電力線通信で実現する...PLC(電力線通信)の概要PLC(Power Line Communication)とは、...

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電力線通信で実現するIoT 株式会社ヘルヴェチア 2018.04.24 Copyright© 2018 Helvetia INC. All rights reserved 1

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電力線通信で実現するIoT

株式会社ヘルヴェチア

2018.04.24

Copyright© 2018 Helvetia INC. All rights reserved 1

Agenda

0. 弊社について

1. 電力線搬送通信(PLC)とは

2. IoTでの活用事例 (アプリケーション)

3. PLCの今後の展開

4. 弊社PLC製品の紹介

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0. 弊社について

1. 電力線搬送通信(PLC)とは

2. IoTでの活用事例 (アプリケーション)

3. PLCの今後の展開

4. 弊社PLC製品の紹介

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会社概要 • 社名 株式会社ヘルヴェチア

• 設立 2013年11月11日

• 資本金 1000万円

• 代表取締役 森 活詞 (もり かつし)

• 住所

[本社]

〒700-0856 岡山県岡山市北区十日市西町8-11

TEL:086-207-2577

[東京オフィス]

〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南1-1-1 Humax Ebisu 8F

TEL:03-6871-9346

• Web http://www.helvetia.co.jp

• Email [email protected]

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事業内容 1. 受託開発業務:製品全体から一部切り出し業務まで対応します

• ハードウェア受託開発

• 各種試作, 量産基板の開発・製造

• ソフトウェア受託開発

• FPGA開発

2. 標準品販売業務:お客様が必要な製品を世界中から探します

• 産業コンピュータ、ディスプレイパネル等のハードウェア製品

• 各種ミドルウェア、コンパイラ、デバッガ、評価キット

• その他電子パーツ

3. 自社製品販売:PLC技術を使ってIoT化のお手伝いをします

• 電力線通信(HD-PLC)装置の販売

• 導入や設置に関するコンサルティング

• カスタマイズ開発

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0. 弊社について

1. 電力線搬送通信(PLC)とは

2. IoTでの活用事例 (アプリケーション)

3. PLCの今後の展開

4. 弊社PLC製品の紹介

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PLC(電力線通信)の概要

PLC(Power Line Communication)とは、 電力線をはじめとする線材に、高周波信号を重畳し通信を行う方式です。

交流・直流などの電力線以外でも 同軸線やツイストペアケーブルなどで利用可能です

T

T

PLCでの通信

HUB

PowerLine

M

T

T

これまでの複雑な配線

PowerLine

Ethernet

Ethernet Serial

Serial

通信と電源供給が1本の配線で利用可能です (Ethernet PoEより高電流の供給が可能) 7

PLC通信方式について

PLCには低周波信号(~450KHz)を重畳する「低周波PLC」と、 高周波信号(2~28MHz)を重畳する「高周波PLC」があります。

使用周波数帯 通信速度 通信距離 特徴

高周波PLC (2~28MHz)

高速 (Mbpsクラス)

~240Mbps

~約1km

・画像/動画などの 大容量データが取り扱える ・多数の接続ノード数に対応 ・屋内及び敷地内屋外で使用可能

低周波PLC (~450kHz)

低速 (kbpsクラス)

5~200kbps

~約2km ・屋外で使用可能

※通信距離は線材に分岐がなく、負荷ノイズ等がない条件下での目安の数値となります。

弊社が採用した高周波PLC(HD-PLC)は、その特徴により、 お客様のIoT・EMS・Automationサービスに貢献します。

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PLC通信の長所

有線接続

無線では電波が届かないことも・・・。 有線接続のPLCなら、安定した通信ができます。

新規の通信配線工事が不要

専用線は壁の穴あけ工事などで工事費が高い・・・。 既設電力線を使うので、工事費が削減できます。

接続設定が簡単

Wi-Fiでは、SSIDやパスワードを設定する手間が面倒・・・。 ワンタッチ設定なので、ライトユーザでも簡単に設置できます。

電源供給

Ethernet PoEよりも高い電流・電圧を供給することが可能です。 9

PLC通信の短所 (通信不可要因) PLC通信は電源線の環境によっては、通信が出来ない場合があります。

(1) 配線長 (2) 負荷ノイズ

(3) 配線分岐

・ 配線長が伸びると減衰して、通信できなくなります。 ・ 条件が良い環境下においては、kmオーダーの通信も 可能です。(線材の種類によって減衰率は異なります)

・ 負荷ノイズが受信電力を超えると、通信できなくなります。 ・ ただし、家電ノイズはkHz帯が中心に発生するため、 HD-PLCが使用するMHz帯はノイズを受けにくいです。

・ 配線分岐が多いと減衰して通信できなくなります。 ・ Multi-hop機能により中継することで問題解決が可能。 約3.5dB/分岐で減衰します

S/N

(4) トランス(変圧器)をまたぐ ・ 高圧受電を行っている場合、電力会社は三相交流で 給電されます。単相交流に変換する際に位相間の 交流波形が120°ずれることから、変圧器をまたぐ 通信できなくなります。 ・ そこで、異なる位相を接続する 場合は、PLCのネットワークを Etherケーブルで接続することで 通信が可能。

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約0.1dB/m 減衰します

短所の克服 (マルチホップ機能) マルチホップ機能を利用し、PLCの信号が減衰した場合において、他の端末を経由することで、より広い範囲の端末と通信を可能にする機能です。

× 直接は届かない

○ 中継により届く

PLC①

PLC②

PLC③

通信経路は 通信品質に応じて 自動的に変更される

PLC③に

通信したい!

■ ルーティングプロトコルに低負荷な「ITU-T G.9905(CSMR)」を採用

中継ノード

送信元

送信先

「ITU-T G.9905(CSMR)」の特徴 ・ 子機は初回ネットワーク接続時に親機を探索しますが、 以降は周囲の子機と通信し、通信経路を自動的に選択。 これにより、ネットワークのルーティング負荷が低減。 ・ オーバーヘッド処理が小さいため、大規模ネットワーク でも、接続までの時間が短縮できる。 信号レベルが変化する通信回線において最適です。

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マルチホップ通信経路計算 (CMSR) CMSR:Centralized Metric based Source Routing

プロアクティブタイプ 定期的に”Hello”メッセージを交換して、経路を動的に変更します。

ツリー型トポロジー ターミナル間の通信は、一度マスターを経由します。

マスターを経由することでルーティングトラフィックを大幅に削減し、1000以上のノードを接続するネットワークの構築を可能とします。

ルーティング 各通信経路にはリンクコストを定義します。経路コストはリンクコストの合計です。

通信経路は各通信経路中の最低通信コストを選択します。

M

T1

T2

T3 M

T1

T2

T3 50

10 5

15

Link cost: 8 15

Route cost : 8

10

15

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M-T3通信コスト M-T1-T3:8+15=23 M-T2-T3:10+5=15 M-T3 :50

Switching HUBとして動作 1. Ethernet Bridge

L2 ブリッジのように動作します

2. Serial-Line Bridge (1/3)

Ethernet

T

T

T Switching HUB M

T

T

T

Switching HUB M

T

T

Serial

シリアル通信も行うことが可能です

3. Serial-Line Bridge (2/3)

T

Switching HUB M T

T

T

(Group2)

(Group2)

(Group1)

(Group1)

シリアル通信を複数のグループに分けて使用することが可能です。

4. Serial-Line Bridge (3/3)

T

T

Switching HUB M T

T

Ether⇔Serial ブリッジによる通信も可能です。

Ethernet Serial Serial

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Switching HUBとして動作

M

T

T

T

T

Switching HUB M

T

T

T

複数のPLCネットワークを接続したり、さらに規模を拡張したい場合は、 Switching HUBの接続のように、Ethernetケーブルで接続することで拡張できます この状況下においても、PLCネットワークをまたぐPLCノード間の通信も行うことができます

Serial Ethernet

5. PLC Network Bridge (E4)

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複数の通信を電力を含む1つのケーブルに集約

Ethernet

Serial

M

T

T

T

T

現状の接続形態

PLCを使用した接続形態

HUB

PowerLine

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あらゆる配線(非電力線含む)で通信可能

電力線

同軸線

ツイストペア線

Ethernet

Serial (eg:RS232C, RS485)

PLC装置

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データ暗号化

• PLC間の通信はAES-128暗号化を行っています。 • AES (Advanced Encryption Standard)は鍵長やブロック長が可変の共通鍵 方式のブロック暗号です。 • 暗号化はPLC LSIで行なっているため、ユーザは暗号化を意識することなく 通信を行うことができます。

• AES-128方式の場合、解読に必要なデータ量は288、解読に必要な計算量は2126.18と なっており、直ちに現実的な脅威につながることはないものと考えられています。

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不正アクセス防御

• 産業用途のネットワークは、一般的にはネットワーク構築すると、構成する ネットワーク装置の追加/削除は頻繁には行われません。 • この特徴を生かし、ネットワーク構築時に登録された装置のみで通信を行う “White List”方式のセキュリティ機能を搭載し、不正接続・アクセスを防御します。 ※一般オフィスで使用しているPCのセキュリティは”Black List”方式です。

White List方式 Black List方式

通信許可 登録端末のみ 接続端末全て

未知の脅威 対応可 対応不可

端末の追加 不可 (List追加で許可)

可能

利便性 低い (List保守が必要)

高い

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ビル・施設向けネットワーク

キュービクル内の各系統に 親機(Master)を設置

RS485

電力計測器

セキュリティ カメラ

Ether

人感/照度 センサ

照明灯具

空調室内機

温湿度センサ

人感/照度 センサ

人感/照度 センサ

照明灯具

空調室内機

• 既設建物内で電力線/専用線、無線通信を組み合わせて広エリアネットワークを実現。 • 照明や空調制御システム、各種センサモニタリング、監視カメラなどの通信配線(※)の

敷設工事費用を大幅に削減出来ますので既設ビルへのシステム導入を後押しします。 ※LANケーブル, RS485ケーブル, PWM調光線, 専用線など。

「電力」と「通信」を 一本の配線で利用可能

電力線でなく既設の専用線も PLC通信信号を流せます。

高信頼性で高速通信が可能。

分電盤にPLC中継器を設置

温湿度センサ

トランス間は Etherケーブルで接続

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PLC

電力メータ集中検針

電力会社

• 配線長が長い環境下においても、マルチホップ技術に

より、施設の末端まで、通信エリアを広げることがで

きます。

• 通信速度に余裕があるため、遠隔検針機能に加えて、

HEMSなどのより木目細やかなアプリケーションに活

用できます。

※PLCはスマートメータに接続します

コンセントレータ部にてクラウドと接続します

スマートメータ コンセントレータ

インターネット

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電力/PLC

防犯カメラシステム

• アナログカメラからIPカメラに変更する場合、既存同軸ケーブルの再利用が可能です。 • これにより、新規にEthernetケーブルの配線工事が不要となりますので、 トータルコストの削減が可能です。

同軸ケーブル

Ethernet

HUB/Router/DVR

Bus topology

Star topology

Peer to Peer

同軸ケーブル

同軸ケーブル

T型コネクタ

IPカメラ

IPカメラ

IPカメラ

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PLC (同軸-LAN)

PLC (同軸-LAN)

PLC (同軸-LAN)

PLC (同軸-LAN)

PLC (同軸-LAN)

PLC (同軸-LAN)

PLC (同軸-LAN)

PLC (同軸-LAN)

PLC (同軸-LAN)

PLC (多ch同軸-LAN)

学校向けネットワーク

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既存配線(TVアンテナ線・電力線)を活用することにより、新たな配線を行うこと なく、施設内にWi-Fi環境の構築を行うことができます。 これにより、ネットワーク環境の整備コストの削減が見込まれます。

また、災害発生時には衛星インターネットを利用すれば、地上通信網が破壊された状況下でも、避難者への通信インフラとして活用可能です。

コインパーキング

1 2

5 6

「給電」+「通信」が可能な為、1本の電力線敷設だけで構築完了。 通信配線が不要な為、工期短縮・コスト削減を実現できます。

管理センター

フラップ ・稼動状況の確認

・可動制御

監視カメラ

精算機 ・遠隔メンテナンス ・つり銭管理

照明制御 ・点灯/消灯制御 ・不点検知

※電線は、地下埋設状態でも通信可能。

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一時駐車場への高速電力線通信の活用で、安価にソリューション構築が可能です

セキュリティゲート

ICカード リーダー

テンキー

1 2 3

4 5 6

7 8 9

C 0 *

監視カメラ

電気錠

主制御装置

高速通信かつ直流電源でも使用可能な為、 よりセキュリティの高いソリューションの構築ができます。

DC電源/PLC

データ記録 録画

高速電力線通信の活用により、様々な機器を統合したソリューション構築が可能!

遠隔操作 遠隔監視 遠隔メンテナンス

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スマートホーム

Home Automationなどにおいて、赤外線学習リモコンにPLCを組み込むことで、 複雑な設定を行うこと無く、コンセントにさすだけで設置することが可能になります。

エアコン コントロール

照明 コントロール

テレビ コントロール

カーテン コントロール

センサデータ 収集

簡易 セキュリティ

ルータ

Internet ルームマスター

PLC

スマートフォン

遠隔操作

アラート通知

Ir

Ir

無線

無線

無線

Ir

環境センサ

セキュリティ センサ

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スマート家電(給湯器)

高速通信を活かしたサービスの提供

データ通信・音声通信に加えて、動画などの大容量コンテンツに対応。 高速通信であるため、各種制御通信の割り込みが行いやすい。

給湯器

台所リモコン

浴室リモコン

クラウドサービスなどとの連携により、メンテナンス情報の収集も可能。

IPベースによる通信

給湯器

給湯器 駆けつけメンテナンス

データセンター

スマートフォン

遠隔操作

動画サイトなどの表示

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電力/PLC

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オープンシステムの各標準との連携を推進

既存の電力/専用線にてMbpsの高速通信を実現します

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インテリジェントビル用ネットワーク 通信規格

インテリジェントビル用ネットワーク 通信規格

ビル設備分散制御ネットワーク 通信規格

照明制御 通信規格

通信高速化対応

2016年10月に最大通信速度が1Gbpsとなる”HD-PLC Quatro Core”を発表

特長 • 8k映像が伝送可能な、最大速度1Gbpsの高速モデム • ワンチップで用途に応じて5段階にモード切替が可能 (スケーラブル)

• 4倍モード :1Gbps (同軸線利用) • 2倍モード :500Mbps • 標準モード :240Mbps (HD-PLC) • ½倍モード :通信距離約1.5倍 • ¼倍モード :通信距離2倍

上記機能を実現した制御LSIを開発中(IPコアは提供中) ”高速化”, ”長距離通信”にフォーカスし機能改善を進めていきます

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VPLC-CORE100 PLCモジュール

• 自社製品への組み込み用途に使用可能なPLC通信モジュールです。 • 既存の電力線等利用して高速で高品位なデータ通信を実現します。 • 本モジュールはBaseband, AFE, メモリ等で構成されています。本モジュール を使用することで、PLC技術を応用した様々な通信機器の開発が容易になります。 • 本モジュールはIEEE1901仕様に準拠した第三世代のPLCモジュールです。 • 伝送線は電力線、同軸線、ツイストペア線などが使用可能です。

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VPLC-1000 IoTゲートウェイ お客様のIoT化推進のため、各種センサや制御装置の情報を電力線を使って

通信させる装置です。

既存の電力線を用いることにより、低コストかつ短期間でIoT化が可能です。

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現在の製品ラインナップ • AC100-240V • Ethernet • RS485/232C • DALI

まとめ:PLCで実現するIoTソリューション

• 導入運用コストの抑制 既存の配線を利用可能 電力と複数種類の通信をまとめて1本のケーブルで伝送可能

• 通信の安定性 マルチホップ機能により長距離通信への対応 無線とPLCの相互補完で通信を安定化

• 強固なセキュリティの確保 AES-128暗号化によるPLC間データ通信 White-List機能による外部からの不正アクセスの遮断

34 PLCは産業用途でのIoTネットワーク構築に適しています

ありがとうございました。

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※“HD-PLC”はパナソニック株式会社が提唱する高速電力線通信方式の名称です。 “HD-PLC”はパナソニック株式会社の日本、その他の国における登録商標または商標です