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みやぎ・せんだい協働教育基盤による地域高度人材の育成事業 Memo 第7回 世界経済の潮流 1. 世界経済を 読み解く基本 世界経済は日本経済を読み解く鍵 ⇒「日本にとって」の世界経済の動きを理解する ・・・詳しくは「国際経済学」の専門家に 世界経済は地域や企業にとっては外部環境 =自分が大きな影響力を持てない外部の状況 世界経済で意識するポイント 1. 貿易・・ヒト、モノ、企業の流れ ⇒ 国際収支(Balance of Payments): 国境を越えた、もの、サービス、所得、移転のやりとり 特に経常収支: ものやサービスの輸出⇔支払い (外貨、外国企業株、外国債等)の出入り ・・経常収支が黒字=海外の資産を多く保有する→利子・配当を得る 2. 金融・・資金の流れ 為替変動の仕組み 相手国の物価が高いと、その分実質的には円安になる ・・円安は日本の物価が低いことと同じ影響 物価が低い今の日本は、実質的には円安効果を持つ 国際金融のトリレンマ 1. 為替レートを固定する 2. 独自の財政金融政策を実行する 3. 自由な貿易や投資を認める 多くの先進国では1.を捨てて2.と3.を実現する 発展途上国では1.を守らざるを得ない⇒国際的な通貨の信用 2. 世界経済の動向 世界経済の現状:世界全体の成長率=3.6%(日本:1.5%) 1. 生産、貿易が世界的に拡大 2. 底堅い内需 資源輸出国の経済状況改善 世界同時進行の景気回復 グローバル化の進展 >> 各国経済間の結びつきが強化 >> 先進国・中国の経済情勢の改善が貿易・投資を通じて他国の経済に波及 世界経済のリスク 1. 中国の過剰債務・不動産価格の高騰・・バブルの可能性 金融引き締め >> 景気を下押し >> アジア新興国に影響 >> 世界経済に波及 2. 政策に関する不確実性 トランプ政権、FRB(連邦準備制度理事会)の金融政策、 英国のEU離脱等 3. 金融資本市場の変動 3. アメリカの経済 長期(100ヶ月以上)にわたる景気回復:成長率3.3% 1. 個人消費の拡大 堅調な雇用・所得環境、高水準の消費マインド 2. 鉱業部門の回復 原油価格上昇、シェールオイル、良好な企業マインド 3. 堅調な雇用 失業率4%台前半、月平均17万人の雇用増 ただし名目賃金の伸びは緩やか 4. 堅調な住宅市場 5. 底堅い内需 6. 安定した輸出・・ドル高傾向でも安定 工業原材料(17年前半)、資本財(17年後半) 7. 金融政策:緩やかな引き締め 安定した物価上昇(2%程度) 8. 税制改革 個人向け減税:減税規模 11,266億ドル(試算2027年までの10年間) 法人税率の引き下げ:35% 21% 地域の課題I(地域企業版) 1 もっというと 「自分にとって」 の世界経済 国内総生産 + 輸入 = 消費 + 投資 + 政府支出 + 輸出 家計 企業 政府 海外 輸出 輸入= 国内総生産 (消費 + 投資 + 政府支出) 実質為替レート =名目為替レート×(相手国の物価指数/日本の物価指数) ハンバーガーが1個1ドル&1ドル200円⇒ハンバーガー1個200円 ハンバーガーが1個1ドル&1ドル100円⇒ハンバーガー1個100円 ハンバーガーが1個2ドル&1ドル100円⇒ハンバーガー1個200円 これら三つを 同時に実現できない

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みやぎ・せんだい協働教育基盤による地域高度人材の育成事業

Memo

第7回 世界経済の潮流

1. 世界経済を読み解く基本

世界経済は日本経済を読み解く鍵⇒「日本にとって」の世界経済の動きを理解する・・・詳しくは「国際経済学」の専門家に

世界経済は地域や企業にとっては外部環境=自分が大きな影響力を持てない外部の状況

世界経済で意識するポイント1. 貿易・・ヒト、モノ、企業の流れ

⇒国際収支(Balance of Payments):国境を越えた、もの、サービス、所得、移転のやりとり

特に経常収支:ものやサービスの輸出⇔支払い(外貨、外国企業株、外国債等)の出入り・・経常収支が黒字=海外の資産を多く保有する→利子・配当を得る

2. 金融・・資金の流れ ⇒ 為替変動の仕組み

相手国の物価が高いと、その分実質的には円安になる・・円安は日本の物価が低いことと同じ影響

物価が低い今の日本は、実質的には円安効果を持つ 国際金融のトリレンマ

1. 為替レートを固定する2. 独自の財政金融政策を実行する3. 自由な貿易や投資を認める 多くの先進国では1.を捨てて2.と3.を実現する 発展途上国では1.を守らざるを得ない⇒国際的な通貨の信用

2. 世界経済の動向 世界経済の現状:世界全体の成長率=3.6%(日本:1.5%)1. 生産、貿易が世界的に拡大2. 底堅い内需 資源輸出国の経済状況改善

世界同時進行の景気回復グローバル化の進展 >> 各国経済間の結びつきが強化 >>先進国・中国の経済情勢の改善が貿易・投資を通じて他国の経済に波及

世界経済のリスク1. 中国の過剰債務・不動産価格の高騰・・バブルの可能性

金融引き締め >> 景気を下押し >> アジア新興国に影響>> 世界経済に波及

2. 政策に関する不確実性トランプ政権、FRB(連邦準備制度理事会)の金融政策、英国のEU離脱等

3. 金融資本市場の変動

3. アメリカの経済 長期(100ヶ月以上)にわたる景気回復:成長率3.3%1. 個人消費の拡大

← 堅調な雇用・所得環境、高水準の消費マインド2. 鉱業部門の回復

← 原油価格上昇、シェールオイル、良好な企業マインド3. 堅調な雇用 失業率4%台前半、月平均17万人の雇用増

ただし名目賃金の伸びは緩やか4. 堅調な住宅市場5. 底堅い内需6. 安定した輸出・・ドル高傾向でも安定

工業原材料(17年前半)、資本財(17年後半)7. 金融政策:緩やかな引き締め ← 安定した物価上昇(2%程度)8. 税制改革

個人向け減税:減税規模 11,266億ドル(試算2027年までの10年間)法人税率の引き下げ:35% → 21%

地域の課題I(地域企業版) 1

もっというと「自分にとって」

の世界経済

国内総生産+輸入=消費+投資+政府支出+輸出家計 企業 政府 海外

輸出 −輸入= 国内総生産 −(消費+投資+政府支出)

実質為替レート=名目為替レート×(相手国の物価指数/日本の物価指数)

ハンバーガーが1個1ドル&1ドル200円⇒ハンバーガー1個200円ハンバーガーが1個1ドル&1ドル100円⇒ハンバーガー1個100円ハンバーガーが1個2ドル&1ドル100円⇒ハンバーガー1個200円

これら三つを同時に実現できない

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みやぎ・せんだい協働教育基盤による地域高度人材の育成事業

Memo4. アジアの経済 中国経済の動向:成長率6.8%1. 個人消費・・横ばい

小売総額上昇(前年度比+9%)インターネット小売前年比+30%、特にサービス+50%(旅行、保険、各種公演のチケット等)農村部の可処分所得・消費拡大モバイル・インターネットの利用拡大高い消費マインド・・消費者期待指数120pt←所得・・可処分所得前年比+7.5%雇用・・雇用弾性値上昇←第三次産業

2. 生産コンピュータ・通信、自動車 前年比+10%以上 >> 増益金属加工 前年度比マイナス ←過剰生産能力の削減、環境対策

>> 生産者価格の大幅上昇により17年は向上3. 固定資産投資

インフラ関連:+20%・・水利、鉄道、自動車道路、水運、航空、パイプライン、電力網、

情報、物流等製造業投資:7%→1%過剰生産業種に対する生産設備の削減コンピュータ・通信、自動車は伸び

4. 貿易:輸出入ともに上昇傾向輸入は一般貿易が増加 << 内需の拡大、マーケットとしての中国

5. 金融政策・・管理変動相場制自由な貿易や投資を抑制 → 独自の財政金融政策を実行

韓国・台湾の動向1. 輸出中心の産業・・特に半導体(韓国11.7%、台湾30.7%)

>> 世界の半導体需要に国内経済が影響を受ける2. 世界の半導体市場の動向:前年比+20%

携帯向け半導体←中国製スマートフォンのシェア拡大ストレージ用SSD(フラッシュメモリ)←クラウド、ビッグデータ

DRAM、フラッシュメモリが需要を牽引3. 輸出品目

韓国:記憶素子(DRAM、フラッシュメモリ)台湾:「その他のもの」・・機械制御用 >> IoTデバイス

5. 個人ワーク 世界経済の動きを知った上で、宮城県または仙台市の経済の将来像をどのように描くか、知事または市長になったつもりで考える

6. グループワーク 周囲の人、4〜5人でグループを作り個人ワークで考えたことを共有⇒他の人の考えの中で、つじつまが合っていなかったり、証拠が不十分な点を指摘し合う

7. 学びの機会の紹介 「地域の課題Ⅰ」研究会6月6日(水) 18:15〜19:30 泉キャンパス 2号館3階 239教室

8. 次回予告 次回はここまでの授業の内容をふりかえり、仙台市または宮城県の将来像について議論します

9. ミニッツペーパー

提出先:https://tohoku-gakuin.manaba.jp 提出期限:本日 20:00 (厳守)

なんらかの事情で遅れる場合は事前に教員まで連絡してください

地域の課題I(地域企業版)

提出先QRコード

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Q1 グループワークの中で共有された他者の考えのうち、自分と最も異なっていたのは誰のどのようなものですか。その違いはどこから生じたものですか。(自分は△△という考え。〇〇さんの□□という考え。その違いは××によって生じた。)

GDPシェア 50.2%就業人口シェア 42.4%

(日本 70%強)