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460-0003 名古屋市中区錦一丁目1811TEL 052-218-8785 (代表) ご存知ですか ? 製薬業界の2010年問題 ホームページのご案内 http://www.dwti.co.jp/ 今をさかのぼること20年前。製薬業界では新薬の種 となる低分子化合物の開発が進み、大手製薬メーカー による大型新薬の投入が1990年前後に相次ぎました。 これらの大型新薬は、現在までに製薬メーカーの主力 製品として収益源を支えています。 しかしながら、医薬品における特許の有効期限が原 則として20年と定められていることから、その大部分が 間もなく特許切れを迎えます。特許切れとなった医薬品 については、より安価なジェネリック医薬品(期限切れの 特許内容を利用して製造される、同じ主成分を含んだ 後発品)の販売が認められ、多くがこれに入れ替わって しまうため、大手製薬メーカーの業績に大きな打撃を与 えることになります。これが製薬業界の2010年問題な のです。 こうした状況の中で、大手製薬メーカー各社は、今後 の主力製品となる新薬の販売承認を一斉に申請するな ど、上市への動きを急いでいます。また、将来を担う新 薬開発の推進に向けて、優れたバイオベンチャーとの 提携による創薬技術の獲得に力を入れています。 株主・投資家の皆様へ財務ハイライトやIRニュースを ご提供しております。 Medical Colu mn 1 200912月期 報告書 2009.1.12009.12.31 vol. 1 株主通信 証券コード:4576

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  • 〒460-0003 名古屋市中区錦一丁目18番11号TEL:052-218-8785(代表)

    ご存知ですか?製薬業界の2010年問題

    ホームページのご案内

    http://www.dwti.co.jp/

    今をさかのぼること20年前。製薬業界では新薬の種

    となる低分子化合物の開発が進み、大手製薬メーカー

    による大型新薬の投入が1990年前後に相次ぎました。

    これらの大型新薬は、現在までに製薬メーカーの主力

    製品として収益源を支えています。

    しかしながら、医薬品における特許の有効期限が原

    則として20年と定められていることから、その大部分が

    間もなく特許切れを迎えます。特許切れとなった医薬品

    については、より安価なジェネリック医薬品(期限切れの

    特許内容を利用して製造される、同じ主成分を含んだ

    後発品)の販売が認められ、多くがこれに入れ替わって

    しまうため、大手製薬メーカーの業績に大きな打撃を与

    えることになります。これが製薬業界の2010年問題な

    のです。

    こうした状況の中で、大手製薬メーカー各社は、今後

    の主力製品となる新薬の販売承認を一斉に申請するな

    ど、上市への動きを急いでいます。また、将来を担う新

    薬開発の推進に向けて、優れたバイオベンチャーとの

    提携による創薬技術の獲得に力を入れています。

    株主・投資家の皆様へ財務ハイライトやIRニュースをご提供しております。

    Medical Column 1

    2009年12月期 報告書 2009.1.1〜2009.12.31

    vol. 1株主通信

    証券コード:4576

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  • 世界中の人々の健康に貢献することが、私たち のミッションです。

    当社は、創業者の「日本発の画期的な新薬を世界へ」という理念のもと、30年以上にわたるプロテインキナーゼ阻害剤開発の歴史を背景に設立されました。

    当社は、基礎研究に経営資源を集中させ、安定経営に留意し、創薬バイオベンチャーの先導企業を目指します。

    我々は人類の健康を守るために、1. 画期的な創薬にチャレンジします。2. 時間と労力をかけることを惜しみません。3. 独自のバイオテクノロジーを集結します。4. そして、新薬を生み出す先導企業を目指します。

    Development of originality当社は独自性のある技術・思考・ノウハウを追求し、価値のあるオンリーワン企業を目指します。

    World standardグローバルな創薬ベンチャー企業となるべく、高い遵法精神、倫理観を持ち、技術力・開発力のみならず財務体質・組織体制においても世界水準を目指します。

    Trustworthy company当社を支えてくれるステークホルダー、株主様、患者様、取引先様への感謝の気持ちと応える気持ちを忘れずに、大切に信頼関係を築きます。

    Immediate action開発はスピードが重要。常に優先順位を考え、効率的な行動を心掛け、直ちに取り組む姿勢を持ち続けます。

    DWTI

    企業理念

    当社は2009年10月23日、ジャスダック証券取引所NEO市場に株式を上場いたしました。

    ( )DWTIのプロフィールについてお聞かせください。

    上場後初の株主通信をお届けするにあたり、改めて株主の皆様のご支援に対し、心より御礼申し上げます。当社は新薬候補品の創出により安定的な収益基盤を確保して、収益の改善を図るとともに、中長期では「日本発の画期的新薬」を生み出し社会に貢献する企業を目指していきます。今後とも株主の皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。

    当社はプロテインキナーゼ阻害剤の開発技術をもとに新薬

    を開発するバイオベンチャーです。独自の創薬手法で、効率

    的かつ、継続的に「新薬のタネ」を開発することに事業を特化

    しています。プロテインキナーゼは、人間の体の細胞の中でタ

    ンパク質の機能をオフからオンにする働きを持つ酵素です。生

    体の中ではタンパク質の機能がオンになることによって様々な

    生命としての基本活動が行われています。プロテインキナーゼ

    は、この活動の司令塔の役割を担っており、なんらかの要因で

    このプロテインキナーゼが異常活性を起こす時に、病気を引き

    起こすと言われています。この異常活性を抑え(阻害し)、細

    胞機能を正常な状態に回復させるのがプロテインキナーゼ阻

    害剤で、当社の新薬開発のコンセプトとなっています。

    当社は、創業者(現開発研究所長)である日高弘義が長年

    にわたり手がけてきた、プロテインキナーゼ阻害剤開発技術

    やその研究成果を背景に、1999年2月に設立されました。

    現在、国立大学法人三重大学と産学官連携で講座を開設する

    など、共同研究体制を構築しています。

    ( )DWTIのビジネスモデルをご説明ください。新薬の開発というのは「新薬のタネ」を見つける基礎研究

    に始まり、動物での効果を確認する非臨床試験、人での効果

    を確認する臨床試験を経たうえで、薬の申請を当局に行い、

    独自の創薬手法に基づくシーズ発明力で、世界のバイオベンチャーのフロントランナーを目指します。

    代表取締役社長

    DWTIの企業ビジョン トップインタビュー 代表取締役社長 日高 有一

    1 2

    010_0439901302203.indd 1-2 2010/03/12 17:13:01

  • 創薬事業とはどのようなことを行うものですか?創薬バイオベンチャーは何を目指しているのですか? 新薬が開発される確率はどのくらいですか?

    基礎研究 非臨床試験 臨床試験開始申請 臨床試験新薬承認申請

    上市

    一般的な「創薬」

    一般的には、新薬の候補となる化合物を探索する基礎研究、動物を使った非臨床試験、医薬品許認可審査機関への申請を経て開始される臨床試験の初期までのプロセスを指します。当社の事業領域は、このうち基礎研究に特化しています。

    バイオベンチャーとは、バイオテクノロジーを手段あるいは対象として、医療技術に関わる事業を行うベンチャー企業です。その中で、特に新薬を生み出すための研究や開発を主力事業としているのが、創薬バイオベンチャーです。

    創薬バイオベンチャーは「技術の架け橋」という役割を担っています。基礎研究に強みを持つ大学等アカデミアと、製品化に強みをもつ製薬会社の橋渡しをすることで、画期的な新薬を患者様へ届けることも創薬バイオベンチャーの社会的意義の1つです。

    バイオベンチャー発の新薬は増えているのですか?米国では2004年に大

    手製薬メーカーのシーズによる新薬承認数をバイオベンチャーが上回り、その差は拡大傾向にあります。上市確率向上のため、バイオベンチャーと大手製薬メーカーが提携する件数も増加しています。

    当社の強みは3つありますが、その最大のものは、「創薬エン

    ジン」です。これは当社が効率的かつ継続的に「新薬のタネ」を

    つくる源泉となっています。通常、新薬となる候補化合物が医

    薬品として承認される成功確率はわずか「2万分の1」と言われ

    ていますが、これを「数百分の1」程度に高めることにつなげる

    開発技術です。

    この「創薬エンジン」は、過去の新薬開発に関する知見とノウ

    ハウをベースに、2つの大きな特徴を持っています。その1つは

    「化合物ライブラリー」です。これは、先に紹介した当社の創業

    者である日高弘義の大学における研究に際し発見した数千の

    化合物(試薬)からなるもので、これらをもとに新薬の候補化合

    物をつくっています。この「化合物ライブラリー」からは既に2

    つの薬が上市されており、非常に質の高い「化合物ライブラ

    DWTIの強みについてご説明ください。( )

    の解説

    2002 2003 2004 2005

    40

    0

    10

    20

    30

    2006年

    バイオベンチャーのシーズによる新薬承認数大手製薬メーカーのシーズによる新薬承認数

    (件)

    ● FDAによる新薬承認数

    基本

    承認を受けて上市(販売)するというのが一連の流れです。

    この中で当社は基礎研究と呼ばれる「新薬のタネ」をつくると

    ころに特化して事業を展開しています。非臨床試験や臨床試

    験は、戦略的にパートナーの製薬会社にお任せしています。

    非臨床試験以降は非常にコストがかかる分野です。相次ぐ

    副作用の発生を受け、薬事審査の厳格化が世界的な流れとな

    っており、臨床試験、薬事審査を経て最終的な医療品として

    上市されるまでの期間は長期化しています。その結果として医

    薬品開発に係わる費用は増加の一途をたどっています。

    このコストの低減をいかに図ることができるかが、バイオベ

    ンチャーの大きな課題となっています。通常はこれらをバイオ

    ベンチャー自身が負担するわけですが、当社は、非臨床試験

    以降を製薬会社にお任せすることによって費用を抑えるビジネ

    スモデルを構築しています。

    収益については、当社が開発した新薬候補化合物の特許実

    施権を製薬会社に供与すること(ライセンスアウト)で実現し

    ています。創薬プロセスの進捗により、フロントマネー収入、

    マイルストーン収入、ロイヤリティ収入というかたちで収益を

    得ています。当社は早期のライセンスアウトを実現することで、

    コストの低減、投入資金の早期回収に努めています。

    日本製薬協の統計によると、2003–07年の5年間に、563,589件の新規合成化合(抽出)物が開発され、医薬品として承認された数は26件、成功確率は約2万分の1となっています。

    当社の化合物ライブラリーからは2つの上市された薬と3つのライセンスアウトされた新薬候補化合物が誕生しています。2万分の1の成功確率の中で5つの新薬を誕生させるには理論的には10万の化合物の新規作成が必要になりますが、当社の化合物ライブラリーはわずか数千の化合物で形成されています。

    リー」として評価されています。もう1つの特徴は、当社が特許

    を保有しており、当社の社名の由来にもなっている「ドラッグ・

    ウエスタン法」です。これは、新薬がどのようなタンパク質に結

    合しているのかを分析するとともに、その新薬の効果・安全性

    を含めたメカニズムを簡便かつ直接的に解明する手法です。こ

    の「創薬エンジン」により新薬の価値を高めるとともに、効率的

    な新薬の開発を手がけています。

    強みの2つめは、この「創薬エンジン」によって開発された、3

    つのパイプラインです。これら臨床ステージにあるパイプライ

    開発パイプライン (2009年12月末現在)開発品 基礎研究 非臨床試験 フェーズⅠ フェーズⅡa フェーズⅡb・Ⅲ ライセンスアウト先 2007年先進7カ国市場規模(億円)*対象疾患

    1抗血小板剤(K-134) 興和株式会社 9,977閉塞性動脈硬化症

    2緑内障治療剤(K-115) 興和株式会社 3,916緑内障

    3抗癌剤(HMN-214) 日本新薬株式会社 18,249固形癌●新規開発品 プロテインキナーゼ阻害剤開発プロジェクト

    新規緑内障治療剤、高血圧治療剤、神経保護剤 等● 新規開発品 その他阻害剤開発プロジェクト

    血栓症治療剤、粥状動脈硬化治療剤、抗癌剤 等*�Copyright�2008�IMS�Health,�All�rights�reserved,Source:2007/12�MAT�Reprinted�with�permission 先進7カ国データ、為替換算は自社による

    (出所:FDA�CDERホームページより)

    ンの市場は大きく、既にライセンスアウト(特許実施権の供与)

    を終えています。

    強みの3つめは、ビジネスモデルです。先ほど申し上げたと

    おり、非臨床試験、臨床試験以降についてはパートナーの製薬

    会社の役割分担になりますので、コストとリスク、リターンのコ

    ントロールが可能となります。当社ではこのコントロールを的

    確に行うため、研究開発と経営の分離を図り、研究者が研究開

    発業務に専念できる体制を構築するなど、経営資源の最適配分

    に留意し、持続的な企業価値の拡大に努めています。Pick Up

    Pick Up

    トップインタビュー 代表取締役社長 日高 有一

    3 4

    010_0439901302203.indd 3-4 2010/03/12 17:13:02

  • *1 低分子化合物 分子量がおおよそ数百から数千で化学的に合成されたもの。低分子化合物で開発された薬剤は、安定的でコストもきわめて低いため,特殊な医療機関でも小さな病院でも同

    じ剤形のものを投与できるので、市場規模も大きく非常に有効な薬剤と考えられています。*2 アンメット・メディカル・ニーズ 未だ満たされていない医療上のニーズ。患者や医療現場か

    ら強く望まれているにもかかわらず有効な既存薬や治療が未だ存在しないことです。

    キーワード解説

    当社は、抗体やワクチンではなく、従来から製薬会社が得

    意としている低分子化合物*1を用いた創薬の分野で事業展開

    を図っています。この分野では、当社や一部海外の創薬バイ

    オベンチャーのような、ゼロから「新薬のタネ」の開発を手が

    ける会社は稀有な存在です。

    今後、さらなる成長が期待されるアンメット・メディカル・

    ニーズ*2への対応を含め、当社の強みである「創薬エンジン」

    を用いて次々に「新薬のタネ」を開発していくことが必要です。

    具体的には2〜3年に1つ以上は「新薬のタネ」を開発できれ

    ばと考えています。

    また、3つのライセンスアウトされたパイプラインに続く、

    現在基礎研究中の新薬(新規緑内障治療剤、神経保護剤、抗

    癌剤など)についても、順次開発を進め収益化を図っていく

    計画です。

    足下の業績につきましては、現在は先行投資の時期と認識

    しておりますので、上場して調達した資金はすべて研究開発資

    金に充当し、株主の皆様のご期待にお応えするべく、早期黒

    字化に向けた事業展開を図る所存です。配当につきましても、

    黒字化達成の後、早期実現を目指してまいります。

    当社は「日本発の画期的な新薬を世界へ」という創業者の

    理念のもと、「新薬のタネ」を継続的に創出するバイオベンチ

    ャーとして、その社会的意義と責任を自覚し、より安全で画期

    的な新薬を、病気で苦しむ世界中の患者様へ1日でも早くお

    届けし、皆様の健康に貢献したいと考えています。

    目標は、世界のバイオベンチャーのフロントランナーです。

    株主の皆様には、今後とも当社の事業内容にご理解をいただ

    き、ご支援・ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げま

    す。

    ( )

    ( )

    DWTIは今後、どのような成長ストーリーを描いていますか?

    最後に、株主の皆様へのメッセージをお願いします。

    低コスト体制で開発投資を継続し、新薬候補化合物を継続的に創製する。

    当社ビジネスモデルの強み

    先行投資継続期

    上市

    回収期■ 研究開発投資■ 売上高

    *1 化合物ライブラリー 多種の化合物を整理貯蔵する、言わば図書館のようなもの。当社のライブラリーからは既に2つの薬が上市されており、高い評価を受けております。

    *2 標的タンパク質 薬物が作用する相手のタンパク質のこと。疾患を引き起こす原因となるタンパク質をコントロールすることが疾患の治療につながると考えられています。

    *3 スクリーニング 「ふるい分け」を意味する言葉であり、多数の化合物から新薬候補を探す一連の流れのことです。

    キーワード解説

    独自研究に基づくコアテクノロジーを有しています。実績を支える2つの創薬エンジン「創薬エンジン」とは、新薬のタネを開発する源泉であり、

    当社の強みの1つです。「プロテインキナーゼ阻害剤開発技術」

    は当社の新薬開発のコンセプトでもあり、独自の化合物ライブ

    ラリー*1と長年蓄積したデータやノウハウにより有効性の高い

    新薬候補化合物を効果的に生み出すことができます。

    「ドラッグ・ウエスタン法」は標的タンパク質*2を効率的にス

    クリーニング*3する技術であり、安全性と効率性を両立させた

    創薬を手がけております。

    プロテインキナーゼ阻害剤開発技術 ドラッグ・ウエスタン法プロテインキナーゼの異常活性を抑える阻害剤を投与し、細胞機能をコントロールすることで高い治療効果が期待できます。過去の蓄積からなる独自に開発した化合物ライブラリーとプロテインキナーゼ阻害剤研究の知見と技術を基盤に開発を行うことにより、開発リスクを低減しつつ有効性の高い新薬候補化合物の創出につなげております。

    新薬候補化合物が体内でどのような標的タンパク質に結合しているのかを、直接かつ簡便に調べる方法です。最大の特徴は一度に大量のタンパク質をスクリーニングし、効率的に標的タンパク質を決定する点にあります。標的タンパク質の決定により、作用のメカニズムも明らかとなり、安全性の高い新薬の開発につなげております。

    プロテインキナーゼの異常な活性があると、様々な病気が引き起こされる。

    プロテインキナーゼ阻害剤● 細胞機能を調節する● 調節により高い 治療効果をあげるプロテインキナーゼ

    の活性化

    タンパク質のリン酸化

    細胞内情報伝達

    細胞の分裂・増殖・収縮、遺伝子発現など

    細胞外からの信号

    個々のヒト遺伝子をタンパク質に変換(大量:数十万の遺伝子を一度にスクリーニングできる)

    タンパク質をメンブレン(タンパク質を吸着しやすい性質の膜)へ転写

    新薬候補化合物に標識をつけ、結合するタンパク質を検出

    検出したタンパク質をDNA解析して標的タンパク質が何かを決定する

    トップインタビュー 代表取締役社長 日高 有一ビジネスモデル解説1

    5 6

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  • 基礎研究

    当社の事業領域 パートナー製薬会社の事業領域

    2~3年 3~5年 3~7年 1~2年

    非臨床試験 フェーズⅠ フェーズⅡ a・b フェーズⅢ 承認申請 承 認 上 市(販売)

    ロイヤリティ収入ロイヤリティ収入フロントマネー収入フロントマネー収入

    研究指導料収入研究指導料収入

    マイルストーン収入マイルストーン収入

    ❶ 化合物ライブラリーから候補品を合成❷ スクリーニング:動物での評価❸ 毒性:動物での毒性試験

    ●動物実験●安全性・副作用を確認

    ●健常人に対する試験

    ●安全性・副作用を確認

    ●少数の患者に対する試験

    ●安全性・有効性を確認

    ●多数の患者に投与●既存薬や偽薬との比較試験

    ●国内外の審査機関に申請

    ●医薬品としての承認取得

    ●薬品の販売●患者への投与

    ●臨床開発進行に伴い、節目ごとに受領する収入

    ●研究指導及び臨床開発の協力に対して受領する収入

    ●主にライセンスアウト時に受領する収入 ●製品上市後、販売額の一定比率を受領する収入

    ライセンスアウト

     ライセンスアウトとは、特許実施権の

    供与を意味します。一般的にライセンス

    アウトの時期とリターンには相関関係があ

    り、ライセンスアウトの時期が創薬プロセ

    スの後半になるほどリターンは大きくなり

    ますが、その分開発コストも拡大する傾

    向にあります。逆に早期でライセンスアウ

    トを図った場合、1件あたりのリターンは

    大きくありませんが、その分開発コストを

    抑えることができます。

    DWTIによるライセンスアウト実績例《抗血小板剤 K–134》

    血管内膜肥厚抑制作用*1を併せ持つ抗血小板剤*2として開発しております。動物実験及び第Ⅰ相臨床試験において有効な血小板凝集阻害作用を有するとともに、動物実験において血管内膜肥厚抑制作用を有することが確認されております。当社は2002年9月に全世界の権利を興和株式会社にライセンスアウトしました。

    ●この他のライセンスアウト実績《緑内障治療剤 K-115》《抗癌剤 HMN-214》

    ●血管模式図血管壁

    血小板

    血小板活性化因子の存在

    血小板凝集塊が血管壁に癒着(動脈硬化等)

    血小板が凝集し、血栓を形成(血栓症・心筋梗塞・脳梗塞等)

    対 象 疾 患 閉塞性動脈硬化症

    開 発 段 階 国内/米国フェーズⅡa臨床試験実施中

    *1 血管内膜肥厚抑制作用 血管内膜肥厚とは血管壁の損傷により血管壁が厚くなることであり、その結果血液が通る道が細くなり血液がつまりやすくなります。この血管内膜肥厚を抑制することは動脈硬化を防ぐために重要であると考えられており、その抑制作用を血管内膜肥厚抑制作用といいます。*2 抗血小板剤 血小板(血液の成分の1つで血液の凝固や止血に重要な役割を果たしている成分)の凝集(固まりになること)機能を阻害・抑制する薬です。

    キーワード解説

    当社の事業領域とは? ライセンスアウトの時期とリターンの関係

    当社の特徴と戦略 当社は上図のうち、基礎研究に特化して事業を展開しています。非臨床試験以降を、臨床開発に強みを持つパートナー製薬会社にお任せし、役割分担を図ることで、早期の上市、低コストでの研究開発体制の維持に努めております。

    ❶ 化合物ライブラリーから候補品を合成 独自の化合物ライブラリーの中から、新薬開発の候補となる化合物を探索、合成(創製)

    します。

    ❷ スクリーニング:動物での評価 新薬のタネである合成した化合物の薬効を、動物に投与の上確認していきます。

    ❸ 毒性:動物での毒性試験 薬効が認められた化合物を動物に投与し、毒性を確認していきます。

     毒性確認もとれ、動物レベルで十分に薬効、安全性の確認がとれた化合物につき、ドラッグ・ウエスタン法を利用し標的タンパク質を明らかにし、作用メカニズムの解明を行います。新薬候補化合物を製薬会社等にライセンスアウトして、非臨床〜臨床試験を進めていただきます。

    早期研究開発段階でのライセンスアウトによる 収益モデルが特徴です。

     当社の事業の大きな特徴は、一般的な創薬バ

    イオベンチャー企業と比べ、非臨床試験開始前の

    早期の研究開発段階でライセンスアウトする点に

    あります。基礎研究に特化し早期ライセンスアウ

    トを図ることで、低コスト、低リスクで新薬開発を

    進めることにつなげております。

     当社は資金負担がコントロールされた優良な財

    務モデルを実現しており、先行投資額が多額にな

    るという業界特有のリスクを軽減しています。

     当社は、「創薬エンジン」の強みを生かし、基

    礎研究に経営資源を集中させることで継続的に新

    薬を開発する事業モデルを構築しています。

    ビジネスモデル解説2

    7 8

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  • 科 目前事業年度

    2008年 1 月 1 日から2008年12月31日まで

    当事業年度2009年 1 月 1 日から2009年12月31日まで

    売上高 37,500 −売上原価 11,250 −売上総利益 26,250 −販売費及び一般管理費 380,254 348,079営業損失 354,004 348,079営業外収益 761 1,125営業外費用 2,902 44,344経常損失 356,145 391,289特別利益 239 504特別損失 474 1,069税引前当期純損失 356,381 391,854法人税・住民税及び事業税 1,901 1,029当期純損失 358,283 392,883

    貸借対照表 (単位:千円) 損益計算書 (単位:千円)

    科 目前事業年度

    2008年 1 月 1 日から2008年12月31日まで

    当事業年度2009年 1 月 1 日から2009年12月31日まで

    営業活動によるキャッシュ・フロー △334,360 △316,998

    投資活動によるキャッシュ・フロー △23,360 △698,642

    財務活動によるキャッシュ・フロー 247,222 1,306,384

    現金及び現金同等物に係る換算差額 △125 5

    現金及び現金同等物の増減額(減少:△) △110,623 290,748

    現金及び現金同等物の期首残高 492,594 381,970

    現金及び現金同等物の期末残高 381,970 672,719

    キャッシュ・フロー計算書 (単位:千円)

    科 目 前事業年度2008年12月31日当事業年度

    2009年12月31日

    資産の部流動資産 404,208 1,386,475固定資産 42,528 25,707 有形固定資産 28,241 15,476 無形固定資産 901 719 投資その他の資産 13,386 9,511資産合計 446,737 1,412,182

    負債の部流動負債 19,086 26,700負債合計 19,086 26,700

    純資産の部株主資本 427,650 1,385,482 資本金 603,950 1,279,307 資本剰余金 593,950 1,269,307 利益剰余金 △770,249 △1,163,132純資産合計 427,650 1,385,482負債純資産合計 446,737 1,412,182

    株式の状況 会社概要

    株 主 メ モ

    発行可能株式総数 48,442,000 株発行済株式の総数 17,273,900 株株主数 2,915 名

    株主数2,915名

    株式数17,273千株

    ■ 金融機関 0.07 %■ 金融商品取引業者 0.38 %■ その他の法人 0.89 %■ 外国法人等 0.27 %■ 個人・その他 98.39 %

    ■ 金融機関 0.65 %■ 金融商品取引業者 2.34 %■ その他の法人 1.21 %■ 外国法人等 3.58 %■ 個人・その他 92.22 %

    株式分布状況

    設 立 1999年2月26日所 在 地 名古屋市中区錦一丁目18番11号資 本 金 1,279百万円事業内容 医薬品研究開発従業員数 19名

    役員 (2010年3月25日現在)代表取締役社長 日高 有一常務取締役(経営企画部長) 北谷 肇常務取締役(R&D企画部長) 河合 昭好取締役(総務管理部長) 橘  信綱取締役 西川 政勝取締役 山川 善之常勤監査役 林  秀雄監査役 井上 文夫監査役 岸澤 修

    証 券 コ ー ド 4576事 業 年 度 1月1日から12月31日まで定 時 株 主 総 会 毎年3月1単元の株式数 100株公 告 掲 載 方 法 電子公告により当社ホームページ(http://

    www.dwti.co.jp/)に掲載いたします。ただし、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合は、日本経済新聞に掲載して行います。

    株主名簿管理人 三菱UFJ信託銀行株式会社東京都千代田区丸の内一丁目4番5号

    同 連 絡 先 三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部東京都江東区東砂七丁目10番11号 TEL:0120-232-711(通話無料)

    お 知 ら せ 住所・氏名の変更等、株式関係のお手続きにつきましては、お取引されている証券会社へお問い合わせください。

    大株主の状況

    株 主 名 持株数(千株) 持株比率(%)日高 弘義 3,310 19.16日高 有一 1,900 10.99若狭 壮行 1,800 10.42日高 邦江 1,400 8.10 SBIライフサイエンス・テクノロジー投資事業有限責任組合 630 3.64

    ジーブイシーヨンゴウリミテッドパートナーシップ 562 3.25

    日高 万由子 500 2.89ジャフコV2共有投資事業有限責任組合 459 2.66SBIライフサイエンス・テクノロジー2号投資事業有限責任組合 420 2.43

    野村アール・アンド・エー第二号投資事業有限責任組合 200 1.15

    安田企業投資4号投資事業有限責任組合 200 1.15

    P O I N T

    1

    2

    3

    1 資産合計前事業年度末から965百万円増加し、1,412百万円となりました。主な要因は、株式上場に伴う公募増資等により、現金及び預金が前事業年度末に比べ990百万円増加したこと等によるものです。なお、総資産に占める流動資産の比率は当事業年度末98.2%、前事業年度末90.5%であります。

    2 負債合計前事業年度末から7百万円増加し、26百万円となりました。主な要因は未払金が4百万円増加したこと等によるものです。なお、当社では借入金や社債等の有利子負債残高はありません。

    3 売上高ライセンスアウト済パイプラインである、「K-134」、「K-115」はともに、当事業年度における臨床試験進捗において新たなマイルストーン収入の発生がなかったことから売上高は発生しておりません。

    財務データ 2009年12月期 株式の状況/会社概要(2009年12月31日現在)

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