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NEWS LETTER 2010 Spring Vol. 7 No. 2 寄 稿 食品の機能性表示をめぐる 日本と海外の状況 食品の機能性表示をめぐる 日本と海外の状況 一般社団法人 北海道バイオ工業会 代表理事会長 小砂 憲一

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NEWS LETTER2010 Spring

Vol. 7No. 2

寄 稿

食品の機能性表示をめぐる日本と海外の状況食品の機能性表示をめぐる日本と海外の状況

一般社団法人 北海道バイオ工業会代表理事会長

小砂 憲一

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寄稿 食品の機能性表示をめぐる日本と海外の状況一般社団法人 北海道バイオ工業会 代表理事会長 小砂 憲一 3

学会・展示会参加報告 6

■ 平成21年度 北海道バイオ・イノベーション 国際フォーラム

■ 第5回 連携大学院セミナー京都「食による健康増進」

テレビ北海道 特集番組 「がん治療新たな取組み~補完代替医療の今~」 7

第18回AHCC研究会 国際研究報告会開催のお知らせ 7

最近の論文・学会発表から 8

編集後記 8

『AHCC(担子菌培養 抽出物 ) の 

 基礎と臨床』■監修:細川眞澄男

北海道大学名誉教授 北海道医療大学教授

■編集:山﨑 正利 帝京大学薬学部教授 上山 泰男 関西医科大学外科教授

発行元 株式会社ライフ・サイエンス(医学専門出版社) 〒150‒0001 東京都渋谷区神宮前5‒53‒67 コスモス青山 TEL 03(3407)8963(代) FAX 03(3407)8938

B5版 本文271頁 上製本定価:3,990円(税込)

AHCCに関する初の医学書

※ご所属・お役職は初版発行時のものです。

AHCC研究会第17回国際研究報告会(09年7月)

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2010 SpringVol.7 No.2

食品の機能性表示をめぐる日本と海外の状況 小砂 憲一

一般社団法人 北海道バイオ工業会代表理事会長

 古来より日本は穀類と野菜中心に、現代では理想的とされる形に近い食生活を送ってきたが、近代における生活習慣病の増加は食の欧米化に起因しているとも言われている。一方で、高齢化社会を迎え、医療費の増大を抑える方策のひとつとして予防医療の推進が望まれている。予防医療を広く推し進めるにあたっては機能性食品の果たす役割は大きいものと考える。しかしながら、現行の日本の法制度下では食品のもつ機能性について必ずしも消費者に的確な情報を提供できる状況にない。本稿では食品の機能性表示をめぐる日本の現状と問題点、国際的な状況について概説したい。

■食品の機能性

 「機能性食品」という概念は、1980年代半ばに、食品のもつ身体に対するはたらき(機能)として日本で提唱された。食品には生体構成成分の供給源であると同時に生命活動のためのエネルギー源となる栄養面でのはたらき(栄養機能:第一次機能)、嗜

好や感覚器官に対するはたらき(感覚機能:第二次機能)に加えて、生体の制御や恒常性を保つうえでの様々なはたらき(生体調節機能:三次機能)があることが数多くの研究から明らかにされているが、現行の日本の法制度下では食品の第三次機能を標榜して製品を販売することができない。

■日本の法制度

 日本において食品は、食品衛生法で、「薬事法に規定する医薬品・医薬部外品以外のすべての飲食物」として定義しており、薬事法では医薬品を①日本薬局方に収められている

もの、②疾病の診断・治療・予防を目的とするもの、③身体の構造・機能に影響を及ぼすことを目的とするもの、として定義している。日本では「健康食品」は法的に定義されておらず、一般に「広く健康の保持増進に資する食品として販売・利用されるもの全般」を指すものとして便宜上用いられ、しばしば「いわゆる健康食品」と表現され、一切の効能・効果についての標榜が認められていない。 1991年には「保健機能食品制度」が導入され(図1)、「特定保健用食品(トクホ)」にはある一定の基準に基づく健康表示が認められている。し

■小砂憲一(こすな・けんいち):一般社団法人 北海道バイオ工業会 代表理事会長 1969年北海道酪農学園大学農業経済学科卒業後、農業コンサルタントを経て、1977年北海道飼料研究所所長就任、1984年株式会社アミノアップ化学を設立、代表取締役に就任、2009年同社代表取締役会長就任、現在に至る。2002年より北海道バイオ産業クラスター・フォーラム会長、北海道経済連合会常任理事。2006年より一般社団法人北海道バイオ工業会代表理事会長、北海道バイオ産業振興協会副会長。2004年よりAHCC研究会顧問。

図1 保健機能食品制度における医薬品と食品との区分

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食品の機能性表示をめぐる日本と海外の状況

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かしながら、その申請には莫大な費用と時間がかかるにもかかわらず、認められる機能表示は限定的なものとなっている。さらに新規なカテゴリーでの表示が事実上ほとんど認められないこともあり、特に中小企業の参入を困難にしている。 こうした現状に対して「健康ビジネス連邦」を打ち出す新潟県では2007年に特定保健用食品の認証権限を地方自治体に委譲するよう求める特区提案を行っている。2008年には香川県のNPO「環瀬戸内自然免疫ネットワーク(LSIN)」(理事長:上田和男氏)は「機能性食品において配合素材の機能性やエビデンスなどの表示を許可する」構造改革特区の提案を内閣府に申請した。また北海道は「北海道産の一次産品およびその加工食品の有用性情報の店頭表示の許可」を求める特区提案を行うなど、各地で規制緩和を求める声が上がっている。北海道バイオ工業会でも、政府や各関係省庁に対する政策配慮を要望する活動を行っており、政府内においても機能性食品の法的位置付けの明確化や機能性表示の法制度化に関する議論が活発化する気運の盛り上がりを感じている。 食品工業は全国都道府県に均一に広く分布する産業であるが、中小企業が大半を占める。認証に億単位の資金を要するトクホ制度は食品工業界の業界構造を反映していないといえる。現在、「カロテンを多く含むニンジン」に「カロテンの含有量と効用」を併記するなど、青果物、農産加工品の機能性の店頭表示は認められつつある。食品の第三次機能の表示に関しては、青果物も含めて、農業、食品工業などの地域産業振興の視点で議論していく必要がある。

■日本の健康食品の現状

健康食品業界には多くの原料・素

材メーカー、製造メーカー、販売会社があり、健康食品メーカーの中には、様々なメーカーの開発素材を混ぜ合わせて処方を組み、受託製造会社に製造委託して製剤・商品化し、販売も商社や販売会社に委託するというケースが少なくない。原料素材の安全性や効能・効果の科学的根拠は原料・素材メーカーに、製剤化された製品の安全性、品質は受託製造メーカーに委ねられている。一部の製品では品質が安定していなかったり、含まれる成分が明確でない原料を用いて不十分な品質管理、安全・衛生管理の状態で製造されて市場に流通する場合もあり、消費者の健康被害などの問題も生じている。医薬品では義務付けられる適正製造規範(Good Manufacturing Practice:GMP)などの製造基準・品質管理基準は、健康食品においては日本国内では法的に義務付けられるものはない。健康食品にも適用される管理手法としては、品質管理の世界基準のISO9001があり、また食品の安全衛生管理の世界基準で、危害要因分析重要管理点(Hazard Analysis Critical Control Point:HACCP)方式の概念を取り入れたISO22000などの国際基準が有用である。その他、財団法人 日本健康・栄養食品協会や日本健康食品規格協会などの業界団

体が自主基準により証する健康補助食品GMPがある。これらは未だ公的な規格とはなっていないが、厚生労働省による「錠剤、カプセル状等食品の適正な製造に係る基本的考え方について」という通知によりGMPがガイドラインとして示されており、世界保健機関(WHO)が定めた医薬品、医療用具などの製造管理、遵守事項を定めた規格に準じた管理が健康補助食品にも求められるようになっている。今後の日本においても、健康補助食品の法的位置付けの明確化、機能性表示の法制度化を推進していくことにあたっては、こうした国際的に通用する品質管理、安全・衛生管理基準が重要になってくるものと考えている。

■世界各国のレギュレーション

機能性食品については国や地域によって異なる規制があり、製品の国際的な展開のためにはそれぞれに的確に対応する必要がある。米国では1994年に、栄養補助食品教育法(Dietary Supplement Health and Education Act:DSHEA)が成立し、基本的には表示を行う者の責任において、表示内容が正しく、誤解を生じさせない範囲での製品への健康強調表示(ヘルスクレーム)や構造・機能表示が認められることとなった。

図2 米国におけるAHCCのヘルスクレーム表示

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食品の機能性表示をめぐる日本と海外の状況

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この法案を追い風にビタミン、ハーブをはじめとする米国の自然健康食品市場は以後2ケタ台の伸長を遂げ、活況を呈している。「AHCC」も米国では、「AHCCは、正常な免疫機能を活性化し、免疫細胞の数を増やし機能を増強します。」と表示して販売されている(図2)。DSHEAではこうした表示は米国食品医薬局(Food and Drug Administration:FDA)が認可するものではないので、「FDAによる評価を得ていないこと」「疾病の診断・治療・予防に用いられるものではないこと」を表明した表示を付与することが義務付けられている。FDAは安全性に問題があると認められる製品や虚偽・誇大表示をしている製品について製造工場や販売メーカーへの抜き打ち検査などの監視を行っており、市場追放命令、販売停止、業務停止などを執行できる権限を持つ。 中国においては、健康食品登録管理法に基づく国による登録許可制がとられている。日本のトクホ制度のようなものであるが、ヘルスクレームとしては日本のトクホでは認められていない免疫増強など、幅広いカテ ゴ リ ー が 認 め ら れ て い る。「AHCC」を例にとってみると「本製品の活性成分は担子菌の凍結乾燥粉末です。本製品は免疫調節の保健効能を有することが機能性試験により証明されています。」との表示と「【保健効能】免疫効能」というカテゴリーも表示される(図3)。 韓国においても日本のトクホ制度に似た個別審査型の食品の機能性表示制度が設けられており、韓国食品医薬品局(Korea Food and Drug Administration:KFDA)による審査が行われる。韓国の制度では科学的根拠の質・量により段階的な表示が認められ、「AHCC」では「免疫機能増進の助けになる」とのヘルスク

レームが許可されている。 食品の安全性についても各国の規制に対応する必要がある。安全性については医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施基準でもあるGLP(Good Laboratory Practice)基準に則った安全性・毒性試験を実施し、原料・素材、製品の安全性を確保している。こうして確保された製品の安全性は各国の機能性食品の規制における安全性基準に合致しうるものであり、世界各国での製品の販売が可能となる。 米国において新たに機能性食品の新規成分として使用しようとする場合 に は、 新 規 食 品 成 分(New Dietary Ingredient:NDI)としての登録が必要となる。NDI は届け出制度であり、販売の75日前までに安全性を含む必要書類をFDAに届け出て受理されて評価を受けることが求められる。また、一般食品に適用される安全性基準としてGRAS(Generally Recognized As Safe)がある。GRAS認証にはFDAが安全性を評価するGRAS認証と、FDAの定める基準に則って学識経験者により構成される第三者機関によって安全性を評価するSelf-affirmed GRAS とがある。 欧州においてはNovel Food 制度がある。Novel Food は欧州連合

(EU)が1997年に制定した制度で、新規の食品及び食品成分(新規の製造方法も含む)に対して、その安全性を欧州食品安全機関(European Food Safety Authority:EFSA)が評価認証する制度である。このような各国の安全性基準やヘルスクレームの表示制度に適合するためには安全性や機能性に関する一定の科学的根拠が必要となることから、開発段階から、GLP基準での安全性試験の積み重ねや、大学・医療機関でのヒト臨床試験を含む安全性、機能性評価試験データの蓄積を行っていくことが重要である。

■まとめ

食品は安全性の確保が大前提であり、特に機能性食品のように通常の食品の形態をしていなかったり、特定の成分が濃縮されたりしているものについては特別の配慮が必要である。製品開発の段階で十分な安全性、有効性の検証がなされていることが望ましい。また、そのため産官学を含めた研究のネットワークづくりや農商工連携といったクラスター構築が重要である。地域産業振興の観点からも、機能性食品の法的位置付けの明確化と機能性表示の法制度化の早期実現が望まれる。

図3 中国におけるAHCCのヘルスクレーム表示

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学会・展示会参加報告

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■平成21年度 北海道バイオ・イノベーション 国際フォーラム

豊かな第一次産業を持つ北海道の地に、それと連動する新しい健康科学産業を創出することを目的として開始された文部科学省知的クラスター創成事業「さっぽろバイオクラスター“Bio-S”」では、「北海道バイオ産業クラスターフォーラム」と共に、「平成21年度 北海道バイオ・イノベーション 国際フォーラム」を開催した。3月4日に第一部として「平成21年度さっぽろバイオクラスター国際シンポジウム」、第二部は翌日の5日に「平成21年度知的クラスター・産業クラスター報告会」として両日ともホテルロイトン札幌(札幌市)にて開催された。第一部の国際シンポジウムではMr. Roger van Hoesel(オランダ、フードバレー)、Dr. Bruno Quarta(イタリア、ボローニャ大学)、Dr. Charon Zondervan(オランダ、ヴァーゲニンゲン大学)、Mr. Eric Y.L. Tai(台湾、工業技術研究院)の各氏が各国のバイオクラスターの現状を報告した。その他、パネルディスカッションでは藤井 創氏(株式会社アミノアップ化学)、伊藤壽記教授(大阪大学)がオリゴノールについて、加納勉氏(ネピュレ株式会社)と西村孝司教授(北海道大学)が黒千石(黒大豆)について、それぞれBio-S事業における事例紹介があり、パネラーと基調講演者を交えての活発な討論があった。 第二部の成果報告会では文部科学省の科学技術・学術戦略官の増子 宏氏より基調講演として「地域科学技術の振興について」と題しての講演があり、Bio-S事業総括の鈴木文夫氏からはBio-S事業の成果報告、北海道バイオ産業クラスターフォーラムの工藤昌史氏から活動報告があった。午後からは伊藤壽記教授が「食の三次機能と免疫」と題しての特別講演を行い、大阪大学におけるOligonolに関する研究が紹介された。Bio-S事業参画研究者11名からはBio-S事業における研究成果の報告もあった。

■第5回 連携大学院セミナー京都 「食による健康増進」

 平成22年3月16日に文部科学省の戦略的大学連携支援事業「京都発国公私立大学ヘルスサイエンス系共同大学院の創設と総合的連携による大学力強化」の一環として、京都府立大学、京都府立医科大学、京都工芸繊維大学、京都薬科大学の連携による「第5回 連携大学院セミナー京都『食による健康増進』」が京都府職員研修・研究支援センターにて開催された。 第1部に基調講演として京都府立医科大学の吉川敏一教授が講演を行い、「食による患者のサポート」としてアスタキサンチンやグアーガム由来の水溶性食物繊維の研究が紹介された。続いての基調講演ではソウル国立大学のYoung-Joon Surh 教授が「食品成分による REDOXと炎症シグナルの制御」と題してカプサイシン類縁体やOligonol のデータについて講演を行った。Surh教授からは今年のAHCC研究会国際研究報告会で基調講演が予定されているアメリカ NCI の John Milner 博士の研究の紹介もあった。 第2部では京都薬科大学の安井裕之教授、関西医科大学の奥村忠芳教授、株式会社プライマリーセル(札幌市)の平 敏夫 CSO、京都工芸繊維大学の山口政光教授がそれぞれ講演を行った。奥村教授は、本セミナーの世話人である京都府立大学の佐藤健司教授と連携してAHCCの分画物による iNOS 誘導阻害の研究を行っており、そのデータの一部が紹介された。AHCC中の活性成分の同定につながる研究として注目される。 第3部の一般発表では、「食」と「健康」に関する活発な意見交換が行われた。 本セミナーの発表は原則英語で行われ、基調講演ではソウル国立大学のSurh教授の講演が行われるなど国際的なセミナーであり、その国際的な舞台で高度な研究が行われているなかで第1部では Oligonol、第2部ではAHCC がそれぞれ紹介され、当会にも関連の深いセミナーとなった。

ソウル国立大学のSurh先生(左)と関西医科大学の奥村先生(右)パネルディスカッションの様子

学会・展示会参加報告

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第18回AHCC研究会 国際研究報告会開催のお知らせ

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第18回AHCC研究会 国際研究報告会開催のお知らせ

日 時:2010年 7月24日(土) ~ 25日(日) 場 所:ホテルロイトン札幌 3F ロイトンホール

基調講演

ニュートリゲノミクスと癌予防 Nutrigenomics and Cancer Prevention ジョン   ミルナー                アメリカ国立癌研究所

John Milner Ph. D. (National Cancer Institute)

座 長:細川眞澄男(北海道大学名誉教授) 山﨑 正利(帝京大学名誉教授) 上山 泰男(関西医科大学名誉教授) 水島  豊(社会福祉法人 函館共愛会 共愛会病院)

主 催:AHCC研究会  http://ahcc.jpn.org/ 後 援:経済産業省 北海道経済産業局(予定)     株式会社アミノアップ化学

テレビ北海道 特集番組  「がん治療新たな取組み~補完代替医療の今~」

 去る3月7日(午前11:30~12:00)、テレビ北海道制作による補完代替医療に関する特集番組「がん治療新たな取組み~補完代替医療の今~」が放送された。 高度な先進医療技術を持ちながらも統合医療の面では世界に後れを取る日本が今後どのように変化しつつあるかを、各医療施設の近況を交えて紹介された。 番組では石塚玲器氏(田島クリニック、札幌市)、住吉義光氏(前四国がんセンター泌尿器科、現江東病院泌尿器科部長、厚生労働省がん研究班)、伊藤壽記氏(大阪大学大学院医学系研究科生体機能補完医学講座教授)、平田章二氏(平田口腔顎顔面外科・腫瘍内科がんヴィレッジ札幌院長、札幌市)、上山泰男氏(奄美大島瀬戸内徳洲会病院院長)、屋 宏典氏(琉球大学熱帯生物圏研究センター教授)、小砂憲一氏(一般社団法人北海道バイオ工業会代表理事会長)らのコメントを交えて、西洋医学の限界とその補完の必要性、患者の全人的ケアの重要性、補完代替医療をより適切に実践するためのエビデンスの構築などを中心に、各施設の統合医療への取り組みを

紹介している。 本番組で補完代替医療とは「エビデンスのない医療」ではなく、「これからエビデンスが確立されていく医療」と位置付けられている。西洋医学か代替医療のどちらかに偏るのではなく、統合的で個人に適した治療を行うためにも、今後より一層の補完代替医療のエビデンス構築が求められている。患者が求める「人間らしい生活」ができる治療の実現のために、補完代替医療が果たす役割は今後も拡大することが見込まれるとしている。 また、沖縄や北海道がもつ豊富で多様な自然素材を使用したサプリメントの可能性についても言及している。 本番組はBSジャパンでの全国放送も予定されている(日程未定)。

「がん治療新たな取組み」テレビタイトル

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論文・学会発表

Journal of Functional Foods, 1(4):341-348 (2009)

「Amelioration of abdominal obesity by low-molecular-weight polyphenol (Oligonol) from lychee」

西平 順 ら(北海道情報大学)

ジャパンフードサイエンス,49(1):37-44 (2010)

「新世代のポリフェノール“Oligonol(オリゴノール)”の機能」

三浦健人、北舘健太郎(株式会社アミノアップ化学)

Journal of Nutritional Biochemistry, 21:47-54 (2010)

「Oligomerized grape seed polyphenols attenuate inflammatory changes due to antioxidative properties in coculture of adipocytes and macrophages」

櫻井拓也、大野秀樹 ら(杏林大学)

国際核酸医薬シンポジウム2009(福岡、日本)2009年11月3日(火)~6日(金)

「Natural antisense transcripts involved in the regulation of cytokine gene expression by the oligomerized polyphenol Oligonol」

西澤幹雄、奥村忠芳 ら(立命館大学)

ICPH 2009(ヨークシャー、イギリス)2009年12月7日(月)~11日(金)

「Acute effects of a flavanol-rich lychee fruit extract (Oligonol) on select markers of vascular health and oxidant defense」

Robert M. Hackman, et al.(University of California, Davis, USA)

「Metabolic Stem Cell (MSC) based treatment approach against lifestyle-related cancer patients」

前田和久 ら(大阪大学)

「Effect of lychee-derived low-molecular-weight polyphenol (Oligonol) on postprandial hyperglycemia」

西平 順 ら(北海道情報大学)

第5回 連携大学院セミナー京都 「食による健康増進」(京都、日本)

2010年3月16日(火)「食品成分によるREDOXと炎症シグナルの制御」

Young-Joon Surh(国立ソウル大学)

日本薬学会 第130年会(岡山、日本)2010年3月28日(日)~30日(火)

「ライチ由来低分子化ポリフェノールOligonolの抗菌・抗真菌効果」

佐々木雅志、小松健一 ら(北海道薬科大学)

「ライチオリゴノールの2型糖尿病モデルにおける脂質合成及び酸化ストレスの抑制作用」

盧 貞淑、横澤隆子 ら(富山大学)

「シソエキスの炎症性サイトカインおよびiNOS誘導に対する効果」

佐藤 恵、池谷幸信 ら(立命館大学)

 今号の寄稿でも話題になっている健康食品の機能性表示の問題は、北海道や新潟県、奈良県など地方からの要望、提言が活発化し、業界内でも、いくつかの団体で議論されている。消費者庁には健康食品の表示に関する検討会が設置され、今回、トクホの表示許可手続き、健康食品の表示のあり方、健康食品の虚偽・誇大な広告の取り締まりを論点とした議論、提言が行われることが示された。食品が補完代替医療の選択肢のひとつとして正しく用いられるためにも、消費者への正しい情報提供と、科学的根拠に基づくヘルスクレームを可能とする表示の仕組みについて取りまとめられ、消費者庁の施策に反映されることが期待される。

(事務局運営委員 三浦 健人)

AHCC研究会NEWS LETTER2010 Spring Vol.7 No.2

2010年4月23日発行発行: AHCC研究会事務局 〒004‒0839札幌市清田区真栄 363番地32 株式会社アミノアップ化学 内 TEL:011‒889‒2233 FAX:011‒889‒2375 E‒mail:[email protected]制作: 株式会社ライフ・サイエンス

[禁無断転載]

最近の論文・学会発表から■最近の論文・学会で発表された本会に関連のある研究テーマをお知らせいたします。

学会発表

論文発表

● 編 集 後 記 ●