以上でございます。 - WAM NET(ワムネット) ·...

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以上でございます。 ○駒村委員長 ありがとうございます。 続けて、養成施設協会からお願いいたします。 ○田中委員 9ページで ございますけれども、4つほど抜けております。 まず、ここに挙げておりますのは、法改正で決められた300時間の教員講習で、これは 年2回、東京と大阪で開催をして教員研修をやっております。次に教員向けですが、全国 研修会を毎年1回やっております。約350~400名の参加者です。ちなみに今年は12月に 奈良で、介護福祉士のグランドデザインをテーマに、ドイツとフィンランドから研究者を 呼んで、そういうことをやってみようと考えています。 2つ目は、全国7ブロックでございまして、そこで地方の研修会を実施しております。 それぞれの地域に合ったテーマで教員の研修をやっております。 3番目は、この協会に介護福祉士教育学会を立ち上げまして、約1,000名の会員で、こ れも年1回、研究大会をやっております。8月に群馬かどこかで、これも教員研修の一環 でございます。 最後に、これは国家試験の実技免除のための介護技術講習です。これは介養協が厚労省 の要請を受けまして協力させていただいているということで、毎年5~6万、最近、受講 者の数が増えてきておりまして、養成校の教員は大変だということでございますけれども、 5日ないし6日間の技術講習は受講者に大変好評であります。こういうスクーリングで学 べるこ とについて、もっと学びたいという声が受講者の中からあるということを聞いてお ります。 以上でございます。 ○駒村委員長 ありがとうございます。 次は、全国ホームヘルパー協議会からお願いいたします。 ○中尾委員 全国ホームヘルパー協議会から報告させていただきます。資料としましては 10~13ページまで載せております。 27道府県が各自で研修をしているというのが基本的な研修の在り方です。ただ、年に1 回だけスキルアップ講座としまして、全国を対象に研修を実施しております。昨年度は秋 田県で開催しましたけれども、本年度は愛媛県の予定になっております。これを見ていた だいて、わかる傾向があるかと思うんですけれども、この研修をやっていく中で、これは 課題でもありますけれども、年々参加人数が減っている。と同時に、県によってすごい格 差が生じているといったところが見えてくるかと思います。研修の内容につきましては、2 7府道県がそれぞれ考えた研修内容となっております。 これをまた見ていただいて、今後の謹題としては、先ほども言いましたけれども、参加 人数が年々減少している傾向にあるということです。今まで、休暇等を利用してヘルパー も現場の職員も参加してきていたのですが、根本的なものは人員不足というのがあると思 うんですけれども、事業所の協力がなかなか得られないことがあって、参加できない状況 -17 -

Transcript of 以上でございます。 - WAM NET(ワムネット) ·...

Page 1: 以上でございます。 - WAM NET(ワムネット) · 人数が年々減少している傾向にあるということです。今まで、休暇等を利用してヘルパー

以上でございます。

○駒村委員長 ありがとうございます。

続けて、養成施設協会からお願いいたします。

○田中委員 9ページで ございますけれども、4つほど抜けております。

まず、ここに挙げておりますのは、法改正で決められた300時間の教員講習で、これは

年2回、東京と大阪で開催をして教員研修をやっております。次に教員向けですが、全国

研修会を毎年1回やっております。約350~400名の参加者です。ちなみに今年は12月に

奈良で、介護福祉士のグランドデザインをテーマに、ドイツとフィンランドから研究者を

呼んで、そういうことをやってみようと考えています。

2つ目は、全国7ブロックでございまして、そこで地方の研修会を実施しております。

それぞれの地域に合ったテーマで教員の研修をやっております。

3番目は、この協会に介護福祉士教育学会を立ち上げまして、約1,000名の会員で、こ

れも年1回、研究大会をやっております。8月に群馬かどこかで、これも教員研修の一環

でございます。

最後に、これは国家試験の実技免除のための介護技術講習です。これは介養協が厚労省

の要請を受けまして協力させていただいているということで、毎年5~6万、最近、受講

者の数が増えてきておりまして、養成校の教員は大変だということでございますけれども、

5日ないし6日間の技術講習は受講者に大変好評であります。こういうスクーリングで学

べるこ とについて、もっと学びたいという声が受講者の中からあるということを聞いてお

ります。

以上でございます。

○駒村委員長 ありがとうございます。

次は、全国ホームヘルパー協議会からお願いいたします。

○中尾委員 全国ホームヘルパー協議会から報告させていただきます。資料としましては

10~13ページまで載せております。

27道府県が各自で研修をしているというのが基本的な研修の在り方です。ただ、年に1

回だけスキルアップ講座としまして、全国を対象に研修を実施しております。昨年度は秋

田県で開催しましたけれども、本年度は愛媛県の予定になっております。これを見ていた

だいて、わかる傾向があるかと思うんですけれども、この研修をやっていく中で、これは

課題でもありますけれども、年々参加人数が減っている。と同時に、県によってすごい格

差が生じているといったところが見えてくるかと思います。研修の内容につきましては、2

7府道県がそれぞれ考えた研修内容となっております。

これをまた見ていただいて、今後の謹題としては、先ほども言いましたけれども、参加

人数が年々減少している傾向にあるということです。今まで、休暇等を利用してヘルパー

も現場の職員も参加してきていたのですが、根本的なものは人員不足というのがあると思

うんですけれども、事業所の協力がなかなか得られないことがあって、参加できない状況

-17 -

Page 2: 以上でございます。 - WAM NET(ワムネット) · 人数が年々減少している傾向にあるということです。今まで、休暇等を利用してヘルパー

にあります。事業所によっては、私の事業所がそうなんですけれども、県外の研修に参加

することを認めていない事業所もある。そういったことが課題として上ってきていると思

います。

あと、工夫はどうしているのかということですが、研修に参加していただいた方にアン

ケートを書いていただいて、その中から、最も勉強したいと、今後このような研修をして

いきたい、学びたいといったことを活かしています。また、全国段階では、有名な先生が

いらっしやるんですが、樋口恵子先生とか、是枝先生とか、以前に参加していただいたん

ですけれども、このような先生に参加していただいて有意義な研修をしていくということ

をしております。

あとは、どんな支援が必要なのかということですが、やはりここでも同じ課題、事業所

の協力、事業所の理解という課題が出てくるかと思います。特に、人員不足、費用負担を

どうするかとか、いろんな問題が今、ヘルパー協では出てきています。全国に色々ないい

研修があったとしても、それがなかなか受けられない現状にあるというこ とを私たちは痛

感しております。現場の者はもっともっと勉強したいんです。けれども、事業所の協力が

なかなか得られない。先ほどの介護福祉士のアンケートの中にもありましたけれども、事

業所負担がなかなか得られない、協力が得られないという事業所が多くあるという状況な

ので、今後の課題として、事業所にもっともっと支援していただくように協力をお願いし

ていきたいと考えているところです。

以上です。

○駒村委員長 ありがとうございます。

馬袋先生、お願いいたします。

○馬袋委員14ページですけれども、私どもは民間事業者の質を高める一般社団法人全国

介護事業者協議会、通称「・民介協」でございます。今回の質問については、研修の内容の

詳細は、書き出したらかなりありますので、そこは書いておりません。内容としてここに

記載しているとおりです。私ども民介協では一番重要なものとして、現場の研修を全国8

ブロックに分けて、各地区でやっています。しかし、最も大切なのは、経営者である管理

者そのものに対する研修をしっかりやろうということで、私どもは、特に昨年度につきま

しては、地区研修で介護保険制度の改定であるとか、交付金であるとか、これに合わせて

労働法規の関係を徹底的に勉強するということで、全会場に社会保険労務士を呼んで、勉

強しています。そういう形で、どちらかと言いますと経営者、管理者を中心に研修を実施

しております。研修の内容の詳細はそちらに記載されているとおりです。

もう一つは、全国の中で介護というものを勉強していくときには、事例から学ぶという

のが非常に大切だということと、全国に同じ仲間がいるということで、事例発表というこ

とで、北海道から沖縄、宮古島の方まで、各地域からよい事例を出していただいて、全国

から大体60~70事例出てきますけれども、その中から10事例を選抜して、発表者につい

ては交通費も全部持って、東京で全国事例発表会研修をやっています。ここに提案するこ

-18 -

Page 3: 以上でございます。 - WAM NET(ワムネット) · 人数が年々減少している傾向にあるということです。今まで、休暇等を利用してヘルパー

とに前向きに努力している事業者、介護現場スタッフがいます。事例発表会も9回の開催

となりました。その意味では、研修そのものについては各地域で、団体とし七は経営者、

管理者というマネージメント層に対する研修を強化しようという形でやっております。

質問2から質問4のところのデータを送るミスがあったようでございますので、割愛し

て申し上げますと、全体の研修についての課題についてなんですが、私どもの団体は中小

の事業者が非常に多いというのが実態です。一つひとつの事業所でやるのは非効率になっ

てしまう、良い先生が確保できないことや、やはり今後の研修については、非効率を集約

化するという1つの考え方で、私どもは、地域でやっていらっしやる団体と連携をしなが

ら、総合的な研修を実施しています。認知症についてはグループホーム協会の勉強会へ参

加するとか。そういう意味では、今後は、今日の色々な資料の中にもありますけれども、

各団体で色々な研修が行われていますが、その研修を総合認証するということをすれば、

地域でより密着した研修ができるのではないかと思っています。

それから、新しい取組みとして、Web、ITによる研修をしようということで、訪問介

護の管理者について、Webの研修をスタートいたしました。自宅、または空いた時間でパ

ソコン、インターネットで研修して、カリキュラムごとにテストができるという形で、こ

れはシルバーサービス振興会が開発されたものを私どもは利用させていただくということ

で、総合認定しながら進めている事例です。

全体を見ますと、研修を各団体とやりながら思うんですけれども、色々な研修会が聞か

れているんですが、それは研修会であって、現瘍の中のサービスの標準とか、プロセスと

か、ケーススタディにつながってこないというところで、すなわち、これからケースメソ

ッドとか、問題解決手法だとか、内容を支援する、そういった内容のものが必要になって

くると思っております。

以上です。

○駒村委員長 ありがとうございます。

続けて、庚江先生、お願いいたします。

○廉江委員 全国社会福祉施設経営者協議会の鹿江でございます。

私どもは、先ほどの馬袋さんと同じで、経営者の会でございまして、介護職員のフォロ

ーアップは余り直接にはできません。しかし、社会福祉法人の理念とか在り方、方向性、

そういうものをトップの人が学ぶことによって、末端の職員まできちんと伝えていくこと

が非常に大事なことになってきていると思っております。

介護保険事業経営セミナーから書いておりますけれども」私どもは介護保険だけではな

くて、障害とか保育とか持っていますので、それぞれ分けて、いろいろセミナーはやって

おります。我々としては、例えば、施設から在宅へとか、地域包括ケアだとか、そういう

流れが来たときに、なるべくそれを先取りして会員の皆さん方に周知徹底していくという

ことを考えておりまして、介護保険に関するセミナーも年3回やって、1.300人というた

くさんの人を集めています。大変多くの方が参加されまして、オーバーブッキングになる

ー19 -

Page 4: 以上でございます。 - WAM NET(ワムネット) · 人数が年々減少している傾向にあるということです。今まで、休暇等を利用してヘルパー

ぐらいの人数で、年々会場を広く しなければいけないので、会場の選定に非常に苦労して

いるところでございます。そういうことで、我々のセミナーそのものが非常に関心は持っ

ていただいていると思っております。

また、職員に対する直接的なことになりますと、主任■係長講座とか、コーチングのセ

ミナーとか、リスクマネジャーの養成、初級、上級という形で、これは比較的末端の職員

まできちんと行くような形になると思いますけれども、中堅職員からつなげていくような

カリキュラムの中でやらせていただいております。

我々としては、この7月ぐらいから毎年始めますけれども、全国のブロック会議という

ものをやりまして、地域が何を困っているのか、どういう研修ができなくて困っているの

か、どういう人材育成ができなくて因っているのかということがありますので、それを集

約いたしまして、全国大会なり、いろんな機会を通じて地域にフィードバックして、こう

いうふうにやったらどうですかという提案をしていくということもしております。

もう一つは、私どもは青年経営者会という下部組織を持っています。それは、若い層の

人材育成と同時に、より密着した現場の職員との接点をつなげていくという形のことをや

っておりまして、かなり効果が上がっております。今、9割方の都道府県にそういう組織

ができておりまして、より浸透するようにしております。

それから、これからの問題としても、現場の研修をやろうとすると、ロットが小さくな

ってきています。小規模多機能型あり、ユニット系ありということで、なかなか研修でき

ない。身近なところへなかなか職員が派遣できなかった。遠方に出せない。または、1法

人1施設などという小さな法人がありますから、なかなか自分たち単独でできないんで、

これからは核になる法人を中心にして、エリアで研修体制ができるような支援体制ができ

てくるといいなと思っております。同時に、法人間格差が非常に大きくて、なかなか研修

体制ができないような法人もありますので、今、言ったような形を取りながら、フォロー

アップをしていくようなことをしたいと思いますので、そういう支援をこれからまた是非

よろしくお願いしたいところでございます。

以上でございます。

○駒村委員長 ありがとうございます。

桝田先生、お願いいたします。

○桝田委員 全国老人福祉施設協議会の研修ですけれども、介護職員当ての基本的な部分

とか、実務的な部分の研修は、都道府県、あるいは指定都市の老施協とか、デイサービス

協議会の方が基本的には年何回かというふうに決めてやっております。その中で、具体的

な内容という部分になってきますと、都道府県の中の地区ごとにブロックを決めて、もう

少し身近なところの研修会という体系を持っております。

全国老施協で行う研修は、全国老施協の分と、8つのブロック、北海道とか、東北ブロ

ックとか、そういう形の中で行う部分で、1つの部分は各地区の方から研修会の要請があ

る、例えば、ユニットリーダー研修会とか、認知症の実践者研修とか、リーダー研修辺り、

一 20【

Page 5: 以上でございます。 - WAM NET(ワムネット) · 人数が年々減少している傾向にあるということです。今まで、休暇等を利用してヘルパー

地域によっては会員の施設で受講申込みを幾らしても順番が来ないというところがござい

ますので、そこらの方を対象にする、行政が行っている研修会のフォローをしているとい

う部分があります。

それと、もう一つは、先駆的な取組みとか、これから介護の現場で頑張っていかなけれ

ばいけない内容に取り組んでいます。それはN P O法人の日本介護支援協会とタイアップ

しまして、例えば、ターミナルケアの研修会、それから、認知症ケア、今は北欧式のトラ

ンスファーについて、実務的な部分を含めて行っております。それと、介護力向上のため

の研修会。ちょっと長期にはなるんですけれども、例えば、特別養護老人ホームで、おむ

つゼロを目指して、実際に研修会を受けて、日中はおむつゼロという特養が何か所も出て

きております。そういうふうな先駆的な取組みを行って、それを各地域の、特養であれば

特養に広げていくという研修体系を持っております。

ただ、問題点が出てきていますのは、平成15年、平成18年と介護報酬がダウンしたと

きに、全国的に研修に参加する方がどんどん減っていった。施設の数は増えているんだけ

れども、参加はだんだん抑えられてしまったというのがありまして、やっとこの21年度か

ら各研修会の参加人数もかなり上向きになってきて、定員を定めている部分で、定員オー

バーでお断りするというのが、21年、22年の′傾向として出てきた。

これらの部分は、各事業所のいわゆる収支に応じて、研修費用もかなり作用されてしま

う。研修会に出してあげたいけれども、予算が組めないという問題と、もう一つ、現場で

起こっているのは、デイサービスなどは特に起こるのですけれども、平日の営業時間帯の

中で研修会に参加させたいけれども、人員配置のやりく りがつかない。1人が研修会に行

ってしまうと、その日、人が足りないから、減算の問題云々が絡んできて、出たくても出

られないという現状がある。特にヘルパーなどはあると思うのですけれども、そういう部

分が改善として必要な部分ではないかと思っております。

○駒村委員長 ありがとうございます。

では、山田先生、お願いいたします。

○山田委員 19ページをお願いします。N P O法人介護人材キャリア開発機構です。

90年代後半にグループホームが制度化されて、例えば、一特別養護老人ホームなどで認知

症の方が、帰りたい、お出かけになりたいと言うと、かぎをかけて出て行かないようにし

ていたケアから、施設によっては、民家を借りて、1日そこで過ごしていただくような本

人の気持ちに寄り添うケアの動きが始まった。それから、2000年前後に、ユニットケアな

どによる個別ケアヘの動きが本格化したが。いわばケアが全国的に大転換し始めるという

のが2000年前後からです。そこで、OJTの中で獲得できる専門性とは果たしてどうなん

だろうかという疑問を感じた福祉施設長たちでつくったN P Oです。

2003年度から、100ほどの施設の協力を得て、映像教材を集め始めた。その映像教材を

使って、非常にテンポの早いグループワークをするような研究方法を開発しました。平成

川年の3月に提案された、介護福祉士の方に対して、標準的なリーダーとしての資質を学

【21-

Page 6: 以上でございます。 - WAM NET(ワムネット) · 人数が年々減少している傾向にあるということです。今まで、休暇等を利用してヘルパー

ぷというファーストステップ研修にその教材を生かして研修を行い始めたというものです。

その後、毎年、全国各地で研修を実施してきましたが、これは去年の調査ということで

すので、ここに書いてありますように、一昨年から、近畿の6つの県の老人福祉施設協議

会で1.100施設あるんですが、当法人の教材を提供し共同してファーストステップ研修を

実施しました。6人6グループ36人定員募集ということで行い草した。初年度は希望者が

多かったため、2グループ増やしました。研修講師を育てるということをやりました。こ

れは一般受講者の13日間、78時間の研修をチューターの役割で参加していただいた上に

別に設けた講師研修に出ていただいて、更に試験をするということで、大変厳しいものと

しました。昨年ようやく各県3人以上ずつ合計20名の講師を認定し、今年から各県での講

師による研修がスタートしています。このような経過です。

そして、質問2の部分ですけれども、甥場の職員を講師として養成していく というのは

強めた方がいいとますます確信しています。

それから、質問2の④に書いていますが、科目ごとにばらばらの講師がばらばらのレジ

ュメでというのはやめた方がいい。やはり「全人的理解」「尊厳の保持」「人間関係の構

築」などの理念を統一した研修内容、そのための一貫した教材の準備が大事だと思ってい

ます。

質問3のところに書いておりますlナれども、これらの研修は、今回の600時間にも関係

しているんですけれども′、制度研修としてきちっと位置づけられるということなどいろい

ろ行われている研修の整合性をきちっと整理した方がいいと思っています。

質問4のところに書いておりますけれども、④、⑤、⑥の辺りですが、キャリア形成に

とって魅力のある研修方法をどんどん開発研究する必要があるということ。それから、ス

キルを高めることが魅力あるものとする環境整備(処遇、社会的認知など)です。現在、

介護事業者の介護職を取り巻く環境の改善やキャリアツプ支援への決意というのは大変大

事な時期に差しかかっていると思っています。それから、最後に書いてありますけれども、

キャリアに応じた一定の研修派遣を法定上の義務とする。こういうことも大事だと思って

います。

以上です。

○駒村委員長 ありがとうございました。

皆様からの説明、大変ありがとうございました。少し具体的な御提案もあったかと思い

ますけれども、その辺は後ほど議論を深めなければいけないと思いますが、まだ本日の議

題が残っております。

それでは、事務局より「今後の介護人村養成の基本的な方向性に関する論点」について、

資料説明をお願いいたします。

○泉福祉人材確保対策室長 それでは、次に資料2をご覧頂きたいと思います。「今後の

介護人材養成の基本的な方向性に関する論点」としたタイトルの資料でございます。基本

的には前回提示させていただきました資料とつく りは同じでございまして、第2回の検討

ー 22 一

Page 7: 以上でございます。 - WAM NET(ワムネット) · 人数が年々減少している傾向にあるということです。今まで、休暇等を利用してヘルパー

会におきまして委員の皆様にいただいた意見を追加しております。

まず、1ページ目、2ページ目は前回と同様でございまして、3ページ目から各委員の

意見を追加する形で資料をつくってございます。追加した部分につきましてはアンダーラ

インを引いてございますので、御紹介していきたいと思います。

まず「人材養成に関する論点」の「介護福祉士資格取得までの介護人頼義成の体系につ

いて」の「(1)養成の目標・体系等について」でございます。1つ目、介護人材の量的

確保、質の向上を両立させる観点でどう考えるかですが、、参入ルート、資格取得ルートに

つきましては、介護職の業務、モチベーションは多様であるので、安易にひとく く りで議

論すべきではない。あるいは、介護のニーズー業務は幅が広いので、人材の量の議論、介

護専門職が提供すべき介護について、体系的に整理,した上で議論すべきではないかとの御

意見をいただいております。

4ページ目「(2)中堅段階の介護人材養成、介護福祉士資格について」は、介護福祉

士の役割と他の専門職との分担につきまして、介護福祉士資格がある方とない方の能力的

な差がないのではないか。また、日常的な仕事は資格の有無で余り違わなくても、緊急時

の対応などでは違いがある。あるいは、差がないという実態をそもそも変えることが大切

であるという御意見をいただいております。

4ページ目の下半分、実務経験者が介護福祉士資格を取得する上での技能の到達目標な

どにつきましては、クラフトとサイエンスを結びつける教育が必要。IC F等の視点に基

づいて介護過程を展開することが必要。医療職との連携、判断などができるということを

目指すべき。また、実務経験3年のみで受験できることが他の専門織と比べ社会的評価が

低くなる一因であったため、法改正の趣旨を守るべき。また、介護福祉士の養成には本来

3年程度の期間が必要。介護職員には学習したい意欲はあるけれども、時間的、経済的な

負担、事業所の対応などから考えると、600時間課程は現実的ではないという御意見をい

ただいております。

5ページ目「(3)初任段階の介護人材養成について」は、特段つけ加えた部分はござ

いません。

6ページ目「(4)研修受講支援策等について」でございますが、現任職員の方々が働

きながら無理なく受講できるようにするという観点で、積極的に実習生を受け入れること

についてどう考えるかですが、現場で教育する能力・人材が欠けているため、インターン

シップなどが機能するか疑問がある。あるいはOJTを認める場合には指導者の充実が大

事である、といった御意見をいただいております。

また、事業者団体などが行います外部研修などの受講歴を活用することにつきましては、

科目ごとの単位認定、あるいは日本版N VQとの連携、また、さま.ざまな学習歴を幅広く

認めるなどの対策が現実的ではないかとの御意見をいただいております。

7ページ目「2.チームリーダー、施設長等の段階における論点」については、特段追

加事項はございません。

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Page 8: 以上でございます。 - WAM NET(ワムネット) · 人数が年々減少している傾向にあるということです。今まで、休暇等を利用してヘルパー

8ページ目「その他の論点」ですが、各資格一研修制度とは別個に位置づけられている

制度的な個別のテーマ別研修ということでは、例えば、認知症実践者研修の受講歴を位置

づけることはできないか。また、検定試験などを用意して質を高めることが現実的ではな

いかとの御意見をいただいております。

8ページの一番下、事業所におけるサービスの質、人材育成や処遇の向上につきまして

は、CSI、クオリティインディケーターなどの指標によりまして、介護サービスの人材、

プロセス、結果を見える化することを含め、検討すべき。事業者がきちんと資格取得支援

を行うことが重要という御意見をいただいております。

8ページ目の中ほどを言い忘れております。介護サービスの進展に合わせて基礎教育の

内容を見直す仕組みの在り方については、カリキュラムが、例えば10年以上変わらないの

はおかしいのではないかという御意見をいただいております。

以上が基本的な方向性に関する論点の追加事項の御紹介でございます。

次に、右肩に参考資料と書いておりまして、タイトルは「医療との連携等について」と

しました資料でございます。医療との連携等につきまして若干の資料提供をさせていただ

きたいと思いまして御用意いたしました。

まず、2ページ目で ございます。御存じの方が多いと思いますが、「特別養護老人ホー

ムにおける看護職員と介護職員の連携によるケアの在り方七関する検討について」という

ことで、昨年度、一通りの検討が行われ、モデル事業の実施がなされております。もとも

とは「特別養護老人ホームにおける看護職員と介護職員の連携によるケアの在り方に関す

る検討会」を立ち上げまして、第2回検討会におきまして、特養の医療行為のうちの口腔

内の吸引と、胃ろうによる経菅栄養について、役割分担を整理した上で具体的なモデル事

業を実施することになっております。

具体的な実施方法などは3ページ目に書いてあるのですけれども、4ページ目の結果を

ご覧頂きたいと思います。全国125施設(41都道府県)において実施をいただきまして、

安全性につきましては、ヒヤリハットーアクシデント発生の報告におきまして、救命救急

などの事例はなかったということでございますが、ヒヤリハットーアクシデントの報告あ

りは45施設(36%)、報告なしが80施設(64%)となっております。

プロセス評価といたしましては、口腔内吸引及び胃ろうによる経菅栄養が「介護職員が

独りでできる」との評価は、研修後2か月で80%以上、研修後3か月が90%以上と、月日

の経過とともに向上していったという結果がございます。

結論といたしまして、このモデル事業の結果を受けまして、特別養護老人ホームにおき

ましては、看護職員と介護職員の連携によるケアの実施について、「違法性阻却」との法

律構成の下で実施をしていただく方向で、現荏、研修などを進めていただいております。

5ページ目の中ほどにございますが、内容とし苦しては、モデル事業のように、口腔内の

たんの吸引(咽頭の手前まで)、それから、胃ろうによる経菅栄養につきまして実施して

いただくわけで、介護職員の方が実施するわけですが、チューブ接続等は看護職員の方が

一 24 -

Page 9: 以上でございます。 - WAM NET(ワムネット) · 人数が年々減少している傾向にあるということです。今まで、休暇等を利用してヘルパー

行っていただくという条件でございます。連携・協働などにつきまして、看護職員との連

携が取れていること、配置医が承認されていること、体制整備、安全性確保のための施設

内委員会、また記録・マニュアルの整備、緊急時対応の手順の確認・訓練の実施等してい

ただくということになります。また、研修の実施もきちんとしていただく ことが条件にな

っており、入所者本人・家族の同意も要件としているという状況でございます。6ページ

目は、簡単に図で示しております。

以上のような形で、特別養護老人ホームにおきましては、口腔内吸引を実施できるよう

に方向づけがされているわけですが、7ページ目をご覧頂きますと、医政局におきまして

開催されてましたチーム医療の推進に関する検討会報告の中で、看護職員と介護職員の役

割分担についても若干の言及がございます。

そのまま読みますが、「地域における医療一介護等の連携に基づくケアの提供を実現し、

看護師の負担軽減を図るとともに、患者・家族のサービス向上を推進する観点から、介護

職員と看護職員の役割分担と連携をより一層進めていく必要がある。

こうした観点から、介護職員による一定の医行為の具体的な実施方策について、別途早

急に検討すべきである。」という検討会報告となっております。

8ページ目は、地域包括ケア研究会という、老人保健健康増進等事業で実施していただ

きました研究会報告書が載っておりますので、後ほどご覧頂ければと思います。

以上が医行為関係でございます。

それから、9ページ目以降でございますが、第2回の検討会の場で北村先生からNatio

naE VocationalQualification、日本版N V QとC SI、クォリティ ■ インディケータ

ーについて御紹介がありまして、委員長から、それについて事務方で資料を用意するよう

にという御指示をいただいたところでございます。資料のつく り自体のよしあしという点

もあろうかと思いますが、簡単に御紹介をさせていただきたいと思います。

まず、日本版N V Qについてでございますが、10ページ目をご覧頂きたいと思います。

日本版N V Qは、雇用戦略対話におけます内閣総理大臣の指示に基づき、緊急雇用対策本

部の「実践キャリア・アップ戦略推進チーム」におきまして「実践キャリア・アップ戦略」

構想骨子案が示されました。その中で創設することが示されているものでございます。

もともとのN V Q(Nationa[vocationalQualificatjon)と申しますものは、イギ

リスで20年以上前から導入されております国民共通の職業能力評価制度でございます。訓

練や仕事の実績を客観的に評価いたしまして、再就職やキャリアアップにつなげる役割を

果たしていると伺っておるところでございます。そのようなイギリスで行われております

N V Qを日本版として取り入れることを考えてはどうかということでございます。制度の

詳細につきましては、今後検討される予定と伺っております。制度構築に当たりましては、

既存のジョブカード制度、あるいは職業能力評価基準、資格制度、訓練カリキュラムなど

のツールを有効に活用していくことが必要と、この中でも取り上げられているということ

でございます。これが日本版N V Qの検討状況でございます。

- 25 -

Page 10: 以上でございます。 - WAM NET(ワムネット) · 人数が年々減少している傾向にあるということです。今まで、休暇等を利用してヘルパー

12ページ目で ございますが、在宅介護業の職業能力評価基準でございます。現在、厚生

労働省におきましては、職業能力が適正に評価される社会基盤づくりということで、能力

評価の物差し、あるいは共通言語となります能力評価基準の策定に取り組んでいるところ

でございます。経理一人事など事務系職種に関する横断的な能力評価基準もございますが、

在宅介護業を含めます47業種の能力評価基準が策定されております。現在、施設介護業の

能力評価基準についても検討中であるということでございまして、担当部局におきまして

は、今年度中の策定を目標にしていると伝えております。

以上が在宅介護業の職業能力評価基準でございまして、概要につきましては、恐縮です

が、16ページ目までの資料を後ほどご覧頂きたいと存じます。

最後に、クォリティ・インディケーターについての御紹介でございます。具体的には18

~19ページで ございます。これは養成プロセスというよりは、むしろ医療の質を評価する

物差しについてどうするかという御議論の中で、クォリティ・インディケーターというも

のが最近脚光を浴びているということでございます。この分野におきましては、聖路加国

際病院の院長の福井先生がおまとめになった資料がございまして、その資料から抜粋する

形で御紹介申し上げようと思います。

まず、医療の質は「標準医療」への準拠の程度によって示されるといった考え方に基づ

きまして、標準医療が実践されている度合いを数値で示すということをいたします。ベン

チマークすることによりまして、自分自身の位置を知ることができる。また、エビデンス

とプラクティスのギャップの測定をすることによりまして、診療プロセス改善の動機づけ

をすることができると言われております。

医療の質を評価する3つの側面としましては、ストラクチャー、プロセス、アウトカム、

それぞれあるわけですけれども、プロセスの評価が現在のところでは最も望ましいという

説に基づいた考え方になるものでございます。

現に、聖路加国際病院では1つ大きな成果が上がっていると伝えられておりまして、19

ページ目をご覧頂きたいと思いますが、入院患者の転倒t転落発生率について統計を取っ

ておられるわけです。パーミルですので、パーセントの川分の1ですが、2パーミル以上

を上回っておりました入院患者の転倒■転落発生率が、2007年においては改善をされてい

るということでございます。そうした改善の要因分析をされまして、更に改善策を講じら

れましたところ、2008年におきましては1.50パーミルということで、更に入院時の転倒

・転落の発生率が減ったといった結果が伝えられております。こうしたことが医療の世界

では、既に一部の分野では活用されているということでございました。御紹介でございま

す。

○駒村委員長 御説明ありがとうございました。

続きまして、研修実施調査結果から見た介護職員の研修受講機会等の現状と課題につい

て、また、今後の介護人材養成の基本的な方向性に関する論点についても含めて、各委員

の御認識、お考えをそれぞれ御発言いただきたいと思います。挙手の上で御発言ください。

ー 26 -

Page 11: 以上でございます。 - WAM NET(ワムネット) · 人数が年々減少している傾向にあるということです。今まで、休暇等を利用してヘルパー

石橋先生、お願いいたします。

○石橋委員 先ほど事務局から医療との連携等につきまして御説明いただきました。その

中で、介護職がたんの吸引等を実施することについては今後検討されていくとお聞きして

おりますけれども、そのこととこの検討会との関係をどのようにやっていくのかというこ

とと、併せて、この際、600時間とか、1,800時間のカリキュラム自体も見直していくのか。

もし600時間のカリキュラムを見直すとすると、24年度施行についても見直すのかという

ことをまず1つお伺いしたいと思います。

それから、もう一点、余り関係ないと思うかもわかりませんけれども、この法律が19

年度に施行されたとき、フィリピンとのE P Aとの関係から突然合意もなく准介護福祉士

というのが出てきたわけでございますけれども、この資格については、私たち介護福祉士

会は、介護制度の発展のためには非常にマイナスということで反対運動を行ってきました。

国会の・審議の中でもたしか与野党とも准介護福祉士創設には批判的でありまして、最終的

に同法改正の公布から5年後、24年の施行前に准介護福祉士制度については検討を加え、

その結果に基づいて必要な措置を講ずるという法案修正が可決されて、実際には准介護福

祉士を誕生させないという法案の趣旨があったわけでございます。これについての今の現

状はどうなっているのかの確認と併せて、これにつきましては、その趣旨に沿って准介護

福祉士を誕生させないように努力していただきたいことを政治・行政を担当する方にお願

いしたいということを申し上げたいと思います。

○駒村委員長 事務局より、今、3点ありましたので、御回答いただきたいと思います。

○土生老健局振興課長 最初の1点目は、介護職の医療行為の件でございますけれども、

先ほど泉から御説明しましたとおり、今年度から特別養護老人ホームで運用上実施をする

ことにさせていただいております。御説明しましたとおり、チーム医療の推進に関する検

討会報告書におきましても、別途早急に検討すべきであるという御指摘、更には、最近、

大臣から、法的な整理も含めて早急に議論する、そのための専門の検討会を早急に立ち上

げるべきといった御指示を我々事務方にいただいている状況でございます。そうしたこと

で、別途、医療技術的な面、医事法制的な面、専門的な議論が必要でございますので、早

急に対応すべく、今、準備をしているということでございます。当然、介護人材の養成と

いう中での重要部分ということになると思いますので、その状況につきましては、当検討

会にもきちっと御報告をさせていただきまして、全体の議論に供させていただきたいと考

えております。

1点目については以上でございます。

○泉福祉人材確保対策室長 続きまして、今、お話しいただきました准介護福祉士の関係

について御説明したいと思います。准介護福祉士につきましては、御紹介のとおり、平成

19年の法改正の際に、日本フィリピン軽済連携協定との整合性を確保するために設けられ

た資格でございます。・一方で、介護福祉士、准介護福祉士につきましては、法律の附則に

おきまして、公布後5年を目途とした見直し規定が置かれております。また、公開の附帯

一 27 r

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決議におきましても、早急にフィリピン側との調整を行い、その結果を踏まえ、速やかに

介護福祉士への統一化を図るようにという御指摘をいただいております。そういった問題

意識を踏まえての石橋先生の御意見かと思います。この件につきましてですが、フィリピ

ン側との調整が必要となる案件でございます。国会との関係でも、先ほど申し上げたよう

な附帯決議をいただいていることを踏まえまして、現在、関係省の間で相談を行わせてい

ただいているところでございます。

○駒村委員長 よろしいでしょうか。

ほかの先生方からも御意見いただきたいと思います。挙手をしていただければと思いま

す。

お願いいたします。

○田中委員 介養協でございますけれども、私どもは教員向けの研修をやっております。

先ほど触れるのを忘れておりましたけれども、これは一般にも公開しております。ただ、

外向けに大きく公開していないものですから、会員以外も参加が可能であるということで、

今後ともこういうキャリアパスといいますか、キャリアダラーというものを考えていく場

合に、我々もそれを念頭に研修会を議論していきたいと思っております。

それから、2点目でございますけれども、これだけたくさんの研修がやられているとい

うのは、話は聞いて

感心させていただきました。ネットワークの中で、そういうものが現場の人にとっていい

ものになるように、我々も協力していきたいと思っております。

ただ、枠組みの話がずっと続いていましたものですから、私は1回、2回で中身の問題

を何回か申し上げたのですけれども、私の説明が十分でないということで、それが余り伝

わっていないと思うが、今日のペーパーで少し中身のことを触れたいと思っているわけで

す。

今、委員長の計らいで、前回指摘いただいた我々のペーパーでございますけれども、60

0時間と基礎研修との関連づけた中身について、我々が1年間研究してきた報告書でござ

います。グリーンの方が600時間の中身でございます。ネイビーブルーの方が、既存の本

を全部検証しまして、新カリにどの部分が足りないかということで、中身について報告し

たものでございます。これを参考にしていただければと思っております。

最後に、今度のペーパー、調査でも、現場の人が、とにかくいい人が欲しい、一定の教

育と資格を待った人が欲しいという声が強いということと、もう一点で、実際に働いてい

る人たちはもっと学びたいという声も強い。しかも、学びたいという人は、約70%が独学

で勉強されているということですから、その努力たるものや大したものだなと思うんです。

そこで、議論になっていますように、1つは時間的な問題がある。2つ目は、経済的な問

題がある。3番目に、教育的な支援というものもしていく必要があるのではないかと思い

ます。これについて、介養協としても、いろんな講習会で我々の教員がお手伝いさせてい

ただいていると思うのですけれども、今後、協力することはやぶさかではございません。

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Page 13: 以上でございます。 - WAM NET(ワムネット) · 人数が年々減少している傾向にあるということです。今まで、休暇等を利用してヘルパー

最後に、600時間ということを焦点に議論されているわけなのですけれども、これは国

会の附帯決議で触れられたことなので、議論が延長していっているものですが、もう一点、

附帯決議であったことは、専門家養成という件なんです。この検討会は、600時間に加え

て、在り方ということを議論されているわけでございまして、言う機会がなかったのです

けれども、私たちは高等学校を出てきて、そして専門学校で、あるいは短大で2年間、あ

るいは4年制大学で学んで現場に入っていく。、そういう若い世代が、この仕事に就けば一

定の生活保障、見通しがつくという職業であることと、もう一つは、夢と希望があるよう

な職業であるとなるためには、600時間と実務経験者の検討を行う一方において、もう一

方で、このように若い世代が2年間ないし4年間きっちり勉強して介護の世界に入ってい

くという、こちらの養成も是非とも皆さん方にお考えいただきたいと思います。そういう

ことは、600時間、あるいは基礎研修を含めて、どういうグランドデザインを描くかとい

うことが大事かなと思っております。

以上です。

○駒村委員長 樋口先生、お願いいたします。

○樋口委員 私ども高齢社会をよくする女性の会は、介護ということに閲しますと、利用

者及びその家族及びその候補者という市民団体でございます。全国85グループがございま

すから、年じゆう勉強会をやっておりますけれども、それは、介護保険のよい利用者にな

るためにという内容でございまして、介護技術系の研修は一切いたしておりません。 で

すから、今回、ペーパーをお出しいたしませんでした。

しかし、いろいろ幅広い資料を拝見して、私どものは古い資料だったので今回お持ちし

ませんでしたけれども、2006年に、いわばC S調査に近いことをいたしております。会員

全体の利用者の家族から了84、そして358が利用者本人からでございます。どんな介護者

に介護してもらいたいですかという、利用者側から見た介護者の理想像といいましようか、

願うイメージを書いてもらいました。

今日はペーパーがないので詳しく御説明できませんけれども、利用者本人も家族もー致

しているのが、一定の資格のある中年、家庭経験ある人が望ましいということでした。私

は、今、介養協の先生がおっしやいましたように、若い人がどんどん参入してほしい。私

は介養協頑張れのロです。同様にほかの委員もおっしやっていますように、やはりこの仕

事は、介護される人にとっては、介護しに来る人が全宇宙なんです。でありますから、単

に若い人だけではなくて、経験のある中年とか、ときには年寄り、この間、72歳のヘルパ

ーを取材してきましたけれども、ノ 多様な年齢の人が、特に在宅においては好ましいのでは

ないかと思います。

1つだけ家族と利用者と違いましたのは、利用者は、一定の資格があって中年の女性な

らば、優しく私の話を聞いてくれる人がいいと言う。家族の方は、一定の資格があって、

中年、主婦上がりがいいけれど、かつ状況が変化したときにすぐ対応できる専門性があっ

てほしい。つまり、自分自身、介護者である家族は、自分の介護をリードしてくれる専門

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Page 14: 以上でございます。 - WAM NET(ワムネット) · 人数が年々減少している傾向にあるということです。今まで、休暇等を利用してヘルパー

性をより強く求めているのだということです。ほんのささやかなC S調査でございますけ

れども、1つとして御紹介させていただきました。

今回、私はこれほど広く研修が行われていることを確認し、半ば感動して聞いておりま

した。3Kというのは、いい方の3Kに変えなくては、と思います。高給というのが入れ

ば一番いいんですけれども、これは当分無理そうです。また、高給だけを求めて介護の世

界に入ってきてもらっても困ると思っております。事業者の方々も、適正な利益を得てほ

しいけれども、ここでもうけようとは思っていただきたくない。事業者は高い倫理を持っ

ていただかなければと思うんです。役に立つ、貢献できる、これは目に見えます。それか

ら、これだけ研修があって、向上できる、これはすばらしいことです。みんな勉強好きで

す。「貢献」「向上」、そして、小さな事業所で働く、特にヘルパーさんたちにとっては、

ここが出会いと「交流」の場になっています。貢献、交流、向上というのを、どうぞこれ

からの介護職のいい方の3Kとしてお広中いただきたいと思っております。

最後にもう一つ、私は、ここは介護福祉士の在り方に絞って、余り話を広げてはどうか

とは思いますけれども、せつかく事務方から視野の広い御説明をちょうだいいたしま

ので、ついでに私も広げて最後に言わせていただきます。

介護の世界が何で専門性が認められにくいか。ある程度は歴史が浅いからしようがない

んであ〃まして、医療の世界が発達し、そこへ看護師、看護の仕事が出てきて、そして専

門性の中味が国際的に標準化されているわけです。介護の国際的標準化というのはこれか

ら始まるところだと思います。しかし、その中でだれが先進国かといったら、医療や、ほ

かの世界は別の先進由があったとしても、日本は現状でも、これからも、介護に関しては

世界一のトップランナーであるべきであるし、現にそうでございます。こういう議論が始

まったのを機会に、ここの席でやれというのではありませんが、是非、介護の国際標準化、

国際基準づく りをすすめていただきたい。ある大学におきましては、既に介護の国際標準

化の研究l;着手し、発表できるところまできているところもあると聞いております。厚労

省もどうぞ縦割りを超えて、一緒になってというか、むしろリーダーシップを持って、日

本国政府としてWH Oに国際介護基準のひな型を提出できるぐらいに頑張っていただきた

いと思います。

以上でございます。

○駒村委員長 ありがとうございました。

何かすごい壮大なお詣でした。樋口先生から紹介された2006年のC S調査については、

次回、もし可能であれば配っていただくということでお願いいたします。

○樋口委員 冊子をお持ちいたします。

○駒村委員長 是枝先生、お願いします。

○是枝委員 非常にささやかなお願いなのですが、4年制大学での介護福祉士養成につい

てなんですが、今、介護教員になるというのは非常に時間がかかるもので、それは当然な

んですが、まずは厚労省からは介護福祉士の資格を取ること、それから、現場経験が5年

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Page 15: 以上でございます。 - WAM NET(ワムネット) · 人数が年々減少している傾向にあるということです。今まで、休暇等を利用してヘルパー

あること、そして、文科省からは、大学院の修了があり、研究業績があって、介護教員の

講習会を受けるとなっているのです。介護教員甲講習会は300時間なのですが、4年制大学

ではいろいろ教育をしているので、この教員講習会の一部でいいのですけれども、そこの

ところを免除していただく、そのことがあることでこれからの介護福祉士の教育研究を担

う次世代の人材養成につながるような、巡回した教育がなされると、少しはいいのではな

いか。と同時に、介護教員の講修会、あるいは介護教員の要件の見直し、教える側の質と

いうものもここで再度考えていただきたいなということを提案したいと思います。

以上です。

○駒村委員長 藤井先生、お願いします。

○藤井委員 最初の方で事務局から発表していただいたデータは、大変興味深いデータな

んですけれども、会議中まだどなたも触れられていないんで、私の見解だけを述べさせて

いただきたいと思います。研修なり何なりを組むというときに、品質管理の世界で、当た

り前品質とか魅力品質という視点が必要と思います。それぞれ、「身近である」「安い」

といった「不十分だと不安になる・十分でも満足を高めない」要因と、「受講したメリッ

トがある」「内容がすばらしい」とかいった「十分でないと満足を高めない・不十分でも

必ずしも不満にはつながらない」要因のことです。そもそもがこのアンケート調査は、後

半で事務局から御紹介いただいた介護福祉士の資格の見直し範囲、やれる業務の見直しと

いう詰も告げないまま質問しています。したがって、私は大分後ろ向きな回答が出るのか

なと思っていたのですけれども、それが全く予想外な結果でございました。

資料1-2の職員調査で、まず、11ページの質問15というところがございます。先ほ

ど樋口先生から、

ジメントの立場から幾つかの調査をやりまして、真面目な人もいるけれども、そうでない

人も多い。一般の職業とそんなに変わらないという感触を持っておりましたが、質問15

を一般の仕事を持っておられる方にやったら、こんなに外部研修受講可能日数は出さない

と思います。と申しますのは、この質問自身が、この回答には書いでいないですけれども、

調査票には、あなたの休日や年次休暇、研修制度の活用により年間どのぐらいのと書いて

おりますので、要は自分の休日、休暇を犠牲にしてでもという日数でございますので、こ

れは随分高い。5日以上を合計しますと4割いらっしやいます。年間5日以上研修を受け

たいという方が4割いるというのは、やはり熱心な職場ではないかと見直した。

それから、12ページにまいりますと、私はこの項目があったときに、スクーリングの期

間を短くするというのが一番多いだろうと思ったのですが、何と一番少ない。身近な地域

でできるというアクセスの問題、6番もアクセスの問題だろうと思います。行く責用の詰

もアクセスの問題でございまして、アクセスをよく していただければいいということで、

期間の問題ではないとおっしやっておられると読むのが素直だろうと思います。

ただ、お金の面に関しては、11ページに戻りますと、1万円未満という方が多いわけで

ございますから、この面をどうするかということはあるのだろうと思いますが、そもそも

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日本の社会、日本的雇用では、研修、人を育てるというものが社内、会社がお金を負担し

てやってきた。欧米社会では、会社の外で、自分が負担して教育、研修をやってきた。こ

のスタイルの違いがなぜ発生してきたのか。いろいろありますけれども、OJTとか、身

近なところの方が教えやすいとか、そもそも日本では外の教育機関、訓練機関が整ってい

ないとか、会社特殊技能的なことをやっているのではないかとかという問題もあります。

やらせたい内容について、事業所調査の7ページ辺りを見ますと、接遇というのは多分、

会社独自のものを、特殊技能的なものをやるんだと思いますし、マネージメントもそうだ

と思うのですが、認知症ケアであるとか、感染症予防は、会社の中だけでやる必要は余り

ないと思われます。恐らく外でやってもいい研修が、まだまだ身近なところで受けるとこ

ろがないのでしょう。私もこれだけさまざまな研修がやられているというのはすばらしい

ことだと思うのですが、やはりまだ全体がうまくオーガナイズされていない。山田委員か

らお話ありましたけれども、私も先ほどからお話があるファーストステップ研修を幾つか

見学させていただいたのですが、講師同士が違うことを話しておられるケースもままあり

ます。樋口先生の標準という話がありましたけれども、教える側のコンテンツとか、数え

る側の問題をもうちょっときっちりやって、魅力品質を増すことの方が問われているのだ

と思います。

今回の調査は、結果的に「当たり前品質」を中心にきいているものになっています。そ

れでも、身近なところで、会社に迷惑をかけない形、費用負担がクリアできる形で受けら

れれば、かなり抵抗が低いという結果になっている。そうであれば、「魅力品質」のこと

まで考えれば、ここで議論しているように600時間は決して長くはないのではないかとい

うことでほぼ一致していると思うのですが、これに関しては、今回のアンケートでもかな

り同意を得られているんではないかと思いました。

以上です。

○駒村委員長 ほかの委員、いかがでしょうか。

河原委員。

○河原委員 私だけかもしれませんけれども、この検討会の方向がどのようになっていく

のかというのがよくわからないのです。一番大きな課題は、600時間をどうしていくのか

ということなのですけれども、こういうアンケートも取られて、いろんな御意見も聞いて、

いつぐらいをめどに、それに対してのある決着をつけられようとしているのか、その辺が

よくわかっていなくて、議論の参加の仕方にも影響しますので、もう一回、スケジュール

的なことを教えていただきたい。

1回目のときも言いましたけれども、介護の人材の質だとか、サービスの質を上げてい

くということは、悪いから上げていくということだと思うのですけれども、私はこういう

言葉を聞くときに、うちの組合員の人たちの顔を想像するのですけれども、どのように質

が悪いのか、どういう意見があったのか、どんな苦情がいっぱいあるのか、だから伸ばし

ていかなければいけないのかということをもっと知りたい。それから、介護の人材となっ

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てくると、これも怖い言葉で、人材、まさか括弧して人間性ではないでしょうねと言いた

いのです。そこまで突っ込まれるのであれば、人材の質を上tプなければいけないという、

悪いもめはどのようなものがあったのか、、どのような意見があったのかを聞いてみたいな

と思います。恐らく質ということで言えば、簡単に言ってしまえば、知識、あるいは技術

ということを指すのであれば、これから認知症の利用者の方、あるいは重度化の方、それ

から、医療的なケアのことも増えていくので、そういう知識を上げていかなければいけな

いということを指して人材の買の向上ということだったら理解しますけれども、どうもそ

ういうふうに取れない部分があったので、もしそういうことがあったら教えていただきた

い。

それから、今も大切なポイントは、質も上げなければいけない、量も増やさなければい

けない、同時進行ができるのかどうかという議論だと思います。600時間妄質の向上のた

めにしなければいけない、それはわからないでもないのですけれども、600時間にハード

ルを高く したら、自動的に介護福祉士が少な〈なっていくかもしれないということも見え

ていたはずだと思います。600時間をしなければいけないとなったときに、どういう議論

があったのか。ひょっとしたら量の問題が出てくるよといっても、それに対してはこう思

うだとか、そのような意見がもし過去にあったとするならば、是非聞かせていただくと、

次の議論にも参加しやすいかなと思います。

いずれにしましても私は、シンプル、シンプルとよく言いますが、私もシンプルtイズ

・ベストと樋口先生がおっしやったのはそのとおりだと思うのですけれども、いろんな資

格はあるんですけれども、施設も含めて、何も資格を持っていない人がこの世界に入ると

いうのはどうかと思います。すべからく、在宅も、施設の方も、初級程度のものは持つ最

初の入口は必要だと思っております。とするならば、3段階ぐらいにして、トップが専門

介護福祉士、その次が介護福祉士、それから、例えば、介護士だとか、そのぐらいの3つ

にして、それぞれの求められる役割は何なのか、トップのものは医療的ケアというもっと

レベルの高いものとするならば、そこを中心のものもしなければいけませんし、それぞれ

求められる役割は一体何があるのかということを整理整頓して、そこからも当然カリキュ

ラムもつく られると思うのですけれども、そういったものはまだ見えない。労働組合です

ので、最終的には、その3段階の大きな資格の区分があるとするならば、望ましい処遇と

いうのは一体いかなるものなのかということを、是非議論の中に入れてほしいと思います。

済みません、ランダムでございましたけれども、以上です。

○駒村委員長 スケジュールについては、最後に事務局から御説明があると思います。

質の問題というのは最初からあった問題でございますので、なかなか難しい問題かなと

思います。

今日は、今までよくデータがわからなかった研修の状況についての事実確認が行われて、

非常に面白いことがわかってきた。見ますと、施設側の評価と職員側の評価にギャップが

あるところもある。施設側は、例えば、資料1-1の17ページを見ると、ある程度できて

ー 33 一

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いるんではないかと見ているわけですけれども、職員側は、資料1-2の14ページにある

ように、できていない、自信がない。当初の議論になったときに、研修というのは一体ど

ういう状況にあったのかというのを、現状把握をきちんとやりましようということ、を今日

行われたと思います。この背景に何があるか、次回の議論など奮進めていただき、更に、

今、先生がお話しした問題と絡めていただきたいと思います。

今日はもう時間も来ておりますので、これ以上できないかもしれませんので、事務局か

ら、今、先生があったスケジュール感について、お話をいただきたいと思います。よろし

くお願いします。

○泉福祉人材確保対策室長 この検討会でございますが、当初、立ち上げのときに2段階

で検討をお願いしたいと申し上げておりました。1つ目は、今後の介護人材の基本的な方

向性ですとか、話題に乗せていただきました600時間課程について、全体的な方向性につ

いて、7月を目途に中間的な意見とりまとめをお願いしたい。更に、専門介護福祉士など

のキャリアアップの仕組みについて、その後、年内を目途に意見とりまとめをお願いした

いということで議論いただきました。そのつもりではあり、今後、座長とも相談させてい

ただきたいと思いますが、何らかの中間的なまとめを9月ごろにお願いしたいと思ってお

ります。ただ、たんの吸引などの要素も後で入ってまいったところがございますので、そ

ういった要素をにらみつつも、どこまでまとめられるか、今後、委員の皆様と相談させて

いただきたいと思っております。

○駒村委員長 熱心な御議論ありがとうございました。なかなか議論は尽きないと思いま

すが、そろそろ予定の時間が来ております。

最後に、事務局より次回日程について御報告をお願いいたします。

○事務局 次回、第4匝=∃の日程でございますが、以前御提出いただきました日程調整票

によりますと、比較的7月29日木曜日の午後が皆様の御都合がよろしいようでございます

が、7月29日の16暗からということでいかがでございましょうか。

○駒村委員長 よろしゆうございますか。では、そういう方向で、場所はまた後日御連絡

ください。

○事務局 それでは、第4回目の日程につきましては、7月29日16暗からとさせていた

だきたいと思います。会場等につきましtは、追って御連絡させていただきます。

○駒村委員長 これで「今後の介護人材養成の在り方に関する検討会(第3回)」の会議

を閉会いたします。長時間にわたる議論ありがとうございました。

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