Oncomine Dx Target Test€¦ ·...

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17Oncomine Dx Target Test および試薬開発報告書 ...................................................................209 18)細胞株、臨床検体およびプラスミド検体同等性試験 ......................................................... 211 19)バイオマーカーBRAF CDRB436E2201 試験の進行非小細胞肺癌患者集団を対象とし Oncomine Universal Dx Test に関するブリッジング試験 ...................................................216 20IEC 62304: 2006 の実施状況.....................................................................................................238 5.添付文書(案) ...................................................................................................................................239 6. リスクマネジメント ............................................................................................................................244 6.1 リスクマネジメントの実施状況..................................................................................................244 6.2 安全上の措置を講じたハザード..................................................................................................246 7. 製造に関する情報 ................................................................................................................................248 8. 臨床試験の成績等 ................................................................................................................................249 9. 製造販売後調査等の計画 ....................................................................................................................250 1. 品目の総括 1.1 品目の概要 1 類別 2 一般的名称 販売名 オンコマイン Dx Target Test CDx システム 3 クラス分類 クラスⅢ 4 申請者名 ライフテクノロジーズジャパン株式会 欩呪 5 使用目的 又は効果 がん組織から抽出したゲノム DNA 中の BRAF 遺伝子変異(V600Eの検出(ダブラフェニブメシル酸塩及びトラメチニブ ジメチルスル ホキシド付加物の併用投与の非小細胞肺癌患者への適応を判定するた めの補助) 6 構造・原理 本品は、DNA シークエンサー、シークエ ꤈ꈈ꜈줈 ンプレート DNA 調製試薬及び解析プログラムからなるコンビネーション 医療機器である。生体試料から抽出された DNA から調製したテンプレー DNA の伸張反応時に発生する水素イオンを半導体チップ上に配置され た電界効果トランジスタにより電気的に検出、解析用プログラムにより塩 基配列を自動で解析、報告する。 7 使用方法 【イオントレント Ion PGM Dx に供する検体及び試薬の調製】 (各項目の詳細は略) 1. 検体の調製 2. ライブラリの調製 3. テンプレート調製 【シークエンシング及び解析】 1. ガスボンベの元栓を開け、レギュレーターを規定圧に調整し、シ ークエンサーにガスを供給する。 2. コンピュータの電源を ON にした後、シークエンサーの電源を ON にする。

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(17)Oncomine Dx Target Test および試薬開発報告書 ...................................................................209 (18)細胞株、臨床検体およびプラスミド検体同等性試験 ......................................................... 211 (19)バイオマーカーBRAF の CDRB436E2201 試験の進行非小細胞肺癌患者集団を対象とし

た Oncomine Universal Dx Test に関するブリッジング試験 ...................................................216 (20)IEC 62304: 2006 の実施状況 .....................................................................................................238

5.添付文書(案) ...................................................................................................................................239 6. リスクマネジメント ............................................................................................................................244

6.1 リスクマネジメントの実施状況 ..................................................................................................244 6.2 安全上の措置を講じたハザード ..................................................................................................246

7. 製造に関する情報 ................................................................................................................................248 8. 臨床試験の成績等 ................................................................................................................................249 9. 製造販売後調査等の計画 ....................................................................................................................250

1. 品目の総括

1.1 品目の概要 1 類別

2 名称

一般的名称 販売名 オンコマイン Dx Target Test CDx システム

3 クラス分類 クラスⅢ 4 申請者名 ライフテクノロジーズジャパン株式会社

5 使用目的 又は効果

がん組織から抽出したゲノム DNA 中の BRAF 遺伝子変異(V600E)の検出(ダブラフェニブメシル酸塩及びトラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物の併用投与の非小細胞肺癌患者への適応を判定するための補助)

6 構造・原理

本品は、DNA シークエンサー、シークエンシングサンプル調製試薬、テンプレート DNA 調製試薬及び解析プログラムからなるコンビネーション医療機器である。生体試料から抽出された DNA から調製したテンプレート DNA の伸張反応時に発生する水素イオンを半導体チップ上に配置された電界効果トランジスタにより電気的に検出、解析用プログラムにより塩基配列を自動で解析、報告する。

7 使用方法

【イオントレント Ion PGM Dx に供する検体及び試薬の調製】 (各項目の詳細は略)

1. 検体の調製 2. ライブラリの調製 3. テンプレート調製

【シークエンシング及び解析】 1. ガスボンベの元栓を開け、レギュレーターを規定圧に調整し、シ

ークエンサーにガスを供給する。 2. コンピュータの電源を ON にした後、シークエンサーの電源を ON

にする。

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3. シークエンサーを水またはクロライトでクリーニングする。 4. シークエンサーをイニシャライズする。 5. シークエンシング用に濃縮した ISPs を調製する。 6. シークエンシングランをセットアップする。 7. チップにサンプル(ISP)をロード(充填)する。 8. ランを実行する。 9. 測定が終了したら結果を確認し、レポートをダウンロード/印刷

する。 10. 機器類の電源スイッチを切り、ガスボンベの元栓を閉める。

8 備考

申請区分:新医療機器 一般的名称の該当性:該当する一般的名称なし 新規性の説明:固形がん患者の腫瘍組織中の DNA における遺伝子の異常の検出を目的としたシークエンサーシステム(DNA シークエンサー、テンプレート DNA 調製試薬及び解析プログラム)である。解析プログラム等と組み合わせて使用し、臨床的意義のある遺伝子変異を特定することを意図した能動型機器であることから、一般医療機器である「遺伝子解析装置」には該当しない。それ以外にも該当する一般的名称及びその定義は存在しない。

安定性試験継続中 20 年 月 日「機 P 医療機器評価相談 性能」、「機 P 体外診断用医薬品評価相談 性能(品質以外)」、「機 P 体外診断用医薬品評価相談 コンパニオン診断薬臨床性能試験 」

申請年月日:平成 29 年 5 月 29 日

※ 外観写真は製造販売承認申請書の別紙 9 に添付済みである。

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1.2 開発の経緯 (1)申請品目を開発するに至った背景から申請までの経緯

シークエンサー

シークエンシングはかつて、DNA に化学修飾を施す事により、その塩基配列を決定するマクサム -

ギルバート法が用いられていた。次にジデオキシヌクレオチドを停止ヌクレオチドとして利用するサ

ンガー‐クルソン法が開発された。当初は、これらの方法では放射性同位体もしくは蛍光物質を使用

し、フィルムへの感光もしくは色素生成を行い検出する方法にて塩基配列の決定がなされていた。そ

の後、停止ヌクレオチドとなるターミネーター塩基を各ヌクレオチドの種類毎に異なる蛍光色素で標

識を行い、ゲル電気泳動もしくはキャピラリー電気泳動により分離を行うサンガー‐クルソン法の変

法である「ダイターミネーターサイクルシークエンシング法」が一般的に用いられている。

2009 年頃もっとも一般的に使われていたシークエンシング技術ですでに、1 つのプライマーから

1,200 塩基対の配列が 1 回の解析で塩基配列決定可能であった。しかし「次世代シークエンサー」と総

称される高速解読装置の登場により、はるかに大量の配列情報を短時間に得ることができるようにな

った。

次世代シークエンサーは、並行処理の為の手法には幾つかの手法は存在するが、どれも数千万–数億

の DNA 断片の塩基配列を同時並行的に決定する事を可能とした技術であり、この技術により 1 回の

実験から 100G 塩基対(G;ギガ=十億)を越える配列を高い精度で決定することを可能としている(参

照配列決定のためのシークエンシング及び変異検出のためのリシークエンシング)。現在では、その処

理能力からヒトをはじめとする様々な種類の全ゲノム配列の詳細な解析が可能である。現在では解析

手法の開発も進み、染色体転座やコピー数異常などのゲノム構造異常の解析への応用も開発が進んで

いる。また、次世代シークエンサーの特徴として、1 分子から増幅したテンプレート DNA の塩基配列

を読み取ることがある。この特徴を利用して、同一領域を複数回読み取り、参照配列との比較を行う

事で塩基配列の変異箇所の頻度(被験検体中の存在分子数)を推定する事が可能となる。この読み取

りの回数(深度)を深めることで(ディープシークエンシング)、頻度の少ない変異を検出することも

でき、たとえば血液中を流れる微量ながん細胞由来の DNA(cell free tumor DNA)を見つけることで、

がんの発見や再発の診断に用いることも期待され、開発されている。

本品の特徴は、配列決定の検出系にある。断片化した DNA から、ポリメラーゼによって遊離核酸

が伸長反応によって合成された DNA 断片に取り込まれる際に放出される水素イオン(proton)を、本

品では電気的に検出している。電気的な検出系を用いることにより、検出系の集積化と並行処理を実

現している。

解析プログラム

というコード名のもと、Ion Personal Genome Machine Dx(Ion PGM Dx)シス

テム及び初期のソフトウェアの開発が始まった。当測定システムは 21 CFR Part 862.2165 に従ったクラ

ス II 医療機器であり、510 (k)申請を免除され、2014 年 9 月に FDA に医療機器として登録された。市

販された Ion Torrent PGM Dx システムの IVD ソフトウェアとして、Torrent Suite™ Dx v4.0 が使用され

た。

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その後、 (社内プロジェクト名)が始動し、Ion Torrent PGM Dx システム用の

次世代ソフトウェアの開発が始まった。開発の結果、Torrent Suite Dx software v5.0 が 2015 年に市販さ

れた。このソフトウェアリリースによって、Torrent Suite Dx Software は IVD 用モードとアッセイ開発

用(研究開発用、「RUO」)モードの両方が備える複合機能システムになった。

両プログラムによる Torrent PGM Dx システムとソフトウェアの市販化後に引き続

き、 (本品の社内プロジェクト名)が開始された。IVD アッセイ、Oncomine Universal

Dx 検査とソフトウェア(アッセイ定義ファイル)は で開発された。 コンパニオン診断システム

転移性非小細胞肺がんのうちで BRAF V600E 変異が存在する腫瘍はより増殖が早いことが示されて

おり、診断や治療開始の遅れは予後の悪化に繋がる可能性がある。また、転移性非小細胞肺がんは標

準的な化学療法に対して良好な反応を示しておらず、分子標的療法に対する高いニーズがあった。ダ

ブラフェニブメシル酸塩及びトラメチニブジメチルスルホキシド付加物併用療法は、この稀な変異の

ある患者に対する初の分子標的療法であり、BRAF V600E 変異は、この治療に反応を示す患者を適切

に選別して最適な治療を行うための、実用的なゲノムバイオマーカーである。そのコンパニオン診断

システムとして本品を開発するに至った。 開発のコンセプト

本品の設計開発コンセプトは、Ion Torrent PGM Dx 及び Oncomine Universal Dx Test(本邦における当

該システムの販売名は「オンコマイン Dx Target Test マルチ CDx システム」)を使用した非小細胞肺

癌用のマルチプレックス遺伝子診断システムを開発することである。本品の開発コンセプトについて

は以下に示す PMDA 対面助言の指摘事項を受け、本添付資料に示すとおり、有効性及び安全性を検証

し、対応を達成した。

(2)PMDA 対面助言に基づく対応

20 年 月 日、本品と同一のプラットフォームを用いて特定の融合遺伝子のみを解析対象とす

る類似の開発品目(品目名“OncomineTM Solid Tumor Fusion Transcript Kit”)について、PMDA 医療機

器開発前相談を行った(受付番号:機 P )。その結果、申請に向けた性能評価パッケージの妥当性

及びプラットフォームのクラス分類について質問を行い、見解を得た。

上記対面助言の見解を参考に、20 年 月 日、本品について、「機 P 医療機器評価相談 性

能」、「機 P 体外診断用医薬品評価相談 性能(品質以外)」、「機 P 体外診断用医薬品評

価相談 コンパニオン診断薬臨床性能試験 」、「機 P 体外診断用医薬品評価相談 コンパニ

オン診断薬臨床性能試験 」、「機 P 体外診断用医薬品評価相談 臨床性能試験 」の対

面助言を行った。その際の助言に基づき、対応を行った事項を表 1-1 に示す。なお、本相談の議事録

を参考資料 1 として添付する。

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(3)対面助言を参考にした事項

対面助言の内容について、表 1-1 のとおり検証を行った。

表 1-1 対面助言内容の検証

対面助言の内容 対応(検証試験等)

機 P 医療機器評価相談 性能 (1)本品の NGS 及び解析プログラム部分について 1)概念的要求事項について

添付資料 3 項「機器に関する情報(2)本品の測定原理について」(62~64 ペー

ジを参照): 上図のように、1 つのウェルには、1 つの ISP が充填される。各ウェルにおける

DNA の伸長反応に起因する水素イオンの発生は、各ウェルの下にあるイオンセン

サーが測定し、電圧に変換する。そのため、他のウェルの反応に影響されること

はない。なお、その感度は mvpH-1 である。

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対面助言の内容 対応(検証試験等)

閾値はラン毎に、次のように決定される。測定開始時にバッファーのみの電圧を

測定し、ベースラインとする。次に、1 塩基伸長反応を行い、ベースラインとの

電圧差を、1 塩基分のシグナルとする。 同一の塩基が 2 つ連続している場合、ヌクレオチドは 2 つ組み込まれ、放出され

る水素イオンも 2 倍となり、電圧の変化は 2 倍、すなわち塩基が 2 つ取り込まれ

たと記録される。したがって、連続する塩基数を決定することができる。 添付資料 4.1.7 項(1)解析能力試験(1)-2「臨床再現性試験」において、シークエ

ンシング特性のデータより、測定できるリード長及び同時に測定できるリード数

を以下のように評価し、特定している。 システムバリアントアッセイ用のプライマーセットである SVA(System Variant

Assay)パネルを使用して、評価している。測定機器、オペレータ、検体にバリエ

ーションをもたせて測定した際の、1 ラン・1 検体当たりの測定された平均総リー

ド長・平均総リード数が、PCP0010443 PGM™ Dx Clinical Reproducibility Study Report の表 15-3「Sequencing Characteristics by Run」にまとめられている(別添

資料ロ‐1‐⑯)。4 検体と 16 検体での測定結果を統合して評価した場合(平均

総リード長、平均総リード数に検体数を乗じて 1 ランあたりの総リード長・総リ

ード数を算出)、測定された最少の総リード長は MB(平均 MB)、最少の

総リード数は (平均 4462670)であった。また、総リード長を総リード数

で除して、平均の 1 リード当たりの測定塩基数を算出したところ、 ~ とい

う狭い範囲に収まり、ラン毎のばらつきが少ないことも確認している。 本システムでは、配列リードのトリミングとフィルタリングを行うことで、有効

な測定データのみを抽出することができる。トリミングの目的は、リードの 3’末端側にある望ましくない塩基の除去であり、ライブラリテンプレートの意図し

ない挿入による高品質ベースコールや 3’末端での低品質ベースコール(リード

開始時の 5’末端から 3 末端へかけて低品質ベースコールが発生する可能性が高

くなる傾向にある)が除去対象となる。また、フィルタリングの目的は、不十分

な品質のライブラリ配列を含むリードを削除することであり、具体的には、( 塩基対より)短いリード、 を持たないリード、フロ

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対面助言の内容 対応(検証試験等)

ー中に を持つリード、 が削除される。リードの中から、

これらの検査を通過したリードの高い品質な部分だけがUnmapped BAMファイル

に書き込まれる。 添付資料 4.1.6 項「安定性及び耐久性」(86~92 ページ)を参照。

安定性試験で 9 ヵ月確認済み。保管条件は、それぞれ表 4-7 から 4-10 の通り設定

する。

添付資料 4.1.7 項(11)「コンタミネーション試験」、(12)「妨害物質の影響試

験」で検証している。検体からの抽出工程、又は反応特異的に妨害する可能性の

ある物質を特定し検証を実施した結果、表 4-4(12)-2 の妨害物質は検証された量の

範囲内での使用では問題がない。言い換えると、検証された量の範囲外で使用さ

れる場合に適切な結果を得られない可能性があるため、適切な結果を得られない

条件として特定する。 添付資料 4.1.7 項(6)「真度試験」、(7)、(8)「同時再現性試験」で検証し

ており、使用目的にかなう正確性を持って塩基配列の決定ができることを確認し

た。 添付資料 4.1.7 項(4)、(5)「プラスミドまたは in vitro 転写物を用いたバリア

ントの検出試験」において、臨床試験で確認できなかったレアな変異等の検出を

検証し、変異が生じる頻度が低い場合においても目的とする変異を検出できるこ

とを確認した。 2)評価の充足性について 添付資料 4.1.7 項「性能を裏付ける試験」で検証済みである。

・「1 リードあたりに測定できる DNA の塩基数の範囲」及び「同時に測定できる

リード数」は、「・測定できるリード長及び同時に測定できるリード数を評価し、

それぞれを特定すること。」への対応を参照。 ・解析プログラムの設計検証については、「ソフトウェア試験」の項に試験項目

の内容と解析工程の概要を紐付けて記載した。

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対面助言の内容 対応(検証試験等)

(3)本品全体の評価に関して考慮すべき事項について

これら検出対象バリアントと検出のためのプライマー群は、関連する医薬品の適

応となる遺伝子変異を網羅しているが、これら情報は 2017 年時点のものであり、

今後網羅していない領域が研究/報告される可能性がある。しかしながら本品の臨

床試験結果(4.1.7 項(19)参照)から、これら領域の網羅性は関連する医薬品の

適応とする使用目的において十分であると考える。

代表的かつ重要なバリアントから選択しており、欠失の場合は短距離、中距離、

長距離の欠失を評価している。例えば長距離の欠失の場合、分析性能の検証にと

ってシークエンスリード長の観点から最悪程度の検証になっていると考える。

添付資料 4.1.7 項(18)「細胞株、臨床検体およびプラスミド検体同等性試験」に、

当該試験の概要を記載した。

添付資料 4.1.6 項「安定性及び耐久性」に保管条件を記載するとともに、9 ヵ月の

安定性を確保可能とした理由を記載した。なお、安定性試験は継続中である。

使用するソフトウェアのバージョンが古く、現行の (あるいは )と紐付け

が困難であるため、本試験は不採用とした。NGS の性能については、試薬及び解

析プログラムとともに 4.1.7 項「性能を裏付ける試験(1)解析能力試験」で検証

している。

4.1.7 項「性能を裏付ける試験(6)真度試験」に対照法とした試験の概要と対照

法とする妥当性を記載した。

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対面助言の内容 対応(検証試験等)

臨床 FFPE、FFPE 細胞株ブレンド及びバリアント陰性 gDNA と混合されたプラス

ミドの 3 種類の検体の Oncomine Universal Dx Test 評価結果の等価性は、

PCP0024661 Plasmid and FFPE Cell Line Equivalency to Clinical Samples より検証さ

れている。 添付資料 4 項、総括に検体についての考察を記載するとともに、当該試験の概要

を添付資料 4.1.7 項(18)「細胞株、臨床検体およびプラスミド検体同等性試験」

に記載した。

添付文書の使用上の注意に妨害物質の影響について記載し、情報提供する。

「機 P 体外診断用医薬品評価相談 コンパニオン診断薬臨床性能試験 」

「本品の解析に適した腫瘍組織の採取方法、ホルマリン固定パラフィン包埋検体

の調製方法(固定条件等)及び DNA 検体の品質要件」は下記のとおりユーザーマ

ニュアルに明記し、医療現場に提供する。 本品の検体となる DNA は、ホルマリン固定パラフィン包埋組織ブロックから抽出

した検体を用いる場合、以下の条件で作製したものであることが望ましい。 ・推奨固定液:10%中性緩衝ホルマリン ・推奨固定時間:6 時間以上 48 時間以内 がん組織から抽出・精製した DNA が以下の条件に合致することを確認する。

必要濃度 検量線の相関係数 0.83 ng/μL 以上 0.99 以上

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対面助言の内容 対応(検証試験等)

*シークエンシングランおよびライブラリに関する Oncomine Universal Dx Test のいずれかの QC 基準を満たさなかった検体については「Invalid」と判定し、QC 基準を満

たしたものの、BRAF V600E 変異体の位置を十分にカバーしていないために(リード数 < 347)、当該変異の有無を正確に決定することができない検体については、「No Call」と判定した。

なお、「機 P 体外診断用医薬品評価相談 コンパニオン診断薬臨床性能試験 」「機 P 体外診断用医薬品評価相談 臨床性能試験 」

については、国内で臨床性能試験を実施し再度検証を行うこととしたため、指摘事項への対応は行わなかった。

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(3)設計仕様に基づき検証した結果

本品の設計開発に着手した経緯を表 1-2 に示す。 表 1-2 開発の経緯

試験項目 2013 2014 2015 2016 2017

電気的安全性

電磁両立性

安定性試験

解析能力試験

ソフトウェア試験

In silico プライマーの特異度検証

プラスミドまたは in vitro 転写物を

用いたバリアントの検出試験

真度試験

同時再現性試験

LOD 試験

LOB 試験

コンタミネーション試験

妨害物質の影響試験

ゲノムDNA及びRNAインプット

検体量検証試験

組織固定試験

合格/不合格判定基準の設定

細胞株、臨床検体およびプラスミド

検体同等性試験

臨床性能試験報告書(BRAF)

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1.3 類似医療機器との比較 (1)類似医療機器との差分の概要

表 1-3 類似医療機器との比較

申請品目 類似医療機器 比較考察

一般的名称 (未定) 遺伝子解析装置(70192000) -

販売名 オンコマイン Dx Target Test CDx システム イオントレント Ion PGM Dx -

販売製造業者

ライフテクノロジーズジャパン株式会社 ライフテクノロジーズジャパ

ン株式会社 -

承認/届出番

号 -

13B1X10227000005 -

承認/届出年

月日 - 平成 28 年 9 月 21 日 -

使用目的又は

効果

がん組織から抽出したゲノム DNA 中の BRAF 遺伝子変異(V600E)の

検出(ダブラフェニブメシル酸塩及びトラメチニブ ジメチルスルホキ

シド付加物の併用投与の非小細胞肺癌患者への適応を判定するための

補助)

生体試料から抽出した核酸分

子の塩基配列情報を解析する

装置をいう。解析を確実にする

ため、通常、核酸分子の増幅を

行う。

遺伝子解析装置であ

る類似医療機器は塩

基配列情報を解析す

るが、本品はその結

果をもとに DNA 上

の変異を検出する。

さらに、非小細胞肺

癌のコンパニオン診

断システムである。

この差分となる使用

目的については、添

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申請品目 類似医療機器 比較考察

付資料 4 項において

検証している。

形状、構造 3. 構成品の形状及び寸法、構成試薬 (1) イオントレント Ion PGM Dx

外形寸法:61 cm(幅)×51 cm(奥行き)×53cm(高さ) (2) Ion PGM Dx Sequencing Kit (3) Ion 318 Dx Chip

外形寸法:2.5 cm(縦)×2.5 cm(横)×7 mm(厚さ) (4) Torrent Suite Dx Software (5) Oncomine Dx Target Test and Controls (6) Ion PGM Dx Library Kit (7) Ion OneTouch Dx Template Kit

(8) アクセサリ(併用品)

1) コンピュータ(Ion Torrent Server) 2) モニター 3) キーボード 4) USB メモリ(レポート形式のパラメータを含む) 5) Ion PGM Dx Sequence Supplies 6) Ion OneTouch Dx Template Supplies Kit 7) DynaMag Dx Kit—Tube & Plate

外観形状寸法及び質量 (1) 装置(Ion PGM Dx)

外形寸法:61 cm(幅)×51 cm(奥行き)×53cm(高さ) 質量:約 30 kg

(2) 付属品 ① コンピュータ(Ion Torrent Server) ② モニター ③ キーボード

本品の構成は類似医療機器の構成に、遺伝子解析に必要な試薬及びチップを加えたものである。

5. 電気的定格、保護の分類及び保護の形式 (1) イオントレント Ion PGM Dx

定格電圧:100 V AC 周波数:50/60 Hz 最大消費電力:900 VA 電撃に対する保護の形式による分類:クラスⅠ機器

4. 電気的定格 定格電圧:100 V AC (±10%) 周波数:50/60 Hz(±1%) 最大消費電力:2000 VA

本機器はEMC規格 EN 61326-1に適合しています。

Ion PGM Dx の電気的定格は表記が異なるが最大消費電力を除いて同じである。

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申請品目 類似医療機器 比較考察

原理 ライブラリ調製(略) テンプレート調製(略) シークエンシング

Ion 318 Dx Chip は 1200 万ウェルで構成され、イオントレント Ion OneTouch Duo Dx の付属品である卓上小型遠心機による遠心

分離で 1 つのウェルに 1 つの ISP が充填される。 内蔵の自動 pH 値処理により pH を目標に 7.5~7.65 を許容範

囲として調製された 洗浄バッファー及び

dNTP を用いて、イオントレント Ion PGM Dx をイニシャライズ

後、検体充填した Ion 318 Dx Chip をセットする。 4 種類の DNA ヌクレオチド溶液が順番に Ion 318 Dx Chip のウ

ェルを満たすように流され、ヌクレオチドが DNA の 1 本鎖に組

み込まれると水素イオンが放出される。その水素イオンの放出に

よるウェル内の pH 変化を、ウェルの下にあるイオンセンサーが

測定し、電圧に変換する。イオンセンサーは電圧の変化を捉える

ために設計されており、その感度は mvpH-1 である。この電圧変

化は、1 本鎖 DNA 側の塩基に相補的なヌクレオチドが組み込まれ

たこと(ベースコール)を示す。DNA ヌクレオチド溶液は毎回別

の種類の溶液がチップ上を流れ、この工程が繰り返される。ヌク

レオチドが元の塩基に対して相補的でない場合、水素イオンの放

出による電圧変化、すなわちベースコールは起こらない。また、

同一の塩基が隣接している場合、ヌクレオチドは 2 つ組み込まれ、

放出される水素イオンも 2 倍となり、電圧の変化は 2 倍、すなわ

ち塩基が二つ取り込まれたと記録される。この工程はチップ上の

約 1200 万ウェルで同時に進行する。 この初期の電気的トレースを各ウェルで検査し、システムと連

動させた Ion Torrent Server に伝達する。 データ解析(略)

本品は、核酸鎖の伸張反応時に

発生する水素イオンを半導体

チップ上に配置された電界効

果トランジスタにより電気的

に検出し塩基配列を自動で解

析する装置です。

本品と類似医療機器

の原理は、シークエ

ンサーの部分は同一

である。構成品の範

囲が異なるため、本

品ではシークエンサ

ー以前のライブラリ

の調製、テンプレー

ト調製およびデータ

解析の原理の記載が

追加されている。

原材料 (2) Ion PGM Dx Sequencing Kit 装置:ステンレススチール、一 本品の構成品のう

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申請品目 類似医療機器 比較考察 番号 試薬の名称 原材料

1) Ion PGM Dx Sequencing Reagents ① SEQ dGTP ② SEQ dCTP ③ SEQ dATP ④ SEQ dTTP ⑤ SEQ Enzyme ⑥ SEQ Primer

2) Ion PGM Dx Sequencing Solutions ① SEQ W2 Solution ② SEQ Cleaning Tablet ③ SEQ Sample Buffer

④ SEQ W3 Solution ,

(5) Oncomine Dx Target Test and Controls

番号 試薬の名称 反応に関与する成分

1) Oncomine Dx Target Test - DNA and RNA Panel

① DNA パネル

② RNA パネル

2) Oncomine Dx Target DNA Control

① Oncomine Dx Target DNA Control

3) Oncomine Dx Target RNA Control

① Oncomine Dx Target RNA Control

4) Ion Torrent Dx No Template Control Kit

① No Template Control

般電気部品、プラスチックモー

ルド

ち、イオントレント

Ion PGM Dx の原材

料は類似医療機器と

同一である。

本品には類似医療機

器の構成品に含まれ

ない試薬があるた

め、その反応に関与

する成分を記載して

いる。

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申請品目 類似医療機器 比較考察 (6) Ion PGM Dx Library Kit

番号 試薬の名称 反応に関与する成分

1) Ion PGM Dx Library Reagents

① LIB HiFi Mix

② LIB FuPa

③ LIB Switch Soln ④ LIB DNA Ligase

⑤ BC1~16

2) Ion PGM Dx Library Equalizer

① LIB AMPure

Reagents

② LIB Beads

③ LIB Primers

④ LIB Capture ⑤ LIB Wash Soln ⑥ LIB Elusion Soln

(7) Ion OneTouch Dx Template Kit

番号 試薬の名称 反応に関与する成分

1) Ion OneTouch Dx Template Reagents

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申請品目 類似医療機器 比較考察

① TMPL Enzyme Mix

② TMPL Rgnt Mix

③ TMPL ISP ④ TMPL CF-1

2) Ion OneTouch Dx Template ES Beads

① TMPL ES Beads

3) Ion OneTouch Dx Template Solutions ① TMPL Oil ② TMPL Reaction Oil

③ TMPL Water

④ TMPL Recovery

Solution

⑤ TMPL Wash Solution ⑥ TMPL Rgnt B

⑦ TMPL ES Rsp Soln

⑧ TMPL Neutral Soln

⑨ TMPL Tween

Solution

性能及び安全

性に関する規

1. 品質、安全性及び有効性の観点から求められる設計仕様に関する規

格 (1)安全性に関する項目(イオントレント Ion PGM Dx)

項目 規格番号・年号 電気的安全性 IEC 61010-1: 2001 電磁両立性 IEC 61326-2-6: 2005

1. 性能仕様 解析能力:本装置は 1 枚の半導体

チップ(Ion 318™ Dx Chip)をセ

ットでき、並列で1回の稼働で約

7 億塩基、400 万リード以上のデ

ータを出力する事が可能である

(200base-read 時)。

安全性に関する項目: イオントレント Ion PGM Dx の電気的安

全性及び電磁両立性

は、類似医療機器の

規格と同等である。

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申請品目 類似医療機器 比較考察 (2)シークエンシング特性 システム検証用のプライマーセットである SVA(System Variant Assay)パネルを使用した際に、以下の解析能力を有すること。 解析できるリード長 1 ランあたりの総リード数 70-200 塩基対 平均 400 万リード(300 万リード以上)

(3)真度 対照法(NexCourse Complete Multi-Gene アッセイ)との相関性: バリアントレベル解析において、本試験法は対照法と比較して PPA

(No Call**を除く)が 90%以上 バリアントレベル解析において、本試験法は対照法と比較して NPA

(No Call を除く)が 90%以上。 (4)同時再現性 各 DNA バリアントに対する推定検出限度(LOD)を超えるアレル

頻度(BRAF V600E については %)で検体中に認められるバ

リアントについて、陽性コール率(No Call 除外時)は 95%以上、

95%信頼区間の下限は 87%超であること。 対象バリアントに対する野生型(WT)の DNA 検体について、各

臨床で認められた対象のバリアント部位で陰性コール率(No Call除外時)は 95%以上、95%信頼区間下限は 87%超であること。

臨床バリアント部位について、全ての検体及び全ての施設での施設

間再現性(No Call 除外時)は 95%以上、95%信頼区間下限 92%超

であること。 (5)ブランク上限(LOB)

LOB=0

(6)ターゲットとする遺伝子変異の検出感度(検出限界) BRAF V600E:アレル頻度(AF)= 12%

2. 製品の品質、安全性、及び有

効性を示すために用いた規格や

規準等 電気的安全性: ・EU Directive, 2006/95/EC ・IEC 61010-1 ・EN 61010-1 ・UL 61010-1 ・CSA C22.2 No.61010-1 ・IEC 61010-2-010 ・EN 61010-2-010 ・IEC/EN 61010-2-101 EMC 試験: ・Directive, 2004/108/EC ・EN 61326-1 ・EN 61326-2-6 ・FCC Part 15 ・AS/NZS CISPR, 22:2009 ・ICES-003, Issue 5

性能に関する項目: 本品の性能に関する

規格であるシークエ

ンシング特性、真度、

同時再現性、ブラン

ク上限(LOB)、ター

ゲットとする遺伝子

変異の検出感度(検

出限界)、インプット

検体量、妨害物質の

影響、プライマーの

特異度、解析能力、

合格/不合格判定基準

について設定した。 これらの試験結果

は、添付資料 4.1.7 項

に記載しているとお

り、全て規格を満た

しており、本品の性

能は確認された。

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申請品目 類似医療機器 比較考察

(7)インプット検体量 DNA 10 ng

(8)妨害物質の影響

FFPE 検体処理で用いる試薬類に対する 5 種類の潜在的な妨害物質

(パラフィン、キシレン、エタノール、プロテアーゼ K、洗浄バッフ

ァー)を用いた試験について、下記の規格を満たすこと。 試験対象の各妨害物質について、全ての検体で陽性の一致率(No

Call は除外)および総合一致率(No Call は除外)が 95%以上となる

こと。 (9)プライマーの特異度

1. 各プライマーについて、二次結合する遺伝子座には 3 以上のミス

マッチが必要である。 2. 0~2 ミスマッチのプライマー結合遺伝子座が全ての他のプライマ

ー結合遺伝子座と対になる場合、潜在的に最大長 bps の二次増

幅産物を生成してはならない。 3. プライマー対が上記の規格 2 を満たさない場合、意図しないイン

サートシークエンスには意図したインサートシークエンスと最低

でさらに 2 のミスマッチがなければならない。 2. 出荷判定の際の品質管理方法に関する規格 (1)解析能力 1) 各構成試薬のアッセイ内パラメータとして以下の結果を返すこと

試薬 項目 許容基準 Oncomine Dx Target DNA Control

COSM476_AF Mean AF ≥

Oncomine Dx MAPD 中央値 ≤

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申請品目 類似医療機器 比較考察

Target Test - DNA Panel

18 回の反復実験におい

て、同じ amplicon が 347リードを下回る回数

反復実験において、347リードを下回る

amplicon の最大数 ≤

3. 実使用における工程管理に関する規格 (1)合格/不合格判定基準 各ランのアッセイ内パラメータとして以下の結果を返すこと

項目 合格/不合格判定基準 ラン QC CF-1 AQ20 MRL (bp) ≧ 131 CF-1 リード率 (%) ≧ 0.03 DNA ライブラリ Mean AQ20 MRL (bp) ≧ 90 リード率 (%) ≧ 0.7 DNA コントロール COSM476_AF バリアントがコールされる、及び AF ≧ 0.05 Mean AQ20 MRL (bp) ≧ 98 リード率 ≧ 0.7 NTC DNA NTC バリアントは検出されない Hotspot P/F specs SNV/InDel coverage ≧347

使用方法 【PGM Dx に供する検体及び試薬の調製】

(各項目の詳細は略)

1. サンプルの調製 2. ライブラリの調製

(1) ガスボンベの元栓を開けて

本装置にガスを供給する。 (2) コンピュータの電源を ON に

した後、本装置の電源を ON にす

る。

本品と類似医療機器

の使用方法は、シー

クエンサーの部分は

同等である。構成品

の範囲が異なるた

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申請品目 類似医療機器 比較考察 3. テンプレート調製 【シークエンシング及び解析】 1. ガスボンベの元栓を開け、レギュレーターを規定圧に調整し、シー

クエンサーにガスを供給する。 2. コンピュータの電源を ON にした後、シークエンサーの電源を ON に

する。 3. シークエンサーを水またはクロライトでクリーニングする。 4. シークエンサーをイニシャライズする。 5. シークエンシング用に濃縮した ISPs を調製する。 6. シークエンシングランをセットアップする。 7. チップにサンプル(ISP)をロード(充填)する。 8. ランを実行する。 9. 測定が終了したら結果を確認し、レポートをダウンロード/印刷す

る。 10. 機器類の電源スイッチを切り、ガスボンベの元栓を閉める。

(3) 必要に応じ保守点検を実施

する。 (4) 必要な試薬、消耗品等を所定

の位置にセットする。 (5) Ion Torrent Browser Dx を起動

し測定条件を設定する。 (6) 半導体チップに調製した試

料ビーズを注入し所定の位置に

セットする (7) (5)で設定した測定条件を指

定し、測定を開始する。 (8) 測定が終了したら結果を確

認する。 (9) 機器類の電源スイッチを切

り、ガスボンベの元栓を閉める。

め、本品ではシーク

エンサー以前のライ

ブラリの調製及びテ

ンプレート工程の使

用方法が追加されて

いる。

出典 医療機器製造販売承認申請書 医療機器製造販売届書 -

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1.4 外国における使用状況 (1)外国における販売状況

調査年月日:2018 年 2 月 6 日

国名 販売名 承認年月日 販売開始日

米国 Oncomine Dx Target Test 2017/6/22 2017 年 7 月第 1 週

(限られた試験施設にて使用されているのみであり、一般顧客へは未販売)

(2)外国における不具合の発生状況

調査時点での不具合の発生報告はない。