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第4章 活動報告会の記録 ひょうご大学生 forum2050 活動報告書 - 62 - 第4章 活動報告会の記録 活動報告会の概要 (1) 報告会の概要 ○日 3月 11 日(金)14:00~17:00 14:00~15:00 ポスターセッション 15:00~17:00 活動報告及び意見交換 ○場 兵庫県公館 第1会議室 ○参加者 ・フォーラム参加大学生 ・若者を中心とする一般参加者 ・知事、県民政策部長等 ○目 ひょうご大学生フォーラム2050のまとめとして、各グループ活動の成果を 発表すると共に、その発表内容を元にフロアーの一般参加者を交えた意見交 換会を行い、人口減少社会を考えるきっかけとする。 (2) 進め方の特徴 ○大学生中心の運営・会場づくり 当日の運営は、フォーラム参加の大学生が中心になり進めた。 (内容)・司会進行 ・配付資料の準備、映像機器の設営、ポスターの掲示等の会場準備 ・一般参加者の受付 ・会場の後かたづけ ○自由な意見交換の雰囲気づくり 口頭発表及び意見交換会に先立ち、1時間のポスターセッションを実施。気楽に質 疑応答が行われる中で、会場全体が、各グループのテーマに対する理解を深めると共 に意見交換会へ向けたアイスブレイクとした。 ○一般参加者の意見を反映する工夫 ポスターセッションや意見交換会の場だけでは、多数の一般参加者の意見を反映さ せることは難しい。そこで、各グループのポスター展示内容に関する会場アンケート を実施し、後半の口頭発表までに集計を行い、口頭発表の時にその結果の発表を行っ た。各グループの発表趣旨と会場意見を対比することにより、会場全体での意見交換 のきっかけを作ることとした。 図 4-2 学生達によるポスターセッションの準備 図 4-3 会場アンケート集計ブース 図 4-1 活動報告会の会場

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第4章 活動報告会の記録

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第4章 活動報告会の記録

1 活動報告会の概要

(1) 報告会の概要

○日 時 3月 11 日(金)14:00~17:00

14:00~15:00 ポスターセッション

15:00~17:00 活動報告及び意見交換

○場 所 兵庫県公館 第1会議室

○参加者 ・フォーラム参加大学生

・若者を中心とする一般参加者

・知事、県民政策部長等

○目 的 ひょうご大学生フォーラム 2050 のまとめとして、各グループ活動の成果を

発表すると共に、その発表内容を元にフロアーの一般参加者を交えた意見交

換会を行い、人口減少社会を考えるきっかけとする。

(2) 進め方の特徴

○大学生中心の運営・会場づくり

当日の運営は、フォーラム参加の大学生が中心になり進めた。

(内容)・司会進行

・配付資料の準備、映像機器の設営、ポスターの掲示等の会場準備

・一般参加者の受付

・会場の後かたづけ

○自由な意見交換の雰囲気づくり

口頭発表及び意見交換会に先立ち、1時間のポスターセッションを実施。気楽に質

疑応答が行われる中で、会場全体が、各グループのテーマに対する理解を深めると共

に意見交換会へ向けたアイスブレイクとした。

○一般参加者の意見を反映する工夫

ポスターセッションや意見交換会の場だけでは、多数の一般参加者の意見を反映さ

せることは難しい。そこで、各グループのポスター展示内容に関する会場アンケート

を実施し、後半の口頭発表までに集計を行い、口頭発表の時にその結果の発表を行っ

た。各グループの発表趣旨と会場意見を対比することにより、会場全体での意見交換

のきっかけを作ることとした。

図 4-2 学生達によるポスターセッションの準備 図 4-3 会場アンケート集計ブース

図 4-1 活動報告会の会場

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(3) 会場の工夫

○同一会場でポスターセッションと口頭発表会を実施

ポスターセッションでの熱気あふれる意見交換の雰囲気を継続し、口頭発表とその

後に続く意見交換会でも、多くの意見交換が生まれるように、同一会場で一連の発表

と意見交換を実施した。

○会場内ライブ中継の導入

発表者だけが主役ではなく、会場全体が主役のフロアーディスカッションの雰囲気

づくりの一環として、ライブカメラを3台設置し、その映像を前面スクリーンに映写

できる機材を設置した。フロアーからの意見表明の時にも、参加者の意見(音声)と

共に、その表情(映像)がスクリーンに映し出されることにより、豊かなコミュニケ

ーションが可能となるようにした。

図 4-4 会場のレイアウト

(4) その他

○一般参加者も若者

今回のフォーラムは、若者の視点を取り入

れるためのものである。そこで、一般参加者

も、可能な限り若い年齢層となるように、フ

ォーラム参加学生の友人等を中心に参加の呼

びかけを行った。

また、地域ビジョン委員の若い世代や各地

域で地域づくり活動に熱心に取り組んでいる

方々にも参加の呼びかけを行った。

図 4-5 参加者の年齢構成

ワイヤレスマイク 11本 ※フォーラム参加学生の位置

有線マイク 3本 ※発表者は、中央テーブルに着席。  発表時には、演台にて発表。

一般参加者フォーラム参加学生

ポスター・セッション

②井戸知事①岡田先生 ③井筒部長

③ ①②

説明用スクリーン

ライブ映像スクリーン

司会

演台

PC

アンケート集計ブース

ポスター掲示用のついたて(90 210)

PC

PC

PC

20~24才

71%

40才以上

3%

30~39才16%

20才未満

5%

25~29才

5%

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2 ポスター・セッション

(1) ポスター・セッション?

フォーラム参加学生にとっては、ポスターセッションは馴染みが薄かったようである。

単なるポスターの展示ではなく、ポスターを前に発表し、来場者とその場で意見交換をす

る発表方法は、このフォーラムが初めてだと言う学生が多かった。

(2) 熱心な発表!活気ある意見交換!

開場と共に、ポスターセッションが開始。来場者の数が増えるにしたがって、若者らし

い活気あるセッションが繰り広げられた。

あまりの熱気に、会場の空調の温度設定を下げたほどである。

図 4-6 開場直後の状況 図 4-7 活気あるセッション

あぱるたチーム しみじみちーむ

FREP のび太とひょうごの未来チーム サザエさんチーム

図 4-8 各グループのポスターセッションの状況

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3 口頭プレゼンテーションと意見交換

(1) 口頭発表会の開会(15:00~)

ポスターセッションの熱気がさめないままに、口頭発

表会が始まった。

司会進行を担当する壺阪千尋(関西福祉大学:FRE

P)の開会の宣言の後、このフォーラムの初日に人口減

少社会を考えるための導入プレゼンテーションを行った

井筒県民政策部長から開会のあいさつが行われた。

図 4-9 報告会の司会

(2) 開会あいさつ~井筒県民政策部長~

この大学生フォーラムは、5つの大学から 28 名の大学

生に集まっていただいた。

グループを作るのも大変だったと思うし、ディスカッ

ションにおいても様々な議論があったと思う。同時に、

ヒアリングや現地調査を行ったり、地域夢会議にも何度

か来ていただいて、非常に感謝している。

5つのグループに、人口減少社会を考える上で、重要

な課題について多方面から考えていただいた。

私も、これからの報告を楽しみにしています。 図 4-10 開会あいさつ

(3) 各グループの発表と意見交換

各グループの発表は、コーディネータの岡田眞美子教授の進行の元で行われた。

各グループの持ち時間は、口頭発表5分、意見交換 10 分という非常に限られた時間であ

ったが、工夫に満ちた発表と多くの意見交換がなされた。

各グループの発表順に、その概要を記述する。

a)あぱるたチーム

《テーマ》

外国人労働者との共生について―介護労働者の側面から―

《発表の趣旨》

○外国人を受け入れる際に、最も障害となることはなにか?

→「偏見・先入観・知識不足による不安感」が最も重大な障害である。

○潤滑油的な役割をする団体が必要

→介護の開国機関「あぱるた」の設立

○「あぱるた」が担う役割

1)老人ホームと入居者やその家族に対するケア

外国文化の紹介や外国人介護士の言語レベル等

の現状を紹介し、外国人のことを知らないことか

らくる不安や偏見を和らげるように努める。

図 4-11 あぱるたチームの発表

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活動報告書- 66 -

2)外国人介護士への支援

日本で生活することや介護に対する支援を行う。また、お互いの国を知るため、

介護士の交換留学のような制度を整え、相手国の介護の実情を知るとともに、相手

国の言葉を学び、豊かな知識を持った知識をもった人材を養成します。

3)一般市民へのアピール

イベントを行い、外国人介護士と市民との協働作業の中で、親しくなる機会を提

供する。一つの目標を目指すとき、文化の違いはなくなり、信頼感が生まれる。

○理想と現実のギャップを感じた

→日本は外国人を受け入れる環境をもっと作らなければならない。

○外国人との関わりについて、自分を当てはめて考える考えることが解決策を考えるき

っかけになった。

《会場アンケートの結果》

設問「あなたは、“あぱるた”に参加したいですか?」

会場の意見

1 参加したい 14%

2 どちらかと言えば参加したい 35%

3 どちらでもない 38%

4 どちらかと言えば参加しない 11%

5 参加しない 2%

図4-12 会場アンケートの結果(質問1)

《意見交換の概要》

【質問】外国人介護士の賃金について、日本人よりも低賃金であるという問題に対しては

どのように対応するのか?

→賃金は、介護士の供給側(国)と受け入れ側(国)との市場原理で定まるものだと

思う。供給側(国)が低賃金と感じるものは、排除されると考えている。

【質問】同じ職場での賃金格差から差別が起こると思うのだが?

→差別は考えられるが、その差別をなくすために「あぱるた」を提案した。

【質問】具体的なケアやイベント等コミュニケーションを行う場は、誰がどのような場で

行うのか?

→事例として、群馬県大泉町で外国人と共にウォーキング等を行う取り組みがな

されている。介護の場自体も、コミュニケーションを行う場と考えている。

《井戸知事のコメント》

(外国人労働者をどういうところに受け入れるのかが重要になる)

私、エスペラント語の“あぱるた”という言葉の意味を初めて知りました。外国人労働

者の受け入れは、非常に難しい問題です。元々、イギリスで「ゆりかごから墓場まで」と

言われていた時に、よく言われていたんですよ。「俺(自分)たちが最後の時は、イギリスの

子供達や若者には看てもらえない。外国人労働者に看てもらって旅立つのか。」と言われて

いたもので、実際、その通りになってるんです。だから、それは外国人労働者を受け入れ

るか受け入れないか、どういうところに受け入れていくか、というところでしょうね。

質問1:あなたは、「あぱるた」に参加したいですか?

参加したい14%

どちらかと言えば参加した

い35%

どちらでもない38%

どちらか言えば参加しない11%

参加しない2%

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(高齢社会に応じた労働慣行に変えて行く必要がある)

資料の 12 ページに面白いものを見つけました。これは「あぱるた」じゃなくて、「しみ

じみちーむ」で分析されたもので、いつも私が主張しているのです。今、生産年齢人口は

15才~65 才なんです。けれども、これは平均寿命が 70 才くらいの時に使っていた生産年

齢人口なんですよ。平均寿命が 80 才だという時に、同じ 65 才を定義に使ってるのはいか

がかなという発想です。年齢を少し変えてみたら全然違います。つまりこれだと高齢化と

いったって、まだまだ働く人はいるじゃないかというふうになる。ということは、高齢社

会にあった労働慣行に作り変えていかなきゃいけないっていうのが、これからの社会の大

きな課題じゃないか、それを問うているんじゃないかと思います。

(専門職については、外国人労働者の受け入れを進める動きになっている)

それからもうひとつ、すでに看護士の方については、兵庫県の加古川の病院なんかで、

先駆的にフィリピンの方を雇ったりしています。今度、FTA(自由貿易協定:Free Trade

Agreement)で、条件緩和をしていきますから、専門職への外国人労働者の受け入れを広げ

る方向で動いていくことに間違いないと思います。

先日も、我々が災害医療センターで看護士、あるいは医療行為などの研修を認めるため

に特区制度を申請していましたが、いよいよ承認されることになりました。ですから、動

きとしては専門職について、労働の開放をしていこうという動きであることは間違いあり

ません。

(賃金格差は労働市場の中で収束する)

賃金格差の質問が出ました。これは、外国人労働者の賃金格差は最初はあるでしょうが、

もし能力が同じであったら、だんだん近づいていきます。ですから、自ずとそういう限界

が労働市場の中で現れてくるのではないかと思います。あるいは、あるひとつ分野が、外

国人の方々に担われていくということになるのかもしれない。それはやはり、労働市場の

あり方をどう考えるかということ、つまり門戸を開放すると、そういう事態がどうしても

発生することもありえると理解した方がいいのではないかと思います。

b)しみじみちーむ

《テーマ》

生きがいと雇用と高齢者~人口減少社会をぽじてぃぶにとらえよう~

《発表の趣旨》

○高齢化が進む。高齢者も働かなければならない、

働きたいと思っている。

○高齢者の就業希望者は多いが、その多くは仕事に

就いていない。

→企業の雇用システムの問題が大きい。

○労働環境よりも、高齢者への固定観念や偏見が大

きな問題である。

→新しい高齢者の概念「P老」の提案。

○「P老」とは?

→四つのPをあわせ持つ人生の老賢者。

図 4-13 しみじみちーむの発表

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活動報告書- 68 -

○P老生きがい支援センターの創設

→福祉施設として存在するのではなく、高齢者政策の予防的施設として設立する。

○双方向性を持つ情報メディア「コレチャン」の提案

図 4-13 発表スライドの一部

《会場アンケートの結果》

設問「あなたは、“P老”になれますか?」

会場の意見

1 なれる 39%

2 どちらかと言えばなれる 40%

3 どちらでもない 16%

4 どちらかと言えばなれない 3%

5 なれない 2%

図 4-14 会場アンケートの結果(質問2)

P老(ピーロー)とは・・・??

Pinpin

Powerful

Professional

Positive P老

四つのPをあわせ持ち、人生の老賢者として、社会を先導する。

まさに社会のHEROのような高齢者を、「P老」と名づける!!

P老生きがい支援センター

• 友人、恋人紹介

• 住宅情報

• 高齢者ワーク(アルバイト情報誌)

• 様々な技術養成

• 雇用

• 余暇の楽しみ

• 高齢者チャンネル(コレチャン)

コレチャンとは・・・??

高齢者を中心的なターゲットとしたTVプログラム

ニュース

就職情報

P老紹介

ドラマ

娯楽番組

将来、メディアの双方向性をも利用し、高齢者等に配慮した番組つくりを目指す!

私たちP老Jrの想い

生きがいのある人生を送りたいいろいろな情報を手に入れたい

老人扱いをされたくない

健康でいたい

働きたい

自由に生きたい

人の役に立ちたい

P老の多様な願い・ゴールを達成するために、P老生きがいセンターを提案しました。

質問2:あなたは「P老」になれますか?

なれる39%

どちらかと言えばなれる40%

どちらか言えばなれない3%

どちらでもない16%

なれない2%

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活動報告書- 69 -

《意見交換の概要》

【質問】高齢者の再雇用制度の普及により、今以上に若者の雇用状況が悪化し、若者の活

動を阻害するのではないか?

→生産年齢人口自体の減少が起こるので、若者の雇用状況に影響するは考えてい

ない。また、若者だから高齢者だからと言う年齢による区別はなくなり、能力

によって雇用される環境になると考えている。さらに、高齢者は、若者の指導

的立場で次世代育成に重要な役割を担うようになると考えている。

【質問】高齢者を特別視している感じを持った。もっとジェネレーションを越えた助け合

い、補い合うという考え方が必要ではないか?

→発表の中の「支援」は、「福祉」ではない。

「高齢者」という枠組みを新しくしたいと言うことが発表の趣旨である。

(会場から)コミュニケーション・センターと言うのがいいんじゃない。

→そうです。

【質問】「P老」の「老」と言う文字が気になったが?

→中国の老子から「老」の文字をとった。「老いている」からこそ自分の知識が豊

富であると言うイメージから、「老いて」さらに豊かになるというポジティブな

とらえ方で命名した。

《井戸知事のコメント》

(“P老”は面白いが、名前はもう少し考えた方が良い)

“P老”というのは面白いですね。このP老センターが一番最初に何をやるのかと思っ

たら、お友達の斡旋ですね。つまり、「何か助けます」と言うことではないという意味をだ

されたのだと思いました。中国語で親友のことをラオポンユーといいますね。ラオポンラ

オポン。そういう意味での“老”だというのです。

しかし、そこまでの理解ができるかどうか疑問が残ります。“P老”というと、悪い言い

方をすれば、なんとなくお金がなくてピーピー言ってる老人みたいな印象もあるので、や

っぱり名前はもうちょっと考えた方がいいんじゃないかなと私も思います。ご質問の方に

賛成です。

(高齢社会下における雇用制度の設計と働き方)

それから定年がなくなると若者の職場が取られてしまうのではということは、これも問

題は、労働制度をどう制度設計するかっていうことと関わると思うのです。しかし、欧米

のように完全に職務給制度になり、同じ職務をしてる人は同じ賃金だとすると、若者の職

場が取られるという心配はいらないはずです。同じような能率で同じような職務だったと

すれば。しかし、それでは企業としてそういう職務給だけで成立し得るのかと言うと疑問

です。そうすると企業は、短期的な条件だけを考えるんじゃなくて、長期的に企業の存立

目的をどう達成していくかを考えていくとき、それなりの長期を睨んだ雇用形態で、企業

を担ってる人を雇わざるをえないということになり、そういう組み合わせになっていくの

でしょう。だから守らなければならない部分と、もっと自由化していい部分を、高齢社会

における働き方を前提に考えなければならないということではないかなと思いました。

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活動報告書- 70 -

(これからは高齢者が消費の担い手)

老人専用のチャンネルを作ったらいいんじゃないかという「コレチャン」というのも面

白い発想です。高齢社会において消費者ニーズというのは誰が生み出してくるのか。今は

まだ高齢者の人がお金の使い方を知らないから、貯金をしてるばかりで、貯金が増えてる

一番多い世代は高齢者の世代ですね。孫にちょっとおこずかいをあげるくらいしかお金を

使わないからですが、これからはきっと、高齢者の方が自分の生活を楽しんだり、自分の

ためにお金を使うというようなことに目覚めてこられると、きっと消費者ニーズの非常に

大きな担い手は高齢者だということになってくる。そうすると社会のシステムが、そうい

う高齢者ニーズを元に動き出してくる可能性があるではないか。これは、堺屋太一さんが

言われていました。そうなると会社の中の企画部が、若者だけでは高齢者ニーズを確保で

きない、つかめない、キャッチできないということになります。そうすると 50 代とか 60

代の企画部員を持ってる会社が有望会社だということになるかもしれない。というような

夢のある社会を作ろうと思っています。

c)FREP(フレップ)

《テーマ》

新しい家族のかたちを求めて

《発表の趣旨》

※未来の家族像をテーマにロールプレイで発表

「ひょうご大学生フォーラム 2050 特別講演

『浩司と佳子と家族の物語』」

○現在の家族制度には、様々な問題がある。

→夫婦の姓、法律婚と事実婚の区別、非嫡出子の差別等。

○パートナー家族の提案

→精神的な絆で繋がった2人以上の人達が家族と同等に扱われると言うもの。

○コレクティブ家族の提案

→従来の核家族や夫婦、単独世帯等が集まって、一つの家族を形成するというもの。

○夫婦別姓の意義、男女の婚姻に縛られない家族観、離婚後も容易に新たな家族が持て

るというありがたさ、グループホームの意義、そして愛のすばらしさ。

図 4-16 発表スライドの一部

図 4-15 FREPの発表

家族登録 コレクティブ家族

男女夫婦・核家族

事実婚や同棲

同性婚

単独世帯パートナー家族

家族制度の図

三世代家族

シングルマザー、ファザー • 自由に選択できることが大切

• 家族はまず「質」が重要それにともなった「形」としての制度の改革

• 個人の意思や感情にあった家族の形・制度であるかが重要

まとめ

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活動報告書- 71 -

《会場アンケートの結果》

設問「あなたは、結婚したいと考えている

恋人から“事実婚をして下さい”と言わ

れたら、“はい”と答えることができます

か?」

会場の意見

1 「はい」と答える 13%

2 たぶん「はい」と答える 16%

3 わからない 32%

4 たぶん「いいえ」と答える 23%

5 「いいえ」と答える 16%

図 4-17 会場アンケートの結果(質問3)

《意見交換の概要》

【質問】従来の家族の良いところも残しつつ新しい家族を考えた方が良いと思う。

→従来の家族の良いところも残しつつ、多様な家族のあり方を考えて行くのだと

思う。

【質問】新しい家族像が考えられているが、従来の家族の定義と新しい家族の定義の違い

を教えて下さい。

→従来の家族の定義は、男女の婚姻や血縁関係のみだった。検討を進めて行く中

で、家族とは婚姻・血縁だけでなく「精神的なつながり」を重視した集団を家

族と考えた方が良いのではと考えた。

(コーディネータから)子どもの頃、家族欄に住み込みの同居人まで記載した覚えがある。

この場合は、「同じ家に住んでいる人」が家族と言う定義になる。FREPの発

表は、精神的なつながりがあれば遠隔地でも家族ということになる。このチー

ムの家族は、今までの家族の定義の枠組みを外すと言うところに主眼があった

ようです。多様な人の縁の結び方の一つとして家族というものを捉えた発表だ

った。

《井戸知事のコメント》

(家族の定義をもう一度振り返ってみる必要がある)

新しい家族のかたちを求めてのFREPチームの提案は、実をいうとヨーロッパ型です。

ヨーロッパ型の人口増加政策を薦めていると思います。アメリカは移民政策です。どんど

ん移民を受け入れています。ヨーロッパ型は、実を言うと倫理に反するという意見が非常

に強くあるんです。その倫理というのも、定義が問題ですが、どこまで自由度っていうの

を認めるのか、つまり家族というものをどう考えるのかということと非常に関わりがある

と思います。さて、本当にそこまでになっていくことが望ましいことかどうかというとこ

ろを、もう一度振り返ってみないといけません。

(新しい家族像を考えるにはもう少し新しい視点が必要)

発表は名演技でしたが、言っておられるシナリオ自体は、実を言うとそれほど新しくは

質問3:あなたは、結婚したいと考えている恋人から「事実婚をして下さい」と言われたら、「はい」と答えることが

できますか?

たぶん「はい」と答える16%

わからない32%

たぶん「いいえ」と答える23%

「いいえ」と答える16%

「はい」と答える13%

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活動報告書- 72 -

ないと思います。パートナー家族とか、コレクティブ家族とか、グループホームという概

念自体は、すでにコレクティブハウジングとかグループホームとかという形でとり組まれ

てることを、うまく時系列でのせて見せてくれた、これはシナリオの良さだと思います。

しかし、こういう新しい家族像を求めていく時に、受け入れの道具立てはそれだけなのか

な、という感想を私はもちました。ただ最後はやっぱりいいですね。男が早く死んで、幸

せな人生を残された奥様は送りましたっていうのは、非常に現実性に富んでいると思いま

した。

(2035 年くらいには家事や仕事の分担等の問題はもう少し環境整備されていると思う)

それと 2035 年の離婚の理由としては、倉田くんが演じた浩司旦那の言い訳、嫌だと言っ

て飛び出るというのは、2005 年の離婚理由であって、2035 年の離婚理由かなということを

ちょっと感じました。2035 年だと後 30 年ありますが、きっと家事をしないとか、仕事の

面での問題点というのは、相当程度、環境整備されてると思います。だからそのあたりに

ついて、さらに深めてもらうと思います。

(新しい家族の絆を取り入れるには、個人が確立された社会が必要)

家族のあり方は、難しい問題だと思います。私は、どちらかというとヨーロッパ型とい

うのは、本当に日本にうまく取り入れられるかな、と思います。というのは、プロトタイ

プな見方だと言われるかもしれませんが、個人が確立している社会でないとなかなか難し

いじゃないか、と思います。例えば宗教が支配してるとか、自分の行動のクライテリオン

(判断基準)というのをもってるような社会でないと、家族の絆とか、結びつきとか、枠

組みというのを本当になくしていくような方向でよいのだろうかという思いがちょっとし

ています。

d)のび太とひょうごの未来チーム

《テーマ》

人と人のつながりを考える~大農村の実現に向けて~

《発表の趣旨》

○姫路市を中心とする大農村化計画を提案する。

○なぜ姫路市なのか?

・市川、夢前川の流域であり、「水」をキ

ーとしてまとまりやすい。

・「姫路城」というシンボルがある。

・播磨地域には「まつり」があり、人を

つなぐ求心力となる 等

○大農村は、上から作るものではなく、地域

の主体性にゆだねるものである。

○人と人を結んでいくことが重要である。

図 4-18 のび太とひょうごの未来チームの発表

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活動報告書- 73 -

図 4-19 発表スライドの一部

《会場アンケートの結果》

設問「あなたは、“大農村”の建設に参加

したいですか?」

会場の意見

1 参加したい 25%

2 どちらかと言えば参加したい 32%

3 どちらでもない 31%

4 どちらかと言えば参加しない 10%

5 参加しない 2%

図 4-20 会場アンケート結果(質問4)

《意見交換の概要》

【質問】都市の周辺部に農村を配置すると言う提案であるが、都市は排気ガス等の影響が

あり、農業には適さないと思う。その点については、どう考えているか?

→大農村とは、都市部と農村部のまとまりを指す。横のネットワークがある1つ

のユニットと考えている。そのユニットの規模に応じた都市が配置されると考

えている。

(コーディネータから)「農村」と言うものの定義が少し新しくなっている。農業をすると

ころは、自然がいっぱいの空気が良いところという「今までの農村」というの

ではなくて、もう少し広い範囲で考えてみようというのが「大農村」というこ

とのようです。

【質問】大農村になると新しい産業が生まれると言うことであったが、具体的にはどのよ

うな産業が挙げられるか?

→地域内の伝統的・特徴的な産業や新しい研究施設等をつなぎ合わせることによ

り、地域内に向けた新しい商品等が創出されるのではないかと思っている。

(コーディネータから)つないだ後に創発してくるものが楽しみである。

<大農村化の良い点>

人と人がつながっていくことで、活気が生まれる

大都市のように、ごみごみしていないゆとりのあるまちができる

特色のある、多様な地域ができる

新しい産業が生まれる可能性が出てくる

子供が大いに遊ぶことが出来る安全なまちができる

<明るい大農村実現のために大切なこと>

大農村は上から計画を加えて「作る」ものではなく、魅力ある人・もの・場があれば「できる」ものであると考える。大農村化を都市計画のようなものではなく、企画にして地域の主体性に委ねることが大切である。人と人がつながる補助をすることで、多様な大農村ができてくると考える。

→主体性に委ねること、補助していくことが最も困難な課題である。

質問4:あなたは、「大農村」の建設に参加したいですか?

参加したい25%

どちらかと言えば参加した

い32%

どちらでもない31%

どちらかと言えば参加しな

い10%

参加しない2%

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第4章 活動報告会の記録

ひょうご大学生 forum2050

活動報告書- 74 -

《井戸知事のコメント》

(都市と農村の共生空間をどうやって作るか。その方法が難しい。)

「大農村」明るい大農村自体は、都市と農村の共生空間を整備していこうという意味で、

提案としては非常に面白いと思いました。ただどうやって作るかです。その手段がなかな

か難しい。結びついていくということが本当にできるのかな、という面で批判がでてくる

かもしれません。ただ、開き直って、衣食住というのを考えた時に、自分の生活を自分の

手で作れる。そういう原始生活に戻ったらいいじゃないか。そうすると素晴らしい生活が

できるぞという提案をしていただいてるのではないか。地産地消とか、自給自足とか、そ

ういう価値を提案してるのでは、という意味で、私、アンチテーゼとして非常に意義があ

るのではないかと思いました。だけど理想です。本当はなかなか作れない。どうやって作

ったらいいのか、というようなところも、もう少し提案をしていただければ、もっと面白

い発想に結びつくのではないか、そう思いました。それが安保さんから、「新しい産業って

いうのは何でしょう?」と聞かれた理由だったと思います。

(危機の時、都市は弱い。その自衛策としての都市と農村を一体にしたライフスタイルの提案が面白い)

危機の時は、都市は弱いですね。我々も大震災を10年前に受けましたけども、我々の

周りがあったから、みんなが駆けつけてくれた、そういう状況だったから何とかしのげた

という面があると思います。だけど、危機の時にどうするかというのを我々すぐ忘れてし

まう。例えば、食料危機なんてすぐ来るぞと言われているにも関わらず、ほとんど考えて

ない。私は、そういう意味で、楽農生活っていうことで、市民農園とか、家庭菜園付きセ

カンドハウスを持とうとか、自衛策を講じていく必要があると思っています。そういう意

味で、都市と農村を一体にしてしまった新しいライフスタイルの提案と受け止めたらいい

なという意味で面白く感じました。

e)サザエさんチーム

《テーマ》

各世代をどうつないでいくか~和(輪)の広がり・コミ継ぎの創造~

《発表の趣旨》

○地域で様々な問題が生じているのは、世代間のコミュニケーションの希薄化が原因。

→こんな社会を変えたい!

○世代間のつながりを考える前に、人と人はどうつながっていけば良いのか?

→過去と現在、そして様々な人々に話を聞くことにした。

○2つのつながりの発見

→目的型コミュニティと地域型コミュニティの発見

○人と人がつながるためには、きっかけが必要

→コミュニティとコミュニケーションをつなげるシステム「コミ継ぎ」の提案

○「コミ継ぎ学校」と「コミ継ぎ連中」の提案

→いつでも誰もが集える場と核づくり

○“3世代良い日”コミ継ぎ記念日の提案・宣言

→世代間交流を促進する日の提案

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第4章 活動報告会の記録

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活動報告書- 75 -

図 4-21 サザエさんチームの発表

図 4-22 発表スライドの一部

「2つのつながりの発見」「2つのつながりの発見」

<目的型目的型コミュニティ>

◎喜びや楽しみ喜びや楽しみが軸になっている。(サークル・クラブ・NPO・各種団体等)

<地域型地域型コミュニティ>

◎血縁と地縁血縁と地縁が軸になっている。(子ども会・婦人会・老人会・自治組織等)

⇒現代では、2つの型が散在傾向にある。

2050年のキーワード:

「コミ継ぎ」「コミ継ぎ」

★コミュニティーとコミュニケーションを

つなげるシステムとは

(場場)→人と人とのつながりを濃密に!!

<小学校をコミ継ぎ学校に><小学校をコミ継ぎ学校に>

(縁縁)→身近な人を知ろう!!

<あいさつはコミ継ぎツール><あいさつはコミ継ぎツール>

★小学校を単なる学校ではなく、

いつでも誰でも集える場にする。

①人と人をつなぐ場になる

②世代間交流ができる

③地域住民が生徒にもなり、先生にもなる。

④困った時の駆け込み寺(よろず相談所)

⑤運営は地域住民が協力して行う。

「コミ継ぎ学校」「コミ継ぎ学校」 「コミ継ぎ連中」「コミ継ぎ連中」★★各コミ継ぎ学校の核各コミ継ぎ学校の核⇒行政・教育機関・医療機関・企業・NPO警察署、各種団体等との連携

◆主な役割

<<コミ継ぎ塾>コミ継ぎ塾>コミ頭(リーダー)の育成セミナー

コミ継ぎ学校への手ほどき

<<コミ継ぎかわら版>コミ継ぎかわら版>コミ継ぎ学校同士の情報交換・情報リンク

各種団体との情報交換・情報リンク

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第4章 活動報告会の記録

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活動報告書- 76 -

《会場アンケートの結果》

設問「あなたは、世代間のつながりを密接

にする取り組みに参加したいですか?」

会場の意見

1 参加したい 55%

2 どちらかと言えば参加したい 38%

3 どちらでもない 7%

4 どちらかと言えば参加しない 0%

5 参加しない 0%

図 4-23 会場アンケート結果(質問5)

《意見交換の概要》

【質問①】既存の団体と新しい団体をつなげる際の摩擦が生じると思うが、その対応方法

を聞かせて下さい。

→「コミ継ぎ連中」がその緩衝役を担うと考えている。

(コーディネータから)「コミ継ぎ連中」は、地域のビジョン委員のようですね。

【質問②】コミ継ぎ学校と小学校が密接な関係にあると発表にあったが、誰でも集まれる

場として小学校を開放した場合、子ども達の安全性は確保できるのか?

→多くの目で子ども達を見る見守ることにより、犯罪を防止することができると

思う。

《井戸知事のコメント》

(人の結びつきのあり方をどう考えるか)

「コミ継ぎ」というのは面白いですね。しかも3月 11 日を記念日にしてしまえという宣

言までありましたから、みんながネットワークをどう作っていくか、結びつきをどうやっ

て作っていくかということをそれだけ考えているわけで、課題が浮き彫りになったと思い

ます。先ほどの家族のあり方をどう考えるのかということと合わせて、我々の結びつきの

あり方をどう考えるのかということについての提案だったと思います。

(3つの型のコミュニティを結びつけることが必要)

どんな結びつきが良いだろう。きっと、両方の結びつきでしょうね。両方じゃなくて3

つかもしれない。つまり、提案にある「目的型」、それから「支援型」と「コミュニティ型」。

それと「混在型」。きっと3つのタイプに分かれ、それぞれが必要だと思います。それぞれ

の必要性をどう結びつけていくかということが非常に難しい。

そこで、それを小学校でやってみたらどうかという提案だったと思うのですが、小学校

にみんなが集まるということだけで、うまくネットワーク化ができるかなという思いがし

ました。

(地域の人に愛され、地域の諸問題を解決していく学校づくりが重要)

今のように、小学校は授業が終わると電気が消えて、寂しい世界になっているというよ

質問5:あなたは、世代間のつながりを密接にする取り組みに参加したいですか?

参加したい55%

どちらかと言えば参加したい38%

参加しない0%

どちらかと言えば参加しない0%どちらでも

ない7%

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活動報告書- 77 -

りは、みんなが、地域の人が、学校が終わった後は集って使うとした方がよっぽど良いと

思います。それは大変良い提案であったと思います。「いつでも誰でも簡単に使えるような

場所・空間っていうのは危険なんじゃないか、安全を守れるのか」と言う質問に対して、

「たくさんの目で見守ることによって安全を確保していくっていうのが正しいんじゃない

か」と答えをくれた意見に、私は賛成します。私は大阪教育大学附属池田小学校の新しい

校舎、あれは要塞みたいな校舎になったのですが、要塞校舎で本当の意味で子ども達を守

れるかなと思います。物理的に守っているだけで、全然地域の人と切り離された小学校と

いうのはどういう小学校なんだろう。「コミ継ぎ学校」の発想とは全く逆の発想ですよね。

私は小学校というのは地域の中で地域の方々に愛されて、地域との結びつきの中で安全と

か、諸問題を解決していく、そういう本拠地にならなきゃいけないと思っていまして、非

常に良い回答で全面的に賛成します。

《会場アンケートの結果》

フリーディスカッションに先立ち、残ってい

る会場アンケートの結果発表。

設問「これからの地域の未来を切り拓いてい

くのは自分たちの役割だと思いますか?」

会場の意見

1 そう思う 70%

2 どちらかと言えばそう思う 24%

3 どちらでもない 3%

4 どちらかと言えばそう思わない 3%

5 そう思わない 0%

図 4-24 会場アンケート結果(質問6)

《フリーディスカッション》

【品田先生(フォーラム参加学生推薦者、神戸市外国語大学教授)】

・キーワードを持って発想していたのが非常に分かりやすかった。

・「コミ継ぎ」新しい発想だったと思う。一方で、「コミ継ぎ連中」みたいな人達は今も

いる。そのような人達の活動をもっと深く見つめて探ってゆけば、もっと話が深まっ

たのではないかと感じた。

・みんなよく頑張った。

【田端先生(フォーラム参加学生推薦者、兵庫大学助教授)】

・大学を越えて交流した取り組みであった。

・県が進める参画と協働の中で、大学としてどのような役割を担ってゆくのか一つのヒ

ントになった。

(コーディネータから)最初は、大学単位で活動をするものと思っていたが、アドバイザ

ー等との検討の中で、大学を混合して活動しようと言うことになった。みんなと連絡

を取ったり、場を設けたりすることが大変だったと思うが、その摺り合わせもこのフ

質問6:これからの地域の未来を切り拓いていくのは自分たちの役割だと思いますか?

そう思う70%

どちらかと言えばそう思う24%

そう思わない0%

どちらかと言えば

そう思わない3%どちら

でもない3%

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活動報告書- 78 -

ォーラムの成果だったと感じた。

【会場からの質問】

「コミ継ぎ学校」は、人と人をつなぐ場やよろず相談所等様々な機能を備えるという

提案であった。しかし、それだけの多機能を「小学校」に集中させるとパンクする可能

性があるのでは?

→「コミ継ぎ学校」は交流する「きっかけ」「媒介」であると考えている。全てのもの

を集中させるわけではないので、パンクしないと考えている。

また、地域の特性に合わした機能をコミ継ぎ学校は持てば良いと考えている。

(コーディネータから)「コミ継ぎ学校」は、コミ継ぎ連中や地域の方々が参加する。現在

のような行政だけ、学校だけでやるのではなくて、地域の人達がみんなでやる。い

わゆる「開かれた学校」だから、学校はパンクしない、と言うことだと考えました。

県が行っている「ひろば事業」や西播磨地域でで高谷先生がされていた「めだかの

たまりば」等がコミ継ぎ学校のような機能を担っていたのかなと思います。

「たまり場」とか「ひろば」とかが、今日出てきたキーワードである「つながり」

や「コミュニケーション」を具体的に展開して行くときに重要な意味を持ってくる

と思いました。

【大氏さん(しみじみちーむアドバイザー)】

(あぱるたチームへ)外国人労働者は移民として受け入れるのか、流動的な短期的な労働

者として受け入れるのか、考えを聞きたい。

→あぱるたで考えたのは、移民ではない。短期的に活用できる人材として受け入れ

る。

(新しい家族チームの感想)これからの人口減少社会における高齢者が多くなると言う人

口形態を考えた場合の新しい家族の形というものの考えがあれば良かったと思う。

(のび太と兵庫の未来チームの感想)農村救済のために大農村を考えていると思ったが、

人口減少社会では実は都市で問題が起こる。都市を救済するための農村と言う視点を

持てば面白かったと思う。

【井筒県民政策部長】

・大学生らしい勉強・発表になったと思う。

・私も最初は、大学単位で活動すると思っていたが、混合チームとして活動を行い、様々

な意見の相違などがある中で、ここまでまとめてくれたのは、感謝の気持ちでいっぱ

いです。

・みなさんが提案した解決策は、これから皆さんが地域に実際に入っていく中で解決が

できる。「コミ継ぎ」等はその最たるものだと思う。

・皆さんは、半年間検討を行ってきた。是非、次のステップとして、できれば友達とも

手をつないでいただいて、一緒に地域の中で実証的に活動するということを考えて欲

しい。

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第4章 活動報告会の記録

ひょうご大学生 forum2050

活動報告書- 79 -

(4) フォーラムのまとめ~岡田眞美子(兵庫県立大学人間環境学部教授)~

予定していた時間が、なくなってきたようです。

皆さんとの意見交換をつきないのですが、そろそ

ろまとめの時間に移ってみたいと思います。

ひょうご大学生フォーラム 2050、3回の熱いセ

ッションとフィールドワークを重ねてまいりまし

た。これは8月の第1回の模様です。その後、い

ろいろな順風漫歩とはいえない時期もございまし

たが、ともかく半年間本当に良くがんばって下さ

いました。

お世話になった皆さんのお写真を今日ちょっと撮ってみました。見にくいかもしれませ

ん。いろいろ県の方々にもここに記すことによって、私からもお礼を申し上げたいと思い

ます。

それで先ほどのポスターセッションの場面です。知事さんには見ていただけなかったん

ですが、非常に熱いやりとりが、すでに第1部で行われておりました。

今日出た中で知事さんは、「もう少し掘り下げたらもっと良くなるねっ」ていう意見を下

さいましたが、私が一番最初の時から見させていただいてまして、大変新鮮になったって

いう気がいたしました。

2005©Prof. Dr. OKADA Mamiko2004/02/16

33回の熱いセッションと回の熱いセッションと

フィールドワークフィールドワーク

2005©Prof. Dr. OKADA Mamiko2004/02/16

お世話になったみなさんお世話になったみなさん

2005©Prof. Dr. OKADA Mamiko2004/02/16

第第11部ポスター部ポスターセッションセッション

熱気溢れるやりとり熱気溢れるやりとり

ひょうご大学生フォーラムひょうご大学生フォーラム20502050 活動報告会活動報告会

2005.03.112005.03.11

兵庫県公館第兵庫県公館第11会議室会議室

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第4章 活動報告会の記録

ひょうご大学生 forum2050

活動報告書- 80 -

というのは、様々なところで新しい定義の

仕直し、仕切り直しっていうのが、いろんな

チームで行われました。その中から「P老」

とか「コレチャン」「コレクティブ家族」。コ

レクティブハウジングというのは今まであっ

たと思うんですけど、“コレクティブファミリ

ー”っていうのは、私は今回初めて聞きまし

た。

それから「大農村」という新しいキーワー

ドも生まれました。今日とっても人気だった

のが「コミ継ぎ学校」ですね。これはぜひ部

長さんにお願いして、地域ビジョンのどっか

で紹介して使っていただきたいなと思うよう

な言葉でした。「コミ継ぎ連中」っていう言葉

も知事さんが隣でいい言葉だねっておっしゃ

っていました。

それでその中で、やっぱりいつも出るんで

すが、“つながり”と“コミュニケーション”

が大事だね、その具体的なつなぎ方について

は、もう少しみんなで考えていく必要があるねっていうことでした。たまり場であるとか、

広場であるとかいう場を用意しましょうということで、コミ継ぎ学校なんかがその大きな

ヒントになるかなっていう気がいたしました。

これは一番初めの集会の時に皆さんに私が見せたスライドです。2050 年どうなるんだろ

うっていうのを考えようっていうのが今回のフォーラムでした。その時に「未来を予測す

る最も良い方法は、未来を創り出すことである。」2050 年どうなってんだろうなっていく

ら考えてもなかなか大変な問題でしたが、どうしたいんだろうなっていうことを考えて、

自分達で、そのしたい未来を作っちゃおうっていうことですね。これは井筒部長さんの方

からご紹介のあったデニスガボールというこの人の言葉でした。

今日その第一歩、未来を作り出す第一歩の

日であったと思います。先ほどの永菅さんの

“コミ継ぎ宣言”がありました。今日は 2050

年に向けて、みなさん若い方々が作り始める

第一歩になっていただければと考えました。

大変短いまとめではございましたが、2050

年のフォーラムのためのご参画、それから今

日のご参加、大変ありがとうございました。

心より皆さんにお礼申し上げましてコーディ

ネータのおしまいにしたいと思います。

2005©Prof. Dr. OKADA Mamiko2004/02/16

新しい提案新しい提案 +ありものも生かして+ありものも生かして

新しい定義新しい定義 より広い多様な概念より広い多様な概念

家族、仕事、生産年齢、農村家族、仕事、生産年齢、農村

PP老老、、コレクティヴ家族コレクティヴ家族、、大農村大農村

コレチャンコレチャン、、コミ継ぎ学校コミ継ぎ学校・・連中連中

つながりつながりととコミュニケーションコミュニケーション

「たまり場」、「広場」「たまり場」、「広場」

2005©Prof. Dr. OKADA Mamiko2004/02/16

さいごにさいごに

「未来を予測する「未来を予測する

最もよい方法は、最もよい方法は、

未来を創り出すこ未来を創り出すこ

とである」とである」

デニス・ガボーデニス・ガボー

ル(ル(19001900--19791979))

2005©Prof. Dr. OKADA Mamiko2004/02/16

知事さんからの激励のことば知事さんからの激励のことば

もうすこし掘り下げてーもうすこし掘り下げてー

具体的にどう作る?具体的にどう作る?

どう結び付けてゆくか?どう結び付けてゆくか?

たくさんの眼で見守ることに賛成たくさんの眼で見守ることに賛成

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第4章 活動報告会の記録

ひょうご大学生 forum2050

活動報告書- 81 -

(5) 井戸知事からの激励コメント

まずお礼を言いたいと思います。しかも、大学ごとではなく、みんながチームを作って、

テーマごとに研究をしてもらって、こういう発表作品にまで結びつけていただいたことは、

大変素晴らしい成果だったと思います。やはりメール世代だからできたのかなという思い

もしております。きっと随分メールでやり取りをしてくれたんではないかと思います。

ひとつは、みなさんキャッチ世代だと思いました。キャッチの言葉、コピーですね、コ

ピーとかキャッチの言葉として、うまくキーワードを見つけ出して、それから論理を構成

してる手法を使ってると思いました。

もうひとつは、非常に楽観主義者だと感じました。これは良いことです。自分達の未来

を明るいものとして予測しない、あるいは作ろうとしない、というのは敗北主義ですから、

楽観主義というのは、私はとても良い行動パターンだということで、激励を送りたいと思

います。

あわせまして、ビジョンにとりましても、兵庫県の50年先ということを見た時に、託

するに足りる若い世代の諸君がいるというので、私はとても安心いたしました。ありがと

うございました。

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第5章 おわりに

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活動報告書- 82 -

第5章 おわりに

1 ひょうご大学生フォーラムを通して見えてきた人口減少社会を考えるキーワード

このフォーラムでは、これからの社会を担う若者が、人口減少社会をテーマに将来の生

活や社会のあり方等を考えることが主な目的であった。

ここでは、グループ活動の成果報告を通して見えてきた人口減少社会を考える上でのキ

ーワードを抽出し、人口減少社会における若者の着眼点として整理する。

(1) 外国人労働者との共生について―介護労働者の側面から―

a)生産年齢人口の不足を外国人労働者で補う

・少子高齢化の進行により、介護を必要とする高齢者が増えるが、一方で、介護を担

う人が不足することが予想される。この人数不足を解決する方法として、日本人の

介護労働への参加の促進、外国人労働者の導入などが挙げられている。

b)外国人に対する偏見

・「介護の質が落ちるから」「制度が整えば…」「予算がないから…」と自ら問題点に対

する積極策をとろうとしているような印象は、あまり受けなかった。

・外国人労働者の介護現場への導入に伴い予想される問題点

①文化・価値観の違い

②言語・コミュニケーション能力の不足

③受け入れ体制(予算など)が不十分

c)異文化との共生の必要性

・私たちが実際に介護を受ける立場になったとき、外国人介護士から介護を受けるこ

とも十分考えられる。

・私たちが偏見を持ったまま外国人介護士のサービスを受けることになると、サービ

ス供給者、サービス受給者の両者が不安になる。

・異文化・外国人が「特別な」存在ではなくなるようにすることが必要

(2)生きがいと雇用と高齢者~人口減少社会をぽじてぃぶにとらえよう~

a)多様化する高齢者の価値観・生活様式

・前期高齢者(74 歳まで)の大半は健康に生活を送ることができ、実際に仕事につきた

いと考えている者もいる。その一方で、地域社会に帰属し活動する者、個人的に余

暇を楽しむ者などもいる。

b)新しい高齢者像の必要性

・65歳以上の者を「高齢者」という一つのカテゴリーで認識すること、また高齢者は

社会的に庇護されるべき対象であるという認識を変えていくことが、今後の社会で

は必要になる。

・既存の高齢者というくくり方では、現在の高齢者の実情を正確に反映していない。

・従来の高齢者像とはまったく別認識の「P老」という高齢者像を創り出した。

「P」とは、Powerful(力強く),

Positive(積極的で向上心があり),

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第5章 おわりに

ひょうご大学生 forum2050

活動報告書- 83 -

Professional(人生のプロとして),

Pinpin(ぴんぴんして)生活する高齢者のことである。

「老」とは、中国の賢者の「老子」からとったもので、

「老い、しぼんでゆく」というイメージではなく、

「老い、より豊かになっていく」というイメージをつけた。

c)高齢者が生き方を自由に選択できる社会の実現

・従来の考え方を見直せば、まったく新しい「高齢者」に対する概念が形成される。

その結果社会の構造もそれに従い変化していくと考えられる。

・高齢者が、社会参加する場・生活基盤を得る場としての柔軟な就労システムの提案・

確立。

・高齢者への情報提供・発信の場のあり方

(3)新しい家族のかたちを求めて

a)家族は「形」より「質」が重要

・今後、家族は「質」(精神的なつながり)が重要となっていき、またそれにともなっ

た「形」としての制度の改革が必要となってくる。

・婚姻していないカップルへの保障が必要。

・同性婚の承認が必要。

・戸籍の個人登録

・夫婦別姓の承認

b)擬似大家族の社会的認知

・恋愛関係ではない二人以上のグループが家族と同等に扱われる「パートナー家族」

が必要。

・コレクティブハウス(私生活の領域とは別に共用空間を設け,食事・育児などを共

にすることを可能にした集合住宅)の発展が必要。

c)多様化する家族

・様々な形態、ライフスタイルを自由に「選択」できるということが重要である。

・自分自身の意思や感情にあった家族制度があるかということが重要である。

(4)人と人のつながりを考える~大農村の実現に向けて~

a)人と人は関わりあってこそ、楽しい生活が送れる

・人と人は関わりあってこそ、楽しい生活が送れるということ。

・人間の関わりがない社会は、面白みのない社会である。

b)都会は「タテ社会」、農村は「ヨコ社会」

・人間関係について、都会は「タテ社会」、農村は「ヨコ社会」。

・各々よいところがある。

c)「明るい大農村」の実現

・「明るい大農村」とは従来の農村とはまた違ったものである。現在の農村にあるよう

な問題は解決されるという考えではなく、これから作られるものが「明るい大農村」

の概念である。

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ひょうご大学生 forum2050

活動報告書- 84 -

(5)各世代をどうつないでいくか~和(輪)の広がり・コミ継ぎの創造~

a)地域型コミュニティは、生きていくための命のつながり

・集落の生活を維持するための、共同作業が存在した。

・村から村へと生き倒れた人を故郷まで運ぶ「村継ぎ」というものがあった。

・地域の人自身が活動し行動することが大切である。

b)共通な目的で人々は集まる

・ニュータウン(現在の新しく生まれたまち)には、地域の伝統や昔からのつながり

はない。共通な目的で人々は集まる→目的型コミュニティ。

・人々はまだ地域でのつながりを求めている。共通項が必要。

・受益者負担が原則、自分たちが喜んで活動すれば、人は集う。

・高砂の地域のつながりは「祭り」が中心となっている。

・NPO は「テーマコミュニティ」、自治会は「エリアコミュニティ」である。従来テー

マコミュニティは行政が行っていた。人は地域別だけではなく、目的別で集まるよ

うになってきている。そこには喜びがあり、必要に応じて時代とともに変わる。

・組織がつながりを生むのではなく、その組織に参加する住民がそれぞれつながり、

交流を図りながら新たなつながりを生み出している。ひとつのキーワードは「祭り」

であり、「命(安心・安全)」であり、「喜び・楽しみ」である。人々は共通項でつな

がり、生活を豊かにしていく。

c)ゆるやかなつながり

・強制しないつながり→生活の一部としてつながりを「自然」にできる方法が必要な

のでは。教育のシステムの中に入れる感じで。

・つながりが減ったのではなく、つながりの形が変わってきたのでは。

・これからの時代は、喜びと生命の安全など、多様なニーズに対応できる形。

・参加する一人一人に選択する状況を与える。その一人一人に合った形に対応できれ

ば。お互いに認め合って、挨拶ができる。

2 ひょうご大学生フォーラム 2050 の運営を通して

前述のグループ活動の成果報告を通してだけでなく、フォーラムの運営を通して、現在

の若者像が見られた。

(1) 忙しい若者

学生達は、非常に忙しい毎日を過ごしている。

学業はもちろんのこと、サークル活動にアルバイト等。それも、昼間だけでなく、深夜

に至るまでスケジュールがぎっしり詰まっているようであった。

結果として、このフォーラムの重要な活動であるグループ討議は、現実に顔を付き合わ

せたものではなく、時間的・空間的な制約を小さくすることができるインターネット上で

のEメール、ML(メーリングリスト)やチャットを活用したものが多くなった。

(2) IT化するディスカッションと face to face のディスカッション

学生達は、インターネットを巧みに活用し、インターネット上のディスカッションを進

めていった。当初は、MLによる意見交換や情報の共有化を行う程度の活用であると想定

していた。しかし、各グループとも、「インターネット会議」いわゆる「チャット」により、

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第5章 おわりに

ひょうご大学生 forum2050

活動報告書- 85 -

フィールドワークの日程調整はもちろんのこと、テーマの本質を考える議論までも、複数

人数によるチャットの活用により実施していったのである。ITの活用による現実と仮想

の融合を目の当たりにした想いがした。

一方で、本質の議論においては、顔の見える face to face のディスカッションの重要性・

有効性を肌で感じたようであった。

(3) 自分自身に当てはめて考えることは苦手

フォーラムの半ば、学生達は、文献調査、インターネットによる調査、そしてフィール

ドワーク等を実施し、各テーマに関して非常に美しいレポートを仕上げる様相であった。

しかし、人口減少社会を考えることは、将来の自分自身の生活を考えることになる。

学生達は、調査し、討議してきた結果を自分自身に当てはめ、もう一度考えてみること

は、未経験であった。

このフォーラムに参加した学生達は、コーディネータ、アドバイザーの的確な助言によ

り、その重要性を感じ、最終的には、自分自身の考えを、自分自身の言葉で発表すること

につながった。

(4) 達成した喜び

下の写真の笑顔でわかるように、フォーラムに参加した学生達は、この活動を通して、

やり遂げる喜びを感じたようである。

この喜びを胸に、次のステップへと進み、人口減少社会を乗り切る原動力となってくれ

ることを期待する。

図 5-1 活動報告会終了後の記念写真

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第Ⅱ部 ひょうご大学生フォーラムに参加して

ひょうご大学生 forum2050

活動報告書- 86 -

第Ⅱ部 ひょうご大学生フォーラムに参加して

【参加学生】

宮下 唯(あぱるたチーム、神戸市外国語大学)

このフォーラムには軽い気持ちで参加したのですが、活動を通じて得

られたことはたくさんありました。自分のチームの活動で様々なことが

学べたこと、他のチームが調査・発表してくれた問題について勉強にな

ったこと、プレゼンの緊張感を味わえたこともそうです。でも、その中

でもこれからの人生で大きな糧になるであろう経験は、他の大学に所属

するメンバーと協力して一つの問題に取り組めたことです。大学生にも

なるとそれぞれが異なるライフスタイルを持っていて、スケジュールを合わせるのも難し

いのに、考え方や結論などまとめられるのだろうかと不安に思ったりもしました。でも、

それぞれが共通の目的を持っていたということで、結局全てが解決されたように思います。

このことがあぱるたチームの「外国人と日本人は共生できる」という主張にもつながって

いるのかなぁと今は思っています。

前田陽平(のび太とひょうごの未来チーム、神戸市外国語大学)

※お忙しいため、コメントを頂くことができませんでした。

(事務局より)

ポスターセッションでは、多くの一般参加者と意見交換をされていま

した。また、口頭プレゼンテーションの時には、会場からの質問に対し

て、活動成果を踏まえた的確の回答をしていただきました。

ありがとうございました。

菅原香苗(サザエさんチーム、神戸市外国語大学)

全体を通しての感想は、“本当に大変だった・・・、でも本当に参加して

よかった”です。

約半年間の活動の中で、たくさんの発見がありました。コミュニティ

や江戸時代などなど、多くについて深く知ることができました。そして

何よりも、自分自身を知ることができました。夏の頃は自分の意見を言

うことさえもままならぬ感じで、こんな私がリーダーになってしまっ

た・・・と内心かなり焦っていました。でも活動をしていくうちに、自分の価値観や考えがは

っきりと見えてきましたし、自分の意見を言葉で表せるようにもなったと思います(以前

よりは)。これはフォーラムで知り合い、関ることのできた全てのみなさんのお陰だと感じ

ています。私にとって尊敬できる人ばかりです。みなさんありがとうございました!

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第Ⅱ部 ひょうご大学生フォーラムに参加して

ひょうご大学生 forum2050

活動報告書- 87 -

金田望美(あぱるたチーム、神戸市外国語大学)

「普通の大学生活では体験できないようなことをしてみたい」との思

いでこのフォーラムに参加しました。他大学の学生、老人ホーム施設

長、介護士、アドバイザー、県庁の方々、いろいろ人々に出会い刺激

を受けました。もとは、人との共同作業が好きな方ではありませんで

したが(フォーラムは、ただ会議に参加するだけだと思っていました)、

人とのつながりって大事だな、と心から感じることができました。行

事やアルバイトが重なり、なかなか集合できず、発表のかたちにもっていくことができる

か不安な時期もありました。他大学でグループを作ることは、やりがいがあるぶんだけ、

とても大変でした。パソコンなしでは成り立たなかった気がします。フォーラムは終わり

ましたが、FTAや外国人労働者、あぱるたの文字を見ると胸騒ぎがします。最後に,ス

タッフやアドバイザーの方々を含め、皆さんと同じ時間を共有できて本当によかったと思

っています。また出会う日までさようなら。再見!

甲斐田勝俊(しみじみちーむ、関西学院大学)

私はこのフォーラムを通じて一番印象に残ったことは総合政策を実感

し、実践できたことです。様々な大学、学部の方が同席し意見を交わし

ていく中で、私には予期しない切り口が出てくることが多々ありました。

そういった様々な意見、視点をどうまとめていくのかに困惑した時期が

ありましたが、そうしたバックグラウンドの中で議論を進めることは、

私にとって新鮮かつ刺激的であったと感じています。

しかし他大学同士で議論を進めることは、ICT を持ってしても時・空間的に無理があり

ました。しかし限られた時間の中で一つの形にまとめることができたのはアドバイザーさ

んや、県庁の方の協力のお陰であると思っています。このような貴重な機会をつくって頂

き本当に有難うございました。

近藤 梢(しみじみちーむ、関西学院大学)

1度目の交流会の前、2050 年のことを考える、というのは非常に遠い

将来の話をするような気がしていましたが、そうではありませんでした。

それは、必ず私たちが到達するであろう時代で、現在の社会を考えるよ

うに、将来の社会も考えるということが当たり前であるべきだと思いま

した。3月の最終発表で、このフォーラムは終わり、達成したように感

じましたが、今ここで考えることをやめてしまっては意味がなくて、そ

の人口減少社会が来る前に、これからもより多くの知識をつけ、フォーラムで最終的に出

てきたような新しい提案をもっと考え続けていきたいと思いました。特に今回は、それら

を考えるにあたって、自分とは違うものを学んでいる学生さんたちと話せたのが貴重でし

た。ポイントとして取り上げる部分も方法論も違い、とても興味深かったです。

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第Ⅱ部 ひょうご大学生フォーラムに参加して

ひょうご大学生 forum2050

活動報告書- 88 -

立川絵美(サザエさんチーム、関西学院大学)

このフォーラムに参加したことは、大学生活においても有数の素晴

らしい経験となったと思います。他大学の学生とのグループワークに

おいて、他の学問分野を勉強している学生の新鮮な意見や考え方に非

常に触発されました。また、グループで活動をすることで、協調する

ことの大切さ・重要性を再認識させられました。協調しながらも自分

の意見を適切に述べ、表明することは、困難なことながら重要なこと

であるとも感じました。そのようなグループワークの経験から得たものはもちろんのこと

ながら多くあり、それらをこれからの自分の生活、研究に活かしていけるよう努力をして

いきたいと思います。最後に、このフォーラムへの参加を勧めてくださった渡部律子教授、

そしてアドバイザーの吉田さんを含めグループのメンバーの皆、そして県庁の宮永さんに

感謝の意を表したいと思います。

小脇紀和(あぱるたチーム、関西学院大学)

このフォーラムを通して多くの人と知り合えたことが一番大きな収

穫だったのではないかと思う。インタビューがきっかけで、施設の方

から施設でのボランティアに誘われ、週 1回程度お邪魔している。こ

こで、人生の大先輩であるおじいちゃんおばあちゃん達と出会い、一

緒に食事やお茶をしながら、いろいろな話を聞かせてもらった。また、

一緒に苦しみ、悩んだ同じグループの友達。大学も住んでいるところ

も違うので、集まるのが大変でチャット会議では脱線することも多々あった(笑)が、今ま

でとは違った観点から意見を聞くことができ、貴重な経験になった。この場で、フォーラ

ムを通して出会った人たちに感謝の意を表したい。どうもありがとうございました。そし

て、2050 年は・・・私たちがなんとかしているはずです!

西川貴史(あぱるたチーム、関西学院大学)

ひょうご大学生フォーラムに参加した当初は全然参加できてなかっ

たが、12月頃から次第に参加できるようになった。ちゃんと参加でき

るか心配だったが、チーム自体もそれほど進んでいなかったので、わ

りとすんなり入れた。チームの進度は、中間報告までは「まあなんと

かなるんじゃない?」と、チーム全体が楽観的なままだった。中間報

告会のあと、「このままじゃヤバい!」という危機感から毎日ようにチ

ャットミーティングを行い、最終発表会にまでなんとかありつけた。このフォーラムに参

加して、最初の方はあまり前向きではなく、少し嫌だと思っていた。しかし、今まで行っ

たことがなかった老人ホームや県庁に行けたこと、話したことのなかった県職員や他大学

の人と出会えたことなどが経験できた。4月からは大学最後の年で、その前に、もっと言

えば社会に出る前にこのような経験をできたことは自分にとって、月並みだが、有意義だ

った。このような機会を与えてくれた県職員、先生方に感謝したいと思う。

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ひょうご大学生 forum2050

活動報告書- 89 -

高木渉(サザエさんチーム、関西福祉大学)

第1回の交流会から最終報告会までの半年間、他大学の学生やアドバ

イザーの方と一緒に報告会に向け活動していくなかで、私が当初この大

学生フォーラムに期待していた以上のものや刺激を得ることができたと

思います。また、今回の報告会が1日限りのイベントで終わるのではな

く、同世代の若者が中心に将来に向けて、自分たちが望む未来を切り開

いていくスタートとして継続できればと考えるようになりました。

私たちサザエさんチームは、「人と人とのつながり」をテーマに活動を取り組んでいまし

た。

3月 11 日の最終報告会の発表は、フォーラム関係者を初めたくさんの方々のご協力や頑張

りに支えられていたもので、人と人とのつながりそのものだったのではないでしょうか。

池内美緒(しみじみちーむ、関西福祉大学)

※お忙しいため、コメントを頂くことができませんでした。

(事務局より)

活動報告会では、受付を担当していただき、一般参加者に対するス

マートな対応には脱帽の想いでした。

また、口頭プレゼンテーションでは、活発に質問をしていただき、

フォーラムの議論を活性化して下さいました。

ありがとうございました。

壺阪千尋(FREP、関西福祉大学)

長いようで終わってみればとても短い半年間でした。かなりのんび

りしていたうちのグループは、本格的に動き出したのは 12 月からだっ

たと思います。

こんな私たちも1月から追い込みをかけなんとか発表にこぎつけま

した。夜遅くまでかかって調べたことをまとめ、前日には劇の練習も

がんばりました。違う大学・違う学年の人と意見を交わすことで、考

え方の違いによる驚きや視点の違いも発見できました。また、当日では司会も勤めさせて

いただき、自分の自信にもつながりました。発表もうまく行き、無事終えることが出来て

ほっとしています。

最後になりましたが、アドバイザーの安保さん、宮永さん、FREP チームのメンバーにお礼

を言いたいと思います。ありがとうございました。

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ひょうご大学生 forum2050

活動報告書- 90 -

狭間博基(のび太とひょうごの未来チーム、関西福祉大学)

2050 年というまだ先の見えないことを予測するというのははっきり

いって、難しいことだらけでした。特に、私の場合、グループの代表に

なり、まずあまりまとめるという力が不足していた部分もあったのです

が、他の優秀なメンバーが補ってくれて素晴らしい発表まで結びつける

ことができたと思います。当初は、計画も練っておらず、いったいどう

なってしまうのか誰もが行く先のわからない不透明な状態が続いていま

したが、「明るい大農村」というキーワードにより、少しずつ進歩していき

ました。今後は大農村の実現にむけてもやってみたいです。

県の畑さん、宮永さんをはじめ、アドバイザーの和崎さん、そして私の拙い ML に応答して

くださりました皆さま、本当にお疲れ様でした。また、こういったプロジェクトに参加し

てみたいと考えています。

西村知恵(のび太とひょうごの未来チーム、関西福祉大学)

2050 年フォーラムって何?という疑問から始まりました。私にできる

の?間違ってる?私でよかったの?と、不安だらけで始めたフォーラム

で、自分がどれだけ成長できるのかというテーマにして、一年間過ごし

ていこうと考え、様々なことに取り組んできました。しかし、知識の未

熟な私がそんな考えで参加してしまったことで色々迷惑をかけてしまっ

たかもしれません。しかし、周りの協力なしでは今の私はありませんで

した。おかげで、自分の今までになかった知識を得て、今までに興味のなかったことに興

味をもつことができました。今までのマイナス思考を切り替え少しはプラス思考に考える

ことができ、このことを生かし、より新しい考えを持ち、様々なことに挑戦したいと思え

るようになりました。これに参加できてよかったです。ありがとうございました。

斉藤省吾(FREP、兵庫大学)

初めて集まった時、来ているメンバーをみた瞬間正直やっていけるん

かなぁ~とか思ったのを覚えています。しかし進むにつれて少しずつで

はありましたが中に入っていくことができました。意見の衝突など何回

もありましたが今ではいい経験になっています。最後の方では就活が忙

しくなってしまいあまり参加することができなかったのが残念でしたが

本番では発表することができ今までやってきたんだなぁ~と感じた瞬間

でした。そしてこの発表ができたのは何よりも倉田くんや壺阪さん、そして宮永さんのお

かげだと思っています。誰しもが経験できない事を経験できたことが何よりの経験です。

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ひょうご大学生 forum2050

活動報告書- 91 -

佐野宏昭(FREP、兵庫大学)

私はフォーラムに参加させて頂いて、他校の方とふれあえた事や学業

とは違った事を学べて良かったと思います。最後の発表には参加は出来

ませんでしたが、とてもいい経験になったし、これからの人生の中でこ

の経験は絶対に活かせるはずだと私は思います。でも私がこのメンバー

の中で参加する回数も少なかったし、一番足を引っ張っていた事は自分

でもわかっていたので、ほかのメンバーの方達には本当に申し訳ないと

思っています。

丸尾美和子(しみじみちーむ、兵庫大学)

3回の全体交流会と約 10 回のグループ会議。全員『兵庫県の大学生』

しかし、大学も違えば専攻分野も学年も違う。そんな仲間と一つのテー

マについてグループを組み各々の視点から考えを持ち寄り形にする…専

攻が違うからこそ様々な見解があり、そこから多くのことを学ばせて頂

きました。最後になりましたが、大学生フォーラムでお世話になった 皆

様に感謝致します。有難うございました。

黒田寛子(しみじみちーむ、兵庫大学)

『兵庫大学の黒田寛子です。本日は就職先の新人研修で参加できなく

て申し訳ありません。しみじみチームとして一緒に活動に参加し、貴

重な体験をさせて頂きました。一緒に発表の場にいれないことが大変

残念ですが、しみじみチームが大成功されることを、お祈りしていま

す。名前は『しみじみ』ですが、行動と笑顔はピカイチです!がんば

れ!!』 ※活動報告会への応援メールから転記

河田佳子(FREP、兵庫大学)

※お忙しいため、コメントを頂くことができませんでした。

(事務局より)

ロールプレイによる発表は、主演女優賞ものでした。

工夫に富んだわかりやすいプレゼンテーションで、会場の視線は釘

付けでした。

ありがとうございました。

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ひょうご大学生 forum2050

活動報告書- 92 -

川村杏子(しみじみちーむ、兵庫県立大学)

私たち「しみじみチーム」は、2050 年の高齢者雇用について考えた。

最初は 2050 年の兵庫の未来をどう予測していいのかわけも分からず、

どこから手をつけていいのか困っていた。しかし、班に分かれ、ミー

ティングを重ねるたびに、アドバイザーの方のご意見や班のメンバー

のアイデアで、私たちの考える 2050 年の兵庫の未来は形ができていっ

た。それと同時にこれまで考えたこともなかった 2050 年にちょうど

65歳になる自分の事を考えてみた。私は健康で人生に目標を持ちそれ

にむかって努力し続けているだろうか。そんなときに私たちの班は「P老」という高齢者

像をうちたてた。「P老」とは長生きで元気な能力のある高齢者のことである。私は 2050

年に「P老」になっていたい。そのためにも今から健康を考え、目標を持って生活を送る

ことが大切だと思った。

倉田浩司(FREP、兵庫県立大学)

僕は、最初このフォーラムに参加することにはあまり積極的ではあ

りませんでした。さらに、僕達のグループは、はじめの頃全くまとま

りがなく、作業の進行は1,2を争う遅さとなっていました。でも、

発表の日が迫るにつれてまとまりだし、また、せっかくやるのだから、

よりいいものを作りたいという欲も出て、最後の二ヶ月で一気に完成

までもっていった感じでした。

このフォーラムの作業は非常に大変でしたが、それをやり終えることにより、大きな自

信となりました。個人的には、僕達の発表で演じたドラマがなかなか好評だったのと、打

ち上げで万歳の音頭をとらせて頂いたのが嬉しかったです。また、グループのメンバーや

アドバイザーの安保さん、そして、僕達のグループは特にお世話になったと思われる宮永

さん達とのかけがえのない出逢いというものもあり、このフォーラムのことは、忘れるこ

との出来ない一生の思い出になったと思います。

最後に、このフォーラムでお世話になった全ての人にお礼を言わせて頂きたいと思います。

本当に、ありがとうございました。

中川佐智子(あぱるたチーム、兵庫県立大学)

今回この大学生フォーラムに参加してみて感じたことは、大変なこ

とも多くあったけれど参加して本当によかったということです。今ま

で私はこのような企画に参加したことがなくて、他の大学のメンバー

とメールやチャットでやり取りをしたりすることはとても新鮮でした。

しかし、やはり初めてなためうまくいかないことは多々ありました。

調べていくなかで一番難しいなと感じたことは、インタビューをする

ことです。今まで本格的なインタビューをしたことがなくて、聞きたいことを説明して聞

くという一見簡単そうなことも難しく相手の人にとても困らせてしまったと後で反省した

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第Ⅱ部 ひょうご大学生フォーラムに参加して

ひょうご大学生 forum2050

活動報告書- 93 -

こともありました。でもそれも今思えば良い経験だったと思います。あともう 1つ、あぱ

るたチームとして最後の追い込みの2月、3月に私は車の教習合宿に行っていたのでみん

なと一緒に追い込みをすることがあまりできなかったことが残念だったと思いました。

けれど、大学生になって恥ずかしながら新聞を読むことをあまりしていなかった私が、外

国人労働者についての記事を読んだり調べたりして、あぱるたのメンバーと一緒に発表出

来たことはよかったと思います。途中つまずいたりしたこともあって大変だったこともあ

ったけど、このような企画に参加できたこと、またこのフォーラムを紹介してくださった

先生や県庁の皆さんに感謝しています。ありがとうございました。

永菅裕一(サザエさんチーム、兵庫県立大学)

僕は大学生フォーラムに参加して、非常に多くの人と出会い、多くの

ことが学べ、とてもよい経験になったと思います。夢会議のことを知り、

他にも非常に多くの人が活動されていることを知りました。岡田先生や

宮永さんには、多くのアドバイスを頂き、非常に勉強になりました。あ

りがとうございます。さらに、リーダーとしてがんばってくれた菅原さ

んを始め、立川さん、高木さん、藤原君、非常に熱心に指導していただ

いたアドバイザーの吉田さん本当にありがとうございました。大学生フォーラムはこれで

終わりましたが、僕たちが、今から、世代間交流や和(輪)を広げ、新たに創造したコミ

継ぎやコミ継ぎ学校を広げて、さまざまに活動していくことが重要であると考えます。つ

まり、今からが新たなる始まりです。これからもさまざまな活動に対して努力し、1日1

日を大切にして、自分たちで良い未来を切り開いていこうと考えます。

藤原晴美(のび太とひょうごの未来チーム、兵庫県立大学)

「2050 年を考える」という目的を持って半年間グループ活動を行う中

で、兵庫県の中にたくさんの素敵な人がいることを知りました。私たち

のグループは人のつながりについて考えてきたのですが、このフォーラ

ムに参加するまでは 50 年後の将来まで考えたことがありませんでした。

しかし、活動の中でメンバーとの意見交換や新しく出会った方から意見

を聞く機会をいただき、当初曖昧だった 2050 年像が自分の中で形を持ち

始めました。2050 年に一人一人の居場所があって欲しいということが今の思いです。活動

の中でうまく行かないことや、出来なかったこともたくさんあります。でも、いろいろな

方に支えていただいて、活動を続けることが出来ました。『これが終わりではなく、始まり

です』という言葉をこれからの宿題にしたいと思います。本当にありがとうございました。

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第Ⅱ部 ひょうご大学生フォーラムに参加して

ひょうご大学生 forum2050

活動報告書- 94 -

松田京子(あぱるたチーム、兵庫県立大学)

他校の学生と真剣に話し合えたことや、一つのテーマにこれだけ細

かく取り組んだこと、また県庁の方々と接すことができたことなど、

参加してよかったと思うことがたくさんありました。発表の直前に、

ほぼ毎晩遅くまでチャットをしたり、とてもせわしなかったのですが、

発表が終わった今、無事に終わって良かったと思う一方で、緊迫感が

無くなって、寂寥感を覚えてしまいました。

しかし、今回の取り組みの中で感じた自分に足りないところや直すべきところなど、いろ

いろ課題ができたので、大学生フォーラムが終わってもすべきことがたくさんあります・・・。

メンバーの皆さんをはじめ、アドバイザーの皆さん、県庁の皆さん本当にお世話になりま

した。貴重な時間を提供していただいてどうもありがとうございました。

義積のり子(しみじみちーむ、兵庫県立大学)

私はこのフォーラムに参加して人口減少社会のことを初めて考えま

した。人口減少社会はいかにしてプラスへもっていくかが大事なのだ

と感じました。そして私自身、まだまだ知識が足りないことも感じま

した。

しかしこのフォーラムでたくさんのことを知りました。それは人口

減少社会に関することだけではありません。異なる大学の人と班を組

み、一つのテーマに向かってまとめていくなかでの議論はとてもおもしろかったし、勉強

になりました。アドバイザーの方のお話をきくと社会の中の仕組みのようなことも知るこ

とが出来、大変興味深かったです。また人の意見を聞く中で自分自身の考えも持つことが

出来ました。なかなか意見がまとまらず苦労もしましたが、完成したときの喜びは班のみ

んなにしか分からない思い出となりました。フォーラムに参加したことでこれからも人の

意見を聞いたり、勉強を重ね、自分なりの考えをもって生活していこうと思いました。班

のみなさん、アドバイザーさん、県庁の方々、本当によい経験をさせていただきありがと

うございました。

藤原敬志(サザエさんチーム、兵庫県立大学)

今回、大学生フォーラム 2050 を終えて、他大学の方と半年間、1つの

テーマを共に研究する活動の中で、多くの人に出会い、多くの事を学べ、

大学生として、この上ない貴重な体験を行えたと嬉しく思うと同時に、

バックアップして下さった県庁の方々、きっかけを与えて下さった岡田

先生、貴重な意見を下さったアドバイザーの方々、そして参加者の大学

生の方に感謝の意を述べさせて頂きたいと思います。そして、就職活動

があるにも関わらず、しっかりと「サザエさんチーム」をまとめてくれたリーダーの菅原

さん、卒業を間近に控え、研修で忙しい中、赤穂から神戸までミーティングに参加してく

れた高木さん、大学院の試験があるにも関わらず、積極的な意見と活動をしてくれた立川

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第Ⅱ部 ひょうご大学生フォーラムに参加して

ひょうご大学生 forum2050

活動報告書- 95 -

さん、いつも用意周到でチームの士気を盛り上げてくれた永菅さん、仕事で忙しく、わず

かな時間でも来て、毎回方向修正をして下さったアドバイザー吉田さん、本当にありがと

うございました。このサザエさんチームはホントに素晴らしいチームだと誇りに思います。

「サザエさんチーム」は永久不滅です!!

山岸武博(のび太とひょうごの未来チーム、兵庫県立大学)

※お忙しいため、コメントをいただくことができませんでした。

(事務局より)

原田の森ギャラリーで行った第2回交流会では、活動テーマを抽出す

るためのディスカッションにおいて、若者らしい視点で他のメンバーを

リードしてくれました。

ありがとうございました。

【アドバイザー】

和崎 宏

(のび太とひょうごの未来チーム、中播磨地域ビジョン委員(元委員長))

「大学生に2050年のビジョンを」を聞いたとき、専門家でも予想で

きない未来ついて、素人かつ知識のない大学生にどこまでできるのだろう

かと最初は不安であったが、それが杞憂であると気づくまでにさほど時間

は必要ではなかった。

県内の大学から推薦された学生達は、未来予測を特別に勉強しているので

はない、ごく普通の大学生。彼ら自身がそれぞれの興味を持ち寄り、様々な大学の学生が

入り交じったグループの中で、真剣かつ前向きな議論で課題を絞りこんだワークショ

ップでの姿は、若者の発想と可能性を予見させるものであった。

現代の若者は多忙である。しかし彼らは、メーリングリストやチャットなど、インターネ

ットによるICTツールを上手に使って、時間と空間を共有することを実現し、短期間の

協働作業において大きな成果をあげた。

学生にとっては良い経験であったろうが、関わった私たちにとっても多くの学びがあった。

安保まりか

(FREP、長期ビジョン推進委員会(元公募委員))

去年の夏、県庁の宮永さんという方から電話でアドバイザーを依頼さ

れて半年あまり。

ある意味、このフォーラムに参加したのは、私の何年分かの思いを実現

したものだった。

私は、3年前に長期ビジョンの会議で大学生を活用したビジョン作り

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第Ⅱ部 ひょうご大学生フォーラムに参加して

ひょうご大学生 forum2050

活動報告書- 96 -

を何回も強調した事からもわかるように、若い人を、特に20代の人が参画できる社会作

りをするお手伝いをしたいと思っている。

そのように思っている私にとって、私のチームの学生さんたちが提案したことは、結婚

を控えているせいもあってか、多くの問いを投げかけるもので、結婚制度のあり方、子育

てなど、私らしい家族の形とは何かをすごく考えさせられた。

また、最初はなかなかまとまらなかったチームも、発表前になると自主的に集まり、自

分たちの提案をまとめ上げていく姿は、やはり、大学生が大学生たる所以を見た気がして、

今まで自分が大学生を活用した社会参画と言うことを主張していたことが、決して間違っ

ていなかったと確信を持った。

このフォーラムでは、私はアドバイザーでありながら、学生さんに教えてもらうことば

かりで、きちんと役割を果たせたかは疑問であるが、チームのおもしろい発表は私の成果

でもあると思わせてもらうことにしよう。

大氏正嗣(しみじみちーむ、神戸地域ビジョン委員)

当初は、大学生にどれだけの着眼と発想を期待できるのかは、期待と

不安が入り交じったものだった。

確かに、人口減少社会という認知の低いテーマに対して、最初から十

分な知識と仮題設定を求めることは難しい。しかし、少しずつ議論を進

めていく中で、自分たちで関連資料を集めていくこと、自分たちでキー

ワードを設定していくことなど、発想を広げる方向にシフトできたこと

は非常に好ましいことだった。

従来、社会問題に対して若い世代の関心が薄いことが問題とされている。これは、時間

的制約やこれまでの体験が大きく左右しているのではないかと考えている。平日に行われ

る住民参加や参加した時には既に主要ポストを占められていて、自分の余地が見いだせな

い集まりなど、自分に当てはめても思い当たることは比較的多い。

ただ、近年周辺国との摩擦を通じて、社会に発言しようとしている若い世代もネットを

通じて増えてきたことも事実であろう。そこには問題も2点ある。一つはネットという匿

名性の中での発言であること、そしてもう一つはネガティブな感情的な反応が行動に結び

ついていることである。

しかし、それであっても若い世代が社会に関心を持ち、自らの考え方を表明するという

機会は重要ではないかと思う。既存の仕組みがその有効性を徐々に(しかもかなり)失い

つつある現在、その仕組みを新たに変えていくことができるのは変化に対応できる若い世

代であることは間違いないだろう。

今回の取り組みは、社会的な動きとしては大きなインパクトを持たないかもしれない。

しかし、参加した大学生達の心には少なからず何かを残しただろうし、こうした活動を繰

り返すことで徐々にではあるが社会参加の可能性が広がることも期待できる。

とにもかくにも、今は心から学生達に感謝を言いたい。君たちと議論できて本当に楽し

かったよ。

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ひょうご大学生 forum2050

活動報告書- 97 -

吉田伊佐見(サザエさんチーム、北播磨地域ビジョン委員)

今回ひょうご大学生フォーラム 2050 に参加させて頂いて本当に良

かったと思います。数々の出会いがあり、学びがあり、気づきであり

ました。

フォーラムの趣旨である若者の視点を次期プログラムの策定に活か

すため、人口減少化社会における将来や社会のあり方を大学生がテー

マを決め、検討し意見交換を行う。最終の活動報告会ではその目的は

達成できたように思います。各チームが異なる大学の出身者であり、

それぞれ制約をクリヤして期間内に目的を達成できたことは、学生たちの活力とそれをサ

ポートしたスタッフの協力の賜物でした。このような機会に恵まれましたこと本当に感謝

しております。

私がアドバイザーをさせて頂いたサザエさんチームの皆さんのパワーは本当にすごく感

動的なものでした。今後ともこの経験を活かしてこれからの地域活動や人生に活かしてい

きましょう。

事務局謝辞

当フォーラムの企画運営にあたりましては、様々な方々に様々なご協力をいただきまし

た。特に、コーディネータとして、幅広い視点で学生達にアドバイスをいただきました岡

田眞美子教授、総括アドバイザーとして、アドバイザー間の連携を深めて下さいました和

崎宏様、また、学生達に適切な示唆を下さいました安保まりか様、大氏正嗣様、吉田伊佐

見様に、記して深謝申し上げます。