Post on 28-Jul-2020
宇宙地球科学12013/04/23
林田 清
http://wwwxray.ess.sci.osaka-u.ac.jp/~hayasida/の下の“授業”に資料あり
CLEにも同じ資料を置く予定
夏は冬より暑いのはなぜか?
大阪の緯度~35度
太陽の南中高度は?(夏至、冬至、春分と秋分)
http://www.mhhe.com/physsci/astronomy/arny/instructor/graphics/ch04/0422.htmlより
太陽光のエネルギーが地球の気候を支配している
なぜ正午ではなく午後2時頃に気温最高になるのか? 物体の温度は、入ってくる熱と
出ていく熱のバランスで決まる。
“入ってくる熱”>”出ていく熱”であれば、温度は上昇する。”入ってくる熱”<“出ていく熱”であれば、温度は下降する。
12時14時頃入ってくる熱=太陽の輻射熱
出ていく熱=地面の放射など
なべに水をいれて強火で80度まで温めたあと、弱火にしても温度は下がらず、上昇を続ける
日の出 日の入
太陽の構造
表面温度:6000度 半径:70万km 質量:2x1030kg 平均密度:1.4g/cm3
自転周期:25日(赤道部) 30日(極付近)
太陽(系の)質量組成:水素77%、ヘリウム21%、それ以外2%。(それぞれX,Y,Zの文字で表すことがある)
図はhttp://www.mhhe.com/physsci/astronomy/arny/instructor/graphics/ch11/1101.htmよりl
対流層
プロミネンス
光球
黒点
模式図
彩層
コロナ
中心部1500万度150g/cm3
6000度1x10-7g/cm3
太陽のエネルギー源
太陽の放出エネルギー
地球の位置で光線に対して垂直な1m2あたり1.37 kW。つまり1.37kWm-2
日本人一人あたりの消費電力~1kW 人間一人あたりの消費エネルギー率
2400Cal/day~1.0x107J/day~0.12kW
太陽全体から放出されているエネルギーは3.9x1026W 太陽の年齢
地球、太陽系の年齢は約46億年
太陽の年齢もほぼ同程度の46億年
太陽の質量M=2x1030kg
W=Js-1, Cal=kcal
燃焼エネルギーだとすると
太陽の主成分は水素
水素の燃焼だとすると H2+1/2O2→H2O+287kJ/mol H21kg(500mol)あたり1.4x108J
1秒当たり3.9x1026Jを放出するためには3.9x1026J/1.4x108J=2.8x1018kgのH2消費
太陽全部が燃焼するのにかかる時間(~寿命)2.0x1030kg/2.8x1018kg=7.1x1011秒=2.3x104年
人類の歴史より短い!別の形態のエネルギー源が必要
原子の構成と原子核
陽子と中性子からなる核の周りを電子がまわっている
A=Z+N
表と図は東工大 関本氏ホームページhttp://www.nr.titech.ac.jp/~hsekimot/theoryslide.pdfより
核融合反応
1kgのHあたり6.3x1014J (水素の燃焼の450万倍のエネルギー) 核融合反応がエネルギー源であれば、太陽の寿命は1000億年
より詳しい計算では約100億年 表面付近の組成H70%,He28% 中心付近の組成(推定)H35%、He63%
原子核同士はクーロン力の反発により一般には融合しない。
太陽中心部の密度150g/cc,温度1500万度の状態では核融合現象がおきる。
1 4
1 1
4
1 4
2
4 2( ) 1.0079( )
( ) 4.0026( )( ) 0.0005
4 ( ) ( ) 2 ( ) 0.0280
H He eH m H amum He amum e
m m H m He m emc
+
+
+
→ +
=
=
=
∆ = − − =
∆
の質量
質量欠損
に相当するエネルギーを発熱する(cは光速)
amu:原子質量単位1amu=1.66x10-27kg
エネルギーと質量の等価原理
+ 1H陽子
+ + 4He中性子
宿題(2013/4/23;次回授業4/30まで)
地球の公転軌道の位置の単位面積に太陽からやってくる光のエネルギー(フラックス)は1.4kW/m2
である。太陽と地球の距離を1億5千万kmとして、太陽の絶対光度をJ/sの単位で求めよ。また太陽の質量2.0x1030kgの1割が核融合反応の燃料と
して使用されると仮定して、太陽の寿命を概算せよ。核融合反応の質量-エネルギー変換効率は0.7%とする。
4/30の授業時間中に提出すること。A4orB5の1枚、名前と学生番号をかくこと
*)ここで、太陽の絶対光度とは、太陽の表面全体から単位時間あたり放射されるエネルギーの総量をさしています
原子力発電と火力発電
水を熱して蒸気をつくりタービン(風車)をまわす。
発電機がまわり電力を発生
原子力発電では水をあたためるためにウランやプルトニウムの核分裂反応を利用している
http://www.atom.meti.go.jp/siraberu/sikumi/01/main02k.htmlより転載
原子力発電 ~核分裂反応の利用 U使用の場合
235Uの原子核に中性子が衝突すると、不安定な236Uの状態を経て、二つの原子核(例えば141Baと92Kr)及び2-3個の中性子をる。 この際同時に熱が発生する。
図はhttp://www.fepc-atomic.jp/basic_study/sy_nuclear/ より
原子力発電の燃料
http://www.fepc-atomic.jp/basic_study/sy_nuclear/ より
未来の発電方法?水素核融合による発電
(太陽内部で起こっているのと同様の)核融合を発電に利用できれば、燃料は水素ですむ。
より安全で効率も高い(100万kW発電のために水素175kg)。
臨界条件(温度1億度、密度10-10g/ccの状態を1秒以上継続する)ことが難しく、まだ実用化されていない。
ITER計画
http://www.fepc-atomic.jp/basic_study/sy_nuclear/ より
温度1500万度、密度150g/cc
現在の原子力発電
原子核の結合エネルギー
http://mext-atm.jst.go.jp/atomica/owa/fig?opt=1&term_no=08-01-03-13&fig_path=/images/08/08-01-03-13/02.gif
より
元素の存在量とその起源
宇宙初期につくられたのは、ほぼ水素とヘリウム(少量のLi,Be)だけ
α過程:星の内部でHeの原子核がいくつか集合した原子核がつくられていく反応
r過程:(超新星爆発の際に)Feの光分解反応で生じた中性子をFe等の元素が吸収してどんどん重い元素になっていく反応
http://www.chem.sci.toho-u.ac.jp/labopage/ichem/takahasi/elements/element_table.html#cosmicより (東邦大学理学部)
•人間の体が炭素などからなるのは何を意味するか?
•地球上にウランなど元素が存在するのは何を意味するか?
地球、人体の元素組成(重量比)
http://itl.chem.ufl.edu/2045/lectures/lec_1.htmlより