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NEWS LETTER 2011 Autumn Vol. 8 No. 4 1 9 統合医療機能性食品国際会議 ( ICNIM ) 開催報告 第19回          統合医療機能性食品国際会議 (ICNIM)開催報告

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NEWS LETTER2011 Autumn

Vol. 8No. 4

第19回          統合医療機能性食品国際会議

(ICNIM)開催報告

第19回          統合医療機能性食品国際会議

(ICNIM)開催報告

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第19回統合医療機能性食品国際会議(ICNIM)開催報告 3

ESPEN2011参加報告 5

エビデンスに基づく統合医療研究会 (eBIM研究会)設立 記念シンポジウム 5

学会・展示会参加報告 6■ Natural Products EXPO Asia 2011■ Bio Korea 2011■ 食品開発展 2011■ 健康産業シンポジウム~食品の機能表示に向けた動向と課題~

株式会社アミノアップ化学 新工場落成式 7

最近の論文・学会発表から 8

編集後記 8

『AHCC(担子菌培養 抽出物 ) の 

 基礎と臨床』■監修:細川眞澄男

北海道大学名誉教授 北海道医療大学教授

■編集:山﨑 正利 帝京大学薬学部教授 上山 泰男 関西医科大学外科教授

発行元 株式会社ライフ・サイエンス(医学専門出版社) 〒150‒0001 東京都渋谷区神宮前5‒53‒67 コスモス青山 TEL 03(3407)8963(代) FAX 03(3407)8938

B5版 本文271頁 上製本定価:3,990円(税込)

AHCCに関する初の医学書

※ご所属・お役職は初版発行時のものです。

第18回統合医療機能性食品国際会議(2010年7月)

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2011 AutumnVol.8 No.4

■はじめに 昨年から統合医療機能性食品国際会議(ICNIM)と名称を変更して行われている、AHCC研究会の国際研究報告会は通算で第19回を迎え、去る10月15日(土)、16日(日)の 2日間にわたって、ホテルロイトン札幌(札幌市)にて開催された。今年も経済産業省北海道経済産業局の後援を得て開催され、参加者は 2日間で505人を数えた。 基調講演 1題、口頭発表では臨床研究12題、基礎研究 8題、ポスター発表では臨床研究 9題、基礎研究 8題の合計37題が発表された。本会では、AHCC、Oligonolの研究報告に加え、今年は初めてシソエキスの研究成果が 3題報告された。AHCCに関 し て は Clemson 大 学 の G. Sonnenfeld先生によるAHCCのストレスホルモン応答に対する効果の報告、またOligonolに関しては、Seoul National University の Hye-Won Yum 先生によるマウス大腸炎モデルに対する効果、帝京大学の油井 聡先生による網膜色素変性症モデルに対する効果など、Oligonolでは新しいアプリケーションに関する報告が見られ、報告内容はますます多様化したのが特徴といえる。 15日の一般講演の 2演題目に発表が予定されていたテキサス大学のJudith A. Smith 先生が事情により

来日できなくなり、録画によるビデオ発表となった。冒頭のビデオ発表となった事情を説明する様子を収めたホームビデオには、Smith先生のお子さん、ご主人も一緒に映っており、アカデミックな雰囲気の会場がこの時は和やかな空気に包まれた。

■基調講演 基調講演では、当会の副会長でもある帝京大学名誉教授の山﨑正利先生が「生体防御機構における食細胞の役割とその調節」と題して発表。昨年、帝京大学を退職された山﨑先生が、国内の第一人者として活躍されてきた免疫調節の分野で、特にマクロファージや好中球の機能から、食品成分によるその機能調節に至るまでの幅広い知見を紹介された。

■ 研究奨励表彰、優秀研究報告賞は杏林大学の櫻井拓也先生に

今年の研究奨励表彰では、優秀研

第19回統合医療機能性食品国際会議(ICNIM)開催報告

究報告賞は杏林大学の櫻井拓也先生の「Oligonol の老化促進モデルマウスの認知機能障害に対する予防効果と海馬におけるターゲット分子の同定」が受賞し、経済産業省北海道経済産業局長賞が授与された。また、40歳未満の若手研究者に贈られる若手研究者奨励賞はSeoul National University の Hye-Won Yum先生の「デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発マウス大腸炎におけるOligonolの保護効果と基礎的な生化学的メカニズム」に、優秀ポスター報告賞は帝京大学の油井 聡先生の「メチルニトロソウレアで誘発される網膜色素変性症マウスに対するオリゴノールの抑制効果」に、

櫻井拓也先生(杏林大学)

Hye-Won Yum 先生(Seoul National University)

油井 聡先生(帝京大学)

山﨑正利先生(帝京大学名誉教授)

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第19回統合医療機能性食品国際会議(ICNIM)開催報告

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AHCC研究会会長賞としてそれぞれ授与された。授賞式は15日の報告会終了後の懇親会にて行われた。

■総合討論 今年の総合討論は 3月の東日本大震災と福島第一原発の事故を受けて、「心身外傷ストレスに対する統合医療・機能性食品の果たす役割」というテーマで議論が繰り広げられた。大阪大学大学院医学系研究科生体機能補完医学講座の伊藤壽記教授が東日本大震災の概要を阪神・淡路大震災と比較して紹介しながら、東日本大震災において活躍した鍼灸・アロマセラピーに関する話題を提供。さらに大規模な鉄道事故被害者に対する精神ケアの臨床試験による科学的根拠の確立の重要性が紹介された。事故、災害時の被害者に対してPTSDなどの対処に精神ケアが有効であるだけでなく、アロマセラピーが補助的に用いられて有効である事例や、痛みなどの愁訴に対して鍼灸治療が有効であるなど、統合医療的アプローチで奏効する事例が紹介された。続いて、本報告会でも「活性化糖類関連化合物(Active Hexose Correlated Compound、AHCC)の放射線誘発晩発障害(マウス発生異常および白血病)への抑制作用」としてAHCCの放射線防御効果について発表された、大阪大学名誉教授で医薬基盤研究所の野村大成先生から「Radiation Effects on Human

Health -“Philosophy on Safety and Conscience” in Japan」と題して講演が行われた。また、カリフォルニア大学デービス校のRobert M. Hackman先生が心身外傷ストレス時における免疫機能や栄養機能への影響について紹介。その後の質疑応答では活発な議論が繰り広げられた。特に、放射線の問題については出席者の関心も高く、食品による放射線防御も含めて放射線の人体に対する影響を解説した野村先生の話題提供には熱心に耳を傾けていた。 心身外傷ストレスに対して機能性食品、アロマセラピー、鍼灸などを含む統合医療的なアプローチは重要でありニーズも高いものと思われるが、有効に活用するためには科学的根拠に基づく適用が必要である。東日本大震災の発生からすでに半年を経過しているが、来年の本会が行われる 7月ごろにもこうした活動の成果や、被災地現場での医療における問題点などがさらに浮き彫りになっていることが予想され、本会においても引き続きの議論が必要になると思われる。総合討論で座長を務められた細川会長からも引き続きの議論・検討が提案されて総合討論は幕を閉じた。

■懇親会 岩本光存欣顧問を悼む 懇親会では今年 2月にご逝去された岩本光存欣先生を惜しむ会が催された。岩本先生は医療法人社団延山

会 北成病院にて理事長を経て、札幌駅前内科クリニックにて現役でご活躍されていた。本会においても、AHCC研究会創設の発起人の一人としてご活躍され、2004年の会員登録制への移行以来、顧問としてご尽力下さった。懇親会では、AHCC研究会創設当初から親交が深く、生前の岩本先生をよく知るお一人である株式会社アミノアップ化学代表取締役会長の小砂憲一氏が感謝の言葉を述べた。岩本光存欣先生の生前の功績をたたえ、細川会長から岩本先生の奥様である岩本郁子様に感謝状と記念品が贈呈された。

■おわりに 本年のICNIMも世界19カ国から500名以上が参加、海外からも102名の参加があり盛会のうちに幕を閉じた。基礎研究や臨床試験だけでなく、小規模なパイロット的ヒト介入試験や、実際に臨床の現場で使用された症例報告など、報告内容も多岐にわたり参加した研究者間の情報交換にも大いに役立っていたと思われる。 今年は10月の開催となったが、来年はまた 7月の開催となり、 7月21日(土)、22日(日)の二日間、例年通りホテルロイトン札幌(札幌市)での開催が予定されている。多くの会員の皆様のご参加とご発表を期待したい。

AHCC研究会設立の功労者、岩本先生を惜しむ会が催された。

総合討論で話題提供した野村大成先生(大阪大学名誉教授、医薬基盤研究所)

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ESPEN 2011参加報告

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 2011年 9 月 3 日から 6日の 4日間にわたり、ヨーロッパ静脈経腸栄養学会 2011(33rd ESPEN Congress)がヨーテボリ(スウェーデン)において開催された。本会では、立命館大学応用生命科学部の西澤幹雄教授が“Supplementation with flavanol-rich lychee fruit extract influences the inflammatory status of long-distance runners”として、Oligonolを長距離陸上選手に投与した際の炎症状態の緩和について、また関西医科大学外科の奥村忠芳教授は“Flavanol-rich lychee fruit extract suppresses expression of genes involved in

ESPEN 2011参加報告

【演題1】 Supplementation with flavanol-rich lychee fruit extract influences the inflammatory status of long-distance runners 西澤幹雄 (立命館大学)ら

inflammation in rat hepatocytes”として、Oligonolのラット肝細胞における炎症性サイトカインの産生抑制について、それぞれ発表した。 世界中から看護師、栄養士、薬剤師などを含む臨床家が集まるこの大きな国際学会では、教育プログラムが充実しており、臨床栄養分野での、特にco-medicalの情報交換、教育の場としても大いに寄与している。基礎・臨床の知見を幅広く扱う学会にあって、西澤教授、奥村教授のオリゴノールに関する基礎、臨床両面からの研究成果が注目を集めていた。

【演題 2】 Flavanol-rich lychee fruit extract suppresses expression of genes involved in inflammation in rat hepatocytes 奥村忠芳(関西医科大学)ら

エビデンスに基づく統合医療研究会(eBIM研究会)設立 記念シンポジウム

大阪大学大学院医学系研究科生体機能補完医学講座の伊藤壽記教授は、講座開設の2006年より10回にわたり「補完医療を考える会」を開催してきたが、その会を発展的に解消し、一般社団法人エビデンスに基づく統合医療研究会(eBIM研究

会)を創設した。現在の西洋医療に補完代替医療を取り入れ、積極的に疾病の予防、治療の質の向上、患者さんのQOLの向上を図る全人的医療体系としてエビデンスに基づく統合医療を求める社会的要請にこたえる形での設立となった。その設立記念シンポジウムが10月 1 日、大阪国際会議場にて開催された。当日は200名以上の参加を集め成功裡に幕を閉じた。 理事長に就任した伊藤壽記教授は開会の辞に続いて「eBIM研究会の設立経緯と活動内容」を説明した。基調講演には日本統合医療学会理事長の渥美和彦先

生が「これからの医療の新展開、統合医療の意義と展望」として、特別講演では「全人的医療における心のケア」として柏木哲夫先生(金城学院大学学長)、「わが国における癌医療の現状と将来展望」として前原喜彦先生(九州大学大学院消化器・総合

外科教授)、「Bioactive Substances in Nutraceu-ticals and Functional Foods:from Discovery to Scientific Proof」としてYoung-Joon Surh, Ph.D.(Head & Professor / National Research Laboratory of Molecular Carcinogenesis & Chemoprevention, College of Pharmacy, Seoul National University)がそれぞれ講演を行った。統合医療全般の話から、心のケア、癌医療、機能性食品に関する基礎・臨床の話題と、まさに今日の統合医療を総括するような素晴らしい内容のシンポジウムとなった。

伊藤壽記 教授 渥美和彦 日本統合医療学会理事長

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学会・展示会参加報告

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■Natural Products EXPO Asia 2011 2011年 8 月25日~27日の 3日間にわたって、香港コンベンションセンターにおいてNatural Products EXPO Asia 2011 が開催された。このなかでジャパンパビリオンが設置され、株式会社アミノアップ化学をはじめ北海道内のバイオ企業 6社が出展した。本展示会は香港のほか、中国、シンガポールなど世界中の商社、卸売、メーカーなどが参加し、商談や展示が行われるアジア最大級の健康関連に特化した展示会で、257社が出展、33カ国から9,621名が来場した。株式会社アミノアップ化学はAHCC や Oligonol を展示し、豊富なエビデンスをPRした。アジア諸国の新興市場では、健康維持・疾病予防に対する関心が高まっており市場が拡大、中国、韓国、東南アジアへのビジネスの窓口として香港の展示会への出展は意義深いと思われる。現地での日本製品の品質・安全性への信頼は依然厚いが、震災後、放射能汚染の懸念から放射線検査の体制についても多く質問された。

■Bio Korea 2011 韓国のソウル特別市COEXにて、2011年 9 月28日~30日の 3日間にわたって開催された Bio Korea 2011に株式会社アミノアップ化学が出展した。Bio Korea 2011はアジア有数のバイオ関連イベントであり、海外約20カ国から140社を含め、韓国内からを合わせると約450社が参加。バイオ関連医薬、バイオ臓器、細胞治療などのレッ

ドバイオ、遺伝子組み換え食品、機能性食品などのグリーンバイオ、バイオ機器、関連特許、金融、コンサルティングなど多様な展示が行われた。バイオ産業の振興に産学官の連携で力を入れている北海道として「北海道の食とバイオ関連産業」をアピールするブースに株式会社アミノアップ化学は参加。AHCCやOligonolといった機能性食品を紹介した。

■食品開発展 2011 食品の機能性・安全性情報を一堂に会して展示する食品開発展2011が、10月 5 日~ 7日の 3日間で、東京ビッグサイトにおいて行われた。株式会社アミノアップ化学もAHCC、Oligonol、シソエキスなど同社の機能性素材を展示、出展社セミナーも毎日開催し、豊富な機能性データを紹介した。今年の食品開発展の出展企業は約540社となり無事盛会裡に幕を閉じた。主催者発表によると 3日間の来場者数は40,508人と、ほぼ昨年並みとなった。本展示会では機能性素材・健康素材と分析・計測・衛生資材、製造技術が展示されていたが、さきの大震災を受けて放射線測定機器の展示・実演も見られた。

■健康産業シンポジウム ~食品の機能表示に向けた動向と課題~

 去る10月 3 日、京王プラザホテル札幌にて、健康産業シンポジウムが開催された。食品では科学的な根拠があっても、その効能・効果を表示して販売することは、特定保健用食品(いわゆるトクホ)を除いては認められておらず、トクホにおいても、特定の疾患名を表示するような医薬品的と認められる効能・効果は表示できず、「おなかの調子を整える」「血圧が高い方に適した」「糖の吸収をおだやかにする」などのあいまいな表現しか認められていないとして、業界内でもその改善を求める声は小さくない。本シンポジウムはこうした食品の機能性表示をめぐる問題について討議する場として、昨年から北海

学会・展示会参加報告

ジャパンパビリオンブース

Bio Korea 2011 北海道ブース

食品開発展2011 株式会社アミノアップ化学のブース

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学会・展示会参加報告

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道バイオ産業クラスターフォーラム、一般社団法人北海道バイオ工業会、公益財団法人北海道科学技術総合振興センター、北海道経済産業局が主催で札幌において開催されており、今回はその 2回目となる。 今回は講演として消費者庁食品表示課長の増田直弘氏が「健康食品の表示に関する動向」として、現行の制度の説明と、今年から実施されている「食品の機能性評価モデル事業」の概要について説明し、続いて消費者庁からこの事業を受託した公益財団法人日本健康・栄養食品協会の機能性モデル事業統括委員会委員の川手雄二氏が、「消費者庁の機能性評価モデル事業の取り組み」と題して、本事業の背景と取り組み内容、今後の予定などを詳細に講演した。 本モデル事業により、食品の機能性成分の科学的根拠の評価が進み、機能性食品に関する法的枠組みの整備につながることで、消費者への適切な情報提供の実現と安全性の確保、ひいては地域産業の発展につながることが期待される。 二つの講演に続いてパネルディスカッションが行われた。コーディネーターに特定非営利活動法人新食品・機能性食品と農林畜水産業を語る会専務理事の栗下昭弘氏を迎え、パネリストは一般社団法人北海道バイオ工業会

会長の小砂憲一氏、新潟県産業労働観光部新産業企画監の河合雅樹氏、三重県健康福祉部薬務食品室副参事兼副室長の高村 康氏、秋田大学大学院医学系研究科の杉山俊博教授らで構成。地方自治体と業界団体による食品の機能性表示実現に向けた取り組みから、大学を交えた産学連携での機能性評価・製品開発が紹介された。今後、食品の機能性表示に関する制度改革、産業振興に向けては、 北海道だけでなく、各地域間の連携の必要性が感じられたシンポジウムだった。

株式会社アミノアップ化学 新工場落成式

 株式会社アミノアップ化学は総工費約30億円を投じ、新工場「製造棟」および事務所棟「エコハウス棟」を建設し、このほど竣工した。製造棟ではAHCCの生産能力が従来の 2倍となり、将来の生産増に備えている。生産能力の向上のみならず環境にも配慮した数々の構造・機能を有し、屋上には発電力10kWの太陽光パネルを設置しLED照明を採用した屋内照明に利用するほか、ふんだんな自然採光、冬場に備蓄した雪の冷房利用、年間を通して平均10℃前後で安定している地熱を室内に送るシステムなど、照明、冷暖房にも自然の力を取り入れている。外壁には道産れんが、木材も道産材を使用し、地産地消も徹底している。この他、工場排熱や雨水の再利用なども

含めた省エネ対策の実施によって、同規模の通常施設と比較して、年間二酸化炭素(CO2)排出量を50%低減する。札幌市建築物環境配慮制度(CASBEE札幌)では、市内 3例目となる最高ランクS( 5段階)を達成した。 平成23年 9 月 7 日に落成式が催され、道内外から関係者約300人が詰めかけた。

左側に建つ全面ガラス張りのビルが事務所棟「エコハウス」、右側の道産れんがを使用した新工場が「製造棟」。製造棟屋上に太陽光パネルも見える。

パネルディスカッションの様子

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論文・学会発表

Journal of Complementary and Integrative Medicine, 8(1):1138(2011)

「Two case reports on the use of genistein combined polysaccharide (GCP) against bladder cancer recurrence」

Jillian L Capodice, Aaron E. Katz, et al.(Columbia University, USA)

Food Science Biotechnology, 20(3):659-663(2011)

「Effect of oligonol intake on cortisol and cytokines, and body temperature after leg immersion into hot water」

Young-Oh Shin, Jeong-Beom Lee, et al.(Soonchunhyang University, Korea)

 例年 7月に開催しているICNIMを、今年は10月に開催したことで、いつもと準備の時期やテンポが全く異なってしまったせいか、直前までバタバタしてしまいました。ニュースレターも編集・発行のタイミングが難しくなりましたが、なんとか例年並みの時期に発行にこぎつけることができ、 ホッとしています。来年の開催は 7月開催と発表されましたが、その分準備期間が短くなることもあり、うまく元に戻せるかどうか不安でもあります。 今月はイベントごとが多く、うまく誌面を埋めることが出来ましたが、相変わらず寄稿も歓迎しております。会員の皆様で統合医療、機能性食品に関する話題、症例報告などございましたら、事務局までお寄せいただきたく、皆様からのご投稿をお待ち申し上げます。

(事務局運営委員 三浦 健人)

AHCC研究会NEWS LETTER2011 Autumn Vol.8 No.4

2011年10月31日発行発行: AHCC研究会事務局 〒004‒0839札幌市清田区真栄 363番地32 株式会社アミノアップ化学 内 TEL:011‒889‒2233 FAX:011‒889‒2375 E‒mail:[email protected]制作: 株式会社ライフ・サイエンス

[禁無断転載]

最近の論文・学会発表から■最近の論文・学会で発表された本会に関連のある研究テーマをお知らせいたします。

第11回 Asian Congress of Nutrition 2011 (マリーナ、シンガポール)

2011年7月13日(水)~16日(土)「Anti-obese effects of dietary lychee polyphenol or oliognol in OLETF rats.」

長田恭一(明治大学)

第43回 日本動脈硬化学会総会・学術集会 (札幌、日本)

2011年7月15日(金)~16日(土)「Intake of lychee fruits polyphenol improved LDL oxidizability and endothelial function in healthy subjects」

岸本良美、近藤和雄 ら(お茶の水女子大学)

第21回 体力・栄養・免疫学会大会(東京、日本)2011年8月27日(土)~28日(日)

「脂肪細胞の脂肪分解反応に及ぼすカテキン型ポリフェノール複合体Oligonolの効果」

小笠原準悦、大野秀樹 ら(杏林大学)

ヨーロッパ経腸栄養学会(ESPEN)2011 (ヨーテボリ、スウェーデン)

2011年9月3日(水)~6日(土)「Flavanol-rich lychee fruit extract suppresses expression of genes involved in inflammation in rat hepatocytes」

奥村忠芳 ら(関西医科大学)

「Supplementation with flavanol-rich lychee fruit extract influences the inflammatory status of long-distance runners」

西澤幹雄 ら(立命館大学)

日本生薬学会第58回年会(東京、日本)2011年9月24日(土)~25日(日)

「アオジソ中のNO産生抑制活性成分に関する研究」

池谷幸信 ら(立命館大学)

韓国応用生物化学会(KSABC)2011 (済州、韓国)

2011年10月20日(木)~22日(土)「Oligonol improves the abilities of memory and cognition under Aβ25-35 - induced Alzheimer’s model.」

横澤隆子 ら(富山大学)

学会発表

論文発表

● 編 集 後 記 ●