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物理学C
慣性モーメント(つづき)
工学院大学の学生のみ利用可:印刷不可:再配布不可 加藤潔(C) 20181
慣性モーメント (復習)
• 剛体の運動 並進運動+回転運動
• 質量:「並進運動」での動かしやすさ,動かしにくさ
• 「回転運動」での動かしやすさ,動かしにく⇒ 剛体の慣性モーメント I⇒ 剛体の形や構造を力学的に記述
工学院大学の学生のみ利用可:印刷不可:再配布不可 加藤潔(C) 20182
剛体の運動の対応(p.82表5.1)並進運動 回転運動
2
21 mv 2
21 ωI
m I質量 慣性モーメント
mvp = ωIL =maF = αIN =
角運動量
運動方程式
運動エネルギー
運動方程式
運動量
運動エネルギー
2
2
dtxda
dtdxv ==
2
2
dtd
dtd φαφω ==
角速度 角加速度工学院大学の学生のみ利用可:印刷不可:再配布不可 加藤潔(C) 2018
3
慣性モーメント(復習)
2mrI = 2MrI =
r
回転軸
M
回転軸
mr
回転する質点 回転する円輪
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平行軸の定理 (復習)
重心 a
M
重心を通る軸のまわりの慣性モーメント
GI
それに平行な軸のまわりの慣性モーメント
I
2MaII G +=
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慣性モーメント:一般論
慣性モーメントはいくつあるのか?無数?
1)重心を通らない回転軸の I は,重心を通る平行な軸に関する I から決まる。(p.83-84:平行軸の定理)
2)重心を通る任意の軸に関する I は3つの主慣性モーメントから決まる。(5.1.4節:慣性テンソル)
→ 以下で説明
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さまざまな剛体の「力学的」特徴は,たった4つの数(質量,3つの主慣性モーメント)で決まる!
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剛体の慣性モーメント
剛体=多数の質点の集まり
回転軸 ∑= 2jjbmI
jb
jm質量
回転軸からの距離
慣性モーメントは剛体と回転軸で決まる量
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回転軸
∑= 2jjbmI
重心 G
jm
),,(ˆ 321 nnnr =
rrrrb jjj ˆ)ˆ( ⋅−=
r̂
jb
jr
r̂ 回転軸の方向を表す単位ベクトル
代入して計算する (p.93)
),,( jjjj zyxr =
結果 rJrI t ˆˆ=
J は慣性テンソル
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rrrrb jjj ˆ)ˆ( ⋅−=
このbj の2乗を求める。内積=絶対値の2乗
( ) ( )rrrrrrrrb jjjjj ˆ)ˆ(ˆ)ˆ( ⋅−⋅⋅−=2
rrrrrrrrrrb jjjjjj ˆˆ)ˆ()ˆ)(ˆ( ⋅⋅+⋅⋅−⋅= 22 2展開する
1=⋅ rr ˆˆ を使う
)ˆ)(ˆ()ˆˆ)(( rrrrrrrrb jjjjj ⋅⋅−⋅⋅=2
計算の詳細 p.93
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( )
3
2
1
2
2
2
321
000000
nnn
rr
rnnn
j
j
j
||||
||
行列で表現する
)ˆ)(ˆ()ˆˆ)(( rrrrrrrrb jjjjj ⋅⋅−⋅⋅=2),,(ˆ 321 nnnr =),,( jjjj zyxr =
( )
3
2
1
321
nnn
zzyzxzzyyyxyzxyxxx
nnn
jjjjjj
jjjjjj
jjjjjj
2222jjjjjj zyxrrr ++==⋅ ||
( )
+−−−+−−−+
=
3
2
1
22
22
22
3212
nnn
yxyzxzzyzxxyzxyxzy
nnnb
jjjjjj
jjjjjj
jjjjjj
j
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慣性テンソルによるI の表現
+−−−+−−−+
=
∑∑∑∑∑∑∑∑∑
)()(
)(
22
22
22
jjjjjjjjj
jjjjjjjjj
jjjjjjjjj
yxmzymzxmzymzxmyxmzxmyxmzym
J
教科書 p.93 (5.38) 3行3列の実対称行列
∑= 2jjbmI に bj
2 を代入する。和は剛体を構成する要素を全部加えることである。
rJrI t ˆ ˆ=
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慣性テンソル
• 重心を通る一般的な回転軸の周りの慣性モーメント:
慣性テンソル(3行3列の行列)と回転軸の単位方向ベクトルで記述される。
• 数学(線形代数D):直交行列(座標変換)により実対称行列は「対角化」される。
• 慣性主軸と3つの主慣性モーメント(固有値)で記述される。
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数学(線形代数D):直交行列により実対称行列は「対角化」される。
=
zyx
Ozyx
'''
O 3行3列の直交行列
=
3
2
1
000000
II
IOOJ t
適切なOを選ぶと
これは,回転変換された座標系でみると慣性テンソルが対角化されるという意味
321 III ,,主慣性モーメント
',',' zyx 軸
剛体に固定された慣性主軸
元の空間座標工学院大学の学生のみ利用可:印刷不可:再配布不可 加藤潔(C) 2018
14
( )
=
3
2
1
3
2
1
321
000000
nnn
II
InnnI
主軸の座標系では
3232
221
21 InInIn ++=
11 θcos=n
回転軸
重心 G),,(ˆ 321 nnnr =
r̂
主軸1
1θ
単位ベクトル回転軸の方向余弦
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332
222
112 coscoscos IIII θθθ ++=
重心
1θ
2θ3θ
主軸1:I1
主軸3:I3
主軸2:I2
慣性テンソル
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公式の使い方(例)
立方体の慣性主軸は対称性から,面の中心を通る3本の直交する軸個々の慣性モーメントは
M
2321 6
1 MaIII ===
a
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回転軸
(3)
332
222
112 coscoscos IIII θθθ ++=
90=θ
45=θ
45=θ
2
61 Ma=
2145 =cos
222
22
610
61
21
61
21 MaMaMaI ⋅+
+
=
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回転軸(4)
332
222
112 coscoscos IIII θθθ ++=
回転軸を含む断面
31
=θcosθ
a
a2
2
61 Ma=2
22
22
2
61
31
61
31
61
31 MaMaMaI
+
+
=
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基本的な立体の慣性モーメント(1)
一様な剛体,質量M, 重心を通る軸 (p.92)
)(121 22 baMI +=
2
121 MaI =
長さ a の棒辺 a,b の長方形
の板,あるいは直方体
回転軸a
b
a
回転軸
前回の復習
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基本的な立体の慣性モーメント(2)
一様な剛体,質量M, 重心を通る軸 (p.92)
2
52 MrI = 2
21 MrI = 2
103 MrI =
半径 r の球 半径 r の円錐半径 r の円板,円柱
回転軸
r
回転軸
r
回転軸
r
前回の復習
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円板,円柱 半径r
x
この部分の質量
Mr
xx2
2ππ ∆
幅 x∆ この部分の面積
xx ∆⋅π2
その慣性モーメント
22
2 xMr
xx⋅
∆ππ
0=x rx =
多数の円輪に分割
回転軸は中心を通って円板に垂直
M
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∑ ⋅∆
= 22
2 xMr
xxIππ
分割和から積分へ(p.16:基本パターン)
2
21 Mr=∫=
rdxx
rMI
0
32
2r
xrM
0
4
2 42
=
工学院大学の学生のみ利用可:印刷不可:再配布不可 加藤潔(C) 201823
球 半径r
多数の円板に分割
回転軸はz 軸(中心を通る)
z
厚さΔz
この部分の体積
zx ∆⋅2π
x
この部分の質量
Mr
zx3
34
2
ππ ∆
その慣性モーメント
23
34
2 21 Mx
rzx
ππ ∆
z22 zrx −=
rz =
rz −=
M
工学院大学の学生のみ利用可:印刷不可:再配布不可 加藤潔(C) 201824
∑ ⋅∆
= 23
34
2 21 xM
rzxI
ππ
分割和から積分へ(p.16:基本パターン)
r
r
zzrzrrM
−
+−=
532
83 532
43
22 zrx −=∫−=r
rdzx
rMI 4
383
∫− −=r
rdzzr
rM 222
383 )(
2
52 Mr=
∫− +−=r
rdzzzrr
rM )( 4224
3 283
253
283 55
53 ×
+−=
rrrrM
251
321
83 5
3 ××
+−= r
rM
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