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NEWS LETTER 寄 稿 2010 Winter Vol. 7 No. 1 フラバノールの機能性 フラバノールの機能性 カリフォルニア大学デービス校 栄養・内科学部 教授 Carl L. Keen

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NEWS LETTER

寄 稿

2010 Winter

Vol. 7No. 1

フラバノールの機能性フラバノールの機能性カリフォルニア大学デービス校

栄養・内科学部 教授

Carl L. Keen

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年頭のごあいさつAHCC研究会 副会長(函館共愛会病院 副院長) 水島 豊 3

AHCC研究会 2010年の活動 3

寄稿 フラバノールの機能性カリフォルニア大学デービス校栄養・内科学部 教授 Carl L. Keen 4

学会・展示会参加報告 6■ 第2回ISNFF (International Symposium of Nutraceuticals and Functional Foods)

■ 第7回SIO(Society for Integrative Oncology:全米がん統合医療学会)■ 第4回ICPH(International Congress on Polyphenol and Health)

厚生労働省でがんの代替療法における有効症例の調査研究始まる 7

最近の論文・学会発表から 8

編集後記 8

『AHCC(担子菌培養 抽出物 ) の 

 基礎と臨床』■監修:細川眞澄男

北海道大学名誉教授 北海道医療大学教授

■編集:山﨑 正利 帝京大学薬学部教授 上山 泰男 関西医科大学外科教授

発行元 株式会社ライフ・サイエンス(医学専門出版社) 〒150‒0001 東京都渋谷区神宮前5‒53‒67 コスモス青山 TEL 03(3407)8963(代) FAX 03(3407)8938

B5版 本文271頁 上製本定価:3,990円(税込)

AHCCに関する初の医学書

※ご所属・お役職は初版発行時のものです。

AHCC研究会第17回国際研究報告会(09年7月)

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3AHCC News Letter Vol.7 No.1

道なご努力の賜物だと、研究会に参加するたびに敬服させられている次第です。 さて、社会に目を向ければ、世界中経済的不況の嵐が吹き荒れ、なかなかそこから抜け出せない状況にあります。このような世の中だからこそ、「健康は最大の財産なり」の格言が人を納得させます。「財が豊かでも、不健康なら幸せではない」、逆に「健康であるなら、財は少なくても幸せである」と思う人が、増えてきているのではないでしょうか。現代人の不健康の原因の多くは、生活習慣の乱れ(過食、過労、運動不足など)と考えられています。よって、健康を維持するには正しい生活習慣を身に付けることが大切で、幼児期からの健康教育が求められます。現代、漢方医学的に言えば、「半健康、あるいは半病気」状態の人が少なくありません。そして、健康回復、健康増進、疾病予防、さらには老化予防のために、栄養補助食品(機能性食品)を求める人が増えています。このような社会的ニーズに押され、機能性食品を含む「補完代替医療」と称される分野が発展しつつあります。が、科学的証拠に乏しいのが現状です。私自身は、補完代替医療の中には、西洋医学と同等の効果を有するものが存在すると思っています。本研究会は、AHCCをはじめとする機能性食品の有効性に関する科学的証拠を積み重ね、消費者に正しい情報を提供していくことを目指しています。よって、本研究会の存在意義、責務には大なるものがあると信じています。 会員の皆様のご健勝、および商品開発に不断の努力をされておられる株式会社アミノアップ化学のますますの発展を祈念し、年頭のあいさつにいたします。 今年も頑張りましょう。

 本年のAHCC研究会第18回国際研究報告会は7月24日(土)、25日(日)の両日、例年通りホテルロイトン札幌(札幌市)にて開催の予定です。会員の皆様で興味深いデータ、症例などをお持ちの方は事務局まで情報をお寄せ下さい。研究

報告会の参加申し込みのご案内は4月頃から、事務局より会員の皆様宛に差し上げます。また、次号の本誌上でも詳細を発表する予定ですのでいましばらくお待ち下さい。 本会幹事会は6月に開催予定で、

2009年の活動報告と2010年の事業計画が話し合われます。 NEWS LETTERは年4号の発行を予定しています。会員の皆様からのご寄稿もお待ちしております。

 2010年の新しい年を迎え、気分新たにエンジンを始動されておられることと思います。昨年の世相を表す1字が「新」でしたが、さて今年はどのような年になるのでしょう。会員の皆様にとりまして、本年も実り多い年となりますことを祈っています。 AHCC研究会の国際研究報告会も昨年で第17回となり、発表内容のレベルが確実に向上してきていることを実感しています。海外からの出席者、発表者の数も増え、国際研究報告会の名に恥じない研究会に発展してきているように思います。NEWS LETTERも今回で Vol.7 No.1となり、英語版は世界中の会員に配布されています。当研究会から発信される情報は、AHCCに加えOligonolに関するものも増え、多くの会員の興味をますますそそるものになっています。さらに、経済産業省北海道経済産業局の後援を得るなどの行政とのタイアップも、素晴らしい!との一言に尽きます。このようなAHCC研究会の発展充実は、株式会社アミノアップ化学の小砂会長を始め多くの社員の地

AHCC研究会 2010年の活動

年頭のごあいさつ

AHCC研究会 副会長 (函館共愛会病院 副院長) 水島 豊

2010 WinterVol.7 No.1

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フラバノールの機能性

4 AHCC News Letter Vol.7 No.1

■Carl L. Keen:カリフォルニア大学デービス校栄養・内科学部 教授 Keen博士の研究グループでは主に4つの分野に焦点を当てている。第一の関心は食事が胚や胎児の成長に与える影響。先天性欠損症の割合は胚性や胎児期の栄養障害の結果として顕著になる。研究室での学位論文は、発生初期における最適以下の栄養欠乏の補正が妊娠合併症の発症を顕著に低下させることに関するものである。二つ目の研究テーマは栄養素と遺伝子の相互作用である。細胞内のミネラル濃度がわずかに変化することで選択的に遺伝子発現がどのように影響を受けるかに重点を置いている。三つ目のテーマは生体の抗酸化システムや細胞の酸化ダメージに対して食事がどのように影響するかについてである。四つ目のテーマは血管疾患の発生や進展に食事がどのように影響するかについてである。現在の仮説では、植物が豊富な食事に関連があると推定される心臓血管における健康上の利益は、そのフラボノイド含有量が寄与しているということである。

 医学において、心血管系の健康維持における栄養の役割は刺激的で緊急性のある研究分野となっている。心 血 管 系 疾 患(Cardiovascular disease:CVD)は日本やアジア各国ばかりでなく、欧米においても死亡や身体障害の主因となっている。私たちが感じる気力や活力は私たちの心血管系がいかに良く働いているかと密接に関係しているため、本稿のほとんどの読者の方もご自身やご家族の心血管の健康に関心があるだろう。社会レベルではCVDやそれに関連する健康問題の治療コストは莫大な出費であり、早急にこれを軽減する必要がある。それゆえ、個人的にも社会的にも健康上の理由から、治療と同様に予防を助け、可能であれば CVD を元に戻しうるような、単純で低コストな方策が緊急の最優先事項である。

 過去十年においてCVDと栄養学における知見の中で、われわれの最も重大な進展は一般にフラボノイドと呼ばれるものの中で、特にフラバノールに関して血管機能を調節する

機能の発見である。フラバノールはフラボノイドの一種で、天然のポリフェノールであり、緑茶、ココア、赤ワイン、ブドウ、イチゴ、ライチなどの食品や飲料に豊富に含まれている。フラバノールは心血管系機能を健康に保つ作用が明らかにされてきており、「スーパースター」になりうるものと評価されてきている。栄養科学は、植物に2000以上の化合物が存在するフラバノイドに関する基礎的な理解から、特殊なポリフェノールが生理活性を有し、血管系に対して有用な摂取量など、より詳細な調査に至るまでの大きな進歩を遂げている。

 フラバノールは、一部は乾燥、害虫、高低温などの環境ストレスに対する反応として植物体内で生合成される。植物の中には、その生合成機構によりプロアントシアニジンと呼ばれる直鎖状のフラバノールを産する。(-)-epicatechinや(+)-catechinなどのフラバノール単量体が基本ユニットとして存在するときは、それらは良く吸収され生理活性をもつ。

フラバノール代謝物の血中への輸送は速やかで、用量依存的に起こり、フラバノールを豊富に含む食品の摂取後の血漿中の濃度は一般的には1~2時間で最高に達し、その後は8時間以内にベースライン程度まで低下する。低分子のプロシアニジン二量体(二分子の単量体が結合したもの)も吸収される。最近のデータでは二量体は様々な生理活性を有し、単量体にはない活性もいくつかあることが示唆されている。しかし、単量体や二量体に対して、長鎖(3~12のユニットからなる)のプロシアニジンはサイズが大きいためにほとんど吸収されないと考えられている。重要なことは最近の研究からこうした化合物は腸管上部ではあまり代謝されないため、吸収されうる短鎖のプロシアニジンや単量体を産生しないことが示唆されている。

 フラバノールは様々な方法で血管内皮機能を改善すると考えられている。フラバノール混合物はラット大動脈の内皮依存的弛緩を刺激し、二次的にフラバノール誘導性の血管内

フラバノールの機能性Carl L. Keen

カリフォルニア大学デービス校栄養・内科学部 教授

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フラバノールの機能性

5AHCC News Letter Vol.7 No.1

一酸化窒素(NO)貯蔵を増加させる。ヒトではフラバノールは剪断応力条件下で放出されるNOを介した上腕動脈の拡張測定から、流量依存性拡張(flow-mediated dilation:FMD)を改善することが示されている。末梢動脈圧測定(peripheral arterial tonometry:PAT)と呼ばれる同様の測定をわれわれの研究室で行ったところ、高用量のフラバノール摂取で改善が認められた。フラバノールは脳血流量を改善し、冠状動脈の拡張と流速を増大させ、血圧を低下させた。われわれ以外にも、高用量のフラバノール摂取が低用量のアスピリン摂取と同様な作用で血小板反応性を低下させることを示す研究が行われている。 しかしながら、こうした短期、長期の研究において、ある程度高用量のフラバノールを摂取することは重要であり、合理的に到達可能な低いフラバノールの血中濃度が血管の反応性に対してポジティブに作用するかどうかを見きわめることは重要である。

高用量のフラバノールを摂取することによる有用性は累積する。ドイツの共同研究者との研究では、薬物治療を受けている糖尿病患者が30日間フラバノールを摂取することによって、FMDの有意な改善が認められたことを報告している1)。数週間にわたって定常的にフラバノールを豊富に含む食品や飲料を摂取することに潜在する価値に加えて、この結果は高用量のフラバノール摂取は、充分に効果的と見なされている薬物治療を補完しうる。つまり、糖尿病の治療に用いられている現行の薬物治療の限界及び/または補完的な日常の栄養サポートの価値を示している。

現在われわれはオリゴノールに関する研究を行っている。オリゴノールはフラバノールを豊富に含む、独特なライチ果実からの抽出物である。

単量体、二量体含有量が高いため、オリゴノールは心血管系の健康に対する生理活性素材として優れた素材となりうるものである。動物モデルを用いて、オリゴノール中のフラバノールが良く吸収され活性が高いことを、特定条件下での赤血球の溶血の抑制能で評価して示した。さらに2週間以上の投与で、PAT及び血小板反応性を測定することで血管機能に影響する量をよりはっきり規定するための臨床試験を実施中である。

 フラバノールに関するさらなる研究を進めるにつれて、数多くの疑問や消費者問題が見出される。上述のように、何週間あるいは何カ月といった間に累積する量と同様に、フラバノイド摂取の適切な量というのは重要である。最も有益な血管機能への影響を生み出す特定のフラバノールやフラバノール混合物を特定することは、非常に重要な課題である。消費者への理解と正確な製品の表示は、もっと改善が望まれる範囲の問題である。例えば、われわれや他の研究グループはフラバノールを高含有するココアが血管機能改善に有用であることを示したが2)、なかにはフラバノール含有量が低かったり吸収されにくかったりするような製品などがあり、すべてのチョコレート製品が有用であるということ

を意味するものではない。「ポリフェノールを豊富に含有」という表示も誤解を生みやすい。吸収されないポリフェノールもたくさんあるため、われわれとしては、どのような性質のどういうポリフェノールが実際に消費されているのかを知る必要がある。

 質の高い栄養学の研究と、質の高い製品開発とが一体となることで、個々人の気分も外見も活動をも良くするばかりでなく、差し迫ったたくさんの公衆衛生的、社会的要請に対処する一助となりえることができる。フラバノールに関するわれわれの知識が増し、機能性食品や飲料、栄養補助食品に用いられる素材に対してこうした知見が応用されることは、われわれ皆にとってすばらしく有益なことだろう。

参考文献1) Balzer J, Rassaf T, Heiss C, et al:Sustained benefits in vascular function through flavanol-containing cocoa in medicated diabetic patients:A double-masked, randomized, controlled trial. J Am Coll Cardiol 51:2141-2149, 2008

2) Schroeter H, Heiss C, Balzer J, et al:(-)-Epicatechin mediates beneficial effects of flavanol-rich cocoa on vascular function in humans. Pro Nat Acad Sci (USA) 103:1024-1029, 2006

フラバノール二量体 ピーナッツの皮から得られたA1型(左)とカカオ豆から得られたB2型(右)

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学会・展示会参加報告

6 AHCC News Letter Vol.7 No.1

学会・展示会参加報告■ 第2回ISNFF (International Symposium of Nutra-ceuticals and Functional Foods)

 ISNFFは、2009年10月30日~11月4日の期間でアメリカのサンフランシスコにて開催された。ISNFFは以前、World Nutra として展示会と学会を併設する形で行われていたが、2年前より学会部門を独立して開催されている。 同会では、栄養補助食品、機能性食品の話題を中心に約300名が参加して議論が交わされた。World Nutra 時代からの流れとして企業の参加が盛んで、Amway/Nutrilite、Inter Health、ライオン、森永乳業など多数の企業からの発表、協賛があった。 今回はランチョンセミナーとして北海道情報大学 西平順先生による講演「Discovery of novel functions of low-molecular weight polyphenol (Oligonol) beyond its antioxidant action」が催された。西平先生はオリゴノールの内臓脂肪抑制効果、食後高血糖抑制効果を中心にデータを交えて紹介。最後の質疑応答では、事務局の積極的な対応もあって活発な議論が交わされた。また一般講演としてカリフォルニア大学デービス校 Robert M. Hackman先生より「Effect of Polyphenols on Selected Markers of Vascular Health and Oxidant Defense」、 テキサス大学 Anil D. Kulkarni先生より「Lychee Oligonol as an healthy aging and innovative nutritional substance」の報告があり、Oligonolに関連する幅広い機能性が報告された。 全体として、15~20名程度の規模であってもヒト臨床試験で有効性を検証した報告が多く見受けられ、単なる栄養成分としての食品機能から、より機能性を明らかにした、ヘルスクレームを明確にすることを指向した機能性食品へという大きな指向性が伺われた。 今後は、2010年のインドネシアにて開催後、2011年11月には札幌で開催される予定である。

■ 第7回SIO(Society for Integrative Oncology:全米がん統合医療学会)

 第7回SIOが2009年11月12、13日の両日、ニューヨークで開催された。参加者、演題数は平年並みで、漢方、鍼灸、アロマ、アーユルベーダなどさまざまな角度から「がん統合」に絞って主要な大学から発表があった。 テキサス大学MDアンダーソンがんセンターからは「AHCCとドキソルビシンについて」、大阪大学からは「鍼灸のエビデンスについて」等に関する発表が行われた他、スローンケタリングからは「漢方薬小紫胡湯の臨床試験」についての発表など漢方の臨床でのエビデンスについての発表もあった。

 企業ブースは約8コマと少なかったものの、AHCCの関係でQuality of Life Labs社とAmerican Bioscience社の2社が出展してAHCCを紹介しており、AHCCが認知される良い機会となっていた。約300名程と思われる本学会の参加者にはAHCCをすでに知っている方が多く、飲み方などの具体的な質問が多かった。 このように、演題数などは別として、学会の規模、参加者の質、がん統合医療というテーマなどからも、AHCCが米国の専門家に認知される良い機会となっていた。 来年もニューヨークで開催の予定である。

■ 第4回ICPH (International Congress on Polyphenol and Health)

 ICPH ミーティング 2009 は2009年12月7日~11日の期間で、イギリスのヨークシャーで行われた。ICPHはポリフェノールに関連する学会の中でも国際的に中心的な学会であり、前回は2007年に京都で開催されている。 今回は世界各国から約600名が参加し、口頭発表が約80件、ポスター発表が約400件あった。その中で今回、北海道情報大学 西平順先生から、「Effect of lychee-derived low-molecular-weight polyphenol (Oligonol) on postprandial hyperglycemia」と題し、Oligonolの内臓脂肪低下、食後高血糖抑制などの機能性について、またカリフォルニア大学デービス校 Robert M. Hackman先生からは、「Acute effects of a flavanol-rich lychee fruit extract (Oligonol) on select markers of vascular health and oxidant defense」と題して、Oligonolの血管機能保護作用について報告があった。メタボリックシンドローム関連(ウェイトコントロール含む)および心血管機能関連の研究は、今学会で最も活発な報告、議論のあった分野であった。その他、大阪大学 前田和久先生は 「Metabolic Stem Cell (MSC) based Treatment

SIOでのAHCC関連の展示ブース

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学会・展示会参加報告

7AHCC News Letter Vol.7 No.1

Approach against Lifestyle-related Cancer Patients」 と題し、補完代替療法の臨床現場への新しいアプローチについて報告した。 全体として、ポリフェノールの機能性を in vitro の抗

酸化指標で評価する手法はほとんど影を潜め、生体内への吸収、代謝を解明した上での機能性に関する報告が数多く見受けられ、遺伝子への作用も含めた、よりスペシフィックな機能の解明に研究が進んでいると感じられた。

ICPHでの西平順先生(北海道情報大学)のポスター発表 ICPHでの前田和久先生(大阪大学) 発表ポスターの前で

研究代表者:大野 智 先生(東京女子医科大学国際統合医科学インスティテュート)   住所:〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1   電話:03-3353-8111(内線24068)E-mail:[email protected]

■ 書類提出先および当該研究に関する問い合わせ先 ■

■ 詳細な情報は下記URLを参照http://www.shikoku-cc.go.jp/kranke/cam/research/index.html

厚生労働省でがんの代替療法における有効症例の調査研究始まる 厚生労働省がん研究助成金「がんの代替医療の科学的検証に関する研究班(主任研究者:山下素弘先生・四国がんセンター)」において健康食品などをはじめとした補完代替医療に関して、安全性と有効性を検証する研究が進められており、「がんの補完代替医療ガイドブック」などが編纂されています。この度、健康食品が有効であったとされる症例情報について、第三者的立場で厳密に審査する「がんの代替療法における有効症例の調査研究」がスタートしました。 今回の取り組みでは、診療録等診療情報を収集・集計して行う観察研究(臨床の場における疫学研究)

となっています。代替医療の研究に関して積極的に取り組んでいる米国においても、国立がん研究所が今回研究班が行う取り組みと同様のBest Case Series Programに取り組んでいます(http://www.cancer.gov/cam/bestcase_intro.html)。 研究班では、健康食品による臨床データが1例でも多く集まるよう国民及び医療機関、健康食品製造販売企業・代替医療実施施設などに広く周知させるとしています。当会でもAHCCなどの物質を使用して有効であったと推測される症例をお持ちの会員各位には情報をお寄せ頂きたいと考えております。

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論文・学会発表

Cancer Epidemiology, 33:293-299 (2009)「The effect of active hexose correlated compound in modulating cytosine arabinoside-induced hair loss, and 6-mercaptopurine-and methotrexate-induced liver injury in rodents」

Okezie I. Aruoma, et al.(Touro College of Pharmacy, USA)

Journal of Experimental Therapeutics and Oncology, 8(1):43-51 (2009)

「Alleviating effect of active hexose correlated compound (AHCC) for anticancer drug-induced side effects in non-tumor-bearing mice」

志鎌恒太、西岡 浩ら(株式会社アミノアップ化学)

Phytotherapy Research, 23:1043-1046 (2009)「Inhibition of lung metastasis in mice by Oligonol」

Sung-Jae Lee, Hyung-In Moon, et al.(Korea University, Dongguk University/Wonkwang University,

Sonth Korea)

Phytotherapy Research, 23:1626-1633 (2009)「Oligonol, a new lychee fruit-derived low-molecular form of polyphenol, enhances lipolysis in primary rat adipocytes through activation of the ERK1/2 pathway」

小笠原準悦、大野秀樹ら(杏林大学)

第64回 日本体力医学会大会(新潟、日本)2009年9月18日(金)~20日(日)

「低分子ポリフェノールの摂取が高強度間欠的運動時の酸化ストレスおよび抗酸化能に与える影響」

日下部未来 ら(東海大学国際文化学部)

第21回 腎とフリーラジカル研究会(岡山、日本)2009年9月26日(土)

「ライチオリゴマーの2型糖尿病モデルを用いた検討」横澤隆子 ら(富山大学)

第68回 日本癌学会学術総会(神奈川、日本)2009年10月1日(木)~3日(土)

「AHCC alleviates gemcitabine-induced hematopoietic toxicity」西岡 浩

(株式会社アミノアップ化学)

19th International Congress of Nutrition (バンコク、タイ)

2009年10月4日(日)~9日(金)「Active hexose correlated compound (AHCC) reduces anticancer drug-induced side effects in mice」

Robert M. Hackman(University of California, Davis, USA)

第30回 日本肥満学会(静岡、日本)2009年10月9日(金)~10日(土)

「高脂肪食負荷マウスにおけるOligonolの脂肪代謝促進効果およびSOPとの併用効果」

藤井 創、盛 孝男 ら(株式会社アミノアップ化学、北日本化学株式会社)

第58回 日本口腔衛生学会・総会(岐阜、日本)2009年10月9日(金)~11日(日)

「口腔粘膜細胞における炎症性サイトカイン誘発性一酸化窒素産生に対するAHCCによる抑制効果の研究」

八上公利、矢ヶ﨑 雅ら(松本歯科大学)

ISNFF 2009(サンフランシスコ、アメリカ)2009年11月1日(日)~4日(水)

「Lychee Oligonol as an anti-aging and innovative nutritional Substance」

Anil D. Kulkarni(The University of Texas, USA)

「Effect of polyphenols on selected markers of vascular health and oxidant defense」

Robert M. Hackman(University of California, Davis, USA)

「Discovery of novel functions of low-molecular weight polyphenol (Oligonol) beyond its antioxidant action」

西平 順(北海道情報大学)

40th APA(ハワイ、アメリカ)2009年11月5日(木)~7日(土)

「The beneficial effect of active hexose correlated compound (AHCC), a health food component, in patients with pancreatic or biliary tract cancer who underwent chemotherapy」

柳本泰明(関西医科大学)

SIO 20092009年11月12日(木)~13日(金)

「Evaluation of safety and efficacy of active hexose correlated compound (AHCC) in combination with liposomal doxorubicin」

Judith A. Smith(The University of Texas MD Anderson Cancer Center, USA)

「Integrated lifestyle intervention on metabolic parameters for the prostate cancer patient receiving androgen deprivation therapy」

前田和久(大阪大学)

第22回 日本バイオセラピィ学会(大阪、日本)2009年11月26日(木)~27日(金)

「化学療法患者における機能性食品(AHCC)の副作用軽減効果(第2報)」柳本泰明、松井陽一 ら

(関西医科大学)

 新年あけましておめでとうございます。事務局のあります北海道ではこの冬は小雪が予想されており、本稿を執筆中の12月中旬でもほとんど雪が降っていない状態で、なにか物足りなさも感じてしまいます。 Volume7より表紙デザインを一新致しました。誌面内容には変更はございませんが、表紙にもご寄稿頂いた記事のタイトルを表示するように致しました。本誌は会員の皆様からのご寄稿に支えられておりますので、今後も皆様からのご寄稿をお待ちしております。また、事務局よりご執筆を依頼させていただくこともあろうかと存じますが、ご協力下さいますようお願い申し上げます。

(事務局運営委員 三浦 健人)

AHCC研究会NEWS LETTER2010 Winter Vol.7 No.1

2010年1月29日発行発行: AHCC研究会事務局 〒004‒0839札幌市清田区真栄 363番地32 株式会社アミノアップ化学 内 TEL:011‒889‒2233 FAX:011‒889‒2375 E‒mail:[email protected]制作: 株式会社ライフ・サイエンス

[禁無断転載]

最近の論文・学会発表から■最近の論文・学会で発表された本会に関連のある研究テーマをお知らせいたします。

学会発表

論文発表

● 編 集 後 記 ●