PROF DR - decapoda.nhm.org · (Temnocephalida)の6目に分られている.このう...

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  • PROF DR MASAHARU KAWAKATSU FUJI WOMEN'S COLLEGE KIT A 16’ NISHI2, KIT A KU SAPPORO (HOKKAIDO) JAPAN-001

  • I G H I K A W A , A . T h e f i r s t r e c o r d o f t h e f o s s i l t u r b e l l a r i a ( 、

    C o l l e c t i n g a n d B r e e d i n g . , T o k y o丨 2な: 3 8 - 3 9 , x % 2

    O

    渦虫類(Turbellaria)は扁形動物(Plathelminthe«)

    の第1網に属する動物群で,淡水,穌’または湿地

    に棲み,主として自由生活を営む小形の動物が多い.

    体が.扁平で,柔く,搛毛が密生して扭り,渦を起して

    運動ナるので,渦虫と呼ばれるのがある(EHRENBERG

    の命名,1831).分類学的には,無腸類(Acoela),棒

    腸類(Rhabdocoela),異腸類(Alloeocoela),三蛟腸

    類(Tricladida),多蛟腸類(Polycladida),戴頭類

    (Temnocephalida)の6目に分られている.このう

    ち,三岐腸類は,いわゆるブラナリア類で,海棲三蛟

    腸類(Maricola),淡水棲三蛟腸類(Paludicolaまた

    はProbursalia),陸捿三岐賜類(Terricola)の3区に

    分られている.

    と.ころで,最近,アメリカのDr. W . DWIOHT

    PIERCEが,渦虫類の化石に関する報告を発表したの

    で,芯こに紹介しておこうと思う.もちろん,この報

    純 彦 * ^

    告tt,化石渦虫類が発見された最初の言旗で,非常d

    珍しいケースである.原著諂文は,Silicified Turbd^

    laria from v̂ alico Mountain Nodules (Bull. So

    Calii AcadL Sci., Vol.59, Part 3, pp.138〜14艮

    1960)である.

    化石の採集された場所は,California州San B«.

    nardino郡のCalico Mountainの南部にあるマイオ

    シン(MioSine)»時代に淡水湖であった地点である.

    そこから採集された石灰質の石油を含む桂岩(12fiの

    岩塊)約76kgを精査して,3科3種合計6埋体の终

    虫類と,渦虫類のものと考られる2種の卵鼓(egg>

    capsuleまたはcocoon)合計413個が発見されたの

    である.これらの化石の成因は,急激に固定されたよ

    うな状態で死亡した虫の耝綠や卵鼓に,コロィド状の•

    桂土が浸みこんで桂化したものと推定される._で

    化石を含む岩塊を処理し,抽出した材料はバルサムで

    ‘ICHIKAWA, A. : The first record of the fossil turbel-larian.并

    1)新生代第3紀中*世.1^(3500万年抑で,中新世と鲜《世を含む叛

    第3紀《. «代の生発 * 期 で , 今日 © も © に 著 し く Jff似したtft あるい《そ © * * ©祖先 等 が 見られる .の a在 © r目jも,c«y 畤WIC確立した.有名なDttmostylus tt, C€>畤代待有の磨生 «である-植tttt,沉世界的に,««な気«K文Kされていた.

  • スライト*ガラス上に封じ'この標本40枚が現在L°s

    / «sles County Museumに保存されている.発見さ れ走化石の種類や採集地の標高は,表1の通りであ

    る.

    棒腹類の1種.標本4065 (図1)は,体色は淡黄色,

    ttfllがややくぽんでいる.頭部側方に,1対の眼があ

    るロは体の腹側,前端から1/3のところにあり,咽

    顔を综別することができる-賜管はロから陰蓬の部分

    (Cまで拡がっているが,その状態ははっきりしない.

    A確孔は体の後端部に開いており,長い生殖腔と,中

    生型の溝と,陰茎とを区別することができ,中央の溝

    は陰某に続いているようである-体の側辺に,少数の

    •管がはえている.HYMAN (invertebrates II : P1-ttyhelminthes and Rhynchocoela, 1951)及び L. von GRAFF (Monograph of Turbellaria II : Rhabdoco-ela, 1905)の記載によると,この種はLecithophora

    «目のTyphloplanoida区幻の1種であろうと考えら

    れる.

    睦産鸦虫類の1種.標本4359 (図2)は,発見され

    た6個体のうちで最も大型の渦虫である-体形は,細

    長くて,頭部側辺に目がある.ロは体の腹側,前端か

    ら1/5のところにある.からだの前半分の体表には,

    ラセン状に走る線が見られ,また,ロから前方に向っ

    ている腸管がかすかに認められる-この標本の体後半

    部仕透明であり,内部構造は不明である.からだの後

    端から1/4のところの右側と,その少し後方左側に2

    個の生殖孔があり,襟状の付JW物がついている-ロの

    部分の体の両側辺に,数本の感覚毛がかたまってはえ

    ている.なおこの少し後方にも僅かの感觉毛がある.

    この種はRhynchodemidae科《の種であろうと考え

    られる.

    淡水棲三岐腸の1種.擦本1179 (2個体,図3,4),

    2721, 4316の4個体が採集された.目と,1個体の虫

    でロが認められたが,内部構造は不明瞭である.おそ

    らくブラナリア科の種であろうと考えられる.

    卵殻I.標本4235 (図5), 4245で,2力所から採

    集されたものである.球形,黒色で,ゲラチン様の複

    Kfcおおわれており,多数の卵殻が長いリボン状につ

    ながっている.標本4235 (345個)の大部分は,ひと

    幻 Typhloplanidae科が主なるもので,Typhloplana, Castrada. Mesostoma, Bothromesostoma等の厲を含み.コスモボ3)タンの種 かレい• An. lingua, M. productum tt日本の水田にもふつう-^^ rJiynchocUmusが主なる厲で,日本産の1fit R. ijimai tt, *京付近の池沼にすむ.

    化 石 標本 番号

    猫体 数

    大きさ (― 標髙 (m) 採 集 者

    棒 瞄 類 4065 1 0.809 x 0.42 850 D. WEISSMAN

    锄®诹

    丨11 I

    5 ンニデ ミア科 4359 1 3.57X0.44 820 D. SHILO

    锄®诹

    丨11 I

    ブラナリ ア科

    2721

    1179

    4316

    1

    2

    1

    159x0.307

    0.48 X 0.0769

    1.00 x 0.288

    805 � 8 5 0

    760 ?

    W . D . PIERCE

    C. ARTMAN

    J. CARR

    卵 殻 1 4235

    4245

    345

    15

    0.19

    0.21

    760 ?

    G. KANAKOFF •

    卵 殻 N

    4215

    4197

    2299

    2966

    2715

    3813

    4222

    2962

    1 1 2

    15

    5

    1 3

    25

    0J23

    0.21

    0.25x0.26

    0.21x0.23

    0.21X0.23

    0.23

    0.21

    0 .19x0^5

    760

    760

    805�850 ?

    820

    830 ?

    u

    J. HOTCHKISS

    J . CARR

    G- KANAKOFF

    J . CARR

    L . ROUSE

    tr

    表-1.Calico Mountainから採案された-;S虫類と 卵餃の化石.

    つの岩塊の中にかたまって発見された.図6は1個体

    の卵殻を拡大したもので,直径0.086mmであるが,

    ゲラチン様の被膜を含めると,直径0.19mmである.

    卵鼓n.この湖全体にわたって8力所から採集され

    たもので,図7, 8,9は標本2962である.これらの

    卵殻は,明らかに別々の個体によって,個々に産れた

    ものと推定される.直径約0.057mmの球形で,表面

    はなめらかであり,厚いゲラチン様の被膜に包まれて

    いる.顕微鎊で精査した結果,いろいろな発生段階の

    卵殻が発見された.

    なお,上記2補の卵鼓は,おそらく渦虫類のもので

    あると考えられるが,もちろんその所属は不明であ

    る.(図は原著論文から引用)

    〔北海道大学《«/理博/本会*助〕

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