BMW - AUTOCAR JAPAN初代X3(E83)発表 2004 ・初代1シリーズ(E82)発表 2005...

20
85 www.autocar.jp BMW w w W ww ww W ww ww W w.a w.a W .au .au W auto auto W toc toc W ocar ocar W ar.j ar.j W r.jp r.jp W p p W 85 85 W 85 85 W 5 5 W uto oca car ar.jp jp w 85 ww 85 www ww. w.a aut BMW AG 設立年 . . . . . . . . . . . . . . 1917年 本社所在地 . . . . . . ドイツ・ミュンヘン 売上高 . . . . . . . . . . . . . . 688億ユーロ(約6.9兆円/2011年実績) 従業員数 . . . . . . . . . . 約10万人(2011年12月31日現在) BMW 大研究 エココンシャスな時代でも “駆けぬける歓び”はさらに加速する いつの時代も一目置かれる存在であり続けているドイツのプレミアムブランド、BMW。 2011年、BMWグループは史上最高の結果を残し、大きな成功を収めた。 それは企業努力によって“進化と革新”の手を緩めなかったからにほかならない。 近年では“EfficientDynamics”をキーワードに、 CO2排出量削減をはじめとする環境性能に対する 飽くなきチャレンジとともに、さらなるパフォーマンス向上を実現している。 一方で、次世代モビリティの在り方に対する取り組みにも積極的な姿勢を見せる。 今後も我々の期待に応えてくれる新型車が続々と登場するだろうが、 “駆けぬける歓び”がこれまで以上に味わえることだけは間違いなさそうだ。

Transcript of BMW - AUTOCAR JAPAN初代X3(E83)発表 2004 ・初代1シリーズ(E82)発表 2005...

Page 1: BMW - AUTOCAR JAPAN初代X3(E83)発表 2004 ・初代1シリーズ(E82)発表 2005 ・5代目3シリーズ (E90)発表 1989 ... “BMW i”として発表され、2台のコンセプトカーによってすでに具現化されている。

85www.autocar.jpBMWwww.autocar.jpBMWwww.autocar.jpBMWwww.autocar.jpBMWwww.autocar.jpBMWwww.autocar.jpBMWwww.autocar.jpBMWwww.autocar.jpBMWwww.autocar.jpBMWwww.autocar.jpBMWwww.autocar.jpBMWwww.autocar.jpBMWwww.autocar.jpBMWwww.autocar.jpBMWwww.autocar.jpBMWwww.autocar.jpBMWwww.autocar.jpBMWwww.autocar.jpBMWwww.autocar.jpBMWwww.autocar.jpBMWwww.autocar.jpBMWwww.autocar.jpBMWwww.autocar.jpBMW85BMW85BMW85BMW85BMW85BMW85BMWwww.autocar.jpwww.autocar.jpwww.autocar.jpwww.autocar.jpwww.autocar.jpwww.autocar.jpwww.autocar.jp 85www.autocar.jp 85www.autocar.jpwww.autocar.jpwww.autocar.jpwww.autocar.jp

BMW AG設立年 . . . . . . . . . . . . . .1917年本社所在地 . . . . . .ドイツ・ミュンヘン売上高 . . . . . . . . . . . . . .688億ユーロ(約6.9兆円/2011年実績)従業員数 . . . . . . . . . .約10万人(2011年12月31日現在)

BMW大研究エココンシャスな時代でも

“駆けぬける歓び”はさらに加速するいつの時代も一目置かれる存在であり続けているドイツのプレミアムブランド、BMW。

2011年、BMWグループは史上最高の結果を残し、大きな成功を収めた。それは企業努力によって“進化と革新”の手を緩めなかったからにほかならない。

近年では“EfficientDynamics”をキーワードに、CO2排出量削減をはじめとする環境性能に対する

飽くなきチャレンジとともに、さらなるパフォーマンス向上を実現している。一方で、次世代モビリティの在り方に対する取り組みにも積極的な姿勢を見せる。

今後も我々の期待に応えてくれる新型車が続々と登場するだろうが、“駆けぬける歓び”がこれまで以上に味わえることだけは間違いなさそうだ。

ACJ114_P085-104 BMW.indd 85 12/09/18 20:46

Page 2: BMW - AUTOCAR JAPAN初代X3(E83)発表 2004 ・初代1シリーズ(E82)発表 2005 ・5代目3シリーズ (E90)発表 1989 ... “BMW i”として発表され、2台のコンセプトカーによってすでに具現化されている。

86 AUTOCAR 11/2012

【HISTORY】

1世紀にわたって刻まれた歴史始まりは航空機/船舶用の小さなエンジン製造会社

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

1910

1965

1915

1970

1920

1975

1925

1980

1930

1985

1913■・カール・フリードリッヒ・ラップが航空機のエンジンを開発製造するラップ・モトーレン・ヴェルケ社を設立

1916■・社名をバイリッシュ・モトーレン・ヴェルケ(BMW)に変更

■1961・フランクフルト・ショーで、BMW1500を発表。いわゆる“ノイエ・クラッセ”と呼ばれる新シリーズだ

■1962・503シリーズの後継、BMW3200CSを発表

1964■・1500がBMW1600シリーズに進化。トップモデル1800TIを追加

1965■・3200C Sの後継、2000C/CSを発表

■1966・BMW1600シリーズの2ドア版、1600-2発表。ハンス・グラース社を買収

1971■・3ℓに排気量を拡大した2500/2800シリーズの進化版、3.0シリーズを発表。セダンは3.0S、クーペは3.0CS、そして軽量版は3.0CSLと呼ばれた

■1972・本社社屋が完成。その形状から4シリンダータワーと呼ばれる・初代新型5シリーズ(E12)発表。BMW M GmbH設立

■1977・初代7シリーズ(E23)発表。スモール6と呼ばれる新型6気筒エンジンを開発BMW323iや520iに搭載

1978■・ミドシップスポーツカー、M1発表

■1983・BMW初のディーゼルエンジン搭載車、BMW524tdを発表

■1982・2代目3シリーズ(E30)発表

1981■・2代目5シリーズ(E28)発表

1985■・レースでも圧倒的な強さを誇った初代M 3(E30)発表

1973■・ETCで初タイトルを獲得。市販車初のターボチャージャー搭載モデル、BMW2002ターボを発表

■1975・初代3シリーズ(E21)発表

■1967・イタリアンデザインのBMW1600GT発表

1970■・BMWモーターサイクルが生産1万台を突破

1917■・現在にまで続く、青空に回転するプロペラを図案化したBMWのマークを登録

1928■・自動車製造会社、ディクシーを傘下に収め、BMWディクシー3/15タイプDA-1を発売。翌年、アルペン・ラリーで初勝利

1932■・3/20HPタイプAM-1を発売

1933■・6気筒エンジンを搭載した完全自社開発モデル、BMW303を発売

■1918・株式会社化。フランツ・ヨーゼフ・ポップが社長に就任

1923■・モーターサイクル用エンジンタイプM2B15をヘリオス、ビクトリアへのエンジン供給の後、自社開発のモーターサイクルR32を発表

1934■・BMW303に0.9ℓの4気筒エンジンを搭載したBMW309を発売。303の改良版として1.5ℓの6気筒エンジンを搭載した315が登場

エンジンの製造からスタートした小さな会社は、モーターサイクルを経てクルマの製造に乗り出す。走りにこだわる何にも似ないBMWらしさを創業以来一貫して貫き、今やフルライナップを揃える誰もが知るグローバルプレミアムブランドになった。2016年で設立100周年を迎えるBMWはさらなる成長を果たすために、内燃機関だけではなくエネルギーダイバシティに対応する準備を整える。

■1968・1 6 0 0 - 2の進化版、BMW2002発表・パリ・サロンで新しい6気筒シリーズ2500/2800を発表。車名は排気量を示す

1976■・初代6シリーズ(E24)発表

ACJ114_P085-104 BMW.indd 86 12/09/18 20:46

Page 3: BMW - AUTOCAR JAPAN初代X3(E83)発表 2004 ・初代1シリーズ(E82)発表 2005 ・5代目3シリーズ (E90)発表 1989 ... “BMW i”として発表され、2台のコンセプトカーによってすでに具現化されている。

87www.autocar.jp

・   ・   ・   ・   ・   ・   ・   ・   ・   ・   ・   ・   ・   ・   ・   ・   ・   ・   ・   ・   ・   ・   ・   ・  

1945

1950

1955

1960

1965

【HISTORY】

1世紀にわたって刻まれた歴史始まりは航空機/船舶用の小さなエンジン製造会社

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

1935

1990

1940

1995

1945

2000

1950

2005

1955

2010

1960

■1986・2代目7シリーズ(E32)発表

■1988・3代目5シリーズ(E34)発表。オープン2シーターのZ1を発表

■1999・初代X5(E53)発表、BMW Z8発表、3代目M3(E46)発表

2011■・6代目3シリーズ(F30)、2代目1シリーズ(F20)発表。EVなど環境対型の新ラインナップ、iシリーズを発表

■2000 ・ランドローバーをフォードに売却

■2001・4代目7シリーズ(E65)発表。新型MINI発表

■2002 ・Z4(E85)発表

■2003・5代目5シリーズ(E60)、2代目6シリーズ(E63)、初代X3(E83)発表

■2004・初代1シリーズ(E82)発表

■2005・5代目3シリーズ(E90)発表

■1989・BMW8シリーズ(E31)発表

■1990・ロールス・ロイスの航空機部門と提携し、BMW-ロールス・ロイス社を設立。3代目3シリーズ(E36)発表

1992■・2代目M3(E36)発表

1994■・ローバー・グループを買収。3代目7シリーズ(E38)発表

2006■・2代目X5(E70)発表

2007■・4代目M3(E90)発表

2008■・5代目7シリーズ(F01/F02)、X6(E71)発表 2009■

・6代目5シリーズ(F10/11)、X1(E84)発表

2010■・3代目6シリーズ(F12/F13)、2代目X3(F25)発表

2012■・ディーゼル、ハイブリッドモデルのラインナップを拡大し日本で発売開始

1996■・BMW Z3ロードスター発表

1997■・BMW Z3クーペ発表

1998■・4代目3シリーズ(E46)発表。ロールス・ロイスを傘下に

■1939・3.5ℓの6気筒エンジンを搭載するBMW 335を発売。ブランデンブルガー・モトーレン・ヴェルケを傘下に収める

■1942・第二次世界大戦勃発。フランツ・ヨーゼフ・ポップ社長が退社

■1945・第二次世界対戦終結。旧東ドイツ側のアイゼハナ工場がソ連に接収される

■1947・戦後初のモーターサイクル、R24を発売

■1935・BMW319発売。1.9ℓの6気筒エンジンを採用

■1936・新設計ボディを採用したBWM326が登場

1937■・前年のレースに出走し優勝したオープン2シータースポーツカーをBMW328として発表。エレガントなボディを纏ったクーペモデルの327/328も発売

1951■・フランクフルト・ショーでBMW501を発表

1954■・V8エンジンを搭載したBMW501の上級モデル、BMW502をジュネーブ・ショーで発表

1959■・ミケロッティ・デザインのBMW700を発売。ダイムラー・ベンツとの合併を回避し、クアント・グループが経営権を取得

■1955・フランクフルト・ショーで、BMW503、507を発表。イタリアのイソ社のライセンス生産車、イセッタを発売

■1995・4代目5シリーズ(E39)発表

BMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMW

ACJ114_P085-104 BMW.indd 87 12/09/18 20:46

Page 4: BMW - AUTOCAR JAPAN初代X3(E83)発表 2004 ・初代1シリーズ(E82)発表 2005 ・5代目3シリーズ (E90)発表 1989 ... “BMW i”として発表され、2台のコンセプトカーによってすでに具現化されている。

88 AUTOCAR 11/2012

【SUTAINABLE MOBILITY】新サブブランド、市販化へ

BMW iが提案する次世代モビリティの姿次世代の都市モビリティの在り方について、BMWが導き出した答えは新サブブランド、“BMW i”として発表され、2台のコンセプトカーによってすでに具現化されている。生産型に向けて開発の進むコンセプトカーの特色を再確認する。text: Motohiro Yamazaki(山崎元裕)

BMW i3 Concept●170ps●25.5kgm●1250kg

今年の5月16日に開催されたBMW AGの第92回年次株主総会において、ノルベル

ト・ライトフォーファー取締役会会長が行ったスピーチは、歴史的な成功の年となった2011年を総括すると同時に、2012年の目標、そして長期的なビジョンに至るまで、その好調ぶりを物語るかのような自信と誇りに満ち溢れたものとなった。ステージには“6シリーズ・グランクーペ”と“i8 Concept”の2台。氏はそれを、“進化と革新というBMWの哲学を象徴するもの”として、まず紹介した。 “進化と革新”、確かにそれはBMW自身のみならず、世界中の市場でBMWというブランドに対して抱かれるイメージそのものだろう。さらにここに“プレミアム”という概念を加えて、BMW

は“Number One”と呼ばれる事業戦略を描く。 2011年にBMWグループは、世界販売台数、売上高、そして収益のいずれにおいても史上最高の結果を残すことに成功した。BMW、MINI、ロールス・ロイスの3ブランドを合計して167万台以上という世界販売台数は、2010年実績を14.2%も上回るもの。売上高の688億ユーロ、税引き前利益の73億ユーロ、純利益となる49億ユーロという数字は、BMWによれば2012年に計画されていた収益目標を、1年早く達成した結果になるという。 BMWのサクセスストーリーにはさまざまな理由がある。まず市場別に2011年実績を再考してみると、2010年比で31%増となる37万台以上の販売実績が記録された中国を含むアジア市場

での成功は、やはり特筆に値するものだろう。中国では今年、新たに鉄西工場が操業を開始。これによってBMWの中国における生産能力は、最終的には30万台規模に増強される見込みだというから、その成長性にはさらに大きな期待が持てる。 ヨーロッパ、そしてアメリカといった成熟市場においても、2011年にBMWは魅力的な実績を残すことに成功した。ヨーロッパはBMWにとって、その生産車の半数以上を販売する世界最大の市場であるし、またアメリカ市場での成功の原動力としては、サウスカロライナ州スパータンバーグ工場での現地生産も見逃せない。ちなみに同工場で生産される車両の約70%は輸出され、したがってBMWは、NAFTA地域外への

ACJ114_P085-104 BMW.indd 88 12/09/18 20:46

Page 5: BMW - AUTOCAR JAPAN初代X3(E83)発表 2004 ・初代1シリーズ(E82)発表 2005 ・5代目3シリーズ (E90)発表 1989 ... “BMW i”として発表され、2台のコンセプトカーによってすでに具現化されている。

89www.autocar.jp

BMW i3 Concept●170ps●25.5kgm●1250kg

BMW i8 Concept●353ps●56.1kgm●1480kg

自動車輸出者として、アメリカで最大の規模を誇るメーカーとなった。

エフィシェントダイナミクス 続いて商品性の面から、BMWの成功を検証してみたい。キーワードは“EfficientDynamics”。それはCO2排出量に象徴される環境性能に対しての積極的な技術的チャレンジであり、同時にBMW車の伝統でもあるドライビングプレジャー、そしてプレミアム性を共存させたクルマ造りを可能とすることを主張する言葉にほかならない。 BMWのEfficientDynamicsは生産車の中ですでに多くの成果を残している。冒頭に触れた年次株主総会において、BMWはすでに520万台ものEfficientDynamics搭載車を市場に送り出し、2011年までの10年間に、BMW車がヨーロッパで排出するCO2は30%以上も低下したと発表。またここまでにBMWが、CO2排出量削減のために行った投資は12億ユーロ以上に達し、新車で販売されるモデルのCO2排出量の平均値は145g/kmにまで削減されたことも、同時に明らかにしている。さらに中期的な目標は、CO2排出量を2020年までに1990年代中盤の水

準から半減させること。そのために講じられるEff icientDynamics技術のさらなる進化は、我 も々目が離せないところ。また先日発表された日本のトヨタとの包括的な技術提携も、BMWにとっては確実な追い風となろう。 このEfficientDynamicsというタイトルのもとでの、Evolution=進化の延長線上に、BMWはさらなるRevolution=革命を用意している。それはBMWで2008年春に発足した社内シンクタンク、“プロジェクトi”から、昨年正式にBMWの新たなサブ・ブランドとなった“BMW i ”。BMWは、2005年から8年連続で、“ダウ・ジョーンズ・サステイナビリティ・インデックス”の自動車部門において第1位に選定されているが、それはすなわち、開発に始まり、生産、ユーザーによる長期の使用、そして最終的には廃棄される、自動車のライフスタイル全体に対して、サスティナビリティ=持続可能性を世界最高の技術とともに妥協なく追求し続けてきたことへの評価。そして“持続可能で先進的なモビリティコンセプトの実現”を目指すBMW iの誕生によって、BMWの持続可能性への挑戦は、さらに新たな段階へと導かれたのだ。 前年の年次株主総会で、来年のこのステージ

では、BMW iのコンセプトカーを披露するとした株主への公約は、最初に触れたとおり見事に果たされた。実際には“ i3 Concept”と“ i8 Concept”とネーミングされた2台のコンセプトカーは、昨年のIAA=フランクフルト・ショーで初公開されていたから、BMWの株主にとっての真の興味というものは、その生産化に向けての進捗状況が、どの段階にあるかに集中していたともいえる。 ここで改めて、i3 Conceptとi8 Conceptの両車を解説しておこう。現在の段階では、その生産型はまだ公開されていないが、BMW iからは、ドイツ本国等においては、“メガシティ・ビークル”のi3を2013年中に、続いて“プレミアム・スポーツカー”のi8を2014年中までに市場投入することが発表されている。気になる日本市場への導入は、2014年にi3からスタートする見込みだ。 BMW iから発表された2台のコンセプトカーは、いずれも基本的なアーキテクチャーが共通する。現在のクルマの多くが一体成型されたモノコック構造を採用するのとは対照的に、BMW iは車体構造を“ドライブ・モジュール”と“ライフ・モジュール”に分割。前者はアルミニウム合金で、また後者はCFRP=カーボン・ファイバー・レイン

BMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMW

ACJ114_P085-104 BMW.indd 89 12/09/18 20:46

Page 6: BMW - AUTOCAR JAPAN初代X3(E83)発表 2004 ・初代1シリーズ(E82)発表 2005 ・5代目3シリーズ (E90)発表 1989 ... “BMW i”として発表され、2台のコンセプトカーによってすでに具現化されている。

90 AUTOCAR 11/2012

フォースド・プラスチックで成形されるが、これはともに素材の軽量性を重視しての選択である。 BMWは2011年に、同じドイツのSGLグループと共同で、アメリカのワシントン州モーゼスレイクに、CFRPの生産工場を開設。iシリーズのライフ・モジュールは、この工場で水力発電エネルギーを使用して生産された素材を使用して、ドイツのランツフート工場で完成されるが、ここにもまた、新たな自然換気コンセプトの採用により、冷却に必要なエネルギーを90%も削減するという持続可能性への徹底した取り組みが見られる。そして最終的にi3とi8が組み立てられるライプツィヒ工場では、風力発電エネルギーが利用される。 ドライブ・モジュールも、そのアルミニウム合金は、2次アルミニウムなどのリサイクル原料を

可能な限り使用する。安全上の問題から1次アルミニウムの採用が避けられないパートも、それには再生可能エネルギーを使用して生産されたもののみ、という徹底した条件が課されている。

サスティナビリティを細部で追求 i3 Conceptは、駆動力のすべてをエレクトリックモーターから得る電気自動車だ。このモーターを始め、それに電力を供給するリチウムイオン・バッテリー、サスペンションや、対衝撃吸収のためのコンポーネントは、すべてドライブ・モジュールに搭載される仕組み。ライフ・モジュールにCFRP素材を採用した大きな理由のひとつは、バッテリーの搭載による重量増を相殺することにもあるが、実際にBMW iから発表されたデータによれば、i3 Conceptのボディサイズは全長3824×全幅1530×全高1766㎜。モーターの最高出力と最大トルクは、各々175p s、25.5kgmと発表されており、同時に通常運転時の最大航続可能距離で130~160kmという数字を達成していることなどから考えると、バッテリー搭載量に対しての重量相殺は十分に納得できるレベルに達したと判断できる。 フルワイド・ベンチシートを採用したキャビンはボディサイズから想像する以上に開放的で、実用的な空間だ。BMW iはインテリア素材においても、サスティナビリティを追求しており、例えば収穫期に集めたオリーブの葉から抽出された油でレザー素材のなめし加工を行ったこと。また素材選択時に輸送距離の短縮化までを重視していることなど、こちらもそのディテールを知れば知るほどに、感動は増していく。 電気自動車であるとはいえ、ドライビングプレジャーを追求するというBMW伝統の味付けを忘れていないのもi3 Conceptの特徴だろう。0-100km/h加速を7.9秒でこなし、そして最高速では150km/hを可能とする運動性能は、メガ

シティ・ビークルとしては必要十分なものといえるが、BMW iはさらに駆動方式をRWDとすることで、その走りに独自の魅力を生み出しているのだ。 メガシティ・ビークルたるi3 Conceptには、さらにその拡張性にも期待が持てる。すでにキャビン後部には200ℓ分のラゲッジスペースが確保されているわけだが、ライフ・モジュールのデザインを変更することで、ここから様 な々派生モデルを生み出すことも比較的容易だろう。例えば電気モーターに追加して、小排気量のクリーンエンジンをレンジエクステンダーとして搭載すれば、それはカスタマーにとって、また魅力的な選択肢ともなろう。そのような夢が次 に々広がるのもまた、BMW iの世界である。

卓越した運動性能は妥協しない 一方、2009年にBMWから発表されたコンセプトカー、“Vision EfficientDynamics”で提案された未来の理想的なスポーツカーの姿を、BMW iがさらに現実へと近づけたのがi8 Conceptだ。そのエクステリアは実にダイナミックな造形を見せるが、それがエアロダイナミクスにおいても最適化されたものであることは当然である。今春開催されたオートチャイナ2012=北京モーターショーでは、新たに2シーターのキャビンを与えたオープン仕様の“i8 Concept Spyder”も初公開されている。 i8 Conceptは、223psの最高出力と30.6kgmの最大トルクを発揮する1.5ℓ直列3気筒ガソリンエンジンで後輪を、そして130ps&25.5kgmのエレクトリックモーターで前輪を駆動する4WDスポーツだ。BMW iは、その画期的なバッテリー技術とエンジン制御を総称して“eDrive”と呼ぶが、それがEUテストモードにおいて37.0km/ℓという驚異的な燃費性能と、250km/hの最高速、あるいは4.6秒の0-100km/h加速に象徴される卓越した運動性能を両立させるコア技術となっているのは言うまでもない。プラグイン・ハイブリッド車であるため、リチウムイオン・バッテリーの搭載量は、i3 Conceptと比較するとはるかに小さいのも大きな特徴。それはフロアのセンタートンネル内にレイアウトされ、前後で50対50という理想的な重量配分の実現にも貢献する。35kmまでは電気モーターのみでの走行を可能にしているのも見逃せないところである。BMW iの提案する新時代のモビリティが実現する日は、すでに目前へと迫っている。我々は今、まさにモビリティに歴史的な革命が訪れる瞬間に、立ち会っているのである。

ライフ・モジュール

ドライブ・モジュール

BMW i3 Conceptライフ・ドライブ構造

BMW i8 Conceptライフ・ドライブ構造

■BMW i のライフ・ドライブ構造ゼロエミッションカーを造るうえで不可欠なのが電気自動車だが、重量の嵩むバッテリーを収納しながらいかにして車重を軽減するかという課題をクリアするために、BMWはゼロから設計・構築したオリジナルボディ構造の“ライフ・ドライブ”を創り出した。ライフ・ドライブ構造はふたつの独立した機能ユニットから構成される。車両上部のパッセンジャー・セルであるライフ・モジュールには、高強度、超軽量を特長とするCFRP(カーボン・ファイバー強化樹脂)を採用。一方、車両下部ユニットにあたるドライブ・モジュールは100%アルミニウム合金製で、バッテリーや電気モーターをはじめとするドライブトレーンやサスペンションなどのコンポーネントが含まれる。ライフ・ドライブ構造により、BMW車に期待されるドライビングプレジャーはBMW iでも味わえるのである。

BMW Vision Efficient Dynamics2009年のフランクフルト・ショーで初披露されたスポーツコンセプト。このモデルをより現実的なものにしたのが、BMW i8 Concept。

BMW i8 Concept Spyder今年4月の北京モーターショーで発表されたi8 Conceptのオープンバージョン。クーペボディは2+2だが、こちらは2シーターとなる。

BMW iによってモビリティに歴史的な革命が訪れる瞬間に我々は今、立ち会っている。

ACJ114_P085-104 BMW.indd 90 12/09/18 20:46

Page 7: BMW - AUTOCAR JAPAN初代X3(E83)発表 2004 ・初代1シリーズ(E82)発表 2005 ・5代目3シリーズ (E90)発表 1989 ... “BMW i”として発表され、2台のコンセプトカーによってすでに具現化されている。

91www.autocar.jp

SPECIFICATIONS BMW i3 Concept■0-100km/h 7.9秒■最高速度 150km/h■CO2排出量 0g/km■車両重量 1250kg■駆動方式 後輪駆動■モーター最高出力 170ps■モーター最大トルク 25.5kgm■馬力荷重比 136ps/t■全長 3824mm■全幅 1766mm■全高 1530mm■ホイールベース 2570mm■乗車定員 4名■荷室容量 200ℓ■航続距離 130-160km■バッテリー充電時間 6時間(100%まで)■バッテリー充電時間 1時間(急速/80%まで)

SPECIFICATIONS BMW i8 Concept■0-100km/h 4.6秒■最高速度 250km/h■燃費(EUサイクル) 37.0km/ℓ■CO2排出量 66g/km■車両重量 1480kg■エンジン型式 直列3気筒ターボ,1.5ℓ■エンジン最高出力/最大トルク 223ps/30.6kgm■モーター最高出力/最大トルク 130ps/25.5kgm■システムトータル出力/トルク 353ps/56.1kgm■馬力荷重比 239ps/t■駆動方式 4輪駆動■全長 4630mm■全幅 1944mm■全高 1276mm■ホイールベース 2800mm■乗車定員 2(+2)名■荷室容量 150ℓ■電気駆動時の航続距離 35km■バッテリー充電時間 1時間45分(100%まで)

BMW i3 Concept

大都市でのドライブを愉しむためのメガシティビークル電気だけで走るBMW i3 Conceptは排出ガスをまったく出さないゼロ・エミッション走行が可能。バッテリー1回の充電で最長160kmの走行を実現する。プロペラシャフトの通るセンタートンネルを必要としない室内空間は、コンパクトボディながら圧倒的な広さと開放感を演出。センターピラーが無く、観音開き構造で大きく開く“コーチ・ドア”の採用で乗降性も快適だ。内装には天然繊維などの再生可能な素材の採用が特色。

BMW i8 Concept

スポーツカーの加速とコンパクトカーの燃費を両立したプラグインハイブリッドプラグインハイブリッドモデルとして従来の内燃エンジンの利点も備えているのがBMW i8 Concept。エアロダイナミクスを追求したスタイリングやCFRP(カーボンファイバー強化樹脂)製の軽量ボディに、電気モーターと3気筒ターボエンジンを連動させる動力源を組み合わせることにより、スポーツカーのパフォーマンスと高水準の燃費を両立している。電力のみによる航続距離は約35km。

BMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMW

ACJ114_P085-104 BMW.indd 91 12/09/18 20:46

Page 8: BMW - AUTOCAR JAPAN初代X3(E83)発表 2004 ・初代1シリーズ(E82)発表 2005 ・5代目3シリーズ (E90)発表 1989 ... “BMW i”として発表され、2台のコンセプトカーによってすでに具現化されている。

92 AUTOCAR 11/2012

【BMW i. BORN ELECTRIC TOUR.】世界主要7大都市を巡るツアーイベントがスタート

BMW i の提案するサスティナブルなモビリティ・コンセプトのすべてがわかるBMW iの提案する次世代モビリティ・コンセプトをより深く理解するのに打ってつけのイベントが世界主要7都市を巡っている。ここではドイツ・デュッセルドルフで開催されたイベントの模様をお届けする。text: Motohiro Yamazaki(山崎元裕) photo: Hidehiko Ishiura(石浦秀彦)

BMW iが我 に々与えてくれるもの。それは自動車のライフサイクルすべてにわたる

革新的かつ理想的なモビリティの姿だ。BMW iはその実現のために、自動車という工業製品の持続可能性を追求するための独自に開発したさまざまなアプローチを見せている。昨年発表された“i3Concept”と“i8 Concept”の両モデルは、最も直接的にそのアプローチを表現する作品だが、しかしながらそれは、BMW iによる

新時代モビリティの全体像というものを考えるのならば、あくまでも構成要素のひとつにすぎないし、またBMW iもそれだけが話題となるのは本意ではないだろう。 クルマの環境性能、そして持続可能性に深く興味を抱き、そして実際に自分のライフスタイルの中で、そのための何かの変化を生み出したいと考える人 か々らの、BMW iというブランドに対する期待感は日増しに高まっている。そして

BMW iは、市場での自身への理解をさらに深めるため、世界の主要なメガシティをサーキットするエキジビション・ツアー“BMW i . BORN ELECTRIC TOUR.”を企画。今年6月のローマを皮切りに、デュッセルドルフ、東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、上海の世界7都市で、それは開催される予定となっている。 ここでは、ドイツのデュッセルドルフで開催された同ツアーを報告することにしよう。BMWが

ACJ114_P085-104 BMW.indd 92 12/09/18 20:46

Page 9: BMW - AUTOCAR JAPAN初代X3(E83)発表 2004 ・初代1シリーズ(E82)発表 2005 ・5代目3シリーズ (E90)発表 1989 ... “BMW i”として発表され、2台のコンセプトカーによってすでに具現化されている。

93www.autocar.jp

その本社を置くミュンヘン、あるいはベルリンやフランクフルトと、ドイツにはほかにもメガシティと呼ばれる都市は数多くあるが、BMW iがこのツアーのために選択したのは、ライン・ルール地域の中心都市であるデュッセルドルフだった。BMW iは、その前身であるプロジェクトiの時代から、ここで“MINI E”や“BMW ActiveE”を用いた電気自動車の実証実験を繰り返し、さらにこれもまた有益な都市型モビリティの姿ともいえるカーシェアリングのビジネスも、レンタルカー会社のSIXTとともに“DriveNow”のブランドで、デュッセルドルフを含む数都市から開始している。それはデュッセルドルフを核とするこの地域が、都市としての規模や人間の移動形態、あるいは自動車の使用環境を考えた場合に、典型的なドイツのメガシティと考えられるからだという。 “BMW i. BORN ELECTRIC TOUR.”の会場はBMW iのブランド哲学を象徴するかのように、自動車の持続可能性、そして未来の理想的なモビリティ像というものを、モーターショーのような派手な演出によるのではなく、アカデミックな雰囲気の中で熟考できる空間だった。エントランスを入り、まずゲストを迎えてくれたのは、i3 Conceptのスケルトンモデル。メインホールには、もちろんi3 Conceptとi8 Conceptの両車がディスプレイされていたが、この会場内でそれ以上に興味深かった展示は、BMW i

が車両の開発時に、ここデュッセルドルフで検証したさまざまな事象の解説だった。それは特に、メガシティ・ビークルとして開発された、i3 Conceptの航続可能距離や充電時間、あるいは車体サイズやデザインの決定に直接的な影響を与えている。例えばi3 Conceptが実現した航続距離は、ドイツでは一般的な自動車での通勤形態を考慮してのものであるし、またフル充電の80%までを1時間で完了するという、急速充電性能は、デュッセルドルフの街に買い物に訪れる人の平均駐車時間を検証することなどから決定された、現実的な要求性能だったという。

市販型は多彩な機能装備も そしてもちろん生産型のi3が市場投入されることで、モビリティ全体が将来どのように変化していくのかのアピールにも、BMW iはこのツアーで多くのスペースを費やし、ゲストの注目を集めていた。2014年までに、このライン・ルール地域では、300以上の充電ポイントが整備される予定で、i3にはそのロケーション・サーチなど、様々

な情報をドライバーとパッセンジャーに提供するインフォテイメントシステムが搭載されるほか、それとスマートフォンとの連携も図られる。メガシティでの快適なドライブのために開発されたドライバー・アシスト機能も、カメラの監視による衝突警告システム、パーキングアシスト、トラッフィック・ジャム(渋滞)アシスタント等 、々その機能は多彩。このイベントに訪れた人は皆、すでにその実現が直近へと迫ったBMW iの世界への期待を、さらに大きく高めるだろう。 このデュッセルドルフに続く、東京での“BMW i. BORN ELECTRIC TOUR.”の一般公開は、10月6日から8日までの3日間。六本木ヒルズ森タワー52階の東京シティビューを会場に開催される。クルマのエレクトリック化に対しては、おそらくは世界で最も強い関心を持ち、またそれを抵抗感なく自分のライフスタイルの中に採り入れるだろう日本のユーザーにとって、BMW iが描く未来のモビリティは、果たしてどのような姿に映るだろうか。日本でのツアー開催が実に待ち遠しい。

BMW iが車両開発において検証した様々な事象も確認できる

イベント会場には、ライフ・モジュールとドライブ・モジュールで構成される基本アーキテクチャー“ライフ・ドライブ”構造がBMW i3 Conceptのスケルトンモデルで紹介されるほか、BMW i3およびi8の両コンセプトモデルの展示や各種素材を解説するコーナーなどが並ぶ。上の写真の人物はBMW iのデザイン最高責任者のベノア・ヤコブ氏。

BMW i. BORN ELECTRIC TOUR.東京イベントは10月6日~8日、六本木で開催今までにないeモビリティ・ソリューションを提案していくBMW i。そのコンセプトカーである“i3 Concept”や“i8 Concept”の展示をはじめ、新しいモビリティ・サービスや最新のサスティナブルな素材と技術が紹介される。

●開催日: 2012年10月6日(土)~10月8日(月・祝)●会場: 六本木ヒルズ 森タワー52階 東京シティビュー

先着で招待券がプレゼントされます。詳細はwww.bmw-i.jp/tourまで。

BMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMW

ACJ114_P085-104 BMW.indd 93 12/09/18 20:46

Page 10: BMW - AUTOCAR JAPAN初代X3(E83)発表 2004 ・初代1シリーズ(E82)発表 2005 ・5代目3シリーズ (E90)発表 1989 ... “BMW i”として発表され、2台のコンセプトカーによってすでに具現化されている。

94 AUTOCAR 11/2012

1 ミュンヘン工場BMWの主要工場のひとつ。3シリーズのセダン/ツーリングやエンジンを主に生産し、20万台以上もの完成車を市場に送り込み、13万機以上のエンジンを製造する。

2012年現在、BMWグループは、167万台以上の自動車を世界の140カ国以上で販売

している。ちなみにその生産拠点は、14カ国29拠点とBMWは発表しているから、BMWを巨大なグローバル企業と呼ぶことに異論を唱える者は皆無であろう。 BMWの生産戦略で特徴的なのは、地元ドイツへの投資を何よりも重要視していることだ。2011年と2012年の両年で、BMWがドイツの生産拠点に向けた投資は20億ユーロ以上。また新入社員の採用も2011年にはグループ全体で約4000人に達し、その半数以上はドイツ国内に勤務。それをBMWは、“ドイツのための社会的責任”と表現する。

 それでは実際にBMWの生産拠点を、地元ドイツから簡単に紹介していこう。BMWグループがドイツ国内に置く工場は、ミュンヘン、ディンゴルフィング、ベルリン、ランフツート、レーゲンスブルグ、バッカースドルフ、ライプツィヒ、アイゼナッハの合計8拠点。4輪の完成車を生産する工場は、この中でミュンヘン、ディンゴルフィング、レーゲンスブルグ、ライプツィヒの4カ所。ベルリンは2輪車とブレーキディスクなどの一部部品、ランフツートではエンジンや内外装の部品が生産されるほか、i3やi8に使用されるCFRP製ライフモジュールもここで生産され、その後ライプツィヒで完成車となる。バッカースドルフはインテリアトリムなどの生産工場。またアイゼナッハで

は工作機械や、一部試作車の生産を受け持つ。 BMWは隣国のオーストリアで、マグナ・シュタイア社の工場も有効に活用している。シュタイアとグラーツの両工場がそれで、前者ではエンジンが、また後者では、MINIカントリーマン(クロスオーバー)の生産が2010年から委託されているほか、MINIペースマンの生産も先日新たに開始された。 イギリスには、BMWマニファクチャリングのオックスフォード工場や、ロールス・ロイス・モーターカーズのグッドウッドなどの生産拠点がある。オックスフォード工場ではMINIファミリーの多くが生産されるが、そのMINIは2011年にはトータルで28万5000台以上が出荷され、BMW

4 ランツフート工場規模は小さいが、最先端テクノロジーを駆使したカーボンパーツや、軽量プラスティックパーツなどを製造する、走りにこだわるBMWになくてはならない生産拠点。

2 ディンゴルフィング工場BMW最大の4輪車製造工場。従業員数も最大で、2万人弱の人々が働く。ここではグランツーリスモを含む5シリーズ全モデルのほか、6シリーズや7シリーズなども製造。

16 ロスリン工場操業開始は1973年と、歴史ある海外拠点。年間生産キャパシティは5万台以上。主に3シリーズセダンを生産し、この南アフリカで生産された車輌は全世界に向けて輸出される。

3 ベルリン工場主にモーターサイクルを製造するベルリン工場。2輪車の生産拠点としては最大規模で、2000人の従業員を抱える。年間10万台以上の生産キャパシティを確保している。

【FACTORY】本国ドイツを中心に14カ国29拠点をネットワーク

世界中に拡大するBMWの生産拠点text: Motohiro Yamazaki(山崎元裕)

■1■2■4■5

■3

■7

6

8

910

11

13

12 14

20

21

17

16

17 ヴァレーゼ・カッシネッタ工場北イタリアにあるモーターサイクルの工場。カジバ傘下のハクスバーナを買収し、BMW傘下に。BMWブランドとハクスバーナ・ブランドを共に生産する。

ACJ114_P085-104 BMW.indd 94 12/09/18 20:46

Page 11: BMW - AUTOCAR JAPAN初代X3(E83)発表 2004 ・初代1シリーズ(E82)発表 2005 ・5代目3シリーズ (E90)発表 1989 ... “BMW i”として発表され、2台のコンセプトカーによってすでに具現化されている。

95www.autocar.jp

全世界29拠点でBMWのモーターサイクルと4輪車、MINI、ロールス・ロイスの3ブランドを開発・製造。新興国での工場拡大にも積極的に取り組む。

国名 番号 工場名 生産製品 2011年生産実績(台) 開設(年) 従業員数(人)

ドイツ 1 ミュンヘン 3シリーズ、エンジン 202,992(完成車)/131,254(エンジン) 1916 6,800

ドイツ 2 ディンゴルフィング 5シリーズ、6シリーズ、7シリーズセダン 343,000 1967 18,600

ドイツ 3 ベルリン モーターサイクル、部品 110,000 1939 2,000

ドイツ 4 ランツフート 部品・アルミニウム部品、CFRP部品 ── 1967 3,200

ドイツ 5 レーゲンスブルグ 1シリーズ、3シリーズ、Z4 260,000 1982 9,000

ドイツ 6 バッカースドルフ 部品・流通センター ── 1990 2,000

ドイツ 7 ライプツィヒ 1シリーズ、3シリーズ 150,000 2005 3,500

ドイツ 8 アイゼナッハ ツール ── 1990 235

オーストリア 9 シュタイア(マグナ・シュタイア) エンジン ── 1979 ──

オーストリア 10 グラーツ(マグナ・シュタイア) MINI 80,619 ── ──

UK 11 オックスフォード MINI 191,000 2001 3,800

UK 12 スウィンドン MINI用部品 ── 1955 800

UK 13 ハムホール エンジン 371,269(エンジン) 2001 800

UK 14 グッドウッド ロールス・ロイス 1,417 2003 ──

USA 15 スパータンバーグ X3、X5、X6、Z4 276,000 1994 7,000

南アフリカ 16 ロスリン 3シリーズ 53,000 1973 1,700

イタリア 17 カッシネッタ(ハスクバーナ) モーターサイクル 11,200 1987 268

中国 18 瀋陽(華晨中国汽車) 3シリーズ、5シリーズ 33,720 2003 3,200

タイ 19 ラーヨン 3シリーズ、5シリーズ、7シリーズ、X3 ── ──

ロシア 20 カリーニングラード 3シリーズ、5シリーズ、X3 ── ──

エジプト 21 カイロ 3シリーズ、5シリーズ、7シリーズ、X3 ── ──

インドネシア 22 ジャカルタ 3シリーズ、5シリーズ ── ──

マレーシア 23 クアラルンプール 3シリーズ、5シリーズ ── ──

インド 24 チェンナイ 3シリーズ、5シリーズ ── ──

ブラジル 25 マナウス モーターサイクル ── ──

15 スパータンバーグ工場サウスカロライナ州に1994年に設立。SAVのX3、X5、X6などのほか、Z4など、北米で人気のモデルを生産。累計生産台数は200万台を超え、現在工場規模を拡大中。

■18 瀋陽工場華晨中国汽車=ブリリアンスとの合弁で操業。遼寧省瀋陽市の生産工場に続き新たに第2工場も建設。中国国内での年間供給台数は30万台以上が目標とされている。

グループを歴史的な成功へ導くために大きく貢献した。 米国サウスカロライナ州のスパータンバーグ工場では、X3、X5、X6といったBMWのSAVモデル、そしてZ4など、アメリカ市場で人気を集めるモデルが生産されている。またBMWは、ワシントン州モーゼスレイクに、SGLグループと共同でCFRP素材の生産工場を開設。その重要性はこれからますます高まることは間違いないだろう。 BMWの生産戦略で、さらに見逃すことができないのは、中国やインドといった新興国市場における現地生産だ。中国では華晨=ブリリアンスとの合弁で、これまでも遼寧省瀋陽市大東区に生産工場を置いていたBMWだが、先日同市内の鉄西区に新工場を設立している。これによって長期的には中国で最大30万台の完成車生産が実現することになった。またインドでも、自社組み立て工場での生産を開始して以来、4年間でその売上高が6倍以上に増えるなど、その効果は圧倒的なものとなっている。

7 ライプツィヒ工場2005年に建築家ザハ・ハディッドの設計で完成した最新工場。1シリーズとX1が生産される。また、この工場はBMW iの生産拠点でもあり、BMWの未来を担っている。

■BMW主要生産工場

■22

■23

■25

15

18

1924

BMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMW■モーゼスレイク工場2011年9月に設立した最新鋭の炭素繊維生産工場。SGLグループとBMWグループの合弁会社であるSGLオートモーティブ・カーボン・ファイバー社によって運営され、CFRP(カーボンファイバー強化樹脂)の製造における中心的役割を担う。ここで製造されたCFRPはBMW iに採用される。

ACJ114_P085-104 BMW.indd 95 12/09/18 20:47

Page 12: BMW - AUTOCAR JAPAN初代X3(E83)発表 2004 ・初代1シリーズ(E82)発表 2005 ・5代目3シリーズ (E90)発表 1989 ... “BMW i”として発表され、2台のコンセプトカーによってすでに具現化されている。

96 AUTOCAR 11/2012

BMWのセールスは前年同月比で8.3%増の10万2730台。さらに好調な数字を残しているのはMINIで、18.5%増となる1万8671台を達成していることが分かる。BMWでは1シリーズや3シリーズ、あるいはSAVのX1、X3といったモデルの新車効果がやはり圧倒的。3シリーズのラインナップに、ツーリングが追加設定されたこと、あるいは7シリーズのフェイスリフトも、これからBMWのセールスには、確実にプラス方向の作用を生み出すはずだ。MINIブランドでは、カントリーマン(日本名クロスオーバー)の人気が特に印象的だ。 BMWの販売及びマーケティング担当上級副社長のイアン・ロバートソンは、さらにそのセールスが、ヨーロッパやアジア、そしてアメリカなどで適切なバランスを保って推移していることを強調する。特に成長が著しいのはアジア市場で、8月期で対前年比29.6%増の3万7994台、1~8月期累計では25.6%増の31万2052台の実績を残している。中国本土や日本は、もちろんアジアではBMWにとって最も重要な市場。その成長にはさらなる期待が寄せられていることは想像に難くない。 依然としてスペインやギリシアなど、南ヨー

ロッパ諸国の経済危機に不透明感が残るヨーロッパ市場は、それでも8月期に5%の成長を遂げ、累計データも前年とほぼ同様の数字を確保した。アメリカ市場の成長率は8月期では2.6%に留まったが、これから3シリーズのxDrive、そして新型X1のデリバリーが開始されることで、再び成長率には加速度がつくだろうとBMWは予測する。ほかの主だった市場では、いずれも8月期でロシアが27.2%増の3230台、韓国が28.4%増の2766台、トルコが68.2%増の1507台という結果を残した。この中で特に注目されるのは、やはり巨大なロシア市場。経済状況も落ち着きを見せ、再び高級車に消費者の注目が集まる中で開催されたモスクワ・モーターショーで、BMWは前でも触れた新型7シリーズを世界初公開。同時にロシア市場の重要性をも強く主張することになった。 BMWの新型車戦略は、これからもさらに積極的な動きを見せるだろう。新たなサブブランドとして誕生した“BMW i”も、2013年にはまずドイツ本国などから本格始動する予定。BMWに対して世界が抱く、インテリジェンスでプレミアムなイメージは、さらに強調されることになりそうだ。

Worldwide & EuropeX3やX1の躍進が大きな原動力に

■BMWモデル別世界販売台数 (単位:台)

モデル 2011年 2010年 前年対比5シリーズ・セダン 248835 179680 138.5%3シリーズ・セダン 240279 242831 98.9%X1 126429 99990 126.4%X3 117944 46004 256.4%1シリーズ(5ドア) 111898 113030 99.0%X5 104827 102178 102.6%3シリーズ・ツーリング 72054 74008 97.4%7シリーズ 68774 65814 104.5%5シリーズ・ツーリング 61215 32288 189.6%X6 40822 46404 88.0%3シリーズ・クーペ 39332 46358 84.8%3シリーズ・コンバーチブル 32799 35812 91.6%1シリーズ・クーペ 24357 26191 93.0%5シリーズGT 22451 26486 84.8%1シリーズ(3ドア) 20328 31980 63.6%1シリーズ・コンバーチブル 19835 24803 80.0%Z4 18809 24575 76.5%6シリーズ・コンバーチブル 6459 2798 230.8%6シリーズ・クーペ 2937 3050 97.5%Total 1380384 1224280 112.8%注)BMW AG発表

■欧州市場ブランド別ランキング (単位:台)

ブランド 2011年 2010年 前年対比フォルクスワーゲン 1684150 1544529 109.0%フォード 1077759 1109377 97.1%ルノー 1044920 1147697 91.0%オペル/ヴォグゾール 989261 1007427 98.2%プジョー 911703 1006120 90.6%シトロエン 770726 838038 92.0%フィアット 682140 824237 82.8%アウディ 680262 623506 109.1%BMW 641737 610570 105.1%メルセデス・ベンツ 591750 586146 101.0%注)マークラインズ調べ

2 011年に引き続き、BMWグループのセールスは2012年も好調に推移している。最

新のデータによれば、2012年8月期のBMW、MINI、ロールス・ロイスの3ブランドによる世界販売は12万1615台で、これは前年の同月実績、11万903台を9.7%上回る数字。1~8月期の累計も115万7777台となり、これは同様に前年の107万3396台と比較すると7.9%増という結果になる。BMWは2012年を、再び新記録とともに終えることになるだろう。 さらに詳細に8月期のリザルトを見ると、

5シリーズ下の表のとおり、2011年に世界で最も売れたBMWは5シリーズ・セダンで、24万8835台を記録。この数字は全体の18%のシェアとなりBMW販売の屋台骨となっていることがわかる。

■2011年、世界でもっと売れたBMW

【SALES】

数字で知るBMW2012年上半期は日米に加え新興国市場での伸びが目を引く2011年に史上最高の実績を得たBMW。近年は日米を中心とする先進国市場、そして中国を筆頭とする新興国市場での成長が著しい。それは2012年の上半期データからも見て取れる。新興国での飛躍はBMWの今後のプレゼンス向上に大きく貢献しそうだ。text: Motohiro Yamazaki(山崎元裕)

ACJ114_P085-104 BMW.indd 96 12/09/18 20:47

Page 13: BMW - AUTOCAR JAPAN初代X3(E83)発表 2004 ・初代1シリーズ(E82)発表 2005 ・5代目3シリーズ (E90)発表 1989 ... “BMW i”として発表され、2台のコンセプトカーによってすでに具現化されている。

97www.autocar.jp

France全体に冷え込み顕著ながら昨年と同じ水準を維持

Germany2012年上半期はプレミアムブランドでトップ

Italy長引く不況で全体が低迷。3シリーズの新車効果に期待

フランスでは新車販売の冷え込みが顕著だ。これにはもちろん、欧州全体を包み

込む経済危機への懸念が消費者心理に大きな影響を与えているという事情が背景にはあるのだが、そのような状況の中で、BMWは2012年上半期を、ほぼ前年同期と同水準(99.9%)の、2万3398台という数字を残して終了することができた。好調な販売実績を残しているモデルは、1シリーズと3シリーズ。さらにMINIも、同期に105.6%増の1万1407台をセールス。フランスではやはりコンパクトサイズのモデルに人気が集

る。新車の投入タイミングなどで、そのランキングは頻繁に変化するが、BMWは先日、3シリーズの中で3分の2を占めるという、ボリュームモデルのツーリングを最新世代へと進化させて発売。下半期の新車効果には大きな期待が寄せられている。同社のロバートソン上級副社長は、2012年の通期世界販売の新記録達成は明るい見通しであると述べているが、ドイツ市場ももちろん、それを象徴する存在となることは間違いない。2012年下半期のBMWが達成する数字に注目したい。

 このイタリア以上に深刻なのは、ヨーロッパ経済危機の震源地ともいえるギリシャとスペイン。この両国では、昨2011年の販売台数が2007年水準を下回るという状況。それでもヨーロッパ全体では2012年上半期実績は、前年比でわずか0.1%減の43万7066台を達成しているのだから、BMW、あるいはMINIの商品性は、非常に高く評価されるものであることは、ここに証明されている。イタリア市場における新車販売の復調。BMWは果たしてそれを、どのように予測しているのだろうか。

まる傾向は顕著だ。 BMWを始めとするドイツブランドの好調ぶりとは対照的に、フランスの地元3メーカーはその市場でのシェアを急速に低下させている。最悪の場合は国内シェアの50%を割り込むだろうという予測も現実味を帯びてきたが、それをチャンスにドイツ勢はさらなる攻勢をかける。BMW、そしてMINIも例外ではなく、下半期にはフランスメーカーから続 と々期待の新型車が誕生するなか、どのような販売戦略を見せるのかが注目されている。

2 012年上半期のBMWグループ(BMW、MINI、ロールス・ロイス)の世界販売台

数は、前年同期比で8.1%増となる90万539台で、これは過去最高の数字となる。ちなみに地元ドイツでは、BMWは2012年上半期に、プレミアムブランドとしてはトップの、14万8811台を販売(MINIを含む)。これは前年同期と比較して99.3%という結果だ。 BMW(MINIを含む)、メルセデス・ベンツ、アウディの、いわゆるプレミアムブランドは、ドイツ国内では、ほぼ同サイズのシェアを獲得してい

イタリアの新車販売は深刻な状況だ。長引く不況のなか新車に対しての消費者

の購買意欲はさらに低下し、一方、景気回復の原動力となる国内総生産=GDP成長率の低下傾向にも終わりが見えない。このような状況で自動車市場の中で最も大きな影響を受けるのは、もちろん高価格なプレミアムブランド。2012年上半期の実績を見れば一目瞭然であるように、BMWをはじめドイツのプレミアムブランドは、いずれも対前年同期比で80%強の結果という厳しい現実に直面している。

3シリーズ2012年上半期、イタリアで最も売れたBMWは3シリーズ(5706台)。ツーリングも新型に切り替わり、今後の新車効果に期待したい。ちなみに同2位はX3(4609台)、3位は1シリーズ(4562台)。

■イタリアで人気のBMW

1シリーズ2012年上半期のモデル別トップは1シリーズで6317台を販売。それに続くのは 3シリーズ(4976台)やX1(3783台)など、コンパクトモデル人気はフランスらしい。

■フランスで人気のBMW

3シリーズ2012年上半期のモデル別トップ3は順に3シリーズ(3万3850台)、1シリーズ(3万107台)、5シリーズ(2万3823台)。3シリーズはツーリングがボリュームモデルとなる。

■ドイツで人気のBMW

■ドイツ市場ブランド別ランキング (単位:台)

ブランド 2012年上半期 2011年上半期 前年対比フォルクスワーゲン 357195 354037 100.9%BMW, MINI 148811 149805 99.3%メルセデス・ベンツ 146060 138160 105.7%アウディ 135071 124960 108.1%オペル 118607 130779 90.7%フォード 112260 117544 95.5%シュコダ 78193 74731 104.6%ルノー、ダチア 77517 81061 95.6%ヒュンダイ 52830 44993 117.4%トヨタ 42688 38882 109.8%注)マークラインズ調べ

■フランス市場ブランド別ランキング (単位:台)

ブランド 2012年上半期 2011年上半期 前年対比ルノー 198259 245811 80.4%プジョー 170403 220886 77.1%シトロエン 150560 188367 79.9%フォルクスワーゲン 84904 87414 97.2%フォード 55933 65499 85.4%オペル 42507 57081 74.4%ダチア 41179 47723 86.3%日産 38564 36065 106.9%トヨタ 33293 35794 93.0%アウディ 31571 30675 102.9%メルセデス・ベンツ 24144 23023 104.6%フィアット 23960 33943 70.5%BMW 23398 23412 99.9%キア 16875 13659 123.4%シボレー 14963 13671 112.4%注)マークラインズ調べ

■イタリア市場ブランド別ランキング (単位:台)

ブランド 2012年上半期 2011年上半期 前年対比フィアット 168038 211536 79.4%フォルクスワーゲン 66126 80654 82.0%フォード 59002 89357 66.0%オペル 46472 68457 67.9%ランチア、クライスラー 43114 48243 89.4%シトロエン 42742 48698 87.8%プジョー 37497 45909 81.7%ルノー 36278 48651 74.6%トヨタ 30829 39937 77.2%アウディ 29636 35520 83.4%日産 27703 36391 76.1%アルファ・ロメオ 25519 37154 68.7%ヒュンダイ 25407 23868 106.4%メルセデス・ベンツ 24319 27527 88.3%BMW 23268 28332 82.1%注)マークラインズ調べ

BMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMW

ACJ114_P085-104 BMW.indd 97 12/09/18 20:47

Page 14: BMW - AUTOCAR JAPAN初代X3(E83)発表 2004 ・初代1シリーズ(E82)発表 2005 ・5代目3シリーズ (E90)発表 1989 ... “BMW i”として発表され、2台のコンセプトカーによってすでに具現化されている。

98 AUTOCAR 11/2012

Russia 成長に確実な継続性が見える

UKカンパニー・カーとともに個人需要も高まっている

South Africa生産拠点を有するだけにポピュラーなブランドとして認知

ロシア市場は一時の低迷から完全に脱却したような印象を受ける。2012年上半期

の新車販売は、トータルで前年同期比14.5%増の141万3769台。先日開催されたモスクワ・モーターショーへの注目度も高く、下半期にはさらに新車販売は好調に推移し、最終的には全体で285万台という水準に達するだろうと予測されている。BMWはそのモスクワ・モーターショーで、フェイスリフトを受けた新型7シリーズを世界初公開。それはロシア市場への期待を、それによって直接主張してみせた。 その2012年上半期データから、BMWのみを抽出すると、その台数は1万6657台となり、前年

伸びを見せている。BMWグループとしては、上半期に若干販売が伸び悩んだMINIの復調にも期待したいところ。そのためにはこの個人需要をさらにどこまで喚起できるのかが重要な意味を持つ。ちなみにイギリス市場での上位3ブランドは、フォード、ヴォグゾール、VW。最大のセールスポイントは、いずれもコストパフォーマンスの高さだ。だがその中で、BMWのようなプレミアムブランドにも、確実に消費者の興味は向かっている。まずは小型車で市場での基盤を固めたいところか。

ロズリンに長く生産拠点を持つ関係で、BMWは南アフリカでは非常にポピュ

ラーなドイツブランドとなっている。2012年の上半期実績は、対前年同期で111%となる12万939台。これはVWやトヨタに続く第3勢力の座を、シボレーやフォード、あるいはメルセデス・ベンツと争う数字である。 生産拠点が置かれるということは、南アフリカはBMWにとって、新車販売の市場であると同時に、輸出国としての役割も果たしていることになる。ちなみに南アフリカの2012年上半期自動

車輸出は、前年比で107%ほどの数字となり、それを景気判断のひとつの材料とするのならば、まだまだ南アフリカには市場拡大の可能性が残る。当然のことながらBMWも、さらに積極的な新型車投入で、第3勢力争いからの抜け出しを狙うだろう。期待の新型車の筆頭に掲げられるのは、もちろんロズリン工場における生産モデルでもある3シリーズ。直接のライバルともいえるメルセデス・ベンツCクラスも南アフリカ市場では大きな成功を収めているだけに、BMWの期待は大きい。

同期比は132.8%という結果になる。また前でも触れているように、最新の8月期データでも、前年比で127.2%の3230台が記録されているから、その成長には確実な継続性があることが伺える。さらに消費動向の傾向としては、ロシアブランドから海外ブランドへのシフトも鮮明。輸入車への注目度が高まるのは、もちろんBMWにも有利な傾向。一方で、現在の欧州危機がロシア市場にどのような影響を与えるのかは、大きな懸念材料だ。

イギリス市場全体での2012年上半期新車販売は、前年同期比でプラス102.7%の

105万7680台。ヨーロッパ市場の中ではドイツとともに前年実績を上回り、フランスやイタリアといった市場とは対照的な結果を残している。その中でのBMWは、ドイツのプレミアムブランドでは、アウディと台数、伸び率ともにほぼ同等の数字を達成。下半期には、さらに新車効果も鮮明になるだろう。 ドイツと同様にカンパニー・カーの需要が大きいイギリスだが、2012年は個人需要も着実な

■イギリス市場ブランド別ランキング (単位:台)

ブランド 2012年上半期 2011年上半期 前年対比フォード 150378 144481 104.1%ヴォグゾール 115932 127459 91.0%フォルクスワーゲン 95805 94332 101.6%アウディ 66005 61921 106.6%BMW 64514 60606 106.4%日産 53977 48671 110.9%プジョー 52482 51267 102.4%メルセデス・ベンツ 47790 41692 114.6%トヨタ 45299 38312 118.2%シトロエン 37330 35985 103.7%注)マークラインズ調べ

■ロシア市場ブランド別ランキング (単位:台)

ブランド 2012年上半期 2011年上半期 前年対比ラーダ 250732 291540 86.0%ルノー 95579 74337 128.6%シボレー 95534 81527 117.2%キア 90997 72901 124.8%ヒュンダイ 89243 73813 120.9%フォルクスワーゲン 81050 45517 178.1%日産 79494 59374 133.9%トヨタ 76809 57615 133.3%フォード 63350 53556 118.3%シュコダ 45982 32528 141.4%デーウ 41446 45127 91.8%ガズLCV 39738 39985 99.4%オペル 39652 30357 130.6%三菱 32217 35006 92.0%ウアーズ 27922 24210 115.3%マツダ 24605 17124 143.7%プジョー 22443 21650 103.7%スズキ 17546 18066 97.1%シトロエン 16908 12136 139.3%メルセデス・ベンツ 16702 13090 127.6%BMW 16657 12543 132.8%注)マークラインズ調べ

■南アフリカ市場ブランド別ランキング (単位:台)

ブランド 2012年上半期 2011年上半期 前年対比フォルクスワーゲン 39436 35278 111.8%トヨタ 27289 25152 108.5%シボレー 13690 13536 101.1%BMW 12939 11656 111.0%フォード 12762 12609 101.2%メルセデス・ベンツ 11501 12211 94.2%日産 9808 7179 136.6%アウディ 8095 8404 96.3%ルノー 4763 5026 94.8%ホンダ 4129 4236 97.5%注)マークラインズ調べ

3シリーズ2012年上半期にイギリスで最も売れたBMWは3シリーズ(2万3035台)。続く2位は1シリーズ(1万5340台)、3位は5シリーズ(1万1703台)。市場の特性から今後も小型車がカギとなりそうだ。

■イギリスで人気のBMW

1シリーズ具体的な台数は公表されていないが、2012年上半期の人気は上から順に1シリーズ、3シリーズ、5シリーズ、X1、X5となる。BMWにとってもロシアはまだまだ伸びシロのある市場といえる。

■ロシアで人気のBMW

3シリーズ全体のモデル別でも常に上位に入るなど、メルセデスCクラスと人気を分ける3シリーズ。2012年上半期のBMW人気ベスト3は、3シリーズ(4972台)、1シリーズ(3345台)、5シリーズ(1217台)。

■南アフリカで人気のBMW

ACJ114_P085-104 BMW.indd 98 12/09/18 20:47

Page 15: BMW - AUTOCAR JAPAN初代X3(E83)発表 2004 ・初代1シリーズ(E82)発表 2005 ・5代目3シリーズ (E90)発表 1989 ... “BMW i”として発表され、2台のコンセプトカーによってすでに具現化されている。

99www.autocar.jp

Japanクリーンディーゼル車が後押し

Chinaロングホイールベース仕様など、嗜好性を着実に反映

USA第2に故郷はXシリーズの人気も根強い

日本におけるBMWグループの新車販売は、2012年8月までのJAIA=日本自動車

輸入組合発表のデータによれば、BMWが1~8月期までの累計で対前年比123.5%の2万4494台。MINIは同様に119.8%の1万568台という結果になった。その牽引役となったのは、もちろん1シリーズや3シリーズに代表される新型車で、さらにX5にはクリーンディーゼルエンジン車を新規にラインナップしたことも、販売面では大きな効果を生み出した。ちなみにBMWは、現在では日本メーカーを含め、どのブランドよりも多くの数のクリーンディーゼル車をラインナップする

を中国市場で販売したが、その伸び率は前年同期比で143.3%と驚異的だ。新たに販売が開始されたX1の1万1076台分が純増したほか、新型へとフルモデルチェンジした3シリーズの伸びが顕著である。BMWは中国市場に、次世代の環境対策モデルとして、クリーンディーゼル車などを一気にパスして、EVを供給する計画を明らかにしている。それは北京などので、EV購入者に対してナンバープレートの抽選制度を免除すると、中国政府が決定を下したため。今後の展開に大いに注目したい。

とを明らかにしている。 BMWのアメリカ市場における人気モデルは別表のとおり。3シリーズと5シリーズに続き、SAVのX5とX3がランクしているあたりにも、カスタマーの消費動向は明確に表れている。BMWは、アメリカ市場は将来的にも大きな可能性を持ち続けると主張。隣国メキシコに新工場を設立し、アメリカ市場のさらなる開拓を進めるアウディ、そしてこちらもアメリカ国内に生産拠点を持つメルセデス・ベンツ。ドイツプレミアムブランドの戦いは、これからさらにその激しさを増していく。

メーカーとなった。その第一弾として日本市場に投入されたX5では、その販売比率は当初の発表でも70%以上。ここからさらに人気は高まっているというから、その環境性能、そして経済性は日本でも非常に高く評価されていることになる。2012年下半期には、新型X1や、3シリーズ・ツーリングなど、さらに魅力的な新型車が続 と々登場。BMW車の販売には、より一層の弾みがつきそうだ。

中国市場に対してのBMWの取り組みは、非常に積極的なものとなっている。ブリ

リアンスとの合弁事業による現地生産は、今年新工場が開設されたことで、将来的には最大で30万台の生産規模にまで増強される見込み。現在中国では、3シリーズ、5シリーズ、そしてX1の3モデルが生産されているが、ロングホイールベース仕様を中国仕様として設定するなど、市場の嗜好性を着実に反映した独自のクルマ造りを行っているのも特徴だ。 2012年の上半期、BMWは6万7084台の新車

ア メリカ市場での2012年上半期グループ販売台数で、前年同期比110.5%の15万

8563台を記録したBMW。その成功の大きな理由となっているのは、サウスカロライナ州スパータンバーグ工場での現地生産であることは疑う余地がない。この工場からは、人気のSAVシリーズやZ4などが生産され、アメリカ国内に出荷されるほか、世界各国への輸出も行われる。すなわちアメリカはBMWにとって、第2の故郷でもあるのだ。そしてさらにBMWは、今後も同工場への投資を継続し、その生産能力を高めるこ

■中国市場BMWモデル別ランキング (単位:台)

モデル 2012年上半期 2011年上半期 前年対比5シリーズ 49545 33341 148.6%X1 11076 ‐ ‐3シリーズ 6463 13479 47.9%合計 67084 46820 143.3%注)マークラインズ調べ

■日本輸入車市場ブランド別ランキング (単位:台)

ブランド 2012年1~8月期 2011年1~8月期 前年対比フォルクスワーゲン 36919 30844 119.7%メルセデス・ベンツ 25336 19953 127.0%BMW 24494 19840 123.5%アウディ 15439 13431 115.0%MINI 10568 8818 119.8%ボルボ 8466 6428 131.7%プジョー 3756 3871 97.0%フィアット 3687 3662 100.7%アルファ・ロメオ 3133 1344 233.1%ジープ 3072 1972 155.8%ポルシェ 2687 2205 121.9%シトロエン 2503 1833 136.6%フォード 2241 1725 129.9%ルノー 2098 1960 107.0%ランドローバー 969 631 153.6%注)JAIA調べ、貨物車を含む。日本メーカー除く

■アメリカ市場BMWモデル別ランキング (単位:台)

モデル 2012年上半期 2011年上半期 前年対比3シリーズ 46762 43862 106.6%5シリーズ 27751 25287 109.7%X5 19981 15895 125.7%X3 14417 12725 113.3%7シリーズ 5604 5450 102.8%1シリーズ 4164 4593 90.7%6シリーズ 3577 1112 321.7%X6 2836 2747 103.2%Z4 1412 2034 69.4%合計 126504 113705 111.3%注)マークラインズ調べ

5シリーズ(ロング)別表のとおり、中国での人気は5シリーズ。具体的な比率は公表されていないが、中国市場独自のロングホイールベース仕様の人気が圧倒的のようである。今後、新型3シリーズにもロング版が登場しそうだ。

■中国で人気のBMW

1シリーズ2012年上半期に最も売れたBMWは、昨年フルモデルチェンジを受け新型に切り替わった1シリーズ(5391台)。続く2位は3シリーズ(4041台)、3位は5シリーズ(3874台)。

■日本で人気のBMW

3シリーズ別表のとおり、販売台数では3シリーズや5シリーズが上位だが、X5やX3をはじめとするSAVの台数が他国より際立って多いのは、BMW第2の故郷といえるアメリカらしい。

■アメリカで人気のBMW

BMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMW

ACJ114_P085-104 BMW.indd 99 12/09/18 20:47

Page 16: BMW - AUTOCAR JAPAN初代X3(E83)発表 2004 ・初代1シリーズ(E82)発表 2005 ・5代目3シリーズ (E90)発表 1989 ... “BMW i”として発表され、2台のコンセプトカーによってすでに具現化されている。

100 AUTOCAR 11/2012

BMWグループの世界販売は、2011年に記録した歴史的な成功に続き2012年も好調

な実績を収めているが、その事情は日本市場においても変わらない。2008年のリーマン・ショック、そして2011年に日本を襲った未曾有の自然災害。ここ数年、日本におけるプレミアムブランド車の販売には、このように多くの困難が立ちはだかったが、その中においてもBMWジャパンは、目を見張るほどの回復ぶりで大きな話題を呼んだ。 そのBMWジャパンの代表取締役社長に、2009年1月1日に就任した、ローランド・クルーガー氏は、これまでその厳しい状況からの回復、そしてさらなる成長のプロセスのすべてを、自分自身の目で見てきた。参考までに、ここでBMWブランド単体の日本市場での販売台数を振り返ると、就任初年の2009年は2万9089台。これは2008年から6856台が減少したという結果で、ここから2010年には3万2426台、2011年には3万4195台へと、その数字は回復している。特筆すべきは、やはり昨2011年にも、その回復基調が継続したことだろう。そして2012年は、その数字はリーマン・ショック以前の水準に戻ることが確実視される。 「日本に着任した時点での状況は確かに厳しいものでした。それ以前から、私はアジア市場に関する役職を担っていましたし、またその関係もあって、BMWジャパンのビジネスというものも熟知していました。まずはBMWジャパンのチーム、そしてディーラーがどのように協力して、その

(    )(    )(    )BMWグループ・ジャパン代表取締役社長(    )(    )BMWグループ・ジャパン代表取締役社長(    )(    )ローランド・クルーガー(    )(    )ローランド・クルーガー(    )(    )氏(    )(    )に訊く(    )【INTERVIEW】

日本におけるBMWのいま、そしてこれから

プレミアムカーブランドとして世界でも、そしてここ日本でもトップクラスの販売台数に裏打ちされた高い人気を誇るBMW。

2009年1月からBMWグループ・ジャパンの代表取締役社長の任に就いているローランド・クルーガー氏は果たして、

日本市場におけるBMWをどのように捉えているのだろうか。そしてさらに今後について、どのような青写真を描いているのだろうか。

text: Motohiro Yamazaki(山崎元裕) photo: Hidenobu Tanaka(田中秀宣)cooperation: BMW Group Japan(ビー・エム・ダブリュー)

ACJ114_P085-104 BMW.indd 100 12/09/18 20:47

Page 17: BMW - AUTOCAR JAPAN初代X3(E83)発表 2004 ・初代1シリーズ(E82)発表 2005 ・5代目3シリーズ (E90)発表 1989 ... “BMW i”として発表され、2台のコンセプトカーによってすでに具現化されている。

101www.autocar.jp

困難な問題を解決する策を考えること。ここから日本における私の仕事は始まったともいえます。 リーマン・ショックからの回復に大きく貢献したのはMINIブランドでした。BMWグループは、プレミアムセグメントでもコンパクト化というものがこれから自動車の新しいトレンドになるだろうということを、かなり早い段階から認識していましたが、リーマン・ショックによって、その傾向はより鮮明なものになりました。もちろん我々の考えたコンパクト化は、単にボディサイズを小さくするということではありません。より小さな排気量でありながら、高効率化を図ったエンジンを搭載することなどは、特徴的なコンパクト化へのアプローチですし、またMINIというブランドにおいても、高いプレミアム性を維持することは重要なテーマでした。 BMWとMINIは別 の々ブランドではありますが、クルマ造りには共通した特徴があります。プレミアム性というのは、その象徴的な言葉でありますし、魅力的なドライビングプレジャーを演出すること、先進的な技術を積極的に導入していくことなどもまた、共通する部分です。ですがその一方で、BMWとMINIは、実際に市場に投入される製品が違うばかりではなく、ターゲットとするカスタマーも、あるいはマーケテイングやセールスの手法も異なっています。日本ではとくにMINIのセールスにおいては、いかにエクスクルーシブなネットワークを構築するのかを重視しました。ほぼ100%のMIN Iディーラーが、MINI専用のショールームを配備していることなどは、世界的な視野で見ても特徴的なものですが、それはMINIがプレミアムであるためにも、確かな効果を発揮するでしょう。MINIブランドの成功は、ディーラーに高い収益性を生み出しています。つまり、カスタマーの満足度をさらに高めるための、再投資の条件は揃っているのです。ここ2年間で10%ほど規模を拡大したMINIのディーラーですが、さらに今後2年間でさらに、我 は々10%を拡大する計画です」

積極的な新型車戦略が奏功 2009年から2011年までの3年間、そしてそれに続く2012年、BMWグループが順調な回復を

成し得ることができた直接的な理由として、もうひとつ忘れてはならないのは、積極的な新型車戦略だ。BMWブランドでは、昨2011年には、5シリーズや1シリーズ、そして2012年には基幹モデルの3シリーズも新型となって日本市場にデビューを飾った。X5に始まり、すでに3シリーズ、5シリーズでも選択が可能になったクリーンディーゼルエンジン搭載車、さらには3/5/7の各シリーズで出揃った、ハイブリッド車、“ActiveHybrid”なども、日本では非常に大きな話題を呼んでいる。 「新型車の登場、あるいは効果的なマイナーチェンジによって、ここ3年ほどの間でBMW製品は、ほぼすべてが新しい世代へと進化しました。2011年に特に大きな成功を収めたのは新型5シリーズです。新型5シリーズによって、我 は々初めて、このセグメントのナンバーワン・ブランドとなることができました。2012年には待望の新型3シリーズも発売され、先日はそのツーリングの導入も開始されました。そして我 に々とって重要なのは、このような新車効果だけではなく、継続的な成功を収めるために重要な技術革新に対して、BMWは非常に積極的な対応を行うメーカーであるということなのです。クリーンディーゼルエンジンなどは、その典型的な例ともいえます。 クリーンディーゼルエンジン搭載車の日本市場導入。その始まりは、日本において乗用車にディーゼルエンジンを搭載することは受け入れられていない、という事実を認識することでした。ここから長い時間をディスカッションに費やし、さらに日本市場では、より燃費に対する要求が強くなっていることから、それは大きなビジネスチャンスであり、またチャレンジになるだろうと判断しました。最初に投入したX5でのディーゼルモデルの販売比率は、私自身にとっても、予想を超える高い数字となりました。3シリーズと5シリーズについては、その比率は現段階ではまだ予測はできませんが、欧州でのディーゼル車比率が、高いところでは70%にも達していることを考えれば、潜在的なニーズはかなり高いものと思われます」

“BMW i”で包括的な持続可能性を BMWはさらにその先に、“BMW i”というサ

ブブランドを用意。自動車のライフサイクルのすべてにおいて、包括的な持続可能性を訴える。 「昨年の東京モーターショーで、我々はi3 Conceptとi8 Conceptを披露しました。BMW iは、自動車の持続可能性という分野に特化したサブブランドですが、しかしながらその中にはBMWの伝統的な哲学たる、走りの楽しさが継承されています。日本は世界の中で、HVやEVに関しては最も大きな、そして最も深い理解を持つ市場でありますから、BMW iの提案する新しいモビリティは高く評価されることになるでしょう。10月には“BMW i. BORN ELECTRIC TOUR.”が東京で開催され、ここではBMW iが、どのような革新的技術によって、次世代のモビリティを実現するのかについて、プレゼンテーションをさせていただく予定です。 日本でのBMW iのセールスは、まずメガシティビークルのコンセプトで開発された電気自動車のi3から、2014年にはスタートする予定です。現在BMWジャパンは、日本においてタイムズ株式会社のカーシェアリング事業に、“BMW ActiveE”を導入していますが、将来的にi3を投入することで、この事業をさらに進化させていく計画があるのかと問われれば、現在の段階では、その可能性がないわけではない、と回答するべきでしょう。 2016年に、BMWは創立100周年というアニバーサリーイヤーを迎えます。この時に200万台の世界販売を達成するというのがBMWグループの長期的な目標であるわけですが、現在の成長率から考えると、この時に日本は、この目標値にかなり大きく貢献する市場になっているのではないかと確信しています。実際の数字がどの程度かと予想するのかは明らかにはできませんが、それは相当に大きな成長だろうと私は期待しています」

「創立100周年を迎える2016年の時点で、グループ全体で200万台の世界販売達成が目標。日本はそれに大きく貢献すると確信しています」

ローランド・クルーガービー・エム・ダブリュー 代表取締役社長

1965年、ドイツ・ミュンヘン生まれ。’92~’97年は三菱自動車やダイムラー(スマート)にてデザインを担当。’97~’98年に仏フォンテーヌブローINSEADにてMBAを取得後、98年にBMW AGに入社。マーケティング部門でプロダクトマネージャーとしてアジア・パシフィック及びアフリカ、東欧における製品企画等を担当。2004年にシンガポールBMWアジア社にてマネージング・ダイレクターを務め、2009年にビー・エム・ダブリュー(BMWジャパン)に移り、現職。

BMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMW

ACJ114_P085-104 BMW.indd 101 12/09/18 20:47

Page 18: BMW - AUTOCAR JAPAN初代X3(E83)発表 2004 ・初代1シリーズ(E82)発表 2005 ・5代目3シリーズ (E90)発表 1989 ... “BMW i”として発表され、2台のコンセプトカーによってすでに具現化されている。

102 AUTOCAR 11/2012

【MODEL LINE UP】ガソリン、ハイブリッド、そしてディーゼル、308万円から1920万円まで

今、日本で買えるBMW高効率なガソリンエンジンから、ハイブリッド、そしてディーゼルまで、走りにこだわるBMWは、その一方で環境コンシャスな考え方を具現化する。エネルギーを無駄にせず、しかし、クルマとしての楽しさは犠牲にしない。パワーと燃費を両立させた直噴ガソリンエンジン、電気モーターとガソリンエンジンの連動、そしてCO₂排出量低減に貢献するクリーンディーゼルエンジン。BMWはひとつの車種で3タイプの動力源を備えるモデルを有している日本で唯一のブランドである。“BMW大研究”の締めくくりとして、ここでは現在日本で販売されている走りと環境性能にこだわるBMW全モデルラインナップを紹介したい。

2012年7月より受注を開始し、9月よりデリバリーを行う3シリーズ初のハイブリッドモデルがセダンのアクティブハイブリッド3だ。搭載されるハイブリッドシステムは、306psの3ℓ直6直噴ターボと54psの電気モーターを組み合わせ、トータルで最高出力3 4 0 p s 、最大トルク45.9kgmを発生させる。トランスミッションは8段A/TでFRとなる。また、アクティ

ブハイブリッド3はリチウムイオンバッテリーを搭載し、モーターのみを使用し最長で3~4km、最高速75km/h以下でのEV走行が可能となっている。既存の3シリーズセダン同様に“スポーツ”、“ラグジュアリー”、“モダン”という3タイプのデザインラインを設定するのに加え、スポーティな専用装備を採用した“Mスポーツ”も用意。計5グレード展開となる。

2011年の東京モーターショーで世界初公開されたアクティブハイブリッド5は、BMW初となる直列6エンジン+モーターのハイブリッドモデル。5シリーズセダンをベースに、306psの直6エンジンと54psの電気モーター、高性能リチウムイオンバッテリーを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載し、340psのシステムトータル出力と45.9kgmのシステムトータル最大トルクを発生する。トランスミッションには8段A/Tが組み合わされたFRで、60km/hまでであればモーターのみを使ったEV走行も可能だ。メーカー公称燃料消費率はJC08モードで13.6km/ℓ、10.15モードで14.6km/ℓ。ベースになった535iのわずか10万円アップとなる850万円という価格設定にも注目。

ここに注目!・306psの3ℓ直6直噴ターボと54psのモーターを搭載・システムトータル最高出力340ps、最大トルク45.9kgm・モーターのみを使用し最長で3~4kmのEV走行が可能

ここに注目!・ベースになった535iのわずか10万円アップという価格設定・システムトータル最高出力340ps、最大トルク45.9kgm・JC08モード13.6km/ℓ、10.15モード14.6km/ℓの燃費

ActiveHybrid 3◎アクティブハイブリッド3

価格●699~745万円

ActiveHybrid 5◎アクティブハイブリッド5

価格●850万円

アクティブハイブリッド7とは異なり、407psの4.4ℓV8ターボエンジンに、91ps、86psの出力を発生するふたつの電気モーターを組み合わせてハイブリッドシステムを構築。システムトータルでは485ps/79.6kgmという、絶大なパフォーマンスを発揮する。エンジンのみの走行、エンジンとモーターの併用走行はもちろん、60km/hまでならモーターだけのEV走行も数km程度可能だ。7段トランスミッションはBMWが2モードアクティブトランスミッションと呼ぶモーターとの一体型で、エンジンとモーターを走行状態に応じて最適に制御。エネルギー効率とパフォーマンスの両立を図るが、そこは走りのBMWらしく、モーターを“ブースト機構”として使用し、驚異の加速力を生み出す。

ここに注目!・ベース車に比べ最高出力で19%、最大トルクで30%向上・燃費性能ではベースのX6 xDrive50i比で20%向上・モーターを“ブースト機構”として使用し驚異の加速力を披露

ActiveHybrid X6◎アクティブハイブリッドX6

価格●1490万円

BMW初の市販ハイブリッド車として、2010年から日本でもデリバリーを開始した記念すべきモデルが、アクティブハイブリッド7とそのロングボディのアクティブハイブリッド7 Lだ。ベースは750i /750L iで、搭載される449psの4.4ℓV8ターボエンジンに20psの電気モーターとコンパクトなリチウムイオンバッテリーを組み合わせ、ハイブリッドシステムを構築。システムトータルでの出力は465p s、トルクは71.4k gmを発生し、2140kg(アクティブハイブリッド7)のウエイトにもかかわらず、0-100km/h加速をわずか4.9秒でこなす俊足ぶりを披露する。エンジンオートスタート・ストップ機構やBMW初の8段A/Tの採用もあり、10・15モードでは従来車比で約52%の燃費性能の向上を実現したという。

ここに注目!・記念すべきBMW初となる市販ハイブリッドモデル・フラッグシップの重量級ボディでも0-100km/h加速4.9秒・10・15モードでは従来車比で約52%の燃費性能の向上

ActiveHybrid 7/ActiveHybrid 7 L◎アクティブハイブリッド7/アクティブハイブリッド7 L

価格●1280~1420万円

ActiveHybrid ●アクティブハイブリッド

ACJ114_P085-104 BMW.indd 102 12/09/18 20:47

Page 19: BMW - AUTOCAR JAPAN初代X3(E83)発表 2004 ・初代1シリーズ(E82)発表 2005 ・5代目3シリーズ (E90)発表 1989 ... “BMW i”として発表され、2台のコンセプトカーによってすでに具現化されている。

103www.autocar.jp

2007年のフランクフルト・ショーで登場したクーペモデルに続き、翌年カブリオレも発表。全長×全幅×全高は4370×1750×1385mmというボディサイズは、2代目3シリーズ(E30)程度に抑えられている。現行モデルは2011年6月にマイナーチェンジを受け、ヘッドライト上部にLEDのアクセントラインや、ヘッドライトウォッシャーを標準装備したほか、テールライトにLEDを採用した。170psの直噴2ℓ直4を搭載する120iクーペ(6段A/T)と306psの直噴3ℓ直6ターボを搭載する135 iクーペ(7段DCT&6段M/T)を用意。カブリオレは170psの直噴2ℓ直4を搭載する120iカブリオレ(6段A/T)のみで、トップは40km/h以下での開閉も可能な電動ソフトトップを採用。

3シリーズクーペと3シリーズカブリオレの現行ラインナップは、2010年5月をマイナーチェンジされたもので、ヘッドライトやキドニーグリルの意匠変更や、テールライトをLED化するなどの変更が行われた。クーペモデルのエンジンはターボ化が進むBMWにあって、320iと325iで170psの2ℓ直4直噴と218psの2.5ℓ直6直噴というNAエンジンを採

用。一方トップモデルの335iでは、3ℓ直6直噴ターボで306psの最高出力を発揮する。また、リトラクタブルハードトップの採用によって、オープンカーとクーペのふた通りのスタイルが1台で楽しめるカブリオレは、306psの3ℓ直6直噴ターボのみを採用。後席ウインド・ディフレクターの下にピッタリ収まるスーツケースセットも用意する。

日本市場におけるBMW久々のディーゼルエンジン搭載車となったのが、2012年1月より導入を開始したX5 xドライブ35dブルーパフォーマンスだ。搭載するのは最高出力245ps、最大トルク55.1kgmを発生する3ℓ直6ディーゼルターボエンジン。SCR触媒コンバーター内に尿素水溶液アドブルーを噴射し、化学反応によりNOxを無害な窒素と水に還

元するSCR(選択触媒還元)システムや、排ガス中のPM(粒子状物質)をフィルターに吸着・燃焼・除去するDPF(粒子状物質除去フィルター)を採用し、クリーンな排気を実現。世界一厳しいといわれる日本のポスト新長期規制をクリアした。トランスミッションは8段A/Tで、BMWのクリーンディーゼルラインナップ中、唯一4WDとの組み合わせになる。

ここに注目!・スポーティな2ドアクーペ&オープンスタイル・マイナーチェンジで特徴的なLEDライトを採用・スポーツドライビングも楽しめるMTをラインナップ

ここに注目!・リトラクタブルハードトップ採用ながらクーペとカブリオレを独立・カブリオレはパワフルな306psの3ℓ直6直噴ターボのみの展開・クーペにはアイドリングストップ機能付きのM/Tもラインナップ

ここに注目!・JC08モードで11.0km/ℓをマークする良好な燃費・エコカー減税で、自動車取得税および重量税が100%減税・クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金の対象

X5、5シリーズに続くBMWのクリーンディーゼルのラインナップは、3シリーズにも拡大する。先行発表されたセダンに続き、最高出力1 8 4 p s / 4 0 0 0 r p m 、最 大トルク38.7kgm/1750-2750rpmを発生する2ℓ直4ディーゼルターボエンジン搭載車をツーリングにもラインナップ。これでセダン/ツーリングともクリーンディーゼル車が出揃った。組み合わされるトランスミッションは8段A/Tで、駆動方式はFRのみ。気になる燃費はJC08モードで、245ps/35.7kgmの2ℓ直4ガソリンターボを搭載する328iの15.2km/ℓや184ps/27.5kgmの320iの16.6km/ℓを上回る19.4km/ℓをマーク。日本ではガソリンより安い軽油の使用に加え、エコカー減税の対象となることもメリットである。

ここに注目!・ガソリン6気筒車並の豊かなトルク・ガソリン4気筒車を凌ぐ低燃費・セダン、ツーリングとも選べる5グレードをラインナップ

320d BluePerformance Sedan/Touring◎320dブルーパフォーマンス・セダン/ツーリング

価格●470~514万円5シリーズのセダン/ツーリングに追加設定されたクリーンディーゼルのラインナップは、先に発表された3シリーズセダン、320dブルーパ フォー マン スと 同じ 最 高 出 力1 8 4 p s / 4 0 0 0 r p m 、最 大トルク38.7kgm/1750-2750rpmを発生する2ℓ直4ディーゼルターボエンジンだ。組み合わされるトランスミッションは8段A/Tで、エンジンオートスタート・ストップ、ブレーキエネルギー回生システムを搭載。駆動方式はFRのみになる。燃費はJC08モードで、セダン/ツーリングとも16.6km/ℓをマークする。エコカー減税対象モデルで、自動車取得税および重量税が100%減税となるほか、クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金の対象となり、最大10万円の補助金の受給が可能。

ここに注目!・セダン/ツーリングともJC08モードで16.6km/ℓをマーク・エコカー減税で、自動車取得税および重量税が100%減税・クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金の対象

523d BluePerformance Sedan/Touring◎523dブルーパフォーマンス セダン/ツーリング

価格●633~663万円

1 Series Coupé/Cabriolet◎1シリーズ・クーペ/カブリオレ

価格●395~565万円

3 Series Coupé/Cabriolet◎3シリーズ・クーペ/カブリオレ

価格●479~815万円

X5 xDrive35d BluePerformance◎X5 xドライブ35d ブルーパフォーマンス

価格●839万円

Diesel ●ディーゼル

Gasoline ●ガソリン

ここに注目!・塊から削りだしたようなスポーティなハッチバックスタイル・クラス唯一のFRレイアウトを採用しBMWらしさを追求・スポーツドライビングも楽しめる320psのM135iも追加

1 Series◎1シリーズ(5ドア)

価格●308~549万円

Cセグメントに属するBMWのエントリーモデルが1シリーズ。現行モデルは2011年6月に本国で発表された2代目となり、同年9月に日本でも発表、10月より発売を開始した。旧型同様クラス唯一のFRレイアウトを採用するとともに、BMWらしく50対50の前後重量配分を実現するなど走りへのこだわりを前面に押し出す。旧型に比べてひとまわり大きくなったボディは、ホイールベースが30mm延ばされ、後席および荷室のスペースが拡大した。エンジンは主要モデルに1.6ℓ直4直噴ターボを搭載し、8段A/Tとの組み合わせで116iの136ps仕様と120iの170ps仕様をラインナップ。トップモデルとして320psの3ℓ直6ターボを搭載したM135iも登場した。

ここに注目!・HDDナビや8.8インチディスプレイなど基本装備が充実・セダンはFRのほか4WDもラインナップする20モデル・セダンの2ℓ直4直噴ターボ184psモデルには6段M/Tも用意

3 Series Sedan/Touring◎3シリーズ・セダン/ツーリング

価格帯●439~632万円

BMWの提唱する“エフィシェント・ダイナミクス”の考えにのっとり、パワートレーンにはエンジンオートスタート/ストップ機構、ブレーキエネルギー回生システム、電動パワーステアリングといった低燃費化技術を盛り込んだ6代目3シリーズ。セダンでは184psの2ℓ直4直噴ターボ+6段M/Tを採用した320iから、同じく2ℓ直4直噴ターボながら最高出力を245psに向上させた328iまで、FR/4WD合わせて20バリエーションのガソリンエンジン搭載車を用意した。ツーリングのガソリンエンジン搭載車はFRの328iのみで、5バリエーションをラインナップ。全車でHDDナビゲーションシステム、8.8インチディスプレイ、USBオーディオを採用するなど、基本装備の充実も特徴だ。

ここに注目!・ブレーキエネルギー回生システム(マイクロHV)を採用・全車で高効率な8段A/Tと直噴エンジンを組み合わせて搭載・ツーリングには4WDモデルの535i xDriveもラインナップ

5 Series Sedan/Touring◎5シリーズ・セダン/ツーリング

価格帯●610~1070万円

2010年3月に日本で発売された現行5シリーズセダン。ツーリングはセダンの登場から遅れること半年、同年9月から受注を開始した。5シリーズセダンは、全長×全幅×全高=4910×1860×1475mmとなり、先代より55mm長く15mm幅広く、そして5mm低くなった。ホイールベースも80mm延長され、2968mmというロングホイールベースを誇る。ブレーキエネルギー回生システムを組み込んだガソリンエンジンのラインナップは4タイプで、184psの2ℓ直4直噴ターボを搭載した523iから、同じく2ℓ直4直噴ターボの最高出力を245psに向上させた528i、3ℓ直6直噴ターボで306psを発揮する535i、そして407psの4.4ℓV8ツインターボを搭載するトップモデルの550iを用意。

BMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMW[BMW大研究]BMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMWBMW

ACJ114_P085-104 BMW.indd 103 12/09/18 20:47

Page 20: BMW - AUTOCAR JAPAN初代X3(E83)発表 2004 ・初代1シリーズ(E82)発表 2005 ・5代目3シリーズ (E90)発表 1989 ... “BMW i”として発表され、2台のコンセプトカーによってすでに具現化されている。

104 AUTOCAR 11/2012

1962年に登場した“3200C/CS”に始まる2ドアクーペ=“CS”の系譜。その正統な後継モデルが1976年に登場した初代6シリーズだ。現行モデルはその3代目にあたり、“世界一美しいクーペ”の敬称をそのままに、クーペ、カブリオレに続き、今年6月には第3のモデルとなる“グランクーペ”を追加。バリエーションを拡大した。注目のグランクーペは、6シリーズの伝統といえるクーペとしての美しさとFRのパフォーマンスに加えて、4ドアモデルの快適性と機能性を持ち合わせたBMW初のラグジュアリー4ドアクーペだ。エンジンはクーペ/グランクーペ/カブリオレとも、640iでは最高出力320psの3ℓ直6直噴ターボが、650iでは3モデルとも450psの4.4ℓV8直噴ツインターボを採用。

ここに注目!・BMW初のラグジュアリー4ドアクーペ、グランクーペを追加・“CS”の伝統を今に受け継ぐ美しいクーペのスタイリング・カブリオレは40km/h以下で開閉可能な電動ソフトトップを採用

6 Series Coupé/Gran Coupé/Cabriolet◎6シリーズ・クーペ/グランクーペ/カブリオレ

価格●935~1330万円

2009年3月に日本導入を果たした“7シリーズ”は、現行モデルで5代目となるBMWのフラッグシップセダンだ。いうまでもなく頂点のモデルにふさわしい質感の高い内外装と、考え得る最高のラグジュアリー装備を備えている。ボディサイズは全長×全幅×全高=5070×1900×1490mmで、先代モデルに比べれば全長が30mm拡大されたに過ぎないが、ホイールベースは3070mm(740i/750i)と80mmも延長。ロングホイールベースモデルは3210mmとなる。エンジンは、740i/740Liに搭載される326psの3ℓ直6ツインターボと、上級グレード750i/750Liに搭載される407psの4.4ℓV8ツインターボ、そして760Liに搭載される544psの6ℓV12ツインターボの3機種を用意した。

ここに注目!・544psの6ℓV12ツインターボと8段A/Tを760Liに採用・標準車でも80mm延長した3070mmのロングホイールベース・頂点のモデルにふさわしい質感の高い内外装と快適装備

7 Series◎7シリーズ 

価格●1010~1920万円

2009年デトロイト・ショーでワールドプレミアされたZ4は、リトラクタブルハードトップの採用によって、オープンカーとクーペのふた通りのスタイルが1台で楽しめる2シーターモデルだ。現在ラインナップされるのは、184psの2ℓ直4直噴ターボに8段A/Tを組み合わせて搭載する“sDrive20i”と、306psの3ℓ直6直噴ターボに 7 段 D C Tを搭 載する“sDrive35i”、そして340psを発揮する3ℓ直6直噴ターボに同じく7段DCTを搭載する“sDrive35is”の3バリエーション。最大の特徴であるフルオートマチックリトラクタブルハードトップはアルミニウム合金製で、約20秒でルーフの開閉が完了する。

ここに注目!・アルミニウム合金製のフルオートマチックリトラクタブルハードトップ・340psの3ℓ直6直噴ターボと7段DCTがもたらすダイナミックな走り・ロングノーズ・ショートデッキのFR然とした流麗なスタイリング

Z4◎Z4

価格●499~815万円

9月15日から受注開始したX1のマイナーチェンジモデルは、フロントバンパーやリヤスカート、アンダーガード、インジケーター付きのドアミラー、LEDを採用したヘッドライトのスモールライトリングなどがエクステリア上での主な変更点になる。FRモデルの“sDrive18i”を除く全車で新たにアイドリングストップ機構が備わり、最大約20%燃費が向上した。同時にラインナップも見直され、専用の内外装パーツでコーディネートされた“xLine”や“Sport”、“M Sport”を設定したほか、xDrive20iと同じ184psの2ℓ直4直噴ターボを搭 載するF R モデル 、“sDrive20i”を追加し、245psの2ℓ直4直噴ターボを搭載するxDrive28iまで計16バリエーションを数えるようになった。

ここに注目!・184psの2ℓ直4直噴ターボを搭載したFR、sDrive20iを追加・専用装備を採用した“xライン”、“スポーツ”、“Mスポーツ”を設定・367万円~選べる計16バリエーションのワイドラインナップ

X1 ◎X1

価格●367~543万円

2011年3月に日本導入された現行モデルは、全長×全幅×全高=4650×1880×1675mm、ホイールベース2810mmと、先代に比べひとまわり大きくなった。高効率の追求とダウンサイジングの流れで、エンジンのアップデイト化が進み、新たにエントリーモデルとして184psの2ℓ直4直噴ターボと8段A/Tを搭載した“xDrive20i”の追加や、これまで自然 吸 気の 3ℓ直 6だったxDrive28iのエンジンが、328iや528iと同じ245psの2ℓ直4直噴ターボに変更された。これらは共にアイドリングストップ機能やブレーキエネルギー回生システムも組み込まれている。これによってX3は、“xDrive20i”、“xDrive28i”、3ℓ直6直噴ターボを積む“xDrive35i”の3モデルになった。

ここに注目!・184psの2ℓ直4直噴ターボを搭載するなどエンジンを最新化・先代に比べひとまわり大きくなったが使いやすいボディサイズ・ハイライン・パッケージやMスポーツ・パッケージで個性を演出可能

X3◎X3

価格●541~695万円

2007年に日本導入を開始した2代目X5は、エントリーグレードの“xDrive35i”と上級グレードの“xDrive50i”の2ラインナップ。BMWのSAVで唯一3列シートを採用する。現行モデルは、前後バンパーの形状やランプ類の配置が変更されたマイナーチェンジされたモデルで、エンジンは306psの3ℓ直6直噴ターボを“xDrive35i”に、407psの4.4ℓV8直噴ターボを“xDrive50i”にそれぞれ搭載する。またこれに組み合わせられるトランスミッションは8段A/Tで、このX5でBMWの最新パワートレーンをいち早く採用した。また、リヤ・ビュー / サイド・ビュー・カメラなど、クラスリーダーらしい快適装備の充実も魅力だ。

ここに注目!・BMWのSAVで唯一3列シートを採用する使いやすいキャビン・最新の3ℓ直6直噴ターボ/4.4ℓV8直噴ターボ+8段A/T・BMWのスポーティな走りと実用性をバランスさせた元祖SAV

X5◎X5

価格●798~1045万円

クーペフォルムを採用した独創的なSAV、X6は、今年6月にマイナーチェンジを実施している。ヘッドライトやキドニーグリル、リアコンビネーションライトなど、外装デザインの変更が目を引くポイントだが、バンパー左右のエアインテークやそこにビルトインされるフォグランプの処理も新しく、スポーティなフォルムに磨きがかかっている。407psの4.4ℓV8直噴ターボに8段A/Tを組み合わせた上級グレードの“xDrive50i”では、車速やナビゲーションシステムのルート案内(矢印表示)などをウインドウスクリーンに表示する“BMWヘッドアップディスプレイ”を採用し、フロント275/40、リヤ315/35サイズのタイヤと20インチの“Yスポークスタイリング336アロイホイール”を標準装備とした。

ここに注目!・今年6月にマイナーチェンジを実施し内外装をブラッシュアップ・20インチ“Yスポークスタイリング336アロイホイール”標準装備・フルLEDタイプのヘッドライトをオプションでセレクト可能

X6◎X6

価格●856~1132万円

高級セダンの快適性とクーペのようなスタイル、さらにSAVのユーティリティを兼ね備えたクロスオーバーモデルとして仕立てられたのがグランツーリスモである。2009年3月のジュネーブ・ショーで発表され、日本発売は同年の11月から開始。現行ラインナップは3ℓ直6直噴ターボで306psを発揮する535iグランツーリスモと、450psの4.4ℓV8ツインターボを搭載するトップモデルの550iグランツーリスモの2モデル。全長×全幅×全高=5000×1900×1565mm、ホイールベース3070mmという数値は現行の5シリーズセダンを上回るもの。特徴的なハッチバックスタイルを採用するが、リヤエンドのトランク部分だけ独立して開閉することも可能だ。

ここに注目!・セダンの快適性とクーペデザイン、SAVの多様性を兼ね備える・全車最新のエンジンオートスタート/ストップ機能を採用・リヤのトランク部分だけ独立して開閉できるユニークな機構

5 Series Gran Turismo◎5シリーズ・グランツーリスモ

価格●884~1114万円3シリーズをベースにM社が高性能マシーンを造るという伝統を守り続けて4世代目となる現行モデルは、2007年の発表。同年9月から日本にも導入され、導入初期にはセダン(E90ベース)もラインナップしたが、現在では6段M/T、7段M DCTともにクーペモデル(E92ベース)のみの販売だ。フロントバルクヘッドぎりぎりに置かれたM3シリーズ初となる4ℓV8エンジンは、最高出力420ps/8300rpm、最大トルク40.8kgmを発揮。そのエンジンを収めるためボンネットはパワードームと呼ばれる専用アイテムを採用し、同様にバンパーや各フェンダー、ルーフなども軽量化を行った専用パーツとなる。ベース車との共通パーツは2割程度であり、M3がいかに走りに特化したスペシャルモデルかが伺い知れる。

ここに注目!・特別な歴史と特別なパフォーマンスを持つスペシャルモデル・420psの4ℓV8と7段DCTがもたらすエキサイティングな走り・サーキットから日常使いまでをこなすフレキシビリティさ

M3 Coupé◎M3クーペ

価格帯●1018~1068万円

2012年1月から日本でもデリバリーを開始した5代目M5(F10)は、最高出力560ps/6000rpm、最大トルク69.3kgm/1500-5750rpmを誇る4.4ℓV8直噴ツインターボを搭載。トランスミッションはデュアルクラッチ式の7段M DCT Drivelogicのみで、ステアリング位置は左右から選択可能だ。「BMW M社の哲学とレーシングテクノロジーを惜しみなく注ぎ、サーキットで楽しめるハイパフォーマンスとラグジュアリースポーツセダンの要素を両立させた」とBMWが語るように、ボディの軽量化と空力の最適化を実施。コンパウンドディスクブレーキやアクティブMデファレンシャル、Mスポーツサスペンションといった専用装備を大幅に採用し、シリーズ最高の運動性能を披露する。

ここに注目!・最高出力560ps、最大トルク69.3kgmの4.4ℓV8直噴ツインターボ・先代のV10からV8にダウンサイジングしながらも50ps以上向上・パワーウェイトレシオ3.3kg/psを誇る高い運動性

M5 Sedan◎M5セダン 

価格帯●1495万円

初代E24から数えて3代目となる新型M6は、2012年2月に本国で発表、4月から日本でも受注を開始した。搭載されるエンジンは、M5と同じ最高出力560ps、最大トルク69.3kgmを発生する4.4ℓV8ツインターボで、これに7段M DCT Drivelogicを組み合わせる。M6クーペでは、カーボンファイバー製のルーフが与えられるほか、空気供給を最適化した大型エアインテークを備えるフロントバンパーや、Mデュアルツインエキゾーストテールパイプ、Mライトアロイホイールスタースポークスタイリング344Mと名付けられた鍛造19インチホイールなど、外観上の見所は多い。クーペモデルは4.2秒、カブリオレは4.3秒で0-100km/h加速をこなすなど、Mを名乗るにふさわしい性能を有す。

ここに注目!・4.4ℓV8直噴ツインターボは560ps、69.3kgmを発生・スタイリッシュで躍動感溢れるアグレッシブなエクステリア・高性能車ながらブレーキ回生システム搭載などエコにも配慮

M6 Coupé/Cabriolet◎M6クーペ/カブリオレ

価格帯●1695~1760万円

2012年6月にマイナーチェンジされたばかりのX5 MおよびX6 Mは、新たにLEDヘッドライトを標準装備したほか、キドニーグリル、リヤコンビネーションランプのデザイン(X6 M)を変更。また、ブレーキキャリパーはブルーメタリックにペイントされ、フロントキャリパーにMロゴが刻印された。今回標準装備されたLEDヘッドライトは、スモールライトリング、ハイビーム、ロービームに、太陽光に近いクリアな白い光を放つLEDを採用し、少ないエネルギー消費量を実現すると同時に、夜間に個性的な表情を演出する。エンジンは555ps/69.3kgmを発生する4.4ℓV8直噴ツインターボで、6段A/Tとの組み合わせなど、パワートレーンに従来型からの変更はない。

ここに注目!・電力消費の少ないフルLEDヘッドライトを新たに標準装備・ブルーメタリックにペイントされたブレーキキャリパー・ベースとなるX5/X6同様に外装をブラッシュアップ

X5 M/X6 M◎X5 M/X6 M 

価格帯●1471~1495万円

Gasoline ●ガソリン

ACJ114_P085-104 BMW.indd 104 12/09/18 20:47