟の患者約₅〜10名の主治医となり病棟業務に従事する。◦医療面接、身体所見、検査所見をとり、診療計画を立て診療録を作成する。◦受け持ち患者の基本的な検査、手技(静脈注射、動脈血液ガス採血、腰椎穿刺、中心静脈カテーテル挿入等)を指導医のもとで行う。

◦受け持ち患者の治療計画、検査結果等の説明を指導医のもとで行う。◦回診で受け持ち患者のプレゼンテーションを行い、ディスカッションをする。

研修スケジュール月 火 水 木 金

午前 病棟診察 教授回診病棟診察 病棟診察 病棟診察 病棟診察

午後 専門外来診察病棟診察

専門外来診察病棟診察

抄読会勉強会

専門外来診察病棟診察

カンファレンス

専門外来診察病棟診察

症例検討会

専門外来診察病棟診察

指導体制研修医は、リウマチ感染免疫グループ(膠原病、難治な感染症)、血液グループ(白血病、悪性腫瘍)、循環器グループ(先天性心疾患、不整脈)、新生児グループ(新生児疾患)のいずれかの診療チームに配属され、そのチーフが指導責任者となる。指導医数:17名(小児科専門医数:12名)

1

2

3

4

選択必修

Pediatrics

14 小児科

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臨床研修実施要項 45

研修期間選択必修、自由選択とも₁カ月から可能であるが、₂カ月以上が望ましい。

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

₆名まで

問い合わせ先担当:鉾碕 竜範E-mail:[email protected]ホームページ:http : //www-user.yokohama-cu.ac.jp/~shonika/

567

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YOKOHAMA CITY UNIVERSITY46

研修到達目標女性のライフサイクルと女性特有の疾患や病態を理解し、妊娠・分娩といった妊孕性にも配慮した対応ができる。

研修内容◦病棟の患者約₅〜10名の主治医となり病棟業務に従事する。◦医療面接を行い、身体所見、検査所見とともに診療録の作成を行う。◦入院受け持ち患者の基本的な検査、手技を指導医のもとで行う。◦受け持ち患者に対して治療計画、検査結果等の説明を指導医のもとで行う。◦受け持ち患者の手術に第₂助手として立ち会う。◦週₁回のチャートラウンドで受け持ち患者のプレゼンテーションを行い、治療方針を検討する。◦週₁回の教授回診に参加する。◦当直を指導医と共に平日週₁回、休日月₁回程度行い、分娩症例を担当する。

研修スケジュール月 火 水 木 金

午前 教授回診病棟診察

手術病棟診察

手術病棟診察

チャートラウンド病棟診察

手術病棟診察

午後 病棟診察婦人科カンファ

手術病棟診察

病棟診察産科・NICUカンファ 病棟診察 手術

病棟診察

指導体制研修医は₄〜₅名の医師で構成される診療チームに配属され、その中の自分の担当指導医の下で研修する。指導医数:10名(専門医数:10名)

12

3

4

選択必修

Obestetrics & Gynecology―W

omen’s Heath

15 産婦人科

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臨床研修実施要項 47

研修期間₁〜₂カ月

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

₅名程度

問い合わせ先担当:中村 朋美E-mail:[email protected]

567

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研修到達目標◦主要な精神疾患(統合失調症、気分障害、認知症など)・状態像(情緒不安定、不登校、かんしゃく、せん妄など)を経験する。

◦様々な精神症状・状態像あるいは行動の障害について正しく把握し、診断・初期治療を行うことができる。

◦患者本人および家族に対して基本的な精神療法的接近ができる。◦患者の心理・社会的側面に関心を向け、病歴聴取や治療上の配慮をすることができる。◦こどもと取り巻く社会資源について知り、適切な機関への紹介や連携ができる。

研修内容◦精神科で主に入院患者の担当医となり、治療にあたる(₁か月で約10名)◦児童精神科では外来業務が主となるが、指導医のもと、初診診察およびその後の再診察も行う(₂か月で約20名の初診患者を診察する)

◦外来新患や他科併診患者(外来・病棟)の病歴聴取を行い、指導医とともに診察・治療を行う◦指導医とともに当直・日直業務を行い、病棟・外来における急患の対応を経験する◦復職支援デイケアや緩和ケアに参加する◦クルズスや事例検討を通じ、代表的疾患の概要や治療について学ぶ

研修スケジュール【精神科】

月 火 水 木 金

午前病棟診察

外来新患・リエゾン(復職デイケア)

病棟診察外来新患・リエゾン

病棟診察外来新患・リエゾン

病棟カンファリエゾン・カンファ

病棟診察外来新患・リエゾン

午後 診療グループカンファ病棟診察 病棟診察 病棟診察

(緩和ケア)病棟診察

(クルズス) 病棟診察

【児童精神科】月 火 水 木 金

午前 初診診察 外来診察陪席患者再診 初診診察 病棟カンファ 初診診察

午後 患者再診事例検討

外来診察陪席患者再診

患者再診事例検討

併進患者診察陪席外来診察陪席患者再診

研究カンファ

患者再診事例検討

1

2

3

選択必修

Psychiatry

16 精神科・児童精神科

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臨床研修実施要項 49

指導体制◦指導医数:精神科14名(精神科専門医₈名)、児童精神科₃名(精神科専門医₂名、日本児童青年精神医学会認定医₁名)

◦精神科研修では、研修医は₂つの診療グループのいずれかに配属されます(診療内容は同一)。病棟ではチーム診療を行っており、各グループ長を中心に皆で治療方針を決めてゆきます。

◦児童精神科研修では、診察終了後に、非常勤の外来担当医もふくめて事例検討を行います。◦精神科、児童精神科ともに、指導はグループの指導医皆で行いますが、シニアレジデントにman to manでついて指導を受けながら診療にあたる「チューター性」が軸になっています。

◦さらに、臨床実習のみでは不足しがちな知識の整理やより深い議論などが出来るよう、各精神疾患についてのクルズスも毎月行っています。

研修期間₁年目の選択必修科としての研修:₁または₂か月間(精神科)₂年目の自由選択期間中の研修:希望の期間だが、₂か月以上が望ましい(精神科、児童精神科)※研修期間が長期間の場合には、希望に応じて附属病院とセンター病院の両方で研修を行うことや、精神科・児童精神科の両方の患者を受け持つことも検討しますのでご相談ください。

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

₆名まで(精神科)、₂名まで(児童精神科)

問い合わせ先担当:浅見 剛E-mail:[email protected]ホームページ:http : //www-user.yokohama-cu.ac.jp/~psychiat/

横浜市立大学精神科・児童精神科の特徴附属病院の精神科病棟は、開放病棟であり、うつ病などの気分障害の方や、身体合併症をもつ方、器質性・症状性精神障害の方など、より多くの状態や地域医療の需要に応じた受け入れを行っています。また、緩和医療・リエゾンや復職支援デイケアにも力を入れており、横浜市の委託を受けた認知症疾患医療センターも設置されています。児童精神科では外来診療が主となりますが、摂食障害やひきこもり、不登校・家庭内暴力など児童思春期に特有の精神病理へのアプローチや教育・福祉・司法と連携した地域支援を行っています。附属市民総合医療センターの精神医療センターは、閉鎖病棟であり、精神科救急・身体合併症入院対応に応需しており、地域の精神科救急基幹病院を担当しております。また、児童精神科の入院ベットを8床設けており、児童から高齢者まで幅広い精神疾患の診療に対応しています。さらに、高度救命救急センターにも専従の精神科医を配置し、自殺企図や精神症状合併患者の診療を行っています。このように両病院では機能分担が行われていますが、どちらでも基礎的な精神療法や薬物療法を経験することはできます。ご希望に応じて、精神科―児童精神科や附属病院―センター病院の双方での研修も検討しますので、お申し出ください。

4

5

67

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研修到達目標眼科の診療について広く知識と診察技術について理解できるようにする。また、低視力者の行動について理解をする。硝子体手術器機の設定と器機準備を行うことで疾患や治療について理解を深める。白内障、緑内障などの手術周辺に関する知識を深める。◦手術器機の準備設定件数200例以上を目標とする。◦眼科一般診療ができるようになる。◦眼科の新患予診がもれなくできるようになる。◦病態の理解と治療について深い理解を得る。

研修内容◦病棟の患者約₃〜₅名の主治医となり病棟業務に従事する。◦患者診察を行い、前眼部所見と眼底検査を行い診療録の作成を行う。◦問題志向型システム(POS)に従い、診療計画を立て毎日診療にあたる。

研修スケジュール月 火 水 木 金

午前 手術 新患予診 新患予診手術 新患予診 教授回診

新患予診

午後病棟診察造影検査専門外来

病棟診察抄読会・勉強会

専門外来

病棟診察専門外来

医局会症例検討会専門外来

病棟診察造影検査

指導体制研修医は約10名の医師で構成される診療チームに₂チームに配属され、そのミッテンが指導責任者となる。いずれのグループに所属しても多くの分野の眼科疾患の治療に参加できる。指導医数:10名

1

2

3

4

自由選択

Ophthalm

ology

17 眼科

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臨床研修実施要項 51

研修期間₂カ月以上が望ましい。

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

₅名まで

問い合わせ先担当:西出 忠之E-mail:[email protected]

567

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研修到達目標◦形成外科的な診療、診療記録の取り方を身につける。◦形成外科的な外傷、創傷処置、縫合方法を身につける。

研修内容◦病棟の患者約₅〜₇名の担当医となり病棟業務に従事する。◦医療面接を行い、身体所見、検査所見とともに診療録の作成を行う。◦問題志向型システム(POS)に従い、診療計画を立て毎日診療にあたる。◦入院受け持ち患者の基本的な検査、手技を指導医のもとで行う。◦受け持ち患者に対して治療計画、検査結果等の説明を指導医のもとで行う。◦受け持ち患者の退院後は入院サマリーを₂週間以内に作成する。◦毎日の病棟処置に積極的に参加し、術前術後の全身、局所管理の仕方を学ぶ。

研修スケジュール通常外来:月曜日から金曜日の午前専門外来:リンパ浮腫外来(火曜午後・第₂、₃、₄、₅金曜午後)  再建外来(第₁火曜午後)     術前外来(火曜午前)定時入院手術:月曜・木曜・金曜(午前・午後)定時外来手術:火曜(午後)

指導体制日本形成外科学会専門医:₆名

研修期間₁カ月から対応可

12

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自由選択

Plastic and Reconstructive Surgery

18 形成外科

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臨床研修実施要項 53

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

₃名

問い合わせ先担当:三上 太郎E-mail:[email protected]

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研修到達目標敗血症性ショック・呼吸不全・循環不全など重症患者の評価と治療を学ぶことができる。循環動態や呼吸状態の変化をベッドサイドで診察することにより、モニタリングによるバイタルサインと診察所見の変化をリアルタイムに観察することができるようになる。₂カ月以上の研修では、重症患者を受け持った場合に、どのようなタイミングで何をすればよいかを理解することができる。

研修内容集中治療部医師と共に、 ICU 入室患者の評価・治療を行う。

研修スケジュール毎日:病状評価・主治医とのカンファレンス・診断、処置治療を行う。夜勤医師とともに当直を行う。

指導体制変則₂交代勤務の集中治療部医師(₈名)のもとで研修を行う。指導責任者:集中治療部長指導医数(専門医数) 集中治療医学会専門医:₄名 麻酔科学会指導医・専門医:₅名集中治療に関する、鎮静・循環・呼吸・栄養などについて、研修初期段階に講義を行う。₂カ月研修予定の研修医には、₂カ月目に抄読会を行い、論文の選び方、読み方についての指導を行う。

研修期間₁ カ月以上ただし、₁カ月では日常のリズムに慣れるのが精一杯なので、研修効果を上げるためには₂カ月以上が望ましい。

1

234

5

自由選択

Intensive Care

19 集中治療部(ICU)

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臨床研修実施要項 55

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

₄名まで

問い合わせ先担当:山口 嘉一 [email protected]   (山口  修 [email protected])   (高木 俊介 [email protected]

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研修到達目標◦正常皮膚および病的皮膚の性状を正しく理解できる。◦皮膚科で扱う基本的な疾患の病態を理解できる。◦基本的外科処置(皮膚縫合、皮膚潰瘍の処理など)や皮膚科的検査ができる。検査・治療計画を理解し、その計画に沿ってすすめられる。

◦カンファレンスで的確な症例呈示ができる。

研修内容◦病棟の患者約₄〜₈名の受け持ち医となり病棟業務に従事する。◦入院受け持ち患者の基本的な皮膚科的検査(皮膚生検、真菌検査、皮膚アレルギー検査)、皮膚の局所的処置及び治療(外用療法、光線療法、外科的処置)、全身療法(化学療法、血漿交換療法、抗菌療法など)を指導医のもとで行う。

◦受け持ち患者に対して治療計画、検査結果等の説明を指導医のもとで行う。◦週₂回の病棟カンファレンスで受け持ち患者のプレゼンテーションを行い、治療方針を検討する。◦薬疹の病態・治療について、全科に通用する経験をつむ。◦悪性黒色腫や扁平上皮癌などの診断・手術・化学療法の実際を学習する。◦天疱瘡、膠原病など自己免疫の病態治療を学ぶ。◦皮膚病理を学ぶ機会を得ることも可能。◦外来初診患者の医療面接を行い、皮膚所見を診療録に記載する。◦皮膚科学会東京地方会、教室主催の勉強会、研究会に参加する。

研修スケジュール月 火 水 木 金

午前 病棟カンファレンス病棟診療/外来初診 病棟診療/外来初診 中央手術 病棟診察 病棟診療/外来初診

午後 病棟診療 病理および外来カンファレンス 病棟診療 病棟診療 病棟カンファレンス

病棟診療

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自由選択

Derm

atology

20 皮膚科

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臨床研修実施要項 57

指導体制研修医は₂〜₃名の医師で構成される診療チームに配属され、そのチーフが指導責任者となる。

(日本皮膚科学会専門医: 常勤医₆名+大学院生₅名、日本アレルギー学会専門指導医: 常勤医₂名+大学院生₁名)

研修期間₂カ月以上が望ましいが₁カ月でも可能。₂カ月以上研修する研修医は、外来研修を多めに組み入れる。

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

₄名まで

問い合わせ先担当:井上 雄介E-mail:[email protected]

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研修到達目標臨床における外科病理学ならびに解剖病理学の意義と重要性を理解すること。₁)代表的な生検標本につき、診断原案を作成できること。₂)代表的な手術標本につき、診断原案を作成できること。₃)細胞診の概要を理解すること。₄)剖検の手技や検索法を理解すること。

研修内容₁)代表的な生検標本につき、診断原案を作成できること。₂)代表的な手術標本につき、肉眼観察・切り出し・鏡検を責任もって行い、診断原案を作成できるこ

と。₃)代表的な術中迅速診断につき、診断原案を作成できること。₄)病理診断学に関連した基本技術(標本作製、染色等)を理解するとともに診断に応用できること。₅)細胞診の概要を理解できること。₆)剖検症例₁〜₂例を介助し、剖検の流れを理解すること。

研修スケジュール月 火 水 木 金

午前 外科病理 外科病理 外科病理 外科病理 外科病理カンファ④

午後 外科病理カンファ①

外科病理カンファ② 外科病理 外科病理

カンファ③外科病理

カンファ⑤

外科病理:スタッフ指導による剖検当番、手術材料切り出し、迅速診断対応、鏡検、所見記述などを指す。カンファ①:消化器内視鏡カンファレンス(18:00〜18:30、月₁回)、脳神経外科カンファレンス(18:00〜19:00、月₁回)、

整形外科カンファレンス(16:00〜17:00、月₁回)②:腎生検カンファレンス(17:30〜18:00、月₁回)、呼吸器カンファレンス(16:00〜17:00、月₁回)③:婦人科カンファレンス(17:30〜18:00、月₁回)④:剖検₁次検査(肉眼カンファレンス、₉:00〜10:30)⑤:抄読会(14:00〜14:30)、外科病理症例検討カンファレンス(14:30〜15:00)、剖検総検査(18:00〜19:30)

1

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自由選択

Pathology

21 病理診断科、病理部

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臨床研修実施要項 59

指導体制当番を予め定めて業務をおこなっているので、その日ごとの当番医師について上記研修を実施する。オールラウンドな研修を基本とするが、将来専攻したい診療科が定まっていれば、可能な範囲で配慮する。指導医数(専属) :₁名(病理専門医:₁名、細胞診専門医:₁名)+講座所属指導医:₈名

研修期間₁〜数カ月(特に定めない)

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

原則₁名

問い合わせ先担当:山中 正二E-mail:[email protected]ホームページ:http : //www-user.yokohama-cu.ac.jp/~hamapath/

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YOKOHAMA CITY UNIVERSITY60

研修到達目標【診断部門】₁. CT、MRI、単純撮影の原理を理解し、検査の適応を判断、造影剤の投与と副作用の回避、副作用に

対する処置ができる。₂. CT、MRI、単純撮影の正常画像解剖を理解し、基本的な疾患の読影ができる。所見の記述、鑑別診

断の列挙ができる。【治療部門】₁.どのような疾患に放射線治療の適応があるのかを理解し、治療計画を作成できる。₂.放射線障害の発生時期と程度を理解し、放射線治療中の患者の管理、治療後の経過観察ができる。

研修内容【診断部門】画像診断は、診療の幅広い分野で重要な位置を占めています。診断部門での研修を通じて、将来にわたり役立つ、画像診断の基礎能力を身につけることができるように、研修の環境を整えています。₁日の半分は、画像の読影に時間をあてています。画像診断専用端末を用いて十分な時間をかけて読影し、診断報告書を作成します。画像診断室には、多数の参考図書が用意されていますので、調べる時間、考える時間と環境が確保されています。効率的に診断能力を養うために、最初の月は₁週間毎に、①胸部X線、②胸腹部CT、③頭部CT、④頭部MRIなどとテーマを決めて読影します。指導医が、読影報告書の内容を確認し、読影のポイントについて指導をします。複数の研修医がいる場合には、レクチャー形式での指導になりますので、他の研修医の担当症例についても、知識を身につけることができます。₂カ月目からの読影範囲は、各自の能力と希望に任せています。重要な所見がある検査をより多く経験するために、指導医が所見を見つけた検査を指示する場合もありますが、自分が興味のある範囲を中心に読影します。CT 室での検査施行にあたる業務では検査適応や造影の可否の判断、ラインの確保を行います。若手スタッフが必ずペアであたりますので、ライン確保が困難な症例や、判断に迷う場合には、その場で相談することができます。希望によりMR検査室、核医学検査室での業務、下肢静脈造影の施行や、血管撮影の助手として参加することができます。

【治療部門】放射線治療は、良性疾患と悪性疾患がその適応になり、照射される可能性があるのは、からだ中の全ての部位となります。そのため、全身のどの部位に対しても、十分な診察ができ、適切な治療を行う能力が求められます。とくに悪性疾患については、手術や抗ガン剤と組み合わせた放射線治療がしばしば行われま

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自由選択

Diagnostic Radiology/ Radiation Oncology

22 放射線科

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臨床研修実施要項 61

すので、他の治療法に関する知識も必要です。当科の入院患者については、主治医とともに診察にあたり、放射線治療に伴う有害事象に対する評価と対応について、学びます。実際の照射患者を毎日診察することで、効果や副作用が治療の進行とともにどのように変化するかを体験することができ、教科書からの知識とは違い、放射線治療についての理解が深まるのを感じると思います。外来診療は、通常の放射線治療の他、小線源治療、高線量率組織内照射、定位照射、強度変調放射線治療なども行っています。まずは、外来担当の指導医とともに初診患者の診察にあたり、どのような放射治療が適切か、不足している検査がないか、他の治療法の適応の有無、などについて詳細な検討を行います。担当患者の放射線治療については、その照射範囲や線量などを専用コンピュータで設定する治療計画作業を、指導医からのマンツーマン指導により行います。照射開始後も、指導医とともに外来診察を行い、病状変化の把握に努めます。なお、担当患者以外でも、興味や希望次第で、特殊な放射線治療に立ち会ったり、指導医から説明を受けることが可能です。このように、研修医の方も放射線治療計画に参加できますので、診療におけるモチベーションも高まります。担当する疾患範囲は全身におよびますが、基本的な疾患から担当して、徐々にレベルアップをはかれるように指導医が調整しますので、ご安心ください。

研修スケジュール(例)月 火 水 木 金

診断 午前 CT室 朝カンファレンス CT室 画像診断室 CT室

午後 画像診断室 画像診断室 血管造影 CT室 画像診断室

治療 午前 外来診察 朝カンファレンス 外来診察 外来診察 外来診察

午後 治療計画 教授回診 治療計画 治療計画 治療計画

指導体制診断部門では、読影した画像診断報告書をもとに、画像診断専門医である指導医がマンツーマン指導、もしくはグループ指導を行います。毎日、主に検査室の業務が終了し、途中で中断されない夕方の時間に、₁時間半程度をかけて指導します。報告書の修正だけではなく、その日の重要症例、過去の参照すべき症例を交えて、正常画像解剖から疾患の知識、読影の技術について指導します。放射線治療部門では放射線治療専門医の指導のもと外来診察を行います。担当した治療計画は、指導医による指導と確認が行われます。

研修期間十分な研修期間を確保するために、診断部門・治療部門での研修は各₁カ月以上に限ります。診断、治療の両方を研修したい場合は、₂カ月以上が必要です。₃カ月を診断・治療両部門で分割し、₁カ月半ずつ研修することも可能です。

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

読影端末数や指導医数より、₄名までとします。定員を超えた場合は、希望にかかわらず、診断・治療部門の両方を研修することがあります。

問い合わせ先担当:川野 剛E-mail:[email protected]ホームページ:http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~radiolog/

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YOKOHAMA CITY UNIVERSITY62

研修到達目標リハビリテーション医療で特有の障害の階層構造(心身機能、日常生活活動、社会参加)を理解し機能評価、目標設定、リハビリテーション処方、全身管理をすることで入院患者のリハビリテーション治療を円滑におこなうことができる。

研修内容病棟の患者₃〜₅名の担当医となり、病棟業務に従事する。入院患者のカンファレンスも担当し発表をおこなう。そして受け持ち患者の退院後には入院サマリーを作成する。また他科の入院新患患者についても診察し専門医の指導のもとリハビリテーション処方箋を作成する。その他、週₁回の補装具クリニックに参加し補装具・福祉機器について学ぶ。また市民総合医療センター、横浜市総合リハビリテーションセンター(福祉機器支援センターなどを含む)、横浜市立脳血管医療センター、神奈川リハビリテーション病院、横須賀共済病院などの施設の見学を通じて大学では見られない疾患、検査、そして地域リハビリテーションなどについて学ぶ。

研修スケジュール月 火 水 木 金

₈:20 回        診

₈:45 リハ・スタッフミーティング(訓練室)

₉:00

12:00

一般リハ外来

訓練室監視病棟指示・処置

一般リハ外来

訓練室監視病棟指示・処置

一般リハ外来

訓練室監視病棟指示・処置

一般リハ外来

訓練室監視病棟指示・処置

一般リハ外来

リウマチ外来訓練室監視

病棟指示・処置

13:30 補装具・福祉機器クリニック

ITB 外来 病棟カンファレンス(₇-₂病棟)

電気生理学的検査(筋電図室)

14:00 小児リハクリニック(外来)

15:00 入院カンファレンス(訓練室) リウマチ合同外来

(整形外科)16:00 ケースカンファレンス₇-₂病棟カンファレンス室

17:30 第₂・₄週医局会 回診 回診 回診

1

2

3

自由選択

Physical Medicine and R

ehabilitation

23 リハビリテーション科

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臨床研修実施要項 63

指導体制研修医はグループで入院患者の診療にあたり、専門医が指導をおこなう。他科の入院患者の診療についても同様に専門医がおこなう。

(リハビリテーション科専門医:₆名)

研修期間₁カ月以上

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

₂名までが望ましい。

問い合わせ先担当:水落 和也E-mail:[email protected]ホームページ:http : //www.rehabili-yokohama.com/

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YOKOHAMA CITY UNIVERSITY64

研修到達目標臨床検査部の研修では、全診療科に共通する最も基本的な検査について、自ら実施でき、検査成績が評価できるようになることを目標とします。臨床検査の客観性を保証する基本概念(精度保証、基準値・基準範囲、感度・特異度など)を理解し、各分野における各検査の実践を研修します。生理学的検査においては、検査目的や検査方法を理解し、一定時間内に検査を実施、臨床側からの検査目的に応じた正確な情報を報告できるようになることが目標です。

研修内容臨床検査部では、以下の₄部門について月₃部門各₁名(計₃名)まで受け入れます。①検体検査、感染制御検体検査の主要な分野、血液検査、臨床化学・免疫学、一般検査、微生物学について資料採取法、検体処理・保存法、標本作成法など検査の基本について研修します。また希望に応じて各分野で臨床医として実践できることが望ましい検査の実地研修(尿沈渣、血液・骨髄塗抹標本、グラム染色などの鏡検・判読)を中心に検査値の読み方、精度保証について研修します。また、感染症サーベイランスや院内感染対策活動について研修することもできます。

②脳波検査月に数十件以上ある脳波検査について判読を行います。脳波検査を通して、てんかんや睡眠障害をはじめ中枢神経系疾患等について研修します。毎週金曜日にてんかん外来において診療、脳波判読をおこない、カンファレンスにも参加します。

③心電図、心エコー、呼吸・循環器検査検査室での心電図・心エコー・呼吸機能検査・トレッドミル負荷心電図などの検査に立ち会い、検査手技と手順を習得した後に、自ら検査を実施し、診断、レポート報告記載まで行えるようにします。

④腹部超音波検査超音波専門医とともに腹部超音波検査を読影・施行します。毎週水曜日午前中は造影超音波検査(腫瘍性病変などの精査)の見学や読影を行います。また超音波穿刺室の検査・治療の見学を毎週火・金曜日午前中に行います。

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自由選択

Clinical Laboratory

24 臨床検査部

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臨床研修実施要項 65

研修スケジュール上述の₄部門について12月から₂月までの期間ですが、₁カ月毎に₃部門各₁名(計₃名)までです。週間予定は各部門の実務に従いますが、なるべく本人の希望を取り入れています。検査実施と判読・診断を行います。検査部全体として、検査部勉強会(月₁回)、各部門で行うミニ勉強会が随時あります。

指導体制研修医は基本的には各部門の指導医₁名のもとで検査予定に沿って研修を行います。指導医数:₅名(日本内科学会認定医 ₄名、日本超音波学会専門医 ₁名、 日本感染症学会専門医₁名、日本精神神経学会専門医 ₁名 日本臨床検査医学会専門医・管理医 ₂名  以上重複あり)生理機能担当技師(日本超音波学会認定技師  腹部₅名、心₄名、血管₁名  以上重複あり)

研修期間原則として₁カ月(応相談)

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

₃名まで(各部門₁名まで)

問い合わせ先担当:桐越 博之E-mail:[email protected]

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YOKOHAMA CITY UNIVERSITY66

研修到達目標近年、内視鏡診断学および治療法は拡大内視鏡やカプセル内視鏡および超音波内視鏡下生検など目覚ましい勢いで進歩しています。研修者が内視鏡の取り扱いの基本から診断・治療までを習得することを目標とします。

研修内容内視鏡の取り扱い方・洗浄法をスタッフと学び、検査助手として上下部消化管内視鏡検査・超音波内視鏡検査・緊急内視鏡検査を経験する。カプセル内視鏡の基礎を学び、読影を行う。習得状況に応じ内視鏡検査の技術の実践を目指す。病棟はないが原則毎日₈:45〜17:15内視鏡室での業務に従事する。緊急検査には積極的に参加する。

研修スケジュール月 火 水 木 金

午前 ERCP 上部消化管内視鏡検査

内視鏡処置(ESD、EVL、

EIS など)

内視鏡処置(ESD、EVL、

EIS など)

上部消化管内視鏡検査

午後下部消化管内視鏡検査

カンファレンス

内視鏡処置(ESD、EMRなど)

内視鏡処置(ESD、EMRなど)

ERCP 下部消化管内視鏡検査

上記は検査状況により適宜変更になりますが、柔軟に対応できるよう調整いたします。

指導体制研修医は各検査の担当医の指導のもと検査助手ならびに検査を担当する。指導医数(専門医数:17名、指導医数:₆名)

研修期間₂年目₁〜₃カ月

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自由選択

Endoscopy Center

25 内視鏡センター

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臨床研修実施要項 67

定員(同時期に受け入れ可能な研修医数)

₁名

問い合わせ先担当:細野 邦広E-mail:[email protected]ホームページ:http://www.yokohama-cu.ac.jp/fukuhp/section/central_section/endoscope.html

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EM‐1:超音波観測装置内視鏡コントロール装置

内視鏡GF-UCT260

カプセル内視鏡

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横 浜 市 立 大 学 附 属 病 院平成 28 年度 臨床研修実施要項

平成27(2015)年6月1日発行

発 行 横浜市立大学附属病院臨床研修センター〒236-0004 神奈川県横浜市金沢区福浦3 - 9

TEL 045-787-2976FAX 045-787-2976

[email protected]

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Yokoham

a City U

niversity Hospital Training P

rogram 2016

平成

年度

28

横浜市立大学附属病院臨床研修実施要項

横浜市立大学附属病院

臨床研修実施要項Yokohama City University HospitalTraining Program 2016

平成28年度

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