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Hitotsubashi University Repository Title Morrey��Navier- Stokes�Author(s) �, Citation �. �, 30: 31-48 Issue Date 1996-02-01 Type Departmental Bulletin Paper Text Version publisher URL http://doi.org/10.15057/9421 Right

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Hitotsubashi University Repository

TitleMorrey空間及び関連する函数空間におけるNavier-

Stokes方程式

Author(s) 山崎, 昌男

Citation 一橋大学研究年報. 自然科学研究, 30: 31-48

Issue Date 1996-02-01

Type Departmental Bulletin Paper

Text Version publisher

URL http://doi.org/10.15057/9421

Right

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Morrey空間及び関連する函数空問

におけるNavier-Stokes方程式

山 崎 昌 男

 近年,初期渦度あるいは初期測度がRadon測度であるような初期値に

対するNavier-Stokes方程式の初期値問題の研究が盛んになってきてい

る.ここでは,Navier-Stokes方程式及び半線型熱方程式が一意的な時間

局所解あるいは時間大域解を持つような,なるべく広い初期値の空間を構

成する試みにっいて論ずる.またこの結果の一般化として,外力を持っ定

常Navier-Stokes方程式がMorrey空間に属する小さい定常解を持った

めの十分条件を与え,さらにその定常解の安定性を示す.なお以下に述べ

る結果は小薗英雄氏(名大・多元数理)との共同研究であり,[KY l]

[KY2]により詳しく述べられている.

1、序

ここでは,主に全空間R”(η≧2)上の非定常Navier-Stokes方程式

    ∂鴛(L1)万一△∫鴛+(駕0▽τ)μ+▽τρ二〇in(0・。。)×毘

(1.2)              ▽ゴz‘=O  in(0,00)×Rη,

             31

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         一橋大学研究年報 自然科学研究 30

 (1.3)          衡(0,{τ)=α(¢) on R月

及び,全空間Rη(π≧1)上の半線型熱方程式

       ∂μ(L4) π一△財∫(%)=O in(0…)×R”・

 (1.5)          膨(0,¢)=α(¢) on Rη

について論ずる.但し(1.3)に現れるα(∬)は▽.・α(¢)=0をみたすもの

とする.また(1.4)に現れる∫(祝)は,ある定数γ>1及びC>0に対し

て条件

 (1.6)   1∫(π)一∫(び)1≦C(1+1刎+1θ1)γ一且1α一∂1

あるいはより強い条件

 (L7) ∫(0)一〇,1∫(%)一∫(び)1≦C(1κ1+1”1)γ一11μ一び1

をみたすものとする.典型的な例は∫(μ)=±1μ1γ一1μである.

 これらの方程式に対する,測度を初期値とする初期値問題の考察は,歴

史的にはBr6zis-Friedman[BF],Baras-Pierre[BP]等によって,∫(㍑)

=1%1γ一1%とおいた(L4)一(1。5)に対して先になされた.丹羽[N]は,

測度の作るMorrey型の空間を定義して,そこに属する測度を初期値と

する(1.4)一(L5)の局所可解性及び大域可解性を∫(μ)=±1御「一1%に対

して論じた.

 一方(L l)一(L3)に対しては,まず空間2次元の場合にCottet[Co]

及び儀我一宮川一長田[GMO]が初期渦度▽。×α(¢)がRadon測度であ

る場合に時間大域解の存在を示し,また初期値が十分小さい場合には

‘=0の近くで小さい解の一意性を示した.加藤[K2]はこの結果を拡張

した.宮川一山田[MY]及びMichaux-Rakotoson[MR]は同様の問

題を有界領域上で扱っている,

 次にη=3の場合に儀我一宮川[GM]が,初期渦度がMorrey型の測

度の空問に属し,かつ小さい場合にオ=0の近くで小さい時間大域解の一

              32

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    Morrey空間及び関連する函数空間におけるNavier-Stokes方程式

意存在を示した,さらに加藤[K1]は一般のηに対して,初期速度α(エ)

自身があるMorrey型の測度の空間に属する場合に同様の結果を示した.

なおMorrey空間に属する初期値に対する時間局所的可解性及び一意性

については,これらの論文の他,Taylor[Ta]及びFederbush[F]で

も論じられている.

 一方小林一村松[KM]は,Besov空間に属する初期値に対する(1.1)

一(L3)を抽象的な枠組で論じている.Navier・Stokes方程式をBesov

空間の枠組で扱った研究としては他にGrubb[G]がある.

 そこでこれらの結果を総合するために,Morrey空間を基礎として,通

常の〃一空間からBesov空間を作るのと同じ方法で新たな函数空間を定義

すると,この空間(のうち適当なパラメーターを持ったもの)に属する小

さい初期値について,(1.1)一(1.3)及び(1。4)一(1.5)が∫=0の近くで

小さい,時間大域的な古典解を一意的に持っことが示せる.この結果はこ

れまでに知られた結果のうち空間2次元の特殊性によるもの(大きい初期

値に対する時間大域解の存在)を除き全て含んでいるとともに,Radon

測度でさえない超函数を初期値とする解があることをも示している.

 なお上のような問題設定は,単なる興味のみによるものではない.一つ

には,もしNavier-Stokes方程式が必ずしも時間大域的な古典解を持た

ないならば,滑らかでなくなる時刻での解の挙動を知ることは重要な問題

だが,どのような初期値にっいて古典解があるかを知ることは,この問題

を考える際の手がかりとなり得る.もう一つには,多くの空間において初

期値問題を考えることによって,その方程式を解くのによりふさわしい空

間が見つかる可能性がある.例えばNavier-Stokes外部問題の定常解の

安定性にっいての最近のBorchers一宮川[BM]及び小薗一山崎[KY3]

の結果は,この問題については通常のガー空間よりもLorentz空間が。。即

ち弱ガー空間のほうがよりふさわしいことを示している.

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2.Morrey空間

 以下特に断らない限り全ての函数はR”上定義されているものとし,ま

た全ての函数空間はR”上のものとする.

定義定数ρ,σは不等式1≦σ≦ρ<・。をみたしているとする.このとき,

μ(¢)∈L猛。に対して

     IIπ1砥,”一.、跳轡(∬@の1駕(9)1剛

     Ilμ1編ll一、撒轡角(五@劫1吻)⑳々

とおき,空間!鴎,g,κ加を

       偽,,={μ(∬)∈L畠。IIl駕鴫.gII〈。。},

       孤σ一{㍑(∬)∈L名。IIIπ1砺σII<。。}

によって定める.また,Rη上のRadon測度μに対して

       rlμ1嶋”一sup R”/P一躍1μ(β(斌))1

           ∫∈R”,0<R≦亘

       lIμ1沈ρII-supRπ/ρ一π1μ(B(駅))1

           エ∈R繭,R>o

とおき,空間嶋,πρを1鴎={μ川μ1篤k。Q},πp={μ川μ1沈ρil<。Q}

によって定める.ここでB(Z,1~)は中心ぼ,半径Rの閉球を表す.

 大ざっぱにいえば,鵜σの要素は,local singularityがLσ的で,

decay rateがLρ的なものである.特に1≦ρく。。に対して罵帥は通常の

ムPと,1鴎,ρは一様局所ρ乗可積分函数の空間L3.,fと一致し,またπ1は

有限Radon測度の空間と一致する。

注意.ここの記法は儀我一宮川[GM]及びTaylor[T]に準ずるもので

ある.πAσは,Campanato[Ca]の記法では〃”9/Pと表され,Peetre

[P]が新たに導入した記法では♂一吻と表される.

              34

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Morrey空間及び関連する函数空間におけるNavier-Stokes方程式

命題2、1.包含関係π瑠⊂ルらσが成り立っ.また1くσ’<σ<ρ<。・ならば,

包含関係

      πAP⊂L身。。⊂沈鱒⊂πA4⊂πAl⊂轟,

        ルち,P⊂ルち,9⊂偽,4⊂ルち,1⊂ルち

が成立する.

 以下に空間瀦加の性質を述べる.空間1鴇,σも対応する性質を持つ.特

に命題2.2に対応する結果はρ<。。のときは空間LρやL直。。では成り立た

ない.

命題2.2.目然数窺,πは1≦規<nをみたしているとし,¢=(¢1,…,τ.)∈

Rπに対し∫’=(¢1,…,鞠)と表す.この時R糀上の函数灰∬’)∈πμg(R泌)

をRπ上の函数とみなしたものは,空間π.p/広g(的に属する.

 さらに通常のが一空間と同様に,以下の性質が成り立つ.

命題2.3」=1,2に対して1≦¢≦為<・。が成り立ち,さらに1/g=1/q+

1/σ2≦1であるとすると,1/ρ;1/ρ1+1/ρ2によってρを定めれば,任意

の吻∈瀦ρ1,gl(ゴ=1,2)に対してμμ2∈沈爾が成り立っ.

命題2.4.正の実数ρ,σ,7がmax{1,7}≦g≦ρをみたしているならば,任

意の%∈沈加に対して1初1猛沈ρ/ち4,が成り立つ.

 次の命題は§3で新たな函数空間を考察する際に重要な役割を果たす.

命題2・5・有限Radon測度による畳込みは,任意のπ鱒上及び嶋上有

界である,さらにもしこのRadon測度がLebesgue測度に対して絶対連

続ならば,この畳込みによってイちはπμ1にうつる.

3.Morrey空間を基礎とするSobolev型空問及びBesov型空間

 函数ψo(ξ)∈C『(Rη)は,条件0≦ψo(ξ)≦1及びsuppψ。⊂{ξIl/2<

1ξ1<2}をみたし,さらに各ブ∈Zに対し吻(ξ)=ψo(2一フξ)とおいたとき

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Σ異一。。傷(ξ)≡1をみたすものとする.さらにφ(ξ);Σ夕_一。。ψ、(ξ)とおく

と,¢(ξ)+Σ界1ψフ(ξ)…1が成り立っ.この時,1≦g≦ρ<。・及び1≦7≦。。

をみたすρ,σ,γ及び実数sに対し,Besov空間の定義と同時に(例えば

Bergh-L6fstr6m[BL]あるいはTriebe1[Tr]参照)以下により函数空

間沈茄,ガ孟砿,,ル観,禰、,を定義する.

定義μ∈通7.Pに対し

        II麗1踊σII一“(一△τ)ε/2駕1砺911,

         Il%圃1-IK一ムヱ)5/2κ1沈ρli,

      ”鴛1場砿rll-II{2”11偽(P)π1鵡σIIL∈zlκ7(Z)ll

とおき,

       ノκ蓋C一{鴛∈めγメ)lll%レκ孟gII<。・},

        聯一{駕∈め’/,PIII麗1凋II〈・。},

       鵡¢,一{μ∈護/.PIII%レゾ茄,II<・。}

とおく.ここで吟(P池=7-1[傷(ξ)7[刎(ξ)]であり,また』’及び西は

それぞれ虻上の緩増加超函数の空間及びη変数多項式の空間を表す.

定義。%∈」’に対し

        II%1ルぢσII=II(1一△τ)s/2%1鑑9『1,

         II%岡”一IKl一△τ)s/2刎剛,

  1國禰qrll-II¢(D)%1璃,σII+II{2r啄P)%1嶋,g膿11諺7(N+)ll

とおき,

        雌9={μ∈め’川麗1噸σll<。。},

        樗一{%∈必’lrI刎剛r<。・},

        雌砧,一{μ∈述『III刎駕砿,II<。。}

とおく,

注意.以下の命題3.3により,s〈η/ρならば鵡g,沈3及びガ海,の各要

素(即ちPを法とする剰余類)から標準的な代表元を取れることが示さ

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Morrey空間及ぴ関連する函数空間におけるNavier・Stokes方程式

れ,従って各要素をその代表元と同一視することによってこれらの空間を

通’の部分空間とみなすことができる.§4以降ではこれによってπ茄,

鵡,ガ瓦,を通’の部分空間とみなす。

 この時空間π莇,ガ瓦,は以下の性質を持つ、空間雌σ,ガ孟吼。も対応す

る性質を持っ.

命題3.1.以下の包含関係及び等式が成り立つ.ガ莇1⊂沈漏⊂ガ瓦。。,

ガ孟、.正⊂沈3且⊂沈多⊂ガ孟覧,。。,,沈茄=淫3,ガ茄,=疏,,ここで君3及び疏。

はそれぞれhomogeneousなSobolev空間及びBesov空間を表す.

命題3.2.1〈4<σ<ρ<。。ならば包含関係沈孟p⊂π漏⊂沈温4⊂沈孟1⊂沈3

及びガ茄,⊂ガ瓦,⊂ガ泌,,⊂ガ卸,,が成り立っ。

命題3.3.(Sobolev型埋蔵定理)1≦σ≦ρ<・。及び0〈θく1ならば包含

関係ガ孟砧,⊂ガ3乃1施り吻⊂君謬/ρが成り立つ.さらにg>1ならば包含関

係π蓋,⊂沈泌1乃θ)吻が成り立っ、

命題3.4.(補間法)s。キs1,0<θ<1ならば,s;(1一θ)s。+θs1とおくと,

複素補間空間[沈洗,沈31σ]θ及び実補間空間(π洗,沈去g)a.はそれぞれ

沈置,とガ孟、,に一致する.特にガ瓦,は最初のψo(ξ)の取り方によらずに

定まる.

命題3.5.(微分作用素とFourier multiplier)1≦σ≦ρく・。,1≦7≦・・,s,

σ∈Rとする.もしP(ξ)∈C[”/2]+1(Rへ{0})が,1α1≦[η/2]+1をみたす

各一こ対して評価1∂箋i書(ξ)1≦CIξri・1を すなら睡用素

P(P)はガ鉱,からガ3鴻への有界作用素になる。さらにもしσ>1ならば,

作用素P(D)は沈莇から沈多了への有界作用素になる.

命題3.6.命題2.2と同じ状況の下で,R皿上の函数μ(¢’)∈ガ瓦,(R別)を

R”上の函数とみなしたものは空間沈.ρ掬,(R”)に属する.

命題3.7.(熱核のSemigroup property)1≦σ≦p<。。をみたす任意の実

数ρ,¢sに対し,Rπ上のLaplacian△、はガ瓦,上の“有界解析的半群”

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exp(♂△。)を生成する.さらにもしσ>1ならば,exp(ぬ.)は沈孟,上の

“有界解析的半群”にもなる.

注意.一般にπ孟gあるいはガ論,上の閉作用素としてのLaplacianの定

義域は稠密ではない.従って半群exp(必、)はこれらの空間上のCo一半群

にはならない.これより,初期値問題(L1)一(1.3)及び(1.4)一(1』5)

で,初期条件(1.3)及び(1.5)は通常の意味では必ずしもみたされず,

適当に弱い形で考える必要があることがわかる.

命題3.8。(熱核の評価)1≦σ≦ρ及びs<σをみたす任意の実数ρ,g,s,σ

に対し定数Cが存在して,不等式

      lIexp(‘△エ)μ1瑚砿111≦α(s一σ)/211㍑鵬吼。。ll

が成り立っ.

注意空間1峨,,A蒙吼,特有の性質として,sくσならば婿、。。⊂!唆砿1とな

ることがある。またs<0ならば包含関係ガ3吼,⊂禰¢,が成り立つ,

注意。s>0ならば,空間ガ瓦”1鴨,を通常のBesov空間と同様に,差分

を用いて定義することもできる.しかし以下にみるように,我々は主に

s<0の場合に関心があるので,この定義には触れない.

例1.1変数のdelta函数δ(τ)は有限Radon測度だから,命題3.1より

δ(∬)∈沈1⊂ガ1,1,。。をみたす.従って命題3』5より,そのHilbert変換の

     l                  l定数倍p.v.一もガ!.1,。。に属する.(ここでp.v.一庄沈1である.)命題     ど                        ぼ             13・6を用いると・R”上の函数p.v.一はガal,・・に属することがわかる.             ¢1                  1よって命題3・3より・任意のρ≧πに対してp・v・一∈ガ班浸・・が成り立っ

                  ∬1ことがわかる.

例2。1≦σくρ<。Qとすると,直接計算より灰∫);理監且(ろ);ゆ∈πμ,が

わかるから,命題3、1より鼠エ)∈ガ癒。。が従う.よって命題3.5より

     ∂初     1        π    砺(∬)=一アL(¢且);1一且/纏(第);’/ρ∈場一

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Morrey空間及ぴ関連する函数空間におけるNavier-Stokes方程式

となることがわかる.

4.(1.1)一(1.3)に対する結果

 方程式系(1.1)一(1.3)に対しては以下の定理が成り立っ.

定理1.(uniqueness)η≧2とし,実数ρ,σはn≦ρ及び1≦σ≦ρをみた

しているとする.この時以下の条件をみたす定数璃が存在する.任意の

T∈(0,。Q]及び▽.・α=0をみたすα∈(め’)”に対し,条件

 (1)任意のT’∈(0,T)に対し,

         supII礁・)1〈辮111〈。。,         Oく‘≦T[

        sup‘1/2一剤/4PIlμ(‘,・)1偽物II〈。・.

        Oく’≦T’

 (2) iim sup、_+o‘且/2一隠/4ρi匝(ち・)1偽函II<砿.

 (3) 孟→+0の時,緩増加超函数の意味でμ(孟,・)→α

をみたす(0,T)×R2上の(L1)一(1.2)の解μ(孟,¢)は高々一っである.

定理2.(existence of global solutions)鍬ρ,σ,!141は定理1と同様とす

る.この時以下の条件をみたす定数δ1及びω1(0)=0,ω且(δ1)≦1141をみた

す[0,δ、]上の狭義単調増加連続函数ω、(δ)が存在する.δ=IIα1ガ庶る111

〈δ、及び▽、・α=0をみたす任意のα∈(曜獅1)”に対し,以下の条件をみた

す(0,・Q)×R”上の(1.1)一(1.2)の解雄,ヱ)が存在する、

 (1)麗(‘,τ)∈C。。((0,。。)×Rπ).

 (2)sup、>。11雄,・)騰/8訓〈・。.

 (3) sup,>o‘し/2一蹴/4Pll初(あ・)1瀦2μ助II≦ω1(δ).

 (4) 孟→+0の時,B尉。。の汎弱位相で雄,・)→α

定理3.(existence of local solutions)妙,σ,ルf且は定理1と同様とする.

この時以下の条件をみたす定数δ1’が存在する.条件lim supノ_、。。2(の一1)フ

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II啄0)α11鴎,σII<δ∫及び▽。・α;0をみたす任意のα∈(1畷獅1)”に対し,

正の数丁>0及び以下の条件をみたす(0,T)×R”上の(1,1)一(1,2)の

解μ(∫,¢)が存在する.

 (1) μ(∫,¢)∈C。。((0,T)×R蒐).

 (2)sup。く、〈Tli麗(‘,・)暁鉱且”<。・.

 (3)sup。<、くT‘1/2一”/4pll礁・)1偽A勿II<%.

 (4) ∫→+0の時,瓦,1。。の汎弱位相で%(∫,・)→α.

倒§3の例1より・lclが粉小さい・∈Rに対してα(¢)一・(砿…,軌

“のは定理2の仮定をみたす。

注意.加藤[K l]は,空問π.に属する十分小さい初期値に対して

(L1)一(1・3)が一意的な時間大域解を持つことを示した.ρ≧πならば命

題3。1及び命題3.3よりπ.⊂ガ鑑且.。。⊂ガ㍑応が成り立つから,定理

1,2はこの結果の拡張になっている.

注意.初期渦度▽.×α(τ)が十分小さい沈./2の要素であるとすると,命

題3。1と命題3.3より任意のρ>n/2に対してπ./2⊂ガ1/2,、,。。⊂ガ3㌫星。。

が成り立っから,▽∫・α(¢)=0かっ▽.×α(¢)∈π./2ならばBiot・Savard

の法則と命題3・5を用いればα∈ガ憂/鉱・・が示され,従ってこの場合にも

上の定理1,2が成り立っことがわかる.この結果はη=2の時にCottet

[Co]及び儀我一宮川一長田[GMO]によって,η=3の時に儀我一宮川

[GM]によって示された結果の拡張である.(但しπ=2の時の大きい初

期値に対する時間大域解の存在は上の定理からは従わない)

5.(1.4)一(L5)に対する結果

 方程式系(1.4)一(1.5)に対しては以下の定理が成り立っ.

定理4.(uniqueness)函数∫(%)は条件(1.6)をみたし,実数ρ,σ,sは

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    Morrey空間及び関連する函数空間におけるNavier-Stokes方程式

γ≦g≦ρ,π(γ一1)〈2p,一2/γ<s<0及びs≧η/ρ一2/(γ一1)をみたしている

とする.この時以下の条件をみたす定数ルf2が存在する.任意のT∈(0,。。]

及びα∈必’に対し,条件

 (1)任意のT’∈(0,IT)に対し,

          supII礁・)1嶋。。II<。。,         Oく’≦T’

         sup孟一s/211礁・)1篤911〈・。.

         0く∫≦丁一

 (2) lim sup、→+。‘一s/211μ(ち・)1!レち,911<〃を.

 (3) 渉→+0の時,緩増加超函数の意味で雄,・)→α.

をみたす(0,T)×R”上の(1.4)の解雄,¢)は高々一っである.

定理5.(existence of global solutions)函数∫(μ)は条件(L7)をみた

し,γ≦σ≦ρかっη(γ一1)<2ρ〈nγ(γ一1)とする.この時以下の条件をみ

たす定数δ2及びω2(0)=0,ω2(δ2)≦偽をみたす[0,δ2]上の狭義単調増加

連続函数ω2(δ)が存在する.δ=IIα1ガ庶謡/(7一且)II<δ2をみたす任意の

α∈ガ惣乙1に対し,以下の条件をみたす(0,。・)×R”上の(1.4)の解

%(診,∬)が存在する.

 (1)μ(‘,∬)∈C且((0,。・)×Rπ).

(2)sup,>。II礁・)騰/凝(γ一L)II<。・.

(3)sup‘>。’1/(γ一耳)一η/2ρll%(ち・)1茜911≦ω2(δ).

 (4) ‘→+0の時,βヨ誓アー1)の汎弱位相で鼠4・)→α。

定理6.(existence of local solutions)函数∫(駕)及び実数ρ,σ,s,偽は定

理4と同様とする.この時以下の条件をみたす定数δ2’が存在する.条件

limsup7_+。。2sフII吻(D)α1嶋gIIくδ2’をみたす任意のα∈婿¢。。に対し,正

の数丁>0及び以下の条件をみたす(0,T)×R”上の(L4)の解%(孟,∬)が

存在する.

 (1) 初(‘,¢)∈C1((0,T)×Rπ).

              41

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一橋大学研究年報 自然科学研究 30

 (2)sup。く,くTll雄,・)1鵬。。II<・・、

(3)sup。く、<T‘一ε/211礁・)叫911〈偽.

 (4) ‘→+0の時,β訂黎の汎弱位相で灰4・)→α.

                  η  2注意.定理5のρ,gについての仮定は,s=一一一が定理4の仮定を                  ρ γ一1みたすための条件である.この仮定をみたすρ,σが取れるためには条件

   2γ>1+一が必要である.   ゆ注意,Weissler[W]の結果を用いると,∫(μ)=一1初iγ一1μに対しては空

間ガ鷲謡!(7一且)に属する函数α。(∬)で,loiが大きいときα(∬)=Cα。(∫)に

対して(1.4)一(1.5)が時間局所的にも解を持たないものがあることがわ

かる.

例.,z≧3ならば

        2   3一η+廊      1十一<ρ(π)=             〈2        η          2

                     _箆(γ一1)が成り立つ.従って任意のγ∈(ρ(η),2)に対して,ρ一    とおけば                       3一γπ  2               2一一  =一1が成り立つ.また,等式γ一(3一η)γ一η>0よりγ〈ρがρ γ一1従う.さらに不等式1<γ<2より(3一γ)γ>2が,従って

           2π(γ一1)       箆(γ一1)<   =2ρ<ηγ(γ一1)            3一γ

が従う.従って§3の例2より,σ=γとおくと,loIが十分小さいc∈C

      ∂μに対しα(エ)=c (∫)は定理5の仮定をみたす.      ∂∫且

6.Morrey空間に属する小さい定常解の存在と安定性

 ここではη≧3とし,7を2〈7≦πをみたす実数とする.時間によらな

い外力∫(¢)が存在するときのR”上の定常Navier-Stokes方程式

 (6。1)  一△。ω(¢)+(ω(¢)・▽エ)ω(τ)+▽エπ(τ)=∫(¢)

42

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    Morrey空間及び関連する函数空間におけるNavier・Stokes方程式

 (6.2)      ▽エ・~〃(ぼ)=0

がMorrey空間沈臥,に属する小さい定常解を持っための十分条件を求め,

さらにその定常解の安定性を調べる.定常解の存在と一意性については次

の定理がある,

定理7.(unique existence of stationary solutions)以下の条件をみた

すδ3>0及びω3(0);0をみたす[0,δ3]上の狭義単調増加連続函数ω3(δ)

が存在する。

 (1) 任意の∫(∬)∈(の’)”に対して,(6,1)一(6.2)の解側(¢)で条件

   IIωi沈瓶,II<ω3(δ3)をみたすものは高々一っしかない.

 (2)条件δ=ll∫1π認IIくδ3をみたす任意の∫(∬)に対し,(6,1)一(6。2)

   の解ω(¢)で条件112〃レ艦,“≦ω3(δ)をみたすものがある.

例.π≧4とし,3≦規≦n-1をみたす整数窺を選び,¢’=(∬L,…,エ常)と

おく.そして(6.2)をRηで満たす十分小さいL解(R濯)の要素切(∫’)=

(砺(コ9戸),…,Z傷(¢ヂ))に対して1(エ’)=一△卿(エ’)+▽τ(の⑭⑳)(¢’)とおき,

さらに∫(エ)=(~(¢’),0,…,0),!〃(∬)=(加(∫’),0,…,0)とおくと,命題3,4

と命題2.2より∫(¢)∈沈轟,~〃(¢)∈π紙海が成り立ち,さらにこれらは

R2上で(6.1)一(6,2)をみたす.このように1¢1→。。としたとき必ずし

もω(¢)→0とはならない定常解をも扱える.

 この定常解の安定性を調べるために,外力∫(¢)を含む非定常Navier-

Stokes方程式

     ∂π (6,3)  一一△エz6十(㍑・▽」)μ十▽エρ=・∫(∬) in(0,00)×Rη,

     ∂‘

 (6。4)    ▽τ・初一〇in(0,。。)×Rπ,

 (6.5)         彫(0,∫)=α(∫) on Rη

を考える.するとSobolev型空間に属する初期摂動については次の定理

が成り立っ.

               43

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         一橋大学研究年報 自然科学研究 30

定理8,(stabilityofstationarysolutions)7は定理7と同様とし,

ρ,¢σoは条件η/2<ρ〈。。,1<σ≦餌/η及びη/2ρ<σo<min{1,n/ρ}をみた

しているとする.この時以下の条件をみたす定数δ4∈(0,δ3]が存在する.

『げ1沈ξβII<δ4をみたす任意の∫(∬)に対して以下の条件をみたす正定数ε、

及びLIが存在する.定理7,(2)で与えられる(6.1)一(6.2)の定常解

をω(∬)とすると,条件▽∫・α(∫);0及びε=IIα一z〃1π欝一111<ε、をみたす

任意のα(∫)に対して,(6.3)一(6.4)の時間大域解π(‘,∫)で条件

 (6.6)

  supオ1/2一η/4prl礁・)一ω1罵/3ρ”<。・ f・reveryT∈(0,。。),

  0く¢≦T

   sup”麗(ご,・)一ω1鷹/♂一且il<。・ f・reveryT∈(0,。。),

   0くf≦T

       limsup‘1/2一η/4pII礁・)一ω協鰐pII〈Ll

       ~→十〇

をみたし,さらに初期条件(6.5)を

 (6、7) 1imsup‘s/2+E/2一処/2pII鴛(4・)一α協孟σII〈。・

       ’帥十〇

が全てのs∈[一1,η/ρ一1]に対して成り立っという意味でみたすものが

唯一つ存在する.さらに,任意のσ∈[η/ρ一1,砺]に対して,上の時間大

域解μ(‘,τ)が不等式

(6。8) sup君σ/2+1/2一π/2ρll麗(4・)一ω1駕σII≦ψ且,σ(ε)

      ε>0

をみたすような,条件ψ1,.(0)=0をみたす[0,ε1]上の狭義単調増加連続

函数ψ1,.(ε)が存在する.

注意.定理8でρ≧ηとすると,命題3.3と命題3.2からω(ぼ)∈κ鳳,⊂

π魏瞬⊂沈誹召一1が従う.従ってσ=η/ρ一1とおいたときの(6.8)は定常

解ω(∬)の空間瑠2-1におけるLyapunov安定性を示している.特に

ρ=肱σ=7とおくと,これはω(∫)の空間沈隅,目身におけるLyapunov

安定性を示している.σ>η/p-1とおいたときの(6.8)は上の解の減衰

              44

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Morrey空間及び関連する函数空間におけるNavier・Stokes方程式

のorderを表している.

 一方,Besov型空間に属する初期摂動については次の定理が成り立つ.

定理9.(stability of stationary solutions)ρ,¢7,σo,∫(∫),ω(¢)は定理

8と同様とする.この時以下の条件をみたす正定数ε2及びL2が存在する.

条件▽.・α(¢)=0及びε=Uα一ω1ガ鷲』lII<ε2をみたす任意のα(¢)に対し

て,(6.3)一(6,4)の時間大域解%(‘,¢)で条件(6.6),

   sup”雄,・)一刎ガ憂/轟匝IIく。Q f・reveryT∈(0,。・),   0く‘≦T

      lim sup〆2}η/4PI勧(ム・)一ω1沈鰐Pll<L2

       f→十〇

をみたし,初期条件(6.5)を(6,7)が全てのε∈[一1,n/ρ一1)に対し

て成り立つという意味でみたすものが唯一っ存在する.さらに,任意の

σ∈[η/ρ一1,妬]に対して,上の時間大域解%(孟,∬)が不等式

      sup‘σ/2+1/2吻1臆・)一ω鷹σII≦ψ2,σ(ε)

      ’〉0をみたすような,条件ψ2,.(0);0をみたす[0,ε2]上の狭義単調増加連続

函数ψ2,.(ε)が存在する.また,ψ3(0)二〇をみたす[0,ε2]上の狭義単調増

加連続函数ψ3(ε)で,上の時間大域解恢4¢)が不等式

        sup“祝(‘,・)一刎畷8訓1≦ψ3(ε)

        ’>0

をみたすようなものが存在する.

注意.ρ≧πの時,定理8の後の注意と命題3.1より,ω(¢)∈ガ庶』Lが従

う.従って定理9の最後の不等式は,定常解ω(τ)のガ窒/轟1でのLyapu-

nov安定性を示している.

注意.η≧3の時,定理9は定理2をω(¢)≠0の場合に拡張したものにな

っている.即ち,Radon測度でないような初期摂動をもある程度許容す

る.

45

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[BP]

[BL]

[BM]

[BF]

[Ca]

[Co]

[F]

[GM]

[GMO]

[G]

一橋大学研究年報 自然科学研究 30

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[KY2]

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