TOPIC ギタリストの表現の幅を広げる PEC-2の可能 …...PEC-2の可能性...

Post on 03-Jul-2020

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シールド、エフェクター、プログラマブル・スイッチャーなどなど、ギター関連のアイテムを次々と開発してきたプロビデンスの魅力に迫る本連載。先月に引き続いてSiMのSHOW-HATEを試奏者に迎え、PEC-2及びプロビデンスが提唱するALL IN ONE SYSTEMの概要に迫ってみよう。

日頃からプロビデンス製品を愛用しているというSHOW-HATEに、PEC-2及びALL IN ONE SYSTEMの魅力を聞いてみよう。

ギタリストの表現の幅を広げるPEC-2の可能性

試 奏 者プロフィール

vol. 3プ ロ ビ デ ン ス の 流 儀 ───レゲエとパンクを融合させた独自の音楽性と、圧倒的なライブ・パフォーマンスでシーンを席巻しているSiMのギタリスト。2013年にユニバーサルへ移籍。最新アイテムはバンド10周年を記念した3枚組DVD『i0 YEARS』。

SHOW-HATE

撮影:菊地英二 文:山本彦太郎

PEC-2

TOPIC

ROUTING SYSTEMPROGRAMMABLE EFFECTS CONTROLLER

 98年に発表された初代PEC-1は、それまで高価なカスタムものしかなかったプログラマブル・スイッチャーに、使いやすく現実的な価格帯という新風を吹き込んで大きな話題となった。その後、多くのプロ・ギタリストたちに愛用され、今やスイッチャーの代名詞とも言える存在となったのが、後継のPEC-2だ。直列接続の5ループに、各自が独立した3ループを加えた計8ループで、各エフェクターのオン/オフとして機能するダイレクト・モードと、複数のエフェクターをプリセットしておけるプログラム・モードの2つで使用可能。プログラムは12バンクにそれぞれ7プログラム(計84パターン)をメモリーしておけるので、ライブ1本まるごとの音色プリセットや複数のバンドを掛け持ちする際にも十分の機能を備えている。PECシリーズが単なるエフェクター・スイッチャーに留まらないのは、MIDI端子の搭載はもちろん、ループ6 〜 8がラッチ・コントロール端子にもなっており、アンプのチャンネル切り替えにも対応している点だ。2台のアンプの出力切り替え、複数のギターの持ち替え用入力切り替えなど、あらゆるシチュエーションを手軽にコントロールすることができる。まさにサウンド・システムの中枢とも言える存在が、PEC-2なのだ。PEC-1と比較してのダウンサイジング、フット・スイッチの強度アップ、独自のアダプターによる低電圧時での安定動作の確保など、現場を見据えたアイディアの数々も、特筆すべき点だろう。

 より小型な車や航空機で移動しやすくするために、コンパクトで軽量な機材を求めるミュージシャンが増加しているアメリカのミュージック・シーンをヒントに考え出されたオール・イン・ワン・システムは、プロビデンスのPEC-2と、かのHUSHなどを開発し、80年代のLAサウンドの立役者でもあるバック・ウォーラーが興したiSPのTHETA(プリアンプ) & STEALTH(パワー・アンプ)の組み合わせにより、“ギターの出口からスピーカーの入り口まで”を足下で完結させるというギター・サウンド・システムの新提案だ。これによりサウンド・システムの小型化、ライブ会場ごとの機材(おもにアンプ)の違いによる音作りの悩みを解消できるという点でも、非常に優れたライブ・サウンド・システムと言える

だろう。また、最終的な信号伝達が大電力を伝送するスピーカー・ケーブルになるため、例えば足下から5mのケーブルを這わせるにしても、シールド・ケーブルより格段にノイズに強いのもメリットとなる。これはPAシステムの考え方をギター・システムに持ち込んだ新しい考え方だ。 THETAは、中域可変の3バンドEQを備えたペダル型プリアンプ。クリーン・チャンネルに加えて2タイプのゲインを切り替えられるディストーション・チャンネルも搭載しており、計3チャンネルで音作りが可能だ。また、iSPのDecimator G String II回路も内蔵しており、ノイズ・リダクションも万全。STEALTHは最大175W出力の小型/軽量パワー・アンプだ。

す べ て を 兼 ね 備 え るM I D I プ ロ グ ラ マ ブ ル・ス イッチャ ー の 大 定 番

想 像 以 上 に パ ワ ー が あってしっか りし た 音 。弾 い て い て 違 和 感 が な い ぐら い ナ チュラ ル でし た 。

コ ン パ クトな 4 チャン ネ ル・モ デ ル

S p e c i f i c a t i o n s●ループ:8(シリーズ接続ループ×5、セパレート・ループ×3)●メモリー数:84●外形寸法:446(W)×130(D)×50(H)mm(背面側。ジャック、スイッチなどの突起物は含まず)●重量:約1.9kg●電源:PEC-2専用ACアダプター

S p e c i f i c a t i o n s●ループ:4(シリーズ接続ループ×3、セパレート・ループ×1)●メモリー数:4●外形寸法:290(W)×70(D)×40(H)mm(背面側。ジャック、スイッチなどの突起物は含まず)●重量:約780g●電源:PEC-04専用ACアダプター

●Presented by Providence 製品に関するお問い合わせはパシフィクス☎045-510-4060、ホームページ(http://www.providence.jp/)まで。

豊富な拡張機能を備えるバック・パネル。MIDI 端子を装備している点もポイントで、MIDI 信号による音色切り替え機能を持つアンプなどにも対応できる。さらにリンク端子で、スイッチャーを拡張することも可能。また、2 つの入力端子があるため、バッファー回路を経由するかどうかも選択できる。

 直列の3ループ+独立の1ループを備えた4チャンネル・プログラマブル・スイッチャー。ダイレクト/プログラム(メモリーは4パターン)の使い分けが可能なうえ、ループ4がラッチ・コントロール端子となっており、アンプのチャンネル切り替えにも活用できる。また、4系統のDC9V電源出力も備えており、他エフェクターへの電源供給も可能だ。これ以外にも3ループのRX-L1、2ループ+A/BボックスのRX-S1をラインナップ。

 そもそもプロビデンスは、シールドの音が好きで昔から愛用していました。3 〜 4年ぐらい前からエフェクターが増え始め、スイッチャーが必要になったのでPEC-2を使ってみたんですが、使い方も簡単ですぐに気に入りましたね。やっぱり直列だと何かトラブルがあった時に困るので、1つ1つをセンド&リターンで分けられるっていうのは安心感があります。どのエフェクターがトラブルの原因になっているのかもすぐに見つけられますしね。普段は、各エフェクターのオン/オフで使うダイレクトと、曲ごとに使うエフェクターを組み合わせておくプログラムを併用しています。アンプのチャンネル切り替えも3パターンをPEC-2に割り振っているので、RX-L1(プロビデンスの3ループ・ボックス)でループを増やしているのがポイントですね。 今回弾かせてもらったiSPのTHETAとSTEALTHについては、普段はアンプ主体で音を作っているので、足下で音を作るっていうのはどうだろうと思ったんですけど、想像以上にパワーがあってしっかりした音でした。弾いていて違和感がないぐらいナチュラルでしたね。それに、いちいちアンプまで行かなくても、足下で音質を微調整ができるのは、意外と便利かもしれないと思いました。僕も昔はライブハウス備え付けのアンプを使っていて、会場ごとの音の違いにはずいぶん悩まされましたけど、このシステムならいつも同じ音が出せるっていうのはいいですね。あと、ノイズも軽減できるっていうのはありがたいです。

PEC-04PROGRAMMABLE EFFECTS CONTROLLER

価格:オープン・プライス(市場実勢価格:57,000 円)

価格:オープン・プライス(市場実勢価格:29,000 円)

vol. 3

プ ロ ビ デ ン ス の 流 儀

来月号では満を持して発表されたプロビデンス・ギターの全貌を、今剛の試奏レポートとともに紹介していこう!

W E B 連 動デジマート・マガジンにてSHOW-HATEの試奏動画を公開予定!

http://www.digimart.net/magazine/

▶NEXT ISSUE

自社ブランドであるプロビデンス以外にもさまざまな製品を輸入しているパシフィクスが、アメリカのツアー事情からヒントを得て、米国iSPとともに提案するのがALL IN ONE SYSTEMだ。その概要に迫ってみよう。

ギター スピーカーiSP THETA(プリアンプ) iSP STEALTH(パワー・アンプ)PEC-2及びエフェクター

接続例

SHOW-HATEが語るPEC-2 / ALL IN ONE SYSTEMの魅力

新提案! ALL IN ONE SYSTEMの正体とは?

REPORT

POINT! ギター・アンプを使用せず、足下だけで音作りを完結することが可能。さらにiSP STEALTHからはスピーカー・ケーブルを接続できるため、通常よりもパワフルな信号をスピーカーまで運ぶことができる。

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