IAMAS SCHOOL GUIDE 2017 · iamas school guide 2017 02...

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I A M A S S C H OO L G U I DE 2 017

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情報科学芸術大学院大学[IAMAS]は、岐阜県が 2001年に開学した大学院大学(修士課程、メディア表現研究科一専攻)です。

充実した講師陣による少数定員の大学院大学として海外にも広く知られ、

英文名称 Institute of Advanced Media Arts and SciencesからIAMAS(イアマス)と呼ばれています。

芸術と科学の融合を建学の理念に掲げるIAMASは、最新の科学技術や文化を吸収しながら、

先端的な芸術表現やデザイン、新しいコミュニティやものづくりのあり方などを社会に提案しながら、

それらの研究と実践によって高度な「表現者」の育成を目指しています。

2014年度にIAMASはソフトピアジャパン地区に移転して以来、社会と地域に開かれたフィールド型のキャンパスを中心に、

これまでの研究教育機関にはない開放的な空間の中で活動を拡げ、今までの専門性を活かした

多様な研究と実践のみならず、それらの成果を統合し未来の社会を牽引する組織として生まれ変わりました。

IAMASの研究教育の特色は、プロジェクトを主軸とした社会的実践、多分野の教員による

チームティーチング、専門的かつ綜合的な知識と技術を習得する充実したカリキュラムの3つです。

また芸術、デザイン、思想、理工学、社会学など、多分野からなる学生間の

コラボレーションが互いを刺激し合い、少人数精鋭を前提とした研究環境の中で

それぞれのスキルや知識を広げます。

さらに卒業後のIAMAS生OB・OG のネットワークの強さも本学の魅力です。

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1年次はプロジェクト科目や、研究の基礎となる科目の受講を通じて知識と応用力を養います。2年次は引き続きプロジェクト科目を通じて研究を進め、主に各学生の修士研究を中心に活動し、その成果として修士作品や修士論文をまとめ、修士号の取得を目指します。

カリキュラム:履修科目など入学後最初に受講する導入科目は、共同作業やディスカッションを中心とするワークショップ形式の授業です。また前期はプロジェクトの実施や修士研究で必要となる知識や技術、論文作成等に必要な技術を習得します。専門科目では研究内容や目的に応じて知識を習得し問いを見つけ考察する力を身につけます。プロジェクトは社会の問題を見つけ、協同活動により高度な研究成果を目指す実践的な授業です。

1年前期は研究するために必要となるリテラシー等を中心に習得

1年後期は講義等による知識と応用について取り組む

1年次からプロジェクトに参加し、2年間を通じて実践的な研究に取り組む

夏季休業

リテラシー等

講義・演習

プロジェクト

マイルストーン

イベント

研究テーマ決定

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1年次

年次制作発表

オープンハウス

プロジェクト科目などの研究を通して、修士作品・論文をまとめる

複数の教員との面談を実施し、主査と副査から指導を受け修士研究を進める

夏季休業

リテラシー等

講義・演習

プロジェクト

マイルストーン

イベント

中間発表

冬季休業 春季休業

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2 年次

修士作品予備審査 I

修士作品予備審査 II

修士論文審査

オープンハウス 修士研究発表

修士研究構想発表 修士作品審査

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プロジェクト

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IAMASのプロジェクトは、メディア表現の社会的な実践としての研究、成果の発信や、行政や企業、他大学との連携などを行う場です。学生と教員が集い共同活動を通して、高度でユニークな研究成果を目指しています。

体験拡張環境プロジェクト研究代表者:平林真実 研究分担者:小林孝浩2015年度–2017年度

リアルタイム時空間・情報空間を対象としてテクノロジーによって体験が拡張される環境を創出するための研究を行っています。未来を見据えた体験をもたらすためのシステムやサービス、作品について議論しながら制作を行い、様々なイベントと連携した実践的な場にて実験を進めながら研究開発を実施しています。

実社会の課題を抽出し、今後の社会に向けたプロトタイプを通じて、未来像の創出を目的とします。体験することを重視したプロトタイプを実現し、社会への新たな提案を狙います。自分たちのデザインプロセスをも研究テーマのひとつとしながら、実際に企業との共同研究に取り組みます。2016年度は、パナソニック株式会社とアイシン精機株式会社と共同研究を実施しました。

あしたをプロトタイピングするプロジェクト

研究代表者:鈴木宣也 研究分担者:赤羽亨2014年度–2017年度

上)声に反応してボールが浮き上がるデバイス「コエノグラフ」展示風景  下)初期のアイデアスケッチ

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あたらしい TOYプロジェクト

研究代表者:クワクボリョウタ 研究分担者:金山智子2016年度 –

HDII 高精細映像技術を用いた表現研究プロジェクト

研究代表者:前田真二郎 研究分担者:瀬川晃、伊村靖子2014年度 –

メディア表現を研究する上では、表現の内容を問うことが重要なのはもちろんのこと、いかに伝えるかという問題も無視することは出来ません。本プロジェクトは各自のテーマを巡って、「作る」「伝える」「考える」の3つの過程を循環しながらTOYを制作し、現代社会が抱えるアカデミズムとポピュリズムの乖離を超える、新しいクリエイションのあり方を模索します。

アートやデザイン領域における映像分野を専門とするプロジェクト。近年の映像技術における高解像度化は従来よりも繊細な描写を実現するといった単純なことではなく、新たな表現形式を創出する可能性を内在しています。それらを踏まえ、さらなる映像表現を模索することが本プロジェクトの目的です。

岐阜市科学館で開催した『みかた・みえかた展』では、普段意識しない知覚の仕組みの再発見をうながす三作品を展示した。左)「手でみるシカク」宮野有史 中)「みきき、ききみみ」具志堅裕介 右)「あっちとこっち」岡崎友恵

右)IAMAS 2016展示(3面同期4Kフォーマット作品) 左)4Kとブラウン管による2画面同期再生作品 "one summer day prototype" by Shotaro KOSAKA 中)4Kグリッチ作品 "layered / repeated" by Kazuma HARADA

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根尾コ・クリエイション

研究代表者:金山智子 研究分担者:小林孝浩、ジェームズ・ギブソン2015年度–2017年度

プロジェクトでは、限界集落化する根尾のフィールドワークでみつけた生活文化や自然、伝統などを、参加者それぞれの視点や技術で見つめ直し、新しいモノやコトを提案するといった表現活動を行っています。また、耕作放棄地を使った農作や小エネルギーの実験などを通して、私たちのこれからの暮らしや暮らし方について模索していきます。

左)セルフビルドした農業小屋で地元の子どもたち向けのイベントを開催 中)限界集落でのフィールドワーク 右)集落でのフィールドワーク

右)「IAMAS WORKS」展示風景、場所:「iamas OS」(大垣市)

アートを/で考えるプロジェクト

研究代表者:小林昌廣研究分担者:安藤泰彦2014年度–2017年度

メンバー個々のアート活動(企画・制作など)を中心に、ゼミ形式で映像の鑑賞や文献の購読を行っています。2016年度は、大垣市主催の「コミックタウン・ギャラリー」に参加し、市街地にある空きスペース「 iamas OS」で、約一ヶ月に渡り計 5回の作品展示「IAMAS

WORKS」の企画・運営を行いました。

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TS 上記[履修対象プロジェクト]の他、

下記の4プロジェクトが[参加可能型プロジェクト]として活動しています。

図書館の従来のありかたを超えて、情報アーカイヴ、情報発信、情報編集など多様な作業を並列的に思考しつつ行ないます。同時に、図書館デザインの変更、図書館企画(「図書館長が選ぶ今週の一冊」など)、さらに図書分類の改良などを進めつつ、IAMASらしい図書館の構築をめざすようにします。

IAMAS図書館・アーカイブ・プロジェクト

研究代表者:小林昌廣研究分担者:伊村靖子、松井茂、前田真二郎2016年度 –

このプロジェクトでは、福祉を幅広く捉えて関係する組織の現場のフィールドワーク等から新たな視点を提案したり、問題解決を考えるなどの活動を行っています。2016年度は食生活に関する意識調査から新たな健康に関する提案をしたり、子供向けの教育に ICT機器の効果的な手法を検討したり、個別対応力を向上させるため特別支援学校の先生へ新たな技術研修を提案するなどを行いました。

福祉の技術プロジェクト

研究代表者:山田晃嗣研究分担者:小林孝浩2014年度 –

コンピュテーショナルデザインによる設計とデジタルファブリケーションによる製造を活用し、手仕事とデジタルファブリケーションを組み合わせた持続可能なスモールビジネスのプラットフォームを探究するプロジェクトです。岐阜県立森林文化アカデミーや株式会社 TABと協力し、それぞれの持つスキルやノウハウ、手法を共有しながら継続的に取り組んでいます。

Craft, Fabrication and Sustainability

研究代表者:小林茂研究分担者:ジェームズギブソン、山下健2014年度– 2017年度

NxPC.Labプロジェクト/研究代表者:平林真実 

場所・感覚・メディア/研究代表者:前林明次

これからの創造のためのプラットフォーム/研究代表者:前林明次 

たるてつⅡ/研究代表者:金山智子

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創造する環境E N V I R O N M E N T

2つの校舎があるキャンパスは、2014年度からソフトピアジャパンという先進情報産業エリアに移転し集積企業をはじめ産学連携の新たなイノベーション創出拠点としての役割が期待されています。人 と々の交流を通して未来を見据えた研究が実践的に展開されることでしょう。

サウンドスタジオ(センタービル|3F)

残響調整板が備わった音楽用の部屋です。楽器演奏の練習や録音に適しています。ピアノや数種類の楽器を備えています。また、ナレーション録音などにも活用されています。

ギャラリー(センタービル|3F)

作品展示の他、コンサートやワークショップなどにも使用可能な多目的スペースです。

ワークショップ24:学生の研究スペースとなるロフトやプロジェクト室のほか、イノベーション工房や図書館のある施設

ソフトピアジャパンセンタービル:教員室のほか、様々な専門的スタジオやシアター、ギャラリーがある施設

ソフトピアジャパンセンタービル

ワークショップ 24

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イノベーション工房(ワークショップ 24|1F)

ディレクター:小林茂

3Dプリンターやレーザー加工機、CNCなどのデジタル工作機械や、3Dモデリング機器を備えた工房です。見たり、触れたり、感じたりできるプロトタイプをつくりながら、アイデアを発展させる拠点です。

上)レーザー加工機の出力設定を確認することができる素材ごとの出力見本 下)デジタル工作機械を体験できるワークショップの成果物と使用した治具

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図書館(ワークショップ 24|1F)

シアター(センタービル|3F)

HDプロジェクターを備えたミニシアターです。映像作品や資料を閲覧できます。ミニレクチャー、プレゼンテーションスペースとしても活用できます。

図書館では、情報、科学、芸術関連の専門書を中心として、現在約 4万1千冊の図書や逐次刊行物を所蔵し、ビデオ、DVD等 2千点以上の視聴覚資料を視聴することができます。研究資料の検索などのサービスも行っています。学外の方もご利用いただけます。

ロフト(ワークショップ 24|5F)

同じフロアで分野や学年をまたいで交流しながら研究制作を行なう共有スペース。個人研究や制作に必要なPCとアプリケーションの貸与と一人一人専用のスペースを確保し、存分に24時間利用できる環境を備えています。

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学生寮[RIST]

IAMASから大垣駅の中間(約 1.3km)の住宅街に位置し、ユニットバス、ベッド、電気調理器具、駐車場など快適さと機能性を備えています。また全 40室はほぼ全ての在学生が利用可能となっています。

所在地:大垣市藤江町 1丁目1–7

部屋数: 全40室(洋間)間取り:1K(約9畳)寮費:22,800円(共益費別)

間取り例

寮室内の設備等バス(浴室)、トイレ(便所)、洗面所、キッチン(流し台、電磁調理器)、ベッド、洋服入れ、寝具入れ、エアコン、 ホームテレホン、照明器具、バルコニー(物干し台付き)、カーテン

Rカフェ(ワークショップ24|5F)

小規模なレクチャーやワークショップ、ミーティングなど、自由に使うことができるカフェスタイルのオープンスペースです。

金工室(ワークショップ 24|1F)

金工のための機器が揃っており、軟鉄やステンレス、アルミニウム等の加工や溶接が可能です。

木工室(ワークショップ24|1F)

昇降盤、パネルソー、サンダー、糸ノコ盤等の機器が揃っており、一般的な木材加工が可能です。

プロジェクト室(ワークショップ 24|5F)

プロジェクトの研究拠点として割り当てられるスペース。規模や内容によって部屋が割り振られ、必要な機材が各部屋に導入されています。

ビジュアルスタジオ(センタービル|3F)

白ホリゾントの撮影用スタジオ。画像合成のためのブルーバック撮影が可能です。カメラやモニタ、ライト、クレーン、ドリー等の撮影用機材一式を備え、ストロボやディフューザーなど写真撮影にも対応しています。

仮眠室(センタービル|2F)

仮眠を取ることができる和室です。研究活動で疲れた身体を癒します。

デザインスタジオ(センタービル|3F)

印刷物の出力・加工を目的とした部屋です。カラーレーザープリンタ、大判インクジェットプリンタ、カッティングプロッター、裁断機など、様々な制作機器を配備しています。

貸出機材室(ワークショップ24|3F)

デジタル一眼カメラ、HDビデオカメラ、マイクなどの記録用機材、ノートPC、デスクトップPC、液晶ディスプレイ、プロジェクタ、ペンタブレット、オーディオインターフェースなどの制作用機材、その他、各種ソフトウエアを貸出しています。

ベッド

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浴室

洋間(約9.6畳)

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情報科学芸術大学院大学第15期生修了研究発表会 プロジェクト研究発表会「IAMAS 2017」

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修士研究M A S T E R ’ S R E S E A R C H

学生は、自らの研究テーマを決め、在学中の2年間、複数の教員と相談しながら修士研究に取り組みます。修士作品と修士論文(論文のみも可)の審査に合格した者は修士号(メディア表現)が授与されます。

[修士作品一例(2016年度)]1.佐藤大海「距離による音の遅延を用いた 空間的オーケストレーション作品」2.おおしまたくろう「PLAY A DAY」3. 嶋田元菜妃「尾行的運動描画

 ─渋谷スクランブル交差点 1/8の場合」4.丹羽彩乃「"for the light surface" series」5.岡崎友惠「あっちとこっちとその間」6.宮野有史「手でみるシカク」7. 佐野和哉「インターネット地域メディア「オホーツク島」と その制作活動」8.山本美里「ふたりのあいだ」

[これまでの修士論文の一例]塚原真梨佳(2017年修了)「慰霊の表象文化論

 -戦後日本映画における慰霊性の考察-」水野雄太(2015年修了)「映像としてのGoogle Maps」河合由美子(2014年修了)「自己を見いだす場─身体と空間」

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A1 現在、高知県立美術館で学芸員として勤務しています。ICCではメディアアー

トの作家と仕事をしていましたが、現在の勤務館では、絵画、版画、彫刻、写真を中心とした近現代の作品の収集・保存管理・調査研究、展覧会の企画運営を担当しています。とくに、高知ゆかりの写真家である故・石元泰博の写真のアーカイブの構築・整理を重点的に行っています。また、美術館以外の活動としては、高知県立大学の非常勤講師として芸術学を担当するほか、少し前のことですが、文化庁メディア芸術祭の海外展のキュレーションを担当しました。

A2 スコットランドへの短期留学や、IAMASのギャラリーで展覧会をキュレーションしたことはよい経験でした。アルス・エレクトロニカのキャンパス展示で、IAMASの同期でやっていた IAMAS非公認公式インターネットラジオ「美チャンネル」が、リンツの地元 FM局 Radio

FROを電波ジャックしたのもいい思い出

です。あと、伝わりにくいと思うのですが、自分が IAMASを選べたことが、今の自分を作っていると思います。詳しくは、「内田樹 指折り待ってた夏休み」で検索を……。

A3 文化庁に在籍していたころからの課題ですが、メディアアートなど、比較的新しいテクノロジーを使った現代的な美術作品の保存について、調査研究だけでなく、実務的にも前に進めて行きたいと考えています。

高知県立美術館学芸員。文化庁、NTTインターコミュニケーション・センター[ ICC]などを経て現職。展覧会「デイリー・リフレクションズ展」「没後50年 石川寅治展」「アノニマス・ライフ展」などを担当。

植田憲司 Ueda Kenji

社会での活躍「リンツの地元 FM局Radio F ROを電波ジャックしたのもいい思い出です」

美チャンネルのLINEグループのスクリーンショット。背景は生放送中の様子。激レアマストバイのLINEスタンプもあり!

A C T I V I T I E S I N S O C I E T Y

IAMASは、先端メディア表現を学ぶ学校の草分け的な存在として、多くの卒業生が新しい教育機関や文化施設などに就職しています。そのほかにも、IT関連企業、ウェブ、グラフィック、プロダクトなどのデザイナー、エンジニア、アーティスト、起業、博士課程への進学など、その進路はさまざまです。

学芸員の植田さん(2004年修了)、TABの山下さん(2010年修了)・横山さん(2011年修了)・冨田さん(2015年修了)、アーティストの三原さん(2006年修了)にインタビューを行った。

Q1 現在の主な活動をお教えくださいQ2 IAMASで経験したことを教えてくださいQ3 これからの活動について教えてください

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A1 現在は建築設計を中心として新築住宅、住宅のリノベーション、什器制作、プロダクトの開発をメインに活動しています。新築住宅「美濃青柳の住宅」では山下が設計・施工監理まで行いました。住宅のリノベーション「HOUSE ITH」では基本設計を西田と横山で進め、施工監理を横山が行いました。大垣近隣の地域特性を活かした住環境の提案を実現しました。什器設計ではTABと株式会社GOCCO.

(卒業生ベンチャー企業)とのシェアビル STUDIO3の 2Fの空間設計を冨田が担当し、様々な用途に対応できるデザインを行いました。

「mikketa」プロジェクトでは、山下を中心に三星毛糸(繊維製造)と連携して、生地の製造過程で出る余り糸や端切れ布をアクリル樹脂や和紙と組み合わせたプロダクトや糸巻きの芯などの廃材と3Dプ

リントしたパーツとの組み合わせによるプロダクトの企画・デザインを行いました。

また三河佐久島アートプラン21のアートプ

ロジェクト「北のリボン」では、三河湾に

浮かぶ佐久島にて海と空を結ぶ見晴台を設計しました。アルゴリズムを用いた設計手法による建築を提案しました。立地条件、制作条件を考慮し、従来より培われた技法の上に新しい考え方を実験的に取り入れました。設計を山下、施工、施工監理を横山が行い、アイデアから2人共同で進めていきました。岐阜おおがきビエンナーレ 2015では

IAMAS准教授の James Gibsonのプロ

ジェクト「TYPOGAKI 2015」の什器デザイン・会場構成を横山が担当しました。

A2 入学前(在学時期は各々異なる)は建築の専門性に縛られていましたが、様々な分野で研究している学生や教員から違った視点や価値観を受け入れる柔軟さを身につけることができました。そして学内で出会った仲間とお互いを尊重しながら、今の仕事に結び付いてきていると思います。

スキルとして直結している点としては、自分たちで企画からプロトタイプまでを繰り返

し、制作を一貫して行うことで、躊躇なく改良を早く重ね、机上の空論に終わらないDIY精神が流れています。

コンピューテショナル(アルゴリズミック・アーキテクチャー)な知識やスキル、工作機械(デジタル・ファブリケーション)の応用など、在学中身近にあった制作環境を新しい事務所でも整えることの重要さを実感しています。

A3 手狭になった事務所を2015年に移転したことを期に、オープンスペースを設けて食堂の営業やワークショップ・イベントを開催することで人の流れが活性化され刺激を生み出す場づくりが出来てきました。 現在は岐阜・愛知を中心に京都や東京でも活動を広げていますが、今後は海外にも視野を入れて、メンバー個々の興味の違い(建築・インテリア・プロダクト・手法・地域、コミュニケーション)など、それを起点に広げていくことで次の活動や仕事のきっかけとして繋げていきたいです。

西田拓馬(代表|1979生|大垣)・山下健(1982生|東京|IAMAS)・横山将基(1986生|愛知|IAMAS)・冨田太基(1990生|埼玉|IAMAS)による大垣市に拠点を置く建築設計事務所。建築設計を基盤にデジタルファブリケーションを用いた家具や雑貨などのプロダクト制作からイベントやショップ、街づくりに関することまで幅広く手がける。

TAB

「自分たちで企画からプロトタイプまでを繰り返し、制作を一貫して行うことで、躊躇なく改良を早く重ね、机上の空論に終わらないDIY精神が流れています」

アートプロジェクト「北のリボン」(2015年)

mikketaのプロダクト商品展開(2014年~)

「TYPOGAKI 2015」の什器デザイン・会場構成

美濃青柳の住宅(2014年)

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A1 現在はフルタイムで京都を拠点に現代において可能な芸術の方法を探っています。IAMASでの濃い2年間の後、山口情報芸術センターインターラボに7年間勤務し、現在のメディアアートと呼ばれる分野を形成していったアーティスト達のイマジネーションのサポート、また同世代の科学者、研究者との触覚分野での共同研究などに従事しました。退職後は世界各地を渡り歩きながら調査と実践を重ね現在に至ります。2016年 1月には継続して行っていた触覚分野の実践を入門書としてまとめた共著「触楽入門」(朝日出版社)が刊行。その他、大学や美術館でレクチャやワークショップを行ったり、メディアアートを含んだ現代芸術全般にて特殊なセットアップや作品修復などに関わっています。

A2 専攻や年齢、その他様々な違いを持った人の集まるIAMASで実感したことは、結局、人はわかりあえないということでした。これは全く悲しいことではなく、む

しろ鋭敏な感覚を持って一個人を尊敬して接する為の態度だと思います。

A3 2011年の東日本大震災をきっかけに始めた空白のプロジェクトの最終目的は、日本人として近代を総括することです。過去や現行の動向を扱うのではなく、人間自体をも相対化し得る体験を、未来の仮説として芸術実践し、検証していく予定です。2016年は茨城県北芸術祭 2016, そして国内外で 2箇所ほど、具体的に展示の準備を進めています。平行して具体的な調査として、現在取り組んでいる微生物燃料電池及び生命を用いた発電方法を研究している科学者や企業の視察を計画中です。オランダはヴァーヘニンゲンに居を構えるplant-e社は既に社会実践として植物を用いた微生物燃料電池を製品化していて、非常に先験的な試みだと思います。また、同期の斉田一樹、むぎばやしひろことのコラボレーションであるmoidsの次の展開を予定してます。

音、泡、放射線、虹、微生物、苔など多様なメディア を用いて、世界に対して開かれたシステムを芸術として提示。2011年より、テクノロジーと社会の関係性を考察するために空白をテーマにしたプロジェクトを国内外で展開中。

「空白のプロジェクト#3 コスモス」Photo:Takuya Oshima DIY Arduino ワークショップ@ピルゼン、チェコ

三原聡一郎 Soichiro Mihara

「大震災をきっかけに始めた空白のプロジェクトの最終目的は、日本人として近代を総括することです」

「空白のプロジェクト#1 を越える為の余白」クンストクオーターベタニアン、ベルリン

「空白のプロジェクト#2   鈴」クンストクオーターベタニアン、ベルリン

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[就職:一般企業](株)アマナインタラクティブ、(株)アマナホールディングス、(株)イメージソース、(株)インフォファーム、エディプレックス(株)、面白法人カヤック、(株)ケイズデザインラボ、特定非営利活動法人 こどもNPO、(株)コルグ、(株)サイバーエージェント、(株)新東通信、(株)バスキュール、(株)ゼオ、ソニー(株)、タック(株)、大日コンサルタント(株)、チームラボ(株)、(株)二番工房、日本システム開発(株)、(株)日本テレビアート、(株)博報堂プロダクツ、任天堂(株)、ユカイ工学(株)、BANZAI CREATIVE、(株)grasp at the air、N and R Foldings Japan、Noiz Architects、(株)QUANTUM、SKテレコム(韓国)、Soft device.inc.、SOLIZE engineering、(株)TAB

[就職:文化施設]NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]、高知県立美術館、静岡県舞台芸術センター、せんだいメディアテーク、日本科学未来館、山口情報芸術センター

[就職:教育・研究機関]愛知県立芸術大学、秋田公立美術大学、京都精華大学、京都造形芸術大学、神戸芸術工科大学女子美術大学、椙山女学園大学、成安造形大学、多摩美術大学、東京藝術大学、名古屋学芸大学、名古屋芸術大学、名古屋造形大学、広島市立大学、武蔵野美術大学

[起業]アライアンス・ポート(株)、アイティア(株)、(株)エージーリミテッド、(同)「E」、グレイセル(株)、(株)GOCCO.、セミトランスペアレントデザイン、(株)ソネル、(同)マスラックス、(有)トリガーデバイス、動画まわり、南原食堂、(株)間チルダ、(株)メタファー、(株)ライゾマティクス

[進学]愛知県立芸術大学大学院美術研究科博士後期課程、大阪大学人間科学研究科博士後期課程、大阪大学人間科学研究科、岐阜大学大学院工学研究科博士課程、筑波大学大学院博士課程、東京藝術大学大学院映像研究科博士課程、名古屋大学大学院情報科学研究科博士課程、京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程、リンツ美術工芸大学博士課程(オーストリア)、ロイヤルカレッジオブアート(イギリス)

ICDF 2016 : 2nd International Conference on Digital Fabrication Best Paper Award

安藤充人(2016年卒業)、菅沼聖(2009年卒業)、伊藤隆之(2003年卒業)、城一裕講師(~2015

年度在籍)論文『ofxEpilog: An openFrameworks addon for controlling an Epilog laser cutter』

第 2回ところざわ学生映画祭グランプリ受賞高坂聖太郎(M1)「upland」

国際エンジニアリングアワード「第 11回 ジェームズダイソンアワード 2016」国内審査 3位/ハードウェアコンテスト GUGEN 2016 優秀賞、他島影圭佑(2016年卒業)「OTON GLASS」

国際エンジニアリングアワード「第 11回 ジェームズダイソンアワード 2016」国内審査 5位篠田幸雄(M2)「color2vibs」

アートと遊びと子どもをつなぐメディアプログラム2016[汗かくメディア賞]高見安紗美(M2)、具志堅裕介(M2)、後藤良太(M2)、市野昌宏(2014年卒業)、大石桂誉(2015

年卒業)「trans-floor! - play ground」

映文連アワード 2016受賞 優秀企画賞/Los Angeles Documentary Film Festival(アメリカ)ベスト監督賞受賞/Calcutta International Cult Film Festival(インド)ベスト女性監督賞、他若見ありさ(2000年卒業)(企画・総合監督)松本祐一(2003年卒業)(音楽担当)「Birth – つむぐいのち」

Clio Awards Gold受賞川嵜鋼平(2004年卒業)「Kit Mail Hologram」

International Students Creative Awards 2016 [デジタルコンテンツ部門]優秀賞綿貫岳海(M1)「iPod Jockey」

ハードウェアコンテスト GUGEN 2016 優秀賞GIF(土田哲哉(2007年卒業)、金箱淳一(2008年卒業)、他)「スワイプエプロン」

卒業生の主な進路 在校生・卒業生の主な受賞(2016年度)

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産業文化研究センター地域・産業連携R C I C

IAMASの研究成果を産官学連携や文化的活動を通して広く社会に活かし、様々な貢献をすることを目的とした附置機関です。(Research Center for Industrial Culture、通称RCIC)

RCICは主に三つの活動を行なっています。まず、地域や産業連携として、県内外の企業やグローバル企業、自治体や文化施設、教育研究機関や福祉NPOなど、多種多様な組織と共同研究や受託研究を行なっています。二つ目に文化活動として、岐阜おおがきビエンナーレやOgaki Mini Maker Faire、IAMAS Artist Fileといった

イベントの運営に携わっています。三つ目として、研究成果、連携成果、文化活動の報告書や記録制作など、本学のさまざまな広報と情報アーカイブを担当しています。最近では、RCIC独自の企画や連携、卒業生とのコラボにも積極的に取り組んでいます。

RCICが地域との連携に取り組んだ事例「揖斐川町地獄絵スタンプラリー」では、タウンフェスティバルを企画している町民の相談からスタートし、失われつつあった地域の「地獄絵の拝観」という風習をヒントに、スタンプラリーで地獄について知る参加型イベントへと発展させました。

国際交流基金アジアセンターとIAMASが共催で “テクノロジーと創造性”をテーマに、社会や地域をデザインするための手法を学ぶ 1週間集中ワークショップを開催しました。10か国からアーティストや教育関係者など各分野で高い専門性を持つ16名が参加しました。

地獄絵スタンプラリー

SUMMER CAMP “Hack the World”

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文化活動広報・情報アーカイブ

ウェブサイトでは、IAMASの代表的な連携事例の他、RCICやその施設であるIAMASイノベーション工房が主体となって行ってきたプロジェクトの事例紹介、活動のお知らせなどを発信しています。rcic.iamac.ac.jp

IAMAS創立20周年を記念して、ラフォーレミュージアム原宿にて本学の発信するメディアアートの世界を紹介する展覧会を開催しました。会期中は第一線で活躍する卒業生の作品展示のほか、トークイベントやライブパフォーマンスが行われました。

RCICでは、本学の広報や記録などのアーカイブを行っています。2016年度は創立 20周年を記念して、1996年の開学から現在までの IAMASの沿革、企画展覧会、国際交流、プロジェクトなどをとりまとめ、過去に刊行した資料を元に 20年を振り返る展示を行いました。

Maker(つくり手)たちが全国から集まり、つくったものを見せ、語り、楽しさを共有するイベント「Ogaki Mini Maker Faire」は「つくることから、はじめよう。もの/あそび/ぶんか」をテーマに、ものづくりの新しい文化をつくるきっかけになることを目指しました。

RCIC Web Calculated Imagination IAMASが発信するメディアアート展

20周年展示「振り返るIAMASの20年」 Ogaki Mini Maker Faire

    

菅野創+やんツー《形骸化する言語》(2016年) 撮影:菊山義浩

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教員紹介FA C U LT Y

19名 19分野の教員が個人研究やプロジェクトを通じて、領域を横断しながら学生とともに活動しています。

メディア社会が取り巻く広範囲の分野で活躍する表現者の育成を目的として、多様な価値や議論の中から知見を広げ深めていけることを願っています。

金山智子/産業文化研究センター長・メディア・コミュニケーションTomoko Kanayama

地域コミュニティとコミュニケーションや、市民のエンパワーメントとメディアが主な研究テーマ。近年はデザインやアート、ものづくりを地域社会に実装させていくデザインと、そこから新しいニーズを創造することに取り組んでいる。

奄美大島の宇検村にあるFMうけんで参与観察

赤羽亨/インタラクションデザインKyo Akabane

インタラクションデザインに焦点をあてて、メディアテクノロジーを使った表現の研究を行っている。メディア表現を扱ったワークショップ開発や、その内容を共有するためのアーカイブ手法の研究にも取り組んでいる。

[3Dスキャニング技術を用いたインタラクティブアートの時空間アーカイブ]撮影風景

赤松正行/クリティカル・サイクリングMasayuki Akamatsu

モビリティとリアリティをテーマとして、インタラクティブな音楽や映像、モバイル・アプリ、ウェアラブル・デバイスなどを制作。近年は自転車に取り組んでいる。活動として書籍「Maxの教科書」、情報端末「雰囲気メガネ」など。

モバイルAR(拡張現実感)によるアート表現を探求するA RARTプロジェクトの展示

鈴木宣也/研究科長・情報・デザイン工学Nobuya Suzuki

メディアや情報通信技術を用いたプロダクトなどのプロトタイプ制作とそのインタラクション・サービスデザインを研究対象とする。アート、デザイン、工学などの複合領域を横断し、展示運営なども実践する。

「つみきでえいご」英語とプログラミングを組み合わせた積み木型ツール

三輪眞弘/学長・作曲・現代音楽Masahiro Miwa

コンピュータを用いたアルゴリズミック・コンポジションと呼ばれる手法で数多くの作品を発表。並行して「フォルマント兄弟」という音楽ユニットを組み、多岐にわたる活動を展開している。

「Hybrid Music」コンサートで 「ひとのきえさり」を日本初演。(愛知芸術文化センター)

前田真二郎/図書館長・映像表現Shinjiro Maeda

映画、ドキュメンタリー、メディアアートといった分野を横断し、国内外の展覧会や映画祭で発表。他領域アーティストとのコラボレーション、展覧会の企画、映像レーベルのオーガナイズなども積極的にすすめている。

日 “々AUG” 8 years mix[2008-2015]岐阜おおがきビエンナーレでのライブ上映

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小林昌廣/表象文化論Masahiro Kobayashi

医学と哲学と芸術による三角形の中心に「身体」をすえ、独自の身体論を展開。医学史・医療人類学から見た身体、古典芸能から見た身体、そして現代思想から見た身体などについて横断的に考察している。

岐阜おおがきビエンナーレ 2015 クロージングトーク

安藤泰彦/現代美術Yasuhiko Ando

ユニット「KOSUGI+ANDO」として既知の物語を換骨奪胎したインスタレーションを制作。90年代よりコンピュータ制御された映像やオブジェなどをとりこみ、アートを通してテクノロジーが生活や生命に与える影響を考える。

BEACON2015 -Look Up! 第二室展示(プロペラ) 岐阜県美術館

メディアと芸術のあいだ―ヤシャ・ライハートの60年代の「展覧会」を読み解く

伊村靖子/芸術学Yasuko Imura

アートとデザインの歴史的区分を再考することで、芸術と商業活動、産業との横断的な表現領域を研究対象とする。また、国立新美術館客員研究員として、美術資料のアーカイブ化に取り組んでいる。

クワクボリョウタ/メディアアートRyota Kuwakubo

点光源を動かしながら日用品などの影を室内に投影するインスタレーションあるいは映像作品を制作。影像ならではの特性を利用して、見る者それぞれの記憶を喚起し内的な体験をもたらす作品を国内外で発表している。

LOST#7 点光源を備えた鉄道模型を走らせ、日用品を並べて室内に影を映し出す

小林茂/イノベーションマネジメントShigeru Kobayashi

オープンソースハードウェアとデジタルファブリケーションを活用し、多様なスキルや視点、経験を持つ人々が共にイノベーションを創出するための方法論や、その過程で生まれる知的財産を扱うのに適切なルールを探求。

限界集落を日本の近未来と捉え、IoTの可能性と課題を考えるワークショップを実施

小林孝浩/情報システム工学Takahiro Kobayashi

IT弱者や障碍者向けの装置を開発するとともに、農業をテーマとした取り組みを行う。小規模な稲作に行き詰まりを感じ、太陽光発電を備えた農業施設を農地に設置するなど、持続可能な農業の実践を目指している。

廃材を利用したヤーコン茶焙煎機(回転式撹拌器)と熱源としてのロケットストーブ

ジェームズギブソン/デザインJames Gibson

Notes on Living Outside Cultural Norms.‘Which is better - to have rules and agree, or to hunt

and kill?’medium.com/@bigson2000

Fieldwork. May 2015.

瀬川晃/グラフィックデザインAkira Segawa

展覧会・学会の広報ツールからサイン、記録冊子までトータルにデザインおよびディレクションを行う。近年は食、交通、史跡など暮らしを取り巻く身近な環境とデザインの関わりに注力している。

岐阜おおがきビエンナーレ2015 メインビジュアル・フライヤー

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[非常勤講師]秋庭史典/名古屋大学大学院情報学研究科准教授ドミニク・チェン/早稲田大学文学学術院(文化構想学部)准教授アンドレアスシュナイダー/ Institute for Information Design Japan

永原康史/多摩美術大学情報デザイン学科教授入江経一/パワーユニットスタジオ一級建築士事務所中谷日出/ NHK解説委員

古堅真彦/武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科教授四方幸子/メディアアート・キュレーター室井尚/横浜国立大学教育人間科学部教授関口敦仁/愛知県立芸術大学美術学部デザイン・工学科教授吉岡洋/京都大学こころの未来研究センター 特定教授 

田川とも子/神戸女学院大学、他非常勤講師会田大也/東京大学 ソーシャル ICT グローバル・クリエイティブリーダー育成プログラム 

グローバルデザインワークショップ機構 特任助教

平林真実/コミュニケーションシステムMasami Hirabayashi

Web構造解析、位置情報ベースの研究 /作品などをはじめ、近年は音楽体験を拡張するためのシステムの研究を行う。NxPC.Lab名義でクラブイベントを開催することで音楽会場で展開可能な実践的な展開を行う。

「Sense of Space」 高可聴域音 IDを使った参加型音楽作品(Kafukaと共作)

山田晃嗣/情報工学Koji Yamada

ネットワークの使われ方や情報の共有のしかたに関する研究を行っている。最近は障がい者を技術的に支援をする研究にも取り組み、ネットワークを活用した方法、タブレット端末を利用した方法など行っている。

特別支援学校の子どもたちへタブレット端末を活用した就労支援の方法を提案している

前林明次/メディアアートAkitsugu Maebayashi

身体と環境のインターフェイスとしての「音」に焦点をあてたメディア・アート作品を発表してきた。近年は、「音」を手掛かりに、「場所」に対する創造力を喚起するための作品制作を行っている。

「金生山プロジェクト」映像+サラウンド音響によるインスタレーション(2017)

松井茂/詩・映像メディア学Shigeru Matsui

近年はサウンド・デザイナー、映像作家との協業による制作を行う。研究は映像メディア学に基づいて、マス・メディアを分母とした現代芸術の表現動向に着目し取り組んでいる。

詩=松井茂|山本一彰、作曲=檜垣智也、映像=七里圭「入院患者たち」(2016年)

吉田茂樹/ネットワーク工学Shigeki Yoshida

インターネット黎明期以前からWIDEプロジェクトにおいて研究をする他、教育機関や行政関連のネットワークシステム構築に関わってきた。現在は ITに関する教育・啓蒙やコミュニティ形成、社会応用を活動としている。

岐阜イノベーションセンターにて毎月2回 kinect勉強会を開催

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[出身地]()内の数字は上から2014、2015、2016年度の人数

学生情報S T U D E N T P R O F I L E

2016年度

[年齢][入学時][性別]

25~29歳(20)

25~29歳(14)

30~34歳(5)

35~39歳(3)

35~39歳(3)

40~45歳(2)

40~45歳(1)

46歳以上(2)

46歳以上(2)

24歳以下(20)

24歳以下(20)

北海道(2)(4)(3)

近畿(6)(8)(6)

海外( 5)(2)(3)

中国・四国(1)(1)(0)

九州・沖縄(3)(4)( 1)

東北(3)(3)(2)

関東(13)(11)(15)

中部(14)(19)(17)

2015年度

25~29歳(21)

30~34歳(9)

30~34歳(7)

35~39歳(2)40~45歳(4) 46歳以上(1)

24歳以下(10)

2014年度

男性(36)

女性(16)

男性(33)

女性(14)

男性(33)

女性(14)

学生(19)

社会人(28)

学生(33)

社会人(19)

学生(24)

社会人(23)

IAMASの学生は、多様な専門分野、様々な地域から入学します。国籍・年齢・分野(芸術・デザイン系、理工系、人文系など)といった壁を越え、互いの考え方に共感したり議論するなかでそれぞれの研究を深めています。集計データ:2014、2015、2016年度在学生(2学年分合算値) 

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2016年後期にリンツからの留学生としてIAMASに滞在でき光栄でした。IAMASは特に優れた設備をもつ大学院で、大変興味深い出版物(英語の本が少ないのは残念でしたが)を取り揃えた図書館、最新機器と快適な作業環境を備えたイノベーション工房があります。すべての設備は学生が自分の制作のために利用できます。IAMASでは「bitcoin」に関する作品を制作しました。通常、私たち自身が所有するお金に対して過去にどのような取引が行われたのかを知ることはできません。しかし、bitcoinのようなオンラインデータベースに

基づく仮想通貨により、通貨の発生からある時点に到達するまで取引の歴史を追跡することができます。今回(取引の軌跡を可視化)生成するドローイングのシリーズを制作しました。学生も教員もいつでも心地よく過ごせるように支援していただいたことを感謝いたします。

2016年 9月から11月まで、オーストリアのリンツ美術工芸大学に交換留学生として滞在しました。欧州には訪れたことがなく、作品制作や芸術鑑賞を目的に留学を志望し、とても有意義な3ヶ月間を過ごすことができました。オーストリアの公用語はドイツ語ですが、Interface Cultureコースには、さまざまな国籍の学生が在籍しており、授業などは全て英語を使います。滞在中は、関心のある授業を聴講しながら毎日カメラを回し、映像制作を行っていました。空いた時間には欧州各国の都市を訪問し、美術作品を鑑賞したり、人々や風景を撮影して過ごしていました。毎年 9月に開催されるArs Electronica

Festivalにも参加をすることができました。ホームシックも少しありましたが、それ以上にたくさんの人と知り合いながら、色々な経験し素敵な時間を過ごすことができました。

交換留学E X C H A N G E P R O G R A M

IAMASでは、海外の教育機関との学生交流事業を実施しています。このプログラムは、学生に海外で豊かな経験を積んでもらうもので、毎年 2名が提携校に1~3ヶ月留学するとともに、提携校の学生が IAMASに滞在し、互いに交流を深めます。

2007年から提携中の同校メディア研究科インターフェイス・カルチャー(修士課程)では、クリスタ・ソムラー、ロラン・ミニョノー両教授を中心に交流をしています。またリンツにはデジタルアートとメディアカルチャーの分野での国際的拠点「アルスエレクトロニカ」があり、毎年開催されるフェスティバルでは IAMASの卒業生を含め多くの作家・研究者が受賞を果たしています。

提携校:リンツ美術工芸大学メディア研究科インターフェイス・カルチャー(オーストリア)http://www.ufg.ac.at/

R E P O RT 0 1

Martin Nadal(マルティン・ナダル)さんリンツ美術工芸大学 >>> IAMAS

R E P O RT 0 2

高坂聖太郎さん(M1)

IAMAS >>>リンツ美術工芸大学

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入試情報奨学金E N T R A N C E E X A M I N AT I O NS C H O L A R S H I P

募集定員:20名(大学院修士課程)

推薦入学試験出願期間:2017年 6月9日(金)~2017年 6月16日(金)入学試験日:2017年 7月1日(土)合格発表日:2017年 7月14日(金)入学手続期限:2017年 8月4日(金)

一般入学試験○第 1回

出願資格審査書類提出期間:2017年 9月6日(水)~2017年9月13日(水)出願期間:2017年 9月22日(金)~2017年 9月29日(金)入学試験日:2017年 10月14日(土)合格発表日:2017年 10月20日(金)入学手続期限:2017年 11月10日(金)○第 2回

出願資格審査書類提出期間:2018年 1月5日(金)~2018年 1月12日(金)出願期間:2018年 1月19日(金)~2018年 1月26日(金)入学試験日:2018年 2月10日(土)合格発表日:2018年 2月16日(金)入学手続期限:2018年 3月2日(金)

入学金○県内の者:226,000円○県外の者:338,000円授業料(年額):535,800円※入学金及び授業料は改訂される場合があります。

※入試に関する相談や学校見学は随時受け付けています。IAMAS 教務課

〒503-0006 岐阜県大垣市加賀野 4丁目1-7

TEL: 0584‒75‒6641(ダイヤルイン) FAX: 0584‒75‒6637

E-mail: info-exam@ml.iamas.ac.jp

特別給費生制度

○情報科学芸術大学院大学特別給費生報償金支給団体名:岐阜県支給人員:1学年 1名以内支給額:年額 60万円(1年間)

対象者:大学院大学の学生本学の教育・研究内容に関連する分野の活動において、高い評価や優れた実績のある者原則として大学、研究所、企業などからの推薦のある者

○大垣市情報科学芸術大学院大学報奨金支給団体名:大垣市支給額 :年額 60万円(1年間)

支給人員:2年生 1名対象者 :大学院大学の学生で大垣市の住民基本台帳に登録されている者又はされていた者、大学院大学における研究において、優れた実績がある者大学院大学在学中に大垣市の情報関連施策に協力する意欲がある者大学院大学の卒業後、大垣市内に事業所等を有する企業に就職し、又は大垣市内で起業する見込みのある者

内容は変更されることがあります。詳細は募集要項を確認してください。

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所在地:〒503-0006 岐阜県大垣市加賀野 4丁目1-7

大垣駅より○タクシー:JR大垣駅南口から約 10分○バス:JR大垣駅南口から3番乗り場ソフトピア線・羽島線「ソフトピアジャパン」行き 約10分(1時間に2~3便程度)

アクセス

A C C E S S

和合I.C.

ソフトピアジャパン

総合体育館イオンタウン大垣

学生寮

大垣商業高楽田町

シェル

大垣東中大垣フォーラムホテル

県道50号県道57号 国道258号

大垣東小

大垣市役所

大垣駅

大垣城

至米原、関ヶ原

JR東海道本線国道21号

至岐阜、名古屋

ソフトピアジャパン南 中ノ江伝馬町

[周辺図]

[各都市から大垣へ]

東京 名古屋

新大阪

中部国際空港セントレア

米原 大垣

100分新幹線

40分新幹線

30分JR東海道本線

30分JR東海道本線

40分JR東海道本線

金山30分

名古屋鉄道ミュースカイ

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〒503-0006 岐阜県大垣市加賀野 4丁目1-7

TEL: 0584‒75‒6600 FAX: 0584‒75‒6637 E-mail: info@ml.iamas.ac.jp

発行:情報科学芸術大学院大学[IAMAS]発行日:2017年 4月1日編集:瀬川晃・八嶋有司・伊藤晶子(産業文化研究センター)|中西要介 デザイン:中西要介写真:今井正由己(p.1–4 /10–12/32)印刷:有限会社大六印刷

本書からの無断転載を禁じます。掲載内容は2017年3月現在のものであり、一部変更される場合があります。最新情報については、本学Webサイトをご覧ください。www.iamas.ac.jp

紙種:表紙 キャピタルラップ 四六判 86kg

本文用紙 OKピクシードソフィア 79kg